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【Klimt】さんのレビュー一覧

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1~25件/49件 を表示

  • バンドデシネ風スチームパンク格闘技
    この作品は日本人作者ですがバンドデシネ(B.D.)というヨーロッパ系の漫画スタイルで描かれているので左開きの横書き台詞、芸術的な雰囲気の絵柄で描かれている珍しい作品です。更にいえば効果音等も全部描き文字ではなく写植で書かれていて一般的な日本の漫画とは表現方法がかなり違います。
    私自身はB.D.は読みにくさから著名な作品数冊程度しか読んだことがありませんが、こちらの作品は一部のカラーページを除き全編白黒なのと、台詞が翻訳ではなく元から日本語で描かれたストーリーからか本場のB.D.よりもかなり読みやすく感じました。
    身体の一部を機械改造した人間が戦う「機械拳闘」という激しい競技がテーマで軽いグロ描写もある作品ですが繊細な絵柄もあり血なまぐささはさほど感じません。
    が、逆に言うとアーティスティックな雰囲気が全面に出すぎてバトルの迫力は控え目なのと何をしているのかいまいち分かりづらいともいえます。
    連載していた雑誌が廃刊になり他紙に移籍する関係で一旦区切りの良い所でとりあえず終わらせた印象です。その影響があったかどうかは分かりませんが最後やけに壮大な話になって終わったように感じました。
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    投稿日:2017年09月15日
  • ネタバレあり
    古代~現代史歴史ファンタジー
    現在連載中の作品なので5巻時点での感想です
    関ヶ原の戦いでの島津の退き口と呼ばれる迫力ある戦いから物語が始まりますが、戦国時代の物語ではありません。SF的な設定やエルフやゴブリン等のファンタジー要素も多く出てきます。
    日本史だけでなく世界史における古代、中世、近世、近代、現代史の様々な偉人が登場するので世界史に詳しい人ほどより楽しめる作品かと思います。しかしこの作品に限ったことではありませんが偉人のキャラの味付けがかなり濃いめなので思い入れのある歴史上の人物がいる方は要注意です。
    大胆な絵柄と戦略に基づいたバトルシーンで迫力満点のストーリーですがハイテンションのギャグシーンが多いので重苦しすぎず読みやすく感じました。また、単なるバトル描写だけでなくSF要素も感じるような伏線めいたものも多数あり、続きが楽しみです。
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    投稿日:2017年09月14日
  • ネタバレあり
    BLAME!好きな人はハマるかも
    まず最初に同作者の作品でやや傾向が違う「BLAME!」と「シドニアの騎士」の中間辺りに発表された作品ですが雰囲気としては「BLAME!」寄りです。
    西暦3000年代の地球でとあるウイルスによって起こったバイオハザードから人類を救うべく戦う主人公の話です。
    4巻の地球でのラストバトルまでは濃い密度のストーリーで描かれていますが、5巻以降は話が急速に進み細かな描写が多く省略されているような印象を受けました。そこに地球でのラストバトル後の時空の歪み?的なものの影響で登場人物の時間軸がずれていることも合わさり一気に話が分りにくくなります。
    とはいえ、物語冒頭からの重要な謎はほぼきちんと回収していますし、ストーリーの要所要所の繋がりはちゃんとあります。特にラストシーンが物語冒頭にかぶせる様な演出だったのが好みでした。
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    投稿日:2017年09月12日
  • ネタバレあり
    人々が薄明かりの中生活する幻想的な世界観
    小さな人口太陽だけが空を照らし多くの人々が薄明かりの中生活する幻想的な世界観の作品です。人の「こころ」をエネルギー元として戦うこともあり、バトルのエフェクト等も少し変わっていて綺麗です。
    序盤はある特殊な力を持った少年配達員が各地に点々と散らばる村々へ手紙を届けていく一話完結のヒューマンドラマですが、中盤頃から国民を欺き搾取し続ける中央政府への疑念や非道な人体実験、クーデターを目論む反政府組織、格差社会などのシリアスなキーワードが話のポイントになってきます。とは言ってもさらっと表面的に触れるだけでほぼ掘り下げられませんし正直ツッコみ所も多いです。少年漫画なのでシリアス部分をそこまで深く掘り下げる必要はありませんが、さすがに一話から描かれていた中央政府についてはもう少しきちんと描いてほしかったと感じました。
    ラストについてもぱっと見は大団円ですが、作中で主人公が今まで目指してきたことや説明と矛盾しすぎていてよく分かりませんでした。
    ストーリーの矛盾は気にしないのであれば幻想的な世界観や可愛らしい絵柄、ベタながら感動的なヒューマンドラマはとても魅力的です。
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    投稿日:2017年08月30日
  • SF民族紛争
    連載中の作品なので21巻現在の評価です。
    SF世界での民族紛争や階級社会が巧みに描かれた作品です。序盤の数巻は各民族名や関係性に加え特殊な専門用語が多く、それらを覚えるのがやや大変ですが各民族ごとに外見的特徴が分かりやすく描き分けられている上、ストーリー自体はさほど難しくなく、きちんと整頓されながら進むので大まかにでも一度名称を覚えさえしてしまえば比較的すんなりと読み進められるかと思います。
    民族紛争なのでバトル描写はありますが、どちらかというと戦いに至るまでに登場人物がどのような決断を下したのか、という所に面白味がある作品のように感じます。
    なので戦闘前の作戦会議や登場人物が右往左往しながら模索していくような群像劇が好みでない方にはあまりおすすめできません。
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    投稿日:2017年08月27日
  • 魔法陣好きにはたまらない
    連載中の作品なので2巻時点での感想です
    とある田舎に住む魔法に憧れる少女が魔法使いと出会い、ある目的を叶えるために魔法使いの弟子となるストーリーですが、この作品では一般的にイメージするオーソドックスな魔法と少し違っていて魔法陣がたくさん登場します。
    緻密に描きこまれた絵や衣装等の細かな設定が素晴らしくファンタジーの世界観にどっぷりはまれます。
    柔和な雰囲気の魔法使いの青年を師とする魔法使いの弟子の少女たちが中心となってストーリーが進みます。やや王道的ではあるものの世界観も相まって子供っぽい話には感じません。
    日常生活も含めた魔法使いの世界を堪能できる作品です。
    • 参考になった 1
    投稿日:2017年08月23日
  • 紙書籍との違い
    魂の輪廻、つまり生まれ変わりを信仰するとある国を舞台に懲役339年という途方もない罪を背負った罪人ハローについて描かれた作品です。
    何とも重苦しいタイトルですがグロさはほぼ無いと言ってもいいレベルです。
    全4巻ながら内容が濃く、細かな前フリが所々効いていてストーリーがしっかりしています。終盤はやや駆け足のように感じましたが余韻を感じさせるエピローグもありとても綺麗にまとまっていると感じました。
    衝撃の展開や派手なバトルなどを求める方にはあまり向いていないかもしれませんが、権力争い系が好きな人は好みの類かと思います。
    最初の方は少し絵が不安定な所もあったりして好みが分かれてしまうかもしれませんが、そもそもこの作品は少し特殊な連載経緯があり、編集部の方のレビューにある通り連載デビュー作というより投稿作品としての始まりなので初期の不安定さはある意味仕方ないともいえます。私自身はむしろよくこんな作品を編集さんのいない投稿作品で描けるなという驚きの方が勝りました。
    元々紙書籍で持っていたので違いについてですが、現時点では全巻裏表紙、カバー折り返し部の作者コメント、カバー下にある教典の一節のような詩、4巻カバー下おまけ漫画は収録されていません。
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    投稿日:2017年08月22日
  • 異文化の暮らしならではの価値観を描いた短編集
    インディアンのとある村に伝わる戦士の儀式の話、冷戦下ソ連の収容所、遭難してエスキモーの村に辿り着いたイギリス人青年の話がそれぞれ2~3話単位のショートストーリーで描かれています。
    現在の日本の価値観からすると一見冷徹に思えるような登場人物の言動もそれぞれの文化や社会情勢下では信念を持った意味のあるものであったことを感じさせる描き方をされていて、さらっと読める短編集ながらもメッセージ性があります。
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    投稿日:2017年08月18日
  • 「ダンジョン飯」きっかけ
    「ダンジョン飯」がきっかけで遡って過去作品を読み始めたのですが、この作品集はかなり満足度が高い一冊でした。
    短編集なのでそれぞれの話でシリアス成分多めだったりギャグ要素多めだったりと差はありますが、今の連載に通じる九井先生の世界観を堪能できます。
    また、この作品集で一番驚いた点は絵柄や表現の幅の広さです。一貫してファンタジーやSF的な世界観がベースなものの、中世の西洋風のドラゴンが出てくる話から水墨画風のタッチで獅子が出てきたり、現代を舞台にファンタジー要素を妙にリアルに組み込んで育児エッセイ風に描かれた親子の話など様々なテーマで描かれており、たくさん引き出しを持った方なのだと感じました。
    • 参考になった 0
    投稿日:2017年08月16日
  • 一見ざっくりした日常系ギャグだけど設定が細かい
    探偵に憧れるちょっとアホな女子高生が主人公が住む商店街を舞台にした日常系ギャグ漫画で個性的な登場人物が多いですが基本的に健全なストーリーな上、不快感のあるキャラがいないのでかなり読みやすいです。
    一話完結で時系列に沿って進んでいくので基本的にはどこから読んでも大丈夫ですが、途中から時系列がランダムになったりするので「この話は○話の後に繋がるストーリーだな」とかそういったことを台詞などから読み取りながら読むと、一見ざっくりした単発ストーリーが実は非常に細かな設定で描かれていたことが分かります。
    また、この作品の一番面白い所は前フリやパロディネタが非常に多く、読み返す度に新たな発見があったりします。パロディについてはぱっと思い出せる範囲でもジブリ、ドラえもん、ジョジョ、太陽にほえろ!、ゲーム作品、有名小説、実在する人物等、元ネタがかなり多岐に渡っているのでそれらを探してみるのも面白いと思います。
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    投稿日:2017年08月15日
  • アイデンティティについて考えさせられる作品
    ある日、朝目覚めたら女子高生とアラフォーの冴えないおじさんの人格が入れ替わっていたことから始まる話です。
    こういった入れ替わり系の話はよくありますが、この作品の面白い所は男女の入れ替わりにラブコメだったりそういった「明るいハプニング」的な雰囲気が一切無く、ある日突然見知らぬ誰かと入れ替わってしまったことで失った元の自分の人生と、入れ替わり後の人生のささやかな喜びや悲しみが淡々と描かれていくことです。
    自分を自分たらしめていたものをおおよそ失った時、「自分らしく」とは何を指すのか。そういったことを自然と考えさせらるような作品ですが小難しい雰囲気はありませんし全二巻とコンパクトにまとまっていて読みやすくおすすめです。
    • 参考になった 0
    投稿日:2017年08月15日
  • 近未来の滅びゆく日本、横浜周辺を舞台にしたSF日常物
    まずこの作品はさほど古い作品ではないのですが、こちらの全14巻の旧バージョンは絶版状態で紙書籍で手に入れるのが難しい為、電子書籍で読むことができるのは非常にありがたいです。
    近未来の日本、横浜周辺を舞台に主人公の何気ない日常生活が描かれています。近未来SFながら、地殻変動などでゆるやかに滅びゆく世界を描いているので人々の暮らしは昭和初期のような慎ましい生活をベースに近未来要素がミックスされて独特のノスタルジーさを醸し出しています。
    全体的にゆるい雰囲気の短編が続くようなストーリーで、作中世界の設定もはっきりと説明されていないことが大半なのと感情表現などもはっきりとした台詞などではなく、登場人物の性格や関係性などから雰囲気を読み取るような部分が多いです。
    従って考察や想像しながら読んだり物語の空白部分も楽しめる方におすすめだと思います。
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    投稿日:2017年08月06日
  • 紙書籍との違い
    人類存亡をかけて人型ロボットに乗りこみ未知の生物と宇宙空間で戦うようなSF要素の濃い作品ながら、戦闘の合間の日常シーンやラブコメさながらの主人公を取り巻く恋愛模様も描かれているので重くなりすぎず比較的読みやすいと思います。
    ただしヒーロー系のキャッチ―な決め技や台詞があるタイプの話ではありませんし、人によっては戦闘シーンが細かくて理解しづらいかもしれません。
    全15巻と短すぎず長すぎず丁度読みやすく、ちゃんとストーリーが完結した後の後日談も描かれ少し余韻を残した終わり方で綺麗にまとまっています。
    いわゆる「ラッキースケベ」程度はちょいちょいありますが、エロ要素なし。
    グロさもかなり軽い部類だとは思いますが人体模型レベルの人体構造の描写、触手状の物が苦手な方は要注意です。
    同作者の作品の「BLAME!」とはまた違った雰囲気を持っていますが、建物や配管が密集した広大な室内空間の描写や、直接的な繋がりはないものの過去作でも出てきた印象的な企業名や名称が出て来るので弐瓶先生の世界観を充分楽しめるかと思います。
    元々紙のコミックで全巻持っていたので電子版との違いについてですが、
    現時点では1~11巻はカバー折り返し部の各話タイトル見出しなし、裏表紙なし、カバー下の単色または線画同カバーイラストなし。
    ただし12巻~からは上記全て収録されています。
    全巻で各巻の巻頭・特典カラー絵はそのまま収録、次巻予告あり、おまけページあり
    • 参考になった 1
    投稿日:2017年08月05日
  • タイムパラドックスのないタイムトラベル
    表紙イラストが可愛らしい女性のイラストばかりなので一見すると美少女が出てくる恋愛ストーリーのように見えますが、表紙から感じるイメージよりもSF要素濃いめの作品です。
    近未来の東京近郊を舞台に、過去の世界を仮想現実で体験できる、いわばタイムパラドックスのないタイムトラベル体験を売りにした研究所でのストーリーです。
    序盤は1話から数話で完結する短編で進んでいきますが、巻を追うごとにメインストーリーが大きく関わり始めSF要素も濃くなっていきます。
    設定や結末自体は好きなのですが、心理描写が極端で強引に感動的にしようとする展開が多く、気持ちがついていけない部分が多々あったので評価を低めにしました。ドラマチックな展開が好みで感情面のリアリティはあまり求めない方だったら気にならないかもしれません。
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    投稿日:2017年07月28日
  • RPG要素×シュールな笑い
    連載中の作品なので4巻時点での感想です
    オーソドックスなRPGやファンタジーな世界観をベースに描かれています。そういったジャンルが好きな方にとっては一種の「あるあるネタ」も楽しみながら読めますが、普段その手の作品をあまり手に取らない方にとっては一部の基本的な用語(例えば「エルフ」等の種族)の説明が省略されている為、何について話しているのか少し分かりづらい部分もあるかもしれません。
    かなりざっくり言うと「食料買う金が無いからダンジョン内でモンスターを食べてしまおう」というストーリーですが初見の未知のダンジョンに挑むのではなく、一度敗れたダンジョン内にある目的を果たす為に再度挑戦するストーリーの為、探検感はやや薄めです。
    シュールな笑いが多く描かれた全体的にゆるい雰囲気のストーリーですが、大事な場面ではきちんと見せ場が描かれていたり、前フリや伏線が効いている演出も多くストーリー自体はしっかりと芯がある印象です。
    各モンスターの解剖図や調理法も妙に説得力があり、世界観に浸れます。
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    投稿日:2017年07月25日
  • フィクションながら連載当時の時代性がよく描かれている
    1巻表紙の絵柄から何故かサイコキラー風な雰囲気を感じていたのですが、それは全くの見当違いで流血描写こそあれど、グロさはありませんのでそういった描写が苦手な方でも大丈夫です。
    「シンブンシ」というサイバーテロ犯を描いた作品ですが、実際に起きた事件や社会問題、騒動をもじった出来事がかなり多く登場します。元ネタを知らなくても問題なく楽しめますが、当時のニュースを知っている人であればすぐにピンと来る位、かなり攻めた描き方をしています。
    結末については少し意外な所があり、好みが分かれる部分かと思いますが、今までの主人公の言動の端々にある違和感を考えるとしっくり来て整合性も充分あり好みでした。
    全3巻と短い中で犯行の動機、準備、手法、重要人物の必要最低限のバックボーン、ちょっとした余韻まで描かれストーリーがとてもよくまとまっていると感じました。
    短いながらもかなり満足感がある作品です。
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    投稿日:2017年07月19日
  • ネタバレあり
    日常の延長線上にある戦争を描いた作品
    広島でごくごく普通に暮らす主人公の日常の延長線上にある戦争を描いた作品です。
    戦時中の悲惨さをドラマチックに描くのではなく、非常時の中でも現代の人と何ら変わらず毎日の暮らしがあり、材料が無い中でも工夫して食事を作り、面倒な家事をこなし、笑ったり時には怒ったりしながらも、明るくいようと努める健気な暮らしぶりが描かれています。戦況が佳境になる前の中盤辺りまでは比較的ほのぼのとしていて明るい雰囲気でこういった作品に苦手意識がある方も読みやすいと思います。
    終盤は本来なら少し未来への希望が溢れる暖かなシーンですが、その後の歴史を知っている読者からすると様々な細かな描写から悲しい未来が見えてしまうという物悲しい終わり方になっています。
    物語は主人公の幼少期の話から始まりますが本筋の序章にあたる部分の「冬の記憶」「大潮の頃」は他の話とは少し異なりファンタジー要素を含む終わり方をしています。その後の「この世界の片隅に」とタイトルがついた部分は全て「第○回 ○年○月」という形で年月が入った題名になっており、史実に基づいた物語となっています。
    この題名が例えば1話だと「第一回 18年2月」となっており、年号が省略された書かれ方をしています。個人的にはこの日記のような日付の表示の仕方が印象的で、作中これから描かれる歴史を既に知っているが故に作中の日付が進む度、この作品の結末は悲劇的なものになると勝手に決めつけるようなメタ視点を無意識に持っていたことに気づかさせられました。
    また、作者のあとがきから「昭和18年から21年」を描いたこの作品は「平成18年から21年」にかけて連載されていたことを知った上に、雑誌への初掲載日も作中の時期に合わせ掲載していたようで、作者の作品や実際に戦争の犠牲になった方たちへの強い想いを感じました。
    電子版と紙書籍の違いですが電子版は表紙が表分のみ、カバー折り返し部と裏表紙、カバー下絵は無し。各話ごとの初掲載日のクレジット無し。最終巻の参考文献や作者あとがきは収録。
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    投稿日:2017年07月15日
  • 全2巻なので気軽に読めるSFロマン
    「ラフナ」という反重力物質が支配するラフナスという惑星を舞台に、環境に合わせ飛べるように進化した人々と突然変異の先祖返りで旧人類同様飛べない主人公の人間模様を描いた物語です。
    私は普段からSF作品が好きで旧作新作問わずよく読むため、展開が多少強引だったり説明不足な場面があっても過去に読んだ作品の設定を参考にしながら勝手に脳内補完しつつ読み進めましたが、全体的に設定というか世界観がいまいち分かりにくい所があります。
    何から何まではっきりと説明する必要はないかと思いますが、微妙な細かい部分の説明や描写は多い割に一番面白そうな本筋部分の世界観の説明はあっさりしていて雰囲気で感じ取る程度なのが少し残念に思いました。
    そしてそれはSFロマンのロマンス部分、つまり恋愛描写に重きを置いているからなのかといえばそうでもありません。恋愛要素はありますがストーリー展開の勢いついでのような感じでドラマティックであるものの感情移入はしづらく感じました。
    良くも悪くもSF部分と恋愛模様が均等に描かれている為にどっちつかずで薄め合ってしまったような印象ですが、全2巻・約350ページ程度という短さの中でメインキャラのバックボーンにも触れつつ恋愛しつつ人々の生活様式を描きアクシデントに立ち向かった上で余韻を残しつつ話をまとめるのはすごいと思います。世界観は好きだったので同じテーマでじっくりと長編で読んでみたいとも思いました。
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    投稿日:2017年07月15日
  • ニッチな作品に見えて読みやすい
    2017年7月現在発売されている4巻までの感想です
    動物たちが人間のような文明社会な中で肉食・草食分け隔てなく生活していく中での人間模様を描いた作品です。主人公は全寮制の学校に通うハイイロオオカミの男子高校生で大型肉食獣でありながら内向的な性格というギャップが面白いです。
    動物が文明社会の中で暮らし一見均衡のとれた社会に見えるものの、肉食獣と草食動物の潜在意識には大きな差があり、文明化しようとも消し去ることのできない肉食本能が社会の闇として時折見え隠れする・・という設定だけ見ると近年アカデミー賞を受賞した某アニメーション映画をつい連想していしまいますが、そちらよりも大人向けの作品として一段も二段も踏み込んだ設定・描写になっています。従って子供が読むのには向いていません。
    例えば衣類に獣毛は使わないのか?直接命を奪うわけではない乳や卵も食べてはいけないのか?性生活はどうなっているのか?そのような細かな所にまで設定がきちんとあり、作中でさりげなく説明されています。
    何よりこの作品の面白い部分は設定が細部までよく練られている上、心理描写が丁寧なので擬人化動物の少しシリアスな学園生活というニッチなテーマと裏腹に大変読みやすく、ついつい登場人物に感情移入してしまう部分もあります。
    あまりハードな物は読めないけど普通の学園ストーリーでは物足りない方におすすめです。
    電子版では1~3巻まではカバー裏のおまけ4コマが収録されていませんでしたが、4巻からは収録されています。
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    投稿日:2017年07月09日
  • 一冊あたり約400ページの大ボリューム
    1冊辺り400ページもの大ボリュームな作品です。こちらは「COMPLETE EDITION」とある通り「完全版」にあたる編集版の為、1冊につき通常の単行本2冊分程収録されています。
    世界各地を旅する冒険屋のボルト・クランクという謎多き主人公が様々な事情を持った依頼人からの依頼をこなしていく中での人間ドラマを描いた作品です。
    全編一話~数話完結の短編ストーリーをまとめたような作りになっていますが、15話辺りを過ぎたころからバラバラだったはずの各話の繋がりが見えてくる他、「ボルト・クランク」という人物についてのメインストーリー的な部分も同時進行していきます。
    数話で完結するストーリーはどちらかというと義賊的な雰囲気でかなりベタな展開でありながらも伏線がきちんと仕込まれているものが多く、似たような展開があってもさほど飽きを感じさせません。
    数話単位で少しづつ読んでももちろん楽しめますが、細かく仕込まれたネタがとにかく多いので数冊単位で一気読みするとまた新たな発見があると思います。
    細かな伏線やちょっとしたトリックが多くて読み込む程に楽しめる作品だとは思いますが、メインストーリーの核心部分については若干抽象的な部分が多めです。特にラストの演出と今までの主人公の言動に矛盾を感じ気になったので満点評価にはしませんでした。
    • 参考になった 1
    投稿日:2017年07月08日
  • パニックホラー&サバイバル
    端的に言うと脱出ゲームのような始まりのストーリーですが話が進めば進む程深まる謎に引き込まれます。全編通してグロめなので、そういった描写が得意でない人は要注意です。系統でいえばB級ホラー映画のゾンビやシリアルキラーのような表現が平気な人は大丈夫だと思います。
    グロめの描写が続きますが主人公が明るく頻繁に軽口を叩くのと、ちょいちょい女の子が可愛いので緊迫した雰囲気こそあれど陰鬱さはなく、こういったジャンルの中では比較的読みやすいほうだと感じました。
    序盤~中盤辺りは細かな伏線回収等もありますが、終盤は結構ざっくりとまとめてきたかな?という印象です。一応物語の重要な部分の謎や最終回付近の気になる描写はきちんと回収して終わりますが、序盤と比べるとかなり駆け足気味で細かな描写は大分省かれているような印象を受けました。
    ラストの演出は個人的にはかなり好みの系統な上に恐らく最初から結末は考えた上で執筆されたように感じたので不満は全くありませんが、上でも書いた通り大人の事情からなのか最終回付近がやたら駆け足で説明不足なので物語根幹部分の種明かしには若干違和感を感じる部分もありました。
    とはいえ、全8巻の割に内容が濃く満足感高めの作品だと思います。
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    投稿日:2017年07月06日
  • 史実ベースに大胆なフィクションが面白い
    実写ドラマと映画二作が作られているので未読でも「男女逆転の大奥」というキャッチ―なフレーズを耳にしたことがある方も多いかもしれません。
    この作品は江戸時代の史実をベースに、男性にのみ罹患する赤面疱瘡という致死率の非常に高い病によって男女比率が極端に偏り、江戸時代における本来の男女の職業や考え方が真逆になったような世界観です。女性は力仕事や政治に積極的にかかわり、男性のほとんどは子孫を残すための貴重な存在として怪我や病にかからぬよう家で大事に扱われています。
    歴史に詳しくない人でも問題なく楽しめますが、歴史好きにとっては将軍さえも男女逆転した大胆な設定を上手く史実と絡めて落とし込んでくる所に大きな魅力を感じるかと思います。
    政治的な出来事だけでなく、歴史上の偉人達の一般的に広まっているイメージや人物像も男女逆転した登場人物にきちんと反映されていて、漫画ならではの面白さ・楽しみ方だと改めて感じました。
    作中の時系列はほぼ史実取りに進んでいきますが、それと共に徐々に明らかになっていく赤面疱瘡という奇病の謎もきちんと描かれていて面白いです。
    • 参考になった 1
    投稿日:2017年07月02日
  • 大人にこそ読んでほしい
    超有名作品なので読む前からメディアで巨人の絵を見たことがある人が多いと思います。かくいう私も読む前に「人体模型のような巨人がでる」「巨人が人を食べる」「作者の絵に賛否両論ある」という偏った前情報を持ってパニックホラー系かと思いながら読み始めましたが、いざ読み始めると当初のイメージとは大きく異なる緻密でメッセージ性の高いストーリーに驚きました。
    確かに衝撃的でややグロテスクなシーンもありますが、インパクトを出す為いたずらにそういうシーンを乱発しているわけではなくストーリー的にも演出的にも意味のあるものとして効果的に使われている印象を受けました。
    絵柄についても確かに初期の頃は人物のバランス等がおかしなシーンも見受けられますが、その初期の頃から巨人の不気味さと迫力がありながら見やすいバトルシーンはずば抜けて素晴らしいですし、ここ一番の見せ所ではハッとさせられるようなシーンも多いです。
    そしてこの作品の一番面白い所は、漫画にはある程度ベタながらも熱い展開になる「お決まりのパターン」というのがありますが、そういった甘ったるいお約束事を一切無視してくる先の読めなさにあると感じました。しかし単に奇をてらった展開という訳でもなく、ストーリーが進めば進むほど序盤の何気ないシーンが意味を持ち始めるようなストーリーの緻密さには驚きを超えて感動すら覚えます。
    • 参考になった 3
    投稿日:2017年06月29日
  • ネタバレあり
    一話のシュールさからは想像できない
    エロ本を探す少年たちのシュールな話から始まり、その後もどこかゆるい世界観の短編が続きますが最後に全ての物語が意外な所で繋がりだします。点が線となった時、物語は一話目からは想像できないような静かで物悲しい終わりを迎えます。
    • 参考になった 0
    投稿日:2017年06月29日
  • どこか風の谷を感じさせる
    まだ連載中の作品なのであくまでも2017年6月時点9巻までの感想です
    広大な砂の海を漂う「泥クジラ」という船上国家に暮らす「記録係」の少年が主人公のストーリーで、一巻から退廃的ながらも美しく詩的で独特の世界観にぐいぐい引き込まれます。繊細な絵柄や、狭い世界の中で自然を愛し素朴に生きる人々、悠久の歴史を感じさせるモチーフ等、どこか「風の谷の」某マンガに通じるような雰囲気を感じました。
    ストーリー自体はサクサクとかなりテンポよく進みますが、それと引き換えに閉鎖的な空間で暮らしていた割にクジラの民の考え方がやけに柔軟で物分かりが良かったり、序盤では政治的に重要な取引が割とあっさり済むのはご愛敬でしょうか。
    また、全体の雰囲気を重くしすぎない為にわざとそうしているのかもしれませんが、序盤で生死を分けるようなシリアスな場面の最中にまるで談笑している時のような軽い雰囲気の言動のコマが挟まれることが幾度かあり、重要な場面でせっかくの緊迫感が削がれる感じが個人的には気になりました。
    その他にはストーリーとは大して関係ありませんが、主人公を筆頭に男性キャラがみな端正で中性的な容姿の人物が多く、ぱっと見では性別が分からない人が多いので人によってはキャラの見分けや関係性に混乱するかもしれません。一応、キャラの言動や日本語ならではの一人称の違いで性別はある程度予測できます。
    長くなってしまいましたが上記の幾つかの気になる点を除いても、一度読んでみて損はない作品だと思います。
    紙書籍と違い電子版では裏表紙のカラーイラスト、カバー折り返し部の作者コメント、次巻予告が収録されていませんが、4巻末にはebook限定のリコスのカラーイラストがあります。(紙書籍の購入特典でついてくるメッセージペーパーみたいな感じのもの)
    • 参考になった 2
    投稿日:2017年06月29日