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  • 井上靖が京都大学の学生の頃から夢に見てきたという「西域」への旅が実現したのは、1977年(昭和52年)のこと。8月に新疆ウイグル地区に入ったのを皮切りに、翌78年には敦煌へ。そして1979年(昭和54年)まで繰り返した西域行きを綴ったのが、本書『私の西域紀行』(上下)です。70歳になって初めて新疆ウイグルの地に立った井上靖は、次のように書いています。〈とうとう新疆ウイグル地区に入った。ウルムチに入った。そんな思いが、寝台に入った私を、多少寝苦しくさせていた。往古の西域、今日の新疆ウイグル自治区がいかなるところか。(中略)現在この地区に生活している十三の少数民族は、いかなる風貌と、いかなる習俗を持って生きているか。また日本の四倍半の広さを持つ新疆ウイグル自治区が、天山山脈とタクラマカン砂漠の地帯が、いかに古い歴史の翳りを持ち、いかに現代の呼吸をしているか。それからまたその首府であるこのウルムチが、いかに近代化され、国境に近い町としていかなる性格を持っているか、――すべては明日からのことである〉ちなみに、中国側の招待の形で実現したこの旅には、司馬遼太郎や東山魁夷も同行していたそうです。当時の日本にあって、西域に強い関心を寄せていた最良の知識人たちがともに参加したツアーであったことが井上靖の考察に深みを与えていたであろうことは想像にかたくありませんが、本書のもう一つの魅力は井上靖撮影の壁画、仏画といった新疆ウイグル地区や敦煌などの写真が巻頭口絵として収録されていることです。いうまでもなく、新疆ウイグル地区はアフリカや中東の独裁政権が体制変革、民主化の荒波に襲われるなかで、対応が注目される中国の「弱い環」としてクローズアップされている自治区です。「そこで生きる人々とは?」井上靖が自らの目で見つめ、自らの足で確かめた真実は、決して色褪せることはありません。上下2巻。(2011/3/11)
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    投稿日:2011年03月11日
  • 「われわれは、ネコ権尊重を主張する!!」インテリ風なネコたちが人間世界について議論したりしなかったりする漫画。近所の猫除けペットボトルの数が増加するなど、次々と押し寄せる問題を前に彼らは…? 「モーニング」は、ほんとうにネコ漫画の宝庫です。もっと続いて欲しかった漫画でした。表紙を飾っている林太郎さんは、本当は白ネコなのに、風呂にあまり入らないため黄ばんでいます。そんな林太郎さんが最終回で見せた男の生き様……必見です。
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    投稿日:2011年03月08日
  • いわずと知れた大人気コミック。かれこれ14年ぐらい前、クルマに興味がなかった私も友人にすすめられて読んだらものの見事にはまってしまいました。旧車が、最新のクルマと速さを競うという、その勝負シーンだけでも面白いのですが、“秋名のハチロク”などといったかっこいい通り名だとか、続々あらわれる敵(クルマ)とか、盛り上がる要素がいっぱいなんですね。登場するのが実車なので、詳しくなってしまいますし、次はどのクルマと戦うんだろうと楽しみポイントが増えてくる漫画です。
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    投稿日:2011年03月08日
  •  「思い出すだけで胸のこの辺と脳のこの辺がキリキリと痛み出し、『あ゛あ゛あ゛あ゛』と叫びたくなるような、そんな嫌ぁ~な思い出」を読者に笑い飛ばしてもらおう、という意図でまとめられた清野とおるの『バカ男子』。冒頭から引用してしまいましたが、『あ゛あ゛あ゛あ゛』体験は、誰でも持っているはず。この本は、コマ割りのマンガではなく、文とカラーイラスト、そして著者の当時の写真を交えての『あ゛あ゛あ゛あ゛』の思い出話集。小学生から高校生までの多感な時期に起こった珍事件のエピソードで構成されています。私が一番笑えたのは、小学2年生の時に友達が家から1万円をくすねてきて、二人でそのお金を使うくだり。駄菓子屋へ行ったりメダルゲームを楽しんだりするのですが…その結末に思わず噴き出してしまいました。この本を笑いながら読んで思ったのは、著者が言うように、『あ゛あ゛あ゛あ゛』体験はネタとして人に笑ってもらって浄化すべきですね。(2011.2.27)
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    投稿日:2011年03月08日
  •  書名からして、かなり怪しいです。だって、『そっと好かれる』ですから。中身は期待を裏切らない、小田扉独特の笑いに満ちあふれています。大爆笑するわけじゃないんだけど、最初から最後まで、ずーっと頬と口元が緩みっぱなしのニヤケ状態が続く短編集。説明しにくいんですが、ぬくぬくとした脱力気味の笑いです。とぼけたセリフとカット、キャラクターの表情の変化等、どこをとっても好きです。例えば、「サイボーグ大作戦」は、あの有名SF作品のパロディ。メンバーは「01」から「06」で、お互いの必殺技を打ち明けるシーンは、笑いが止まりません。また、短編集『男ロワイヤル』にも収録されている、野木さん&古野さんコンビが登場する作品も味わい深くて好きですねぇ。スキのない高濃度のお笑い空間を浮遊してみてください。(2011.2.27)
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    投稿日:2011年03月08日
  • 佐木隆三さんに初めてお目にかかったのは、この『復讐するは我にあり』が直木賞を受賞した1976年のこと。私は週刊誌編集者になって4年、「ニュージャーナリズムの時代」の波がアメリカから日本に押し寄せているなかで、ノンフィクション・ノベルの手法がすごく魅力的でした。以来連載小説の取材で中国に同行したり、南米に送り出したり・・・・・・作家と編集者としての付き合いは30年を超え、佐木さんはいまも新しい本を出すごとに署名入りで贈ってくれます。2007年春、佐木さんから届いた一冊は、とくに感慨深いものでした――『復讐するは我にあり 改訂新版』。400字詰め原稿用紙にして800枚の大作を、佐木さんはパソコンを使って最初から書き直したのです。驚き興奮して一気に読みました。実際にあった連続殺人事件をモデルとしていることから、関係者への配慮で旧版では架空の地名としていた事件の現場などが、実在の地名に書き改められています。例えば、最初の事件がおきた「筑橋市」は本来の地名である「行橋市」に戻されて、私のように土地勘のない読者にもずっとわかりやすくなりました。いうまでもなく地名の問題だけでなく、佐木さんが持ち続けてきた「犯罪」をとりまくものを描き出そうという強い思いが、改訂新版の名に恥じない、まったく新しい作品をつくりあげたといっていいと思います。その佐木さんの思いがこもった代表作の電子書籍化を自分の手で行うことができたのは、私にとっても二重の喜びでした。発売は2010年12月でした。日本中を震撼させた連続殺人事件――九州に始まり列島を縦断して五人の男女を殺害した男を綿密な取材で克明に再現するノンフィクション・ノベルの最高傑作です。(2011/3/4)
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    投稿日:2011年03月04日
  • 寺や神社などの参道や境内で店を出して商いをする人を「ロテンショウ」といいますが、漢字ではどう書くか、わかりますか。「露店商」と「露天商」、どちらが正しいでしょうか。店そのものを言うときには「露店」と書きますが、そこで商いを行う人を言うときは「露天商」と書くのが正解だそうです。露天で商売をする人ということから「露天商」と書き、「露店商」は間違いというわけです。言われてみれば、そうかそうか、忘れていたと納得するのですが、日常生活のなかで漢字の使い方、敬語の用い方などなど、日本語の問題に苦労している人も多いのではないでしょうか。本書『日本語の特質』は、言語学を専門とする学者一家の出で、辞典編纂者として知られた金田一春彦先生がNHK大学講座で話した内容を基にまとめたもの。世界の言語と比較しつつ、日本語の発音や、表記法から文法、敬語まで、話し言葉でわかりやすく解説しています。上記の「露天商」はそのほんの一例ですが、もうひとつ、いまいまの日本語を考えてみて、面白かったのが「男言葉と女言葉」。少し長くなりますが。引用します。〈日本の流行歌に「二人は若い」というのがあって、その中に「あなた」「なんだい」という会話が入っていますが、一方が女で、一方が男だとすぐわかります。外国の小説では、男と女の対話になっていて、一行おきに男の言葉と女の言葉とが出てくることがありますが、そういう時に一ページくらいめくったらどちらが男のことばかわからなくなってしまうことがあるようです。そうすると、前へ戻って、一番はじめから、ワン、トゥー、スリー、フォア・・・・・・と数えまして、これは偶数番目だからこっちが女の言葉だろうと見当をつけて読んでいます。日本のものにはそのようなことは起こりません。どれが男の言葉か女の言葉かひと目見てわかるわけです〉昨今の男女差がなくなってきている若者言葉の状況を今は亡き金田一先生、どう見ているでしょうか。とまれ、碩学が遺してくれた好著――日本語力アップに役立つはずです。(2011/3/4)
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    投稿日:2011年03月04日
  • ストーリーの骨子はまさにど真ん中のストレート。なんちゃって野球部が、ふとしたきっかけで目覚め、甲子園を目指すというもの。これだと、なんだ普通の野球漫画かと思われていまいますが、この作品はなかなかあなどれない。いくつも変化球を投げてきているのですよ。まずは主役がかつての野球部マネージャーで、10年ぶりに故郷に戻ってきた女性教師ということ。設定に変化をつける、さしずめスライダーといったところ。そして意味深なタイトル。わざわざ「みんなの」という文字に×をつけ「私の」にしてあり、これは最後のオチにも関係しているので、決め球のフォークといえばいいでしょうか。さらにもうひとつ、魔球クラスの球がありまして、これがなんと幽霊。???ですが、この幽霊、特に物語の導入部で、過去と現在の橋渡し役となる重要な存在なのです。物語が進むにつれだんだん出番も減りますが、それは生きている人間の存在感がでてきているから。そして「みんなの」につながっていくという流れ。ちょっと違うと思っていたらなんとなく打ち取られた、そんな感じです。(2011/3/4)
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    投稿日:2011年03月04日
  • いや~、長かった。やっと発売することができて感無量です。2年くらいかかったのかなあ…。いつ電子書籍化してもいいと言われてから。チェック用の本は会社にあって、時々読んでいたんです。しょっちゅう意見は対立するものの、互いを認め合っている父・勘太郎と息子の文吾。そして個性豊かな下ノ町警察署の面々。そこには泣ける人情話もありクスリと笑える楽屋落ちもある。一話完結で読みやすく、恋も友情も出会いも別れもあって、どんな年代でも楽しめるはずだからと、何度出してしまおうと思ったことか。でも待った甲斐はありました。現存するカラーページをすべて復刻した完璧版としてリリースすることができたのですから。ちょっと内情をばらすと、別件で大島プロに伺ったときにカラー原稿の補正の真っ最中だったんです。肌の色などをすべて合わせたり、汚れを落としたり。またそのカラー原稿の美しいこと。こんなもん見せられたらやっぱり復活させたくなりますよねえ。ということで、ことし最高の出来栄えになり、スタッフに感謝、大島プロにも感謝したいです。(2011/3/4)
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    投稿日:2011年03月04日
  • 「このマンガがすごい!2010」オンナ編・第6位&「このマンガを読め!2010」第5位をW受賞し、注目書として本屋に平積みにされ話題になった作品。表紙を並べると一枚の絵になっているんですね。東京の大手電機メーカーに勤めるつぐみは、田舎の祖母の家で長期休暇を過ごしていた。入院中の祖母は間もなく亡くなり、つぐみは仕事を在宅勤務に切り替え、そのまま祖母の家で暮らすことを決めるが、翌朝家にいたのは、見知らぬ中年の男性・海江田。大学教授の海江田は祖母の教え子で、祖母から離れの鍵をもらっていたと言うが? 東京で仕事と不倫に疲れた30代半ばのヒロインと祖母の愛人疑惑のある50代男性…なんとも奇妙な二人の同居生活の始まりです。一人で生きていける力があるつぐみは、結婚しないで一生一人で生きていこうと考えていた矢先に海江田と出会う。過去の恋愛で傷つき、失うことを恐れる臆病なつぐみの心を、ゆっくりと溶かしていく海江田。海江田がまたカッコイイおっさんで。つぐみも所作もキレイでいい女です。ええ乳やなあ! いい大人同士のかわいい恋愛。西炯子独特ののほほんとした空気を感じてください。
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    投稿日:2011年03月04日
  • マジメで優しい登先生は幼稚園の人気者☆ そんな登先生が大好きな、ちょっぴり軽いヘタレわんこの有馬先生。毎日全身で愛を表現してるけど、登先生にはまったく相手にされなくて…。この恋を成就させるにはオオカミになるしか…!? 年下ヘタレワンコ×生真面目クールビューティーの、幼稚園の先生同士のラブラブストーリー☆ ヘタレ攻め、大好物です!! (*゜∀゜)=3ハァハァ 両想いになって、クールなイメージから、しおらしくデレた登先生(ツンデレっ!!)が可愛すぎて手が出せないという重度のヘタレ(惚気)っぷり♪(=´Д`=)ゞ イヤァー 有馬先生のご家族もまたとても個性的です(笑) ストーカーの変態父親や嘘つきの双子の弟などなど…。南月ゆう先生は絵柄がとにかく綺麗で個人的にすごく好みです! 生き生きとしたキャラクターの表情がとても魅力的で、デフォルメキャラがまた可愛らしくていい味出してます^^ 幼稚園公認☆ ラブラブカップルをニマニマ(〃 ̄ω ̄〃)しながら一緒に見守りましょう~♪ヽ(=´▽`=)ノ ほのぼのほんわかムードは最高に癒されますよ~(●´ω`●)ゞエヘヘ
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    投稿日:2011年03月04日
  • 二百人対一人。賊を相手に一人戦いを挑むシーンは圧巻の一言です。柳生新陰流第5代宗家・柳生連也斎の生涯を描いた本格剣術活劇。剣術に造詣の深い著者ならではの作品で、ところどころにそれらしきコメントもちらほらあります。限られた者のみが行き着ける剣の境地とは。ぜひご覧ください。
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    投稿日:2011年03月01日
  • 勇気をもらった。きっとそう思える作品です。いちばん大切なものは日常にある、と、あらためて気付かされるのではないでしょうか。ラブコメで有名な柴門ふみさんが贈るヒューマンドラマ。オムニバスで様々な家族のかたちが描かれています。絵は好き嫌いがはっきり分かれるらしいですが、私は好きで、あのシンプルな線でどうしてあれだけの表現ができるのだろうと、いつも感じさせられます。子供を抱っこする母親の表情とか深いなあ、って。
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    投稿日:2011年03月01日
  • 別れと出会いの季節がきました。東京に憧れ、胸躍らせて上京する人がいれば、大都会に幻滅して田舎へ帰る人もいます。すぎむらしんいちの『東京プー』は、若夫婦の妻・恭子が「東京え行きます さようなら」の書置きとともに家出し、夫・信也が愛妻を探しに上京するところから物語は始まります。探し歩く最中に事故で記憶を失った信也は、板橋のゴールデン商店街を根城とすることになり、そこを舞台にドタバタ・コメディが繰り広げられます。愛妻と同名である今日子との出会いやパチンコ店ラッキー大王での大騒ぎ…、そのドキドキとお笑いの連続攻勢に一気読みしてしまうはずです。物語の骨子は妻の恭子探し。信也は恭子を見つけて、田舎に連れ戻すことができるのかどうか。詳細は省きますが、最終話近辺のエピソードには涙腺が刺激されることでしょう。これから上京してくる人にも、東北出身者の私がおすすめします。(2011.2.20)
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    投稿日:2011年03月01日
  • 最近、「革命」という言葉をよく耳にします。あちらこちらの国々で、社会の仕組みが根底から変わるような動乱が勃発していますね。日本での革命といえば、明治維新を連想される方が多いと思います。『サムライたちの明治維新』は、明治維新の後の侍たちの物語。主人公の上田丑之助(うえだ・うしのすけ)達は旧幕臣であるがゆえに、満足な職にも就かずに、「この世に もはや おれの居場所がないのであれば…」と嘆き暮らします。戊辰戦争で新政府軍に負けた旧幕臣にしてみれば、侍も廃業しなければならない身とあって、リストラどころか全人格を否定されたような気分だったのではないでしょうか。赤ん坊の誕生によって、市井の人となりかけた上田ですが、後半には西南戦争に加わっていきます。ここからの見せ場は、石川賢の勢いあふれる画力に士魂があぶりだされているようです。ラストサムライの気概に圧倒されっ放し…そして、最後にカタルシスが訪れます。ぜひ、読後感の余韻も満喫してください。(2011.2.20)
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    投稿日:2011年03月01日
  • 表題作の「拝領妻始末」は武家社会の裏面、封建制の酷薄さを描く名短編。かつて三船敏郎主演で映画化され、ヴェネツイア国際映画祭で国際映画評論家連盟賞に輝いた、玄人受けする作品です。物語の舞台は、会津藩。藩主の寵愛を受け、男子を産んだお市の方が暇を出され、藩士・笹原与五郎の妻としてお下げわたしになった。「拝領妻」を固辞する笹原家を上意の名のもとに屈服させた結果です。それでも与五郎のおいちへの信頼は厚く、いちも藩主との子を忘れるという覚悟と献身でこたえます。そして一年半の時がたち、娘をさずかった二人に、世子の急死の報が届く。いちの生んだ容貞が世子となった。そして、このことが与五郎といち、笹原家の運命を大きく狂わせていきます……。藩主の命をうけた重役たちは、あの手この手でいちを奥へ戻そうと画策するが、与五郎といちはそれを拒み続け、父の伊三郎も二人を後押しする。取りつぶしの脅しのなかで、孤立する三人。何が彼らを待ち受けているのか。封建社会の「主命」の理不尽さ、非人間性をえぐり出す、滝口康彦の時代小説の傑作の一つです。滝口康彦は直木賞に6回ノミネートされていながら、ついに受賞することはなかったのですが、武家社会、とくに下級武士の無惨を描かせたら並ぶものはないとまで高い評価を得ていた書き手です。本書は表題作のほか、7編を収録。いずれも心震える秀作です。(2011/2/25)
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    投稿日:2011年02月25日
  • 最初のページには「新連載大怪奇探偵小説」のアイキャッチ、その隣に大きく「悪魔の紋章」のタイトル、そして「江戸川乱歩 画 伊東顕」と筆者と挿絵画家の名前。すべて書き文字で、見開き2ページの3分の2ほどのスペースを占める挿絵。首の回りに手をやって悶え死んでいる男、その死体の上にかがみこむ男が描かれています。江戸川乱歩の推理小説といえば伊東顕の挿絵といわれるほど二人は有名な組み合わせですが、本書初出は新潮社が第二次世界大戦前に発行していた娯楽雑誌「日の出」で、1937年(昭和12年)9月号から翌1938年10月号まで連載されたものです。その連載当時のままの形で復刻した本書は、したがって挿絵も連載当時の全点が収録されています。日本の出版界では文庫本化や電子書籍化する際に、権利処理の関係から連載時の挿絵が削除されてしまうことが多いのですが、本書の場合、連載当時のレイアウトをそのまま再現しているところも、大きな魅力となっています。肝心の物語は、難事件を解決する名探偵として明智小五郎と並び称される宗像隆一郎博士の助手が「今夜殺人が行われる」と言い残して死んでしまうところから始まります。場所は丸の内にある宗像研究室。助手の手に握られていた紙包みからでてきた象牙色の靴ベラ。そこに残されていた三重渦巻きの奇っ怪な指紋・・・・・・。宗像博士はこの事件の謎をどう解いていくのでしょうか。終盤には明智小五郎も登場します。伊東顕の挿絵とともにお楽しみ下さい。(2011/2/25)
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    投稿日:2011年02月25日
  • 漫画TIMESってオヤジ漫画誌なのに、こんなキュートな絵柄の作品も連載しているからあなどれません。またテーマがラーメンや寿司じゃなくてチーズですよ。こんなオシャレ感全開でいいの?と思いましたが、なかなかの人情話になっていて、オヤジにもしっかり読ませてくれる王道漫画に仕上がっていました。主人公はフランス生まれの日本人・レミ。20歳でチーズ鑑評騎士(シュバリエ)の称号を受け、意を決して日本へ。その理由とは、日本でチーズの素晴らしさを広めるため、そしてまだ見ぬ祖父母を探すため…。その過程でさまざまな人との出会いがあり、そこにチーズが絡んでくる。うんちく漫画にはありがちな展開かもしれません。ですが、身近でありながら、日本人に知られていないことの多いチーズという素材を、うまく人生に結びつける構成はなかなかなもの。チーズの種類や歴史の説明もさっぱりしていて嫌味もなし。知識もつきますから、BARでのネタにしているオヤジもいるかもしれませんね。(2011/2/25)
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    投稿日:2011年02月25日
  • 表紙がまるでシュルレアリスムの絵画のよう。単行本は未見だったので、ちょっと得した気分になりつつあらためて読むと、あれ?雑誌連載当時は、怖え~、と思っていたのが、気色悪る~という感想に変わっていました。90年代後半に髪の長い女のホラーや、ストーカーを題材にしたテレビドラマなどが流行りましたからそのせいもあるのかも。もはやありえる話になってしまったというか。だから、この作品における描写の気色悪さが、以前より際立ってみえてきたんでしょう。ぺろんとした顔や手入れされてない長い髪はともかく、なぜか持っている紙袋やバッグ、伝線したストッキング、汚れた靴、髪が絡みついたブラシなどの少しずれた座敷女の風貌。そして雷や蛾といった心理的に不安になるイメージの挿入。「ドラゴンヘッド」の時も感じましたが、この著者は日常を少しだけありえる範囲で外すことで、気味の悪さを演出するのが非常にうまい。うん、これに気付いたことも、いまさらながら得した気分です。(2011/2/25)
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    投稿日:2011年02月25日
  • 年末に『お~い!竜馬』を読破してから幕末にハマっています。戦国時代も熱くていいですけど、幕末はまた違った良さがありますね。私は竜馬からハマったので攘夷派なんですが、佐幕派の言い分も見てみないとどっちにつくか判断できないな!と思い、あの有名な「新選組」を題材にした作品を「幕末風雲児列伝」
    で探して、土方歳三を主人公に描いたこちらの『月明星稀―さよなら新選組』を読んでみることにしました。絵柄も綺麗で、女性でも読みやすいと思います。土方歳三がとにかく美男子です! 時は幕末。武士に憧れた土方歳三が、近藤勇、そして仲間と共に、動乱の京都へと新選組として繰り出す――。士道を心に抱く男たちの生き様を描いた青春物語。最強集団・新選組をプロデュースした男、土方歳三。土方歳三って有名ですけど、イマイチ何をした人なのかよくわかってなかったんですが、これを読むと、土方が新選組にとっていかに重要な人物だったのか、よくわかります。新選組も攘夷が目的だったんですね。知らなかった…。置かれている立場は違っても、みんな幕末の志士ですね。刀を抜くときは死ぬ覚悟を持って臨む…「武士」って格好いいですね!まさに日本男児の魂です。近藤さんと新撰組に対する忠誠心――「鬼」とまで呼ばれた男・土方歳三の生き様を、ぜひご覧ください!
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    投稿日:2011年02月25日
  • これ面白かったです! あれ、CJ Michalskiさんてギャグ漫画家ですよね…?(^ω^) 笑いのセンスありすぎです!(*>▽<*) パーフェクトな美形極道、龍守右京を悩ませるのは、恋しいラーメン屋の看板息子・カケルちゃんがヤクザアレルギーだということ…! 正体をバラさずに近付くには…!? 昼はラーメン屋、夜は極道の二重生活がスタートした! …まさにBL界の静かなるドンといったところでしょうか(笑) カケルちゃんがピンチの時にはすかさず現れ、正義のヒーローのごとく助けるのですが、カケルちゃんは深刻なヤクザ嫌い……果たして右京は愛しのカケルちゃんをゲットできるのか!? 読むとかならず元気になれる! ヤクザ×ラーメン屋の秘密な関係★secret connectionシリーズ★ カケルちゃんの笑顔に癒されます~(*´ω`*)
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    投稿日:2011年02月25日
  • 「負けることは恥ではない!戦わぬことが恥なのだ!」

    1ページ目からこの金言。ついに登場です。少年チャンピオンが誇る戦慄のカルトアクション、『覚悟のススメ』。いやー、懐かしいです。15年前の連載時はこの作品の持つあまりの特殊性に全くついていけなかった記憶がありますが、他方では(一部の)熱狂的なファンを獲得していたようで。今でもその熱は冷めやらぬどころか、後年の『シグルイ』の大ヒットで益々危険な方向へ向かっているとかいないとか。

    ともあれこの『覚悟のススメ』、なんといってもセリフが熱い!「その言葉、宣戦布告と判断する!」とか「当方に迎撃の用意あり!」とか「雑草などという草はない!」などなど・・・今になって読んでもその熱い言葉の数々に心揺さぶられっぱなしでした。(2011/2/25)
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    投稿日:2011年02月25日
  • グルメ漫画。最近ますますブームですね。「B級グルメ」とか、新しいジャンル(?)もすっかり定着しました。もっとも食欲を刺激する漫画はどれだろうと思いましたが、やはりこれです「喧嘩ラーメン」。ラーメン。そして、土山しげる。この組み合わせ。キリストとブッダがタッグを組んだようなものですよね!(?) 土山先生が描くあの食いっぷりといったらもう~…です。書いててヨダレが出てきました。
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    投稿日:2011年02月22日
  • ビールが美味しそうな漫画ナンバーワンはこれ。柳沢きみおさんの作品には、くたくたになった主人公がビールをぐわーっとあおる場面がほぼ100パーセント出てきます。あそこです^^。伝染力がすごくて、「仕事終わったらオレも…!」と、昼からそわそわしてしまうのです。
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    投稿日:2011年02月22日
  • 単身者の世帯が増加し、人同士の関係性が希薄になっていて、それが社会問題化しているそうです。好きではない言葉なので、そのキーワードは使いません。古谷実の『わにとかげぎす』は、主人公の富岡が今まで生きてきた32年間を振り返って、自分の「まわりに人の気配がしないぞ?」「オレは人生において遭難している!!」と、気付いた瞬間から物語が動きます。夜警が仕事の富岡はビルの屋上でパンツ一丁の姿になり、仮面ライダー変身!!のポーズをとりながら、流れ星に祈ります。「友達をください… 友達」、と。そして、人とのつながりを求めた時から、いろんな人物と濃い関係性を持ち始めます。どうしようもないような「放浪者」と知り合ったばかりに大損をすることがあれば、隣に住む小説家志望の美女と身近な関係性になっていきます。また、仕事仲間のためにとんでもないことに巻き込まれ、この物語はサスペンスなのかいっ!?と思わせる事件とも遭遇します。重たそうなテーマですが、コメディタッチとパンチの効いたネームに、物語にグイグイとのめりこむことでしょう。縁は異なもの味なもの、そう思わせてくれる内容です。ちなみに、不思議な書名ですが、気になる方はぜひお調べください。 (2011/2/22)
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    投稿日:2011年02月22日