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  • 井上ひさしさんが逝った――。「むずかしいことをやさしく、そしてやさしいことを深く」を追求しつづけてきた「ことばの人」でした。その井上ひさしさんが直木賞をうけたのが、「手鎖心中」(1972年)です。十返舎一九、曲亭(滝沢)馬琴、式亭三馬ら江戸の戯作者たちの物語で、絵草紙を書いて有名になりたいといって彼らの仲間入りをした大店の若旦那が、親に勘当を願い出、さらにはお上へのあてこすりを内容とする絵草紙を出して手鎖3日間の処分をうけたあげく、洒落に発する誤解から人の恨みをかって殺されるというのが筋書きで、ストリップ劇場浅草フランス座の文芸部員兼照明係として働いた浅草体験が、江戸の戯作者気質の描き方などに色濃く反映されています。また、井上作品の特徴の一つとなっている言葉遊びも随所にでてきます。「女と酒に入れあげて、身上がてんつるてんのすりきりになる・・・」「両親の許さぬ中は鰻なり、無理に裂かれて身をこがすなり・・・」20数年前、週刊誌編集者として対談原稿のゲラを市川(千葉)にあったご自宅に届けたことが幾度かありました。1階のソファで待っているのですが、井上さんがその特徴ある文字でゲラを直して下りてきたときには夜が明け始めていたこともありました。一字一句を大事にする井上さんゆえの「遅筆堂」ぶりでしたが、井上ひさしという作家の姿勢が見事に表れた、いまとなっては懐かしい思い出です。本書「手鎖心中」の最後の場面。いまからは「十返舎一九」と名乗ると宣言した近松与七の心憶え帳には大きな酔っぱらったような字で、「…わたしの行く道は活写。絵草紙を読む人々の毎日の暮しを、髪床や風呂屋での人々の会話(やりとり)を、そして、浮世のすべてを活写すること!」とあります。さようなら、井上ひさしさん。(2010/4/23)
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    投稿日:2010年04月23日
  • 「美」に対する女性の欲求・願望は時代を超え、洋の東西を問わず、永遠のものなのだということを実感させられます。書店に平積みされている女性雑誌のほとんどが、美しくなるための情報(知識から商品情報まで)で埋め尽くされ雑誌をめくるのも重くて重くてという状態ですが、江戸末期に出版された本書も美しく装うことにかける情熱においてけっして負けていません。「顔面之部」に始まり、「手足之部」、「髪之部」、「格好之部」、「身嗜(みだしなみ)之部」といった具合に目次は多岐にわたり、そしてそこに展開される内容も女性が知りたいことはすべて網羅しているといってよい。一例をあげておきましょう。顔貌(かお)の色を白うする薬方、色を白くする薬の伝は基本中の基本で詳細に記述されていて当然というべきでしょうが、本書のすごいところはそうした基本に留まらないところです。例えば「鼻の低きを高くみせる方法を教えたかと思えば、恰好之部では顔立ちによる化粧のしかたをすべて絵付きでこと細かに指導しています。さらには長時間の正座でしびれがきたときの対処法もあれば、大小便をこらえる方法まで紹介するほどの念の入れぶり。姿形から立ち居振る舞いにいたるまで、女性が知っておくべきこと、身につけているべきことが網羅されており、その意味で女性風俗の変遷をしるうえでの貴重な文献として東洋文庫にも入っている次第ですが、そこで開陳されている化粧術、現代の視線で再注目されてもいいようです。紹介されている薬類はいうまでもなく化学物質ゼロ、天然ものという、エコ化粧術です。ちなみに本書の書名「都風俗化粧伝」には「みやこふうぞくけわいでん」と読み仮名がついています。「化粧」はここでは「けしょう」ではなく、「けわい」と読ませています。「けしょう」より広義の意味をもち、女性の身嗜み全般に関わる言葉として用いられているところも興味深いですね。(2010/4/23)
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    投稿日:2010年04月23日
  • 取材に行った先で、日本、韓国、台湾の漫画家が作品を提供した同人誌を読みました。これはセリフのない漫画を編集したもので、どこの国の人間でも内容がわかるという仕掛け。ナルホドと思いながら見ていたのですが、このコンセプトならアレでもいけるんじゃないか、と頭に浮かんだのがこの作品。アルピノのエゾヒグマの子供・シロを主人公にした漫画です。セリフをしゃべっているのはほとんどお母さん熊と弟の大ちゃん。物言わぬ動物の生態をギャグにした漫画なので、セリフをざっくりなくしても、勢いや雰囲気だけで笑えると思うんですが。また、本筋のストーリーのほかにも昆虫やら魚を使ったサイレント・ギャグをかましてますから、この部分だけ抽出しても面白い。どこの国でも、生まれてから一度も動物を見たことないなんて人はいないだろうし、擬人化された動物のドタバタ劇は下ネタも含めて万人受けすると思うんだけどなあ。あ、でもウリ坊の「うりうり?」というしぐさのかわいらしさだけは、擬音が無いとわからないかもしれませんけどね。
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    投稿日:2010年04月23日
  • 私が山田芳裕作品を知ったのは、わりと早くて「大正野郎」の単行本が出たころでした。弟の部屋に本が転がっていて、最初は「なんてレトロな絵なんだろう」と思って、あまりそそられなかったんですが、ページをめくっていくうちに、ついつい読み込んでしまっていました。なぜなら、どうしてこんな地味なところを突けるんだろう、という着眼点の凄さと、それを作品にまで仕上げるパワーに心ひかれたから。「大正野郎」はタイトル通り大正時代にこだわっています。そしてその後もスタイルには大きな変化がなく、今回取り上げたこの作品では、こだわる部分が“哲学”に。侍が刺客に対して仏陀を引き合いに出してダメ出しし、林羅山を説いても、作品中では何の違和感も無い。葛飾北斎に意見したり、松尾芭蕉を船頭と語ったり、さらにはソクラテス、ナポレオンなどなんでもござれ。タイトルもパスカルのもじりですし。これがうまく武士道や粋、そして生き方といった、目に見えない観念とマッチしているんですね。まさに一味違う切り口の時代劇、です。
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    投稿日:2010年04月23日
  • 連載時にリアルタイムで読んでいた思い出深い作品です。小中学生の頃に大ハマリした漫画は、大人になって読み返してみると、何であんなに好きだったのかよくわからない事もありますが、この作品は今読み返しても、大好きだったあの頃と同じように、心に響きました。主人公の理乃と圭、二人に憧れた気持ちを20年ぶりに味わえた感動。これからこの作品に出会える、未読の方がうらやましい! 是非騙されたと思って、手にとってください。
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    投稿日:2010年04月23日
  • 専門誌が多数発行されているほどの大盛況を見せている一大ジャンル、4コマ漫画。4コマ漫画は元々好きでしたが、最近は多すぎて何を読んだらいいかよくわからなかったりします。色々な方から話を聞くと、必ず名前が挙がっていた松山花子さん、試しに読んでみたところ、大爆笑! かなりツボにはまって、入手可能な作品は読みつくしてしまったほどです。今ではメジャーな作家さんですが、未読の方はまずこちらの作品をオススメします!
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    投稿日:2010年04月23日
  • 初恋の頃のピュアな気持ちが蘇ってくるような作品です。もどかしいけどまっすぐで、一途で、一生懸命。
    大好きすぎて素直になれない。そんな淡く切ない誰もが一度は青春時代に経験したような物語。
    なかなか素直に想いを伝えられない真緒ちゃんと、ストレートに気持ちをぶつける羽鳥の、一途で切ない純愛ストーリーです。

    お互い片想いし続けた相手だから、なかなか自分に自信が持てなくて、素直になれなかったり、うまく伝えられなかったり。とっても切なくてキュンとします。
    真緒と羽鳥の、個々の視点からストーリーが展開されていて、同じストーリーを二度楽しめるのがいいです。真緒sideだけなら、羽鳥の気持ちが全然わからないし、逆もそう。お互いの想いがとても細かく繊細に描かれてるので、入りやすいです。

    二人をみていると忘れていた何かが思い出され、心が洗われたような気がしました。
    また様々な登場人物の視点から描かれるものの、感情の描写やストーリー展開に矛盾がなく、作者の力量を感じます。
    小出しにされる羽鳥と真緒ちゃんの小さい頃の絡みもいいです。
    とにかく感情描写が細かく完成度が高い。純愛もので読み応えのある作品をお探しの方は一読してみる価値あり!です。
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    投稿日:2010年04月23日
  • この春、実写ドラマ化され話題の作品です。なんだか懐かしい匂いがする帽子に金髪、さらにヒゲ(?)。
    あらためてみると、なんて愛らしいキャラなのでしょう。口がちょっとωっぽかったりして…。ドタバタあり、涙ありと、読めばやっぱり藤子不二雄ワールド。少年だったころの気持ちがよみがえってきます。今度の連休は、久しぶりに藤子不二雄作品にどっぷりつかりたいと思いました。
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    投稿日:2010年04月20日
  • 人の夢は千差万別。みなさんもなにかしらの夢や目標をお持ちだと思います。この本は、 タイトルのとおり、ヘリコプターのパイロットを目指す人のために描かれた非常に専門的かつ本格的な入門書です。もともと作者の友人のライセンス留学体験をもとに漫画にしたものだそうで、ヘリコプターパイロットになるための道のりが具体的に紹介されています。
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    投稿日:2010年04月20日
  • ヘロヘロな描線、殴り書きのようなネーム…ものすごいローファイっぷり。これを商業作品として発売するとは太田出版、さすがのトンガリっぷりです。でも音楽も漫画も、作り出すには「俺がやりたいからやるんだよ」という初期衝動が大事なもの。その衝動はこれでもかってほど伝わってくる作品なんです。ヘロヘロ? ヘタクソ? 関係ねー。やりたいって気持ちがありゃそれでいいんだよってなもんです。作者の大橋裕之はサブカル界隈ではそれなりに名前が知られている人ですが、これが一般受けするかと言われると、絶対しないでしょう。でも個人的には結構好きなんです、この感じ。収録作のひとつ、バンドを組む学生たちの話の中に、“バンドを組んでスタジオに入り、楽器なんてろくに弾けないけどとりあえずみんなで「いっせーの」で音を出す”シーンがあるんですが、その瞬間の独特の気持ちよさがやけにうまく表現されてるんです。同様の経験がある人なら思わずニヤついちゃんじゃないでしょうか
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    投稿日:2010年04月20日
  • もうタイトルそのまんまの話。主人公・稲葉は交通事故で入院している間にものすごく太ってしまい、それによって周りの見る目は変わり、女性からも邪険にされ…と別に人格が変わったわけでもないのに太っただけでここまで周りが変わるか! と同情を禁じ得ません。最近同僚から「シルエットが丸くなった」と言われ始めている身としては、正直人ごとじゃないです。果たして稲葉は痩せられるのか? それは読んでのお楽しみということで。
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    投稿日:2010年04月20日
  • 秋、黄色く色づいた実りの季節もいいですが、一面の緑にうめつくされた初夏の農村の風景が好きです。稲作を生活文化の中心として生きてきた私たちの原点がそこにあるからでしょうか、都会育ちの私でも、なにか懐かしいような気持ちが生まれ、安らぎを感じるのです。田の畦道までが舗装され、都市近郊の住宅地とかわらない住宅メーカーの洋風住宅も建ち並ぶようにもなって、大きく変わりつつある昨今の農村ですが、「農村景観日本一」のサブタイトルをもつ本書は、その名が示すとおりの豊かな農村の四季を温かい目線で追っています。それだけに、共同体の人々の間で連綿として受け継がれてきた農耕儀礼や米づくりにまつわる風習が今後、農業の里が変貌していくなかで、どうなっていくのか、どう変わっていくのか。著者の長瀬道隆さんのレンズを通した訴えを聞く思いがします。農業への回帰が若い人たちの間でブームになっているそうです。ぜひ、この「農の心」を撮り続けた労作を手に取ってみてください。(2010/4/16)
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    投稿日:2010年04月16日
  • 映画にもなっているので、もう少し長い話かと思っていました。「夕凪の街」と2話からになる「桜の国」、合わせて100ページ少々。決して情報量は多くありません。しかしセリフやしぐさの裏側にある何かが心にひっかかり読み応えある作品。生死、愛情、平和…、ありきたりだけど、いろんなことを考えさせられてしまいました。特にそれを意識したのは、「夕凪の街」を読んだ後。原爆が投下されてから10年後のヒロシマ。被曝しながらも生き残った女性を描くこの作品には、全編にうっすらと”哀”が漂っています。そしてほぼモノローグで語られる、繊細ではかないラスト3ページ。なんとなく、白いページにほんのりと薄紅がのって、桜の花びらのようにコマが散っていく、そんな印象を受けました。それでいて、話として何も終わらせてくれない。あとがきにもあるように、読んだ後にどう自分の中で消化していくかによって、この作品の世界観は完結するのでしょう。短い作品でも読後に残る心の作業は多いと思います。
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    投稿日:2010年04月16日
  • デビュー作「最後の妖精」を含む、木村直己の初期短編集がこれ。「監察医朝顔」「天涯の武士」など、青年誌掲載の木村作品を読んだことのある人には、あまりに現在と作風も絵柄も違うことに、ちょっとした驚きを感じると思います。この本に収められているのは、すべてSFファンタジー。そして絵柄は手塚治虫石ノ森章太郎に近い、柔らかなタッチ。漫画家の絵柄は、何年も描き続けていくうちに変わってくるものですが、それにしても現在と比べるとまるで別人のよう。また一方ではそれ以外の絵も描けるんだといわんばかりの、劇画タッチの作品「小雪鬼」なんて作品もあり、将来花開く才能の片鱗も見受けられます。これら5編の短編が中学三年から高校三年の間に発表され、単行本にまとめられていたということにもびっくり。木村直己という漫画家に興味をもった人は、一度読んでおくべきかと思います。今もバリバリの現役漫画家の、キャリアの最初に世に送り出した作品を読むことができるのは、そうそうあることではないですよ。
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    投稿日:2010年04月16日
  • 連日徹夜になってしまうようなデザイン会社に就職してしまった主人公。私のいる職場はここまで過酷ではないと思いますが、一人の働く女子として、大変共感しながら読みました。「辞めたい辞めたいと言ってる会社でも、たまには楽しい仕事だってある」「これ終わったら辞めてやる!」等々。これ、本当に思ってたな~というセリフがあちこちに(笑)。著者が実際に働いていた職場がモデルになっているだけあって、仕事の描写が非常にリアルです。そして描かれる女子力の低下につきましては、諸々検討させられますw 女子力がコンビニに売っていればいいのに…。という方もそうでない方も、是非ご一読下さい!
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    投稿日:2010年04月16日
  • 戦争の物語には、辛く悲惨なイメージがつきまとうものですが、この作品では、戦時中にも幸せな事や、楽しい事があり、人々には日常生活があったんだ、ということが描かれています。読んでいると、自分とは全く関係なく、遠い出来事のように感じていた戦争が、とても身近に感じられ、当時若かった祖母ももしかしたらこんな風に日々暮らしていたのかな、等と思いました。そして、悲劇が起こります。主人公・すずの日常生活を楽しく読んでいたから、より一層その悲劇は胸に刺さります。それでも生きていこう、と思える強さに、きっと読んでいる私たちは励まされるのではないでしょうか。一人でも多くの人に読んで欲しい、後世に伝えるべき名作です!
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    投稿日:2010年04月16日
  • あんな顔の女主人公なんて初めてでとても新鮮でした。最初は米子のビジュアルに抵抗がありましたが、次第に馴れてきて段々と米子が可愛く見えてくるw

    ブスでヘタレな主人公米子が、就職した高校で生徒や先生・親たちと正面からぶつかっていく姿が凄く共感できて応援したくなります。
    米子の自分の顔のコンプレックスや怯えに必死に立ち向かう姿がとても愛しかったです。
    成長していく米子や幼馴染のイケメン三四郎の米子への熱烈なアタックなど、見所満載でとても面白かったです。

    話も教育に触れつつ、でも恋愛要素が要所に収まっているので、テンポよく読めました。かなり笑えるし、熱い気持ちになる良い作品だと思います。
    短めの作品の中に沢山の為になる言葉が溢れていて、何度も頷き、考えさせられました。常に一生懸命で謙虚な米子は凄いと思います。
    読後に心が温まるような素敵なお話です。世代を問わず楽しめる作品だと思うので、ぜひ多くの方に読んでいただきたいです。
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    投稿日:2010年04月16日
  •  アマゾンのキンドルに対抗してアップルがiPadを発売して40万台が売れるなど、アメリカで電子書籍が話題となっていて、30万冊が数日でダウンロードされたそうです。
     その中には作家が亡くなって著作権がきれた作品が少なくないのですが、シャーロック・ホームズシリーズ最後の短編集「シャーロック・ホームズの事件簿」も1990年に著者コナン・ドイルが没して60年たった1990年に著作権フリーとなり、深町眞理子の訳を得て創元推理文庫に加えられました。当初、電子書籍となって提供されたのは、『事件簿』のほか『シャーロック・ホームズの冒険』『緋色の研究』(いずれも阿部知二訳)だけでしたが、それでも熱心なコナン・ドイルファンの間で読み継がれてきた特異なシリーズと言っても過言ではないでしょう。
     ミステリーの謎解きの面白さを凝縮させたホームズとワトソン博士の会話は、いつの時代に読み直してもけっして古くはなく、一級の推理小説だけがもたらすことのできる知的興奮を与えてくれます。長く読み継がれてきた所以ですが、その〈ホームズ・シリーズ〉が、深町眞理子新訳で再編集され、先頃配信開始された『シャーロック・ホームズの事件簿』(東京創元社、2017年4月12日配信)をもって全9巻4長編56短編が完結。
     コナン・ドイルは、最後の短編集『シャーロック・ホームズの事件簿』(シリーズ5)の著者前書きで「読者諸君、いよいよこれでシャーロック・ホームズともお別れだ!」と書きました。有名なフレーズですが、その巻末収録の作品「隠退した絵の具屋」がとくにオススメです。(2010/4/16,2017/4/26改訂)
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    投稿日:2010年04月16日
  • 今年はW杯イヤー。岡田JAPAN、ひどい有様ですが本番どうなっちゃうんでしょうかね。強い代表のためにはまずJリーグが盛り上がらないと! とは言え「海外サッカーは見るけどJはなぁ」って人も結構多いのが現状。しかし! この作品を読めば近隣のサッカークラブに愛着が湧いて思わず試合を見に行ってしまい、気がつけばゴール裏でフラッグを振る熱狂的サポーターになっててもおかしくないです。それくらい丁寧にクラブ運営を描いていて、僕らが見ている“試合”ってのはスタッフのいろんな努力の上に行われてるんだってことがよくわかります。こんなの知ったら肩入れしたくなっちゃいますよ。主役はN2リーグ(現実のJ2に当たる)下位でスポンサーもろくにいない貧乏チームと、そこに出向になった公務員・中島。どん底状態の彼等が行き着くのは……途中からは完全にサポーター気分で読んでました。“おらが街のチーム”をお持ちの地域の方はぜひ読んでみてください!
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    投稿日:2010年04月13日
  • 作家・阿佐田哲也の若かりし頃を描いたこの作品、掲載誌は「少年マガジン」でしたが、少年誌で麻雀をテーマにするって、実はかなりすごい事じゃありませんか? 僕がこれを読んでたのは中学以降で、既にルールも知ってましたが、おそらく「麻雀は全然知らないけど面白いから読んでた」って人も相当数いるはず。それだけで「読むに足る」マンガではないかと。「玄人」を“バイニン”、「打つ」を“ぶつ”と独特の言葉が格好良かったりね。麻雀という基本線の上に少年誌らしい「バトル」や「技」(大抵はイカサマですが)を組み込んでいたのが人気の秘密だったのかなと思います。燕返し、練習したもんなぁ……。
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    投稿日:2010年04月13日
  • 職を失い家族にも去られた男のもとに残ったのは、一匹の飼い犬だけ。病気も患った男は、その犬と長い長いドライブの旅へ──。話題の作品、もう読まれましたか? 人と犬との交流ってなぜこんなに感動的なのでしょう。数ページ読んだだけで、愛くるしいわんこに、ハートをがっちり掴まれてしまいます。「にんげんはいぬのまえではしょうじきになる」って いう作中のことばが印象的でした。犬好きの人なら、ぐっときちゃうシーンが必ずあるはずです。
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    投稿日:2010年04月13日
  • ゆるーいタッチの4コマで描かれているこの作品、てっきりBL好きの女性が自分のことを元に作品を描いたのかと思ってました。読んでみたら彼氏の目から見たオタクな彼女の話だったとは……! 作者の彼女は相当のオタクでBL好きのいわゆる腐女子なわけですが、それでも作者は彼女のことを好きなんだなぁというのが伝わってきます。それにしても時折、彼女の背中のチャックが開き中身が出てくるのですが、なんだろう他人だとは思えない……きっと私にも背中にチャックが付いているに違いない……。ちなみに背中から出てくる『中身』の元ネタって、京都に実在する御園橋801商店街のマスコットキャラだそうです(笑)。
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    投稿日:2010年04月09日
  • 久々に素敵な作品に出会ったという感じです。先生と生徒の恋愛モノは沢山あるけど、ぜひ読んでみてください。読んでみて損はナシ!って作品だと思います。

    ただHなだけではなく、先生の愛情や覚悟の深さ、蜜香の一途さにのめり込んで読んでしまいました。
    恋をした蜜香は全て先生が中心で、先生はそんな蜜香を心配しながら、気持ちを受け止めたり、時には先生の気持ちの方が大きくなってしまって戸惑ったり…。
    先生と生徒という壁に悩みながらそれでも二人で乗り越えていくのは愛が成せる技なのでしょうね。
    加賀先生と蜜香がお互いだんだんと惹かれていく様子、気持ちが丁寧に描かれていて、話の中に入り込めます。
    徐々に見えてくる先生の優しさ、大人さ、カッコ良さ、彼女を包みこむ大きさ、それに、お互いに惹かれ合う二人の愛に羨ましさがつのりました。
    蜜香が先生との出会いによって本当の愛を知り、強く綺麗になっていくのは同じ女性として羨ましく思いました。
    こんなにも真剣に一人の人を想い、その人と共に歩んでいけるのはとても幸せな事ですよね。

    ストーリー、画的にも文句ナシです。エロだけに走らずしっかり作りこんであるので好感が持てます。
    ティーンズだけじゃなく、大人の女性でも純愛にキュンとでき、ストーリーもしっかりしているのでオススメです!
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    投稿日:2010年04月09日
  •  著者は清水徳川家の老臣・村尾嘉陵。江戸城に近い九段に居をかまえ、文化4年(1807年)から天保5年(1835年)にかけて江戸近郊を歩き回って書き残した記録をまとめたのが本書『江戸近郊道しるべ』。西郷隆盛(1828年生)、福沢諭吉(1835年生)、岩崎弥太郎(1835年生)らが生まれた19世紀前半の江戸の近郊風景がリアルに描かれていて興味がつきません。
     江戸城を中心に東西南北、方向別に編集されているのですが、大学を卒業するまで目白近辺で暮らした私はとくに西郊の章にひかれました。落合(新宿区上・中・下落合)、恵古田村(中野区江古田)など馴染みの地名が数多く出てきて一気に読みました。
     一節にこうあります。
    〈椎名町(豊島区南長崎)の入口一豪家あり、慶徳屋と名づく、この地に久しきもの也とて、穀物をあきなふ、この外椎名町商人の家に貧しきはみへず・・・・・・〉
     このあたり、時代小説に出てくることも少なく、はずれもはずれと思っていたのですが、意外にも立派な商家があった様子、目からウロコの思いでした。
     そんな驚きや感動が随所にあります。本書を入れた端末を手に東京をめぐる歴史探訪――ゴールデンウィークの街歩きはいかがでしょうか。
    (2010/4/9)
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    投稿日:2010年04月09日
  • 1782年12月、伊勢・白子の浦から江戸に向かった神昌丸が嵐にあって、8か月後、アリューシャン列島に漂着した。船が大破し、日本へ帰る手段を失って漂流民となった船長・大黒屋光太夫以下16名の船員たちはロシアの過酷な環境の中で一人、二人と命を落としていくが、生き残った光太夫は10年の年月を経て、日本への帰還を果たす。井上靖は、光太夫が、異国の言葉を覚え、倒れていった部下たちを異国の地に葬り、日本への帰還を諦めロシアに留まった仲間に別れを告げ、ペテルブルグで女帝エカチェリーナ二世に謁見して、ついに日本へ帰還するまでの苦難の10年を壮大な物語として組み上げた。巻末371ページにその足跡を記した18世紀のロシア地図が掲載されています。アリューシャン列島からカムチャッカ半島、シベリア、イルクーツク、モスクワを経て、当時の首都・ペテルブルグに至る道のりが太く黒い線で示されています。ユーラシア大陸を東の端から西端の少し手前までの、想像を絶する道程です。200年以上も前に奇跡の体験を経て鎖国のただ中にあった祖国に帰還した日本人を描いた長編記録文学の金字塔です。(2010/4/9)
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    投稿日:2010年04月09日