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  • 遠出をするときは必ず駅弁を買ってしまう。特急の指定席で絶景を眺めつつ食べる駅弁のうまいことといったらもう…。そんな私の至福の時を漫画でも再現してくれるのがこの作品。特急の解説+駅弁レポート、それに食事ポイント付きという構成がニクイです。各話の終わりには乗った特急のコラムを掲載し、豆知識もフォロー。また、巻頭にカラーで作品内で紹介している駅弁がずらりと並べられていて、情報誌のように紹介されているのも、食いしん坊にはたまりません。各話は短めのページ数ですが、その分、ポンポンと駅弁が出てきてギュッと詰め込まれているのもいいですね。冒頭で遠出と書きましたが、私の場合、東京から西は京阪神、東は仙台あたりまでが電車移動エリアなので、新潟や九州までもカバーしてくれているのがうれしい限りです。さすがにこの著者のように特急に乗り駅弁を食べるためだけに日本全国を飛び回ることはできませんが、この地方にいったら紹介されている駅弁はぜひ食べてみたいなあ。なんて思っていたら腹がすいてきた…。こりゃ、夜には読まないようにしないと。(2012/1/13)
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    投稿日:2012年01月13日
  • 地球の温暖化が叫ばれ始めて久しいです。残念ですが、状況は歯止めがきかないようです。『ON・DAN・BATAKE』(内田春菊)は温暖化でさまざまな現象が起こり始めた未来の話。大量の鳥が発生したり妙な植物が生い茂る2107年の地球に住むシータとタビタは、ある日「こちらは2007年 未来のあたし 応答して下さい」という不思議な音声を受信します。声の主は、2007年に住むサクヤ。と、ここまで書くとハードなSFストーリーのようですが、内容はファンタジックで暖かい物語。22世紀と21世紀の二人の女子学生が、それぞれの住む身の回りの現状を音声通信で伝え合い、友情を深めていきます。清廉なシータと科学好きのサクヤ、思いやりのあるそれぞれのボーイフレンド、嫌味のないカップルです。登場人物の好感度が高く、ついつい読みふけってしまいます。物語はシータの友達サランが行方不明になったところから、少しずつ緊迫していきます。そして、このサランをめぐってのシータとサクヤのやりとり、感動的でした。そして、22世紀のシータの印象的なモノローグがありますので、最後に引用します。「私の町ではあまり手っ取り早く 何かをしようという人はいません 『自然が怒らないかどうか』をまず考える…そういう人が多いです」。(2011/12/27)
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    投稿日:2012年01月10日
  • 先行きが不透明な不景気感、なんだか嫌ですね。活況を呼ぶというか、ビジネスマンが元気になりそうなマンガ、それが『透明アクセル』です。著者の三田紀房は、東大受験をテーマに描いた大ヒット作『ドラゴン桜』で有名ですが、『透明アクセル』は大手広告代理店に就職した新社会人・青木智也がプロジェクトの成功を追い求める物語です。芸能界のドンとよばれる実父のコネで就職した青木が、初仕事である競艇の宣伝のためにフィギュアスケートで活躍する山田麻美を競艇選手に転職させ、やがて一大プロジェクトの中心メンバーとなっていくのが骨子ですが、営業マンのみならずビジネスマンにとって刺激的な内容です。それは、どうすればモノが売れるか、人の心を動かすことが出来るのかという命題に対する作者の答えが描かれていて、逐一納得させられるからです。例えば、情報過多の時代に単に宣伝するだけでは、企業は消費者に信用してもらえません。ならば、どうするか。それは「空気を作る」ことだと描かれています。そのために、「話題をつくり こちらが言いたいことを 消費者自身の口から言わせる!」ことで、情報が浸透して共有されるのだそうです。青木は、この方法論を実践すべく、額に汗して走り始めるのですが、時にはつまずきます。その度、一つ一つ学んでいくのですが、そのノウハウが心を打ちます。壁にぶつかっているビジネスマンにもおすすめのコミックです。(2012/1/10)
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    投稿日:2012年01月10日
  • オーダーメイドでスーツを仕立てる「テーラー」の世界を描いた漫画です。いわゆる薀蓄もの。職人気質の男社会に挑む花梨(かりん)の物語でもありますが、そんなジェンダーのような大変そうな問題はとりあえず横に置いといて(最低\(^o^)/)その薀蓄というのが、なんとも高貴で優雅な空気が漂っているためか、なかなか知る機会のない情報でいっぱいです。ポケットのフラップが付いているのは何のためか、とか、新品のジャケットは、ぐたぐたになるまで壁に叩きつけてから着る、とか(こっちは裏ワザ?)。さすがに、着道楽人物伝とかは、別世界って感じではありますが、やっぱりどんな世界でも突き詰めていくと深いものがあって、いいなあって思いますよね。読めば間違いなく、自分にぴったりで世界にひとつだけのスーツが欲しくなると思いますよ^^ (2012/1/10)
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    投稿日:2012年01月10日
  • 旅行先の台湾で乗り合わせた飛行機が墜落して、向田邦子が死去して30年。2012年の正月、向田邦子原作のTVドラマや向田邦子の軌跡を女優がたどるドキュメント番組が放送されるなど、今も向田作品は私たちの中に生き続けているようです。「昭和の家族」の有り様を生き生きと描いたその作品群は古びることなく、今も私たちの琴線を刺激し、読む者に深い感銘を残してくれます。本書『あ・うん』は初版が1981年5月ですから、1981年8月の突然の死の直前に出版された代表作の一つ。日本が1937年(昭和12年)の盧溝橋事件から日中戦争、第二次世界大戦(太平洋戦争)へと突き進み、庶民の生活にも「戦争」が影を落とし始めた時代を生きた二組の家族の物語です。「寝台戦友」と称する水田仙吉と門倉修造。水田は製薬会社に勤めるサラリーマン。一方の金属工場を経営する門倉は軍需景気に乗って羽振りがいい。東京に帰任する水田のために、門倉は貸家の世話をし、二十歳近い娘のある水田の女房にどうやら二人目の子供が出来たみたいだと聞くと、その子がもし女の子だったら養子にくれと頼みこみ、水田は水田でその申し入れを女房に確かめることもせずに承諾するほどの親友同士。「寝台戦友」とは、初年兵時代をともに過ごし、苦楽をともにしたということを意味しているそうです。この二人、ただ仲がいいというだけではなく、じつは門倉は水田の女房、たみを思っている、そしてそのことを水田も門倉の女房の君子もちゃんとわかっている。わかっていながら、何事もないかのように付き合い、面倒を見合っている。微妙なバランスの上に立って暮らす夫婦がかもし出す人情の機微を描きだす向田邦子のうまさ。たとえばこんな具合です。〈その夜、門倉は、はやっている「ダイナ」を口ずさみ、ステップを踏むような足どりで君子に上衣を渡した。「子供、もらうことにした」君子は、上衣を抱えてしばらく立っていた。洗面所でシャボンで手を洗う門倉のうしろから声をかけた。「子供もらうなんて、うまい言い方、なさるもんね」水を出していたので、これは門倉に聞こえないらしかった。「もらうんじゃなくて、引き取ると、はっきりおっしゃたらどうなんです」「そうじゃないよ。もらうんだよ」「子供あなたの子でしょ」こんどは門倉が棒立ちになる番だった。「いま、なんて言った」「子供あなたの子でしょ、と言ったんですよ」門倉の濡れた手が、君子の頬で鳴っていた。「なんてことを言うんだ。おれは指一本触れたことはないよ。子供はあいつと奥さんの子供だよ」「「あいつ――」「水田のとこだよ」と言ってから、「口、大丈夫か」詫びともいたわりともつかぬ声になった。「水田さんとこ、生まれるんですか」「十八年ぶりだってさ。テレてたよ」門倉はタオルを君子に渡して、「お前が反対なら、おれひとりでも育てるからな」「誰が反対だなんて言いました」「賛成か」鏡に君子の笑い顔がうつっていた。左の頬が指の形に赤くなっている。哀しみと嫉妬はみたくない。門倉は、いつもそうするように、知らん顔をした。「いつなんですか、予定日」多分、この秋だろうという返事は、背中で答えた。寝室で着替えをしたが、君子はすぐには来なかった。やりかけの刺繍の、きりのいいところまで刺してからくるのである〉「昭和」という時代を生きる普通の人々の息遣いが聞こえてくるようです。2度にわたってTVドラマが制作され、映画化もされた名品。「昭和」の匂い漂う向田ワールドをお愉しみください。(2012/1/6)
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    投稿日:2012年01月06日
  • そろそろ大衆的なものを食べたくなる時期ですね。そこでカレーなんかいいんじゃないかと思いご紹介するのがこの作品。最初に登場するのがお雑煮カレーですから、ちょうどいいでしょ? …そんな小ネタはさておき本作の内容ですが、本作は味平全5シリーズのうちの4つめの章。デパートの売上競争の代理戦争に巻き込まれた味平が、カレーの味でどれだけ客を集められるか、というものです。ライバルは6000種類のスパイスを嗅ぎわけるカレー将軍・鼻田香作。この恐るべき男を相手に味平の策は?ということでまさに戦争がはじまります。でこの作品、特筆すべきは料理漫画ではあるものの、おいしく見せることを追求しているのではないんですね。ミルクカレーにスパカレー、しょう油入りカレーと一歩間違えばゲテモノです。ただ、これが食べたく思ってしまうんだなあ。そう、この作品の胆はここ。説明などどうでもよく食べてみたいという幻想がここにはあります。最後に出てくるブラックカレーなんてもう、一度は…。あ、でもこれはちょっと禁じ手かぁ。(2012/1/6)
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    投稿日:2012年01月06日
  • (o´ω`)ノ・゜・☆★明けましておめでとうございます★☆・゜・ヽ(uωu*)今年もよろしくお願いいたします!最近BLが豊作すぎて、何をご紹介しようか悩むのですが…とりあえず、新年一発目のBLはこちらですヽ(*'v`)ノ 去年、大学時代の友人の結婚式で、大学時代の友達(既婚者)と久々に再会しました。その子は昔から腐の気質があったようで、当時は「高校で卒業した」と言っておりましたが、最近再発したらしく(笑)物凄いハイテンションで興奮していかがわしい内容の長文BLメールを送ってくれるのですが(歓喜)、その子が最近読んで面白かったと言っていた作品がこちらでしたwその子曰く、「陰部や汁の描き方は他の追随を許していない」らしいです…www…うん、確かに!データが私の手元にきた時に、「あ!この作品は…っ!」とピンときまして、どれどれ、確認しよう!陰部陰部…φ(●_● )と読んでいたところ・・・見事に萌えました!\(^o^)/とにかくエロが激しく萌えますw汁が…www 地味でチビな主人公・あゆむは、超イケメンの幼なじみ・隼人と龍二が「デキてる」との噂を聞き、ショックをうけるが!? いやいや、どう考えてもイケメン二人→主人公にフラグ立ってるでしょうwと思いながら読んでいるとまさにそうで…やっぱ王道最高です+(*´∀`)b°隼人は明るいムードメーカー的存在、龍二は寡黙でクールなむっつりスケベと、とっても美味しいキャラ設定(゚▽、゚*)ジュル♪そんな見た目も中身も完璧な幼なじみのイケメン二人が、地味でモテない主人公を溺愛して共有し合うという…3Pありの究極の三角関係☆超ド変態コミックです!! まさにお約束な内容で、安心して楽しめました(●´w`○)テンポも良く絵も綺麗で読みやすいです!主人公はブサメンというかフツメン?ですが、とってもキュートで可愛いです☆続きがあるらしいので、今から2巻が楽しみです(´▽`)
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    投稿日:2012年01月06日
  • 漫画家漫画にはずれなし、とはよくいったもの。「まんが道」然り、「バクマン。」然り。確かに傑作といわれる作品は多いです。でも、私が本当に読みたかったのは、昔過ぎず最近でもないこの作品の時代の話。80年代ノスタルジーですね。PCやビデオデッキがいまほど一般的じゃなく携帯電話もない、そんな時代が背景なら共感できないわけがない!ってなもんです。そして主人公は著者の若きころがモデルであり、フィクションと断りながら著名人も実名でポンポン飛び出すのですからそりゃあ興味をひかれますよ。当時の売れっ子になりつつあったあだち充に高橋留美子、ライバルの庵野秀明とガイナックス&ボンズの面々、矢野健太郎岡崎つぐお、そしてこれはコアミックスの社長さん? 本気出していないモードの主人公の毒舌的な漫画批評やその文化に対する風刺と相まって楽しいことこの上ない。年代的に漫画やアニメ・SF関係でネタになりそうな出来事は目白押しなので、それをどんなに面白おかしく料理してくれるのか、まだまだ楽しみです。(2011/12/30)
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    投稿日:2011年12月30日
  • 「天は二物を与えず」という諺がありますが、二物をちゃんと持っている才人もいるものです。本書『シモネッタのデカメロン イタリア的恋愛のススメ』巻末に対談が収録されているイタリア語の田丸公美子さんとロシア語の米原万里さん(故人)の二人はその代表といっていい存在です。英語の木幡和枝さんを加えて、戦後生まれのほぼ同世代に属する三人の女性がそれぞれの言語における通訳者として目覚ましい活躍をする一方で、文筆家としても秀でた創作・評論活動を展開しているのは偶然とは思えないのですが、本書著者・田丸公美子さんと親しい友人でもあった米原万里さんの巻末対談がとにかく面白い。本の読み方としてはルール違反の禁則でしょうが、巻末の二人の対談から読むことをオススメします。才ある二人の女性が気兼ねなく、素のままに、等身大のイタリア男を語り、おおらかにシモネタを語り合います。〈米原 ・・・ほら、よがり声が漏れないように寝室の壁をコルク貼りにした社長の話とか、以前田丸が話してくれたもっと赤裸々な話を入れるべきだよ。まあ、次回のお楽しみってとこかな(笑)。/田丸 イタリア男は女を見たらくどくのが礼儀とか言われてたじゃない。ところがEUに組み込まれたせいか、彼らもかなりビジネスライクになったなと思ってたの。先日仕事をした社長も、そばで訳す私に一切関心を示さなかったのよ。ところが午後、すごく美人のインタビュアーがきて、「まず来日の目的をお伺いします」と言ったら、「あなたに会うためです」(笑)。「それでは第二の目的は?」「あなたを夕食に誘うことです」(笑)。やっぱり変わってないのよ。女を選び始めただけなの。三〇年経ってやっと黒子の通訳になれたと、喜ぶべきなのかな。/米原 イタリアではセクハラをしないことがセクハラだって書いているよね。日本だと、「Aさん、今日のスーツ素敵だね、口紅も新しくしたんじゃない?」と言っただけでセクハラになる。BさんにもCさんにも言わないで、美人のAさんにしか言わないから。イタリア男は、美人だろうとブスだろうと、職場の女全員に声をかける。/田丸 だからブスも誤解してブスだという自覚がなくなり、幸せに過ごせる。〉シモネタも、才媛の手にかかれば、立派な社会論、文化論になっていきます。米原さんが「もっと赤裸々な話を入れるべき」と言っていますが、他のところで「すっごく面白かったけど、勿体ないよ。四冊くらいのネタをギューッと詰め込んでるんだもん。もっと稀釈して嘘もいれたらいいのに・・・・・・読者はお得だけど」と語っているように、田丸さんが30年の通訳生活で聞かされてきたイタリア男のシモネタがエスプリの衣をまとって、文字通り凝縮されています。しかも嘘、作り話はないというから、得はしても読んで損はありません。「実話」を一つだけ紹介しておきましょう。著名デザイン事務所の経営者ロドルフォ。名うてのプレイボーイ、百戦錬磨のイタリア男が卒倒するほど驚いたシャンパンの使用方法とは?ニューヨークの高級ホテルのバーで出会った謎のマダム。最上階のスイートルーム、一泊四、五十万円するという部屋を年間通して借りているという夫人との一夜は、ドンペリ・ロゼ3ダースをバスタブに投じた「シャンパン・ジャグジー」で始まった。〈彼女はゆっくりと舌をからませてきた。・・・・・・キスまでシャンパンの味がした。二人はそのままバスタブで愛し合った。最高に刺激的だったのは、究極の贅沢をしているという、しびれるような快感があったからだ〉嘘のような本当の話、です。なお、米原万里さんの著書『ガセネッタ&シモネッタ』も電子書籍になっています。(2011/12/30)
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    投稿日:2011年12月30日
  • 「20歳のときは焦っていた。25歳のときはさみしかった。31歳になった。――ただ怖い。」………「なにこのキャッチ怖いーーーーーーーー」と同僚にメールで送ったところ、「冒頭だけ見てキクチさんが壊れたかとおもって、寒気がしたよ!」と返ってきたキクチですどうもこんにちは!\(^o^)/2011年も残すところあとわずかとなりました。一年てほんと早いですね!寒気がします!!(((((´゚ω゚`寒)))))) さてさて、今年ご紹介する最後の作品はこちらです!⇒『このマンガがすごい!』2011オンナ編第1位!! ということで、読んでみました!ヤマシタトモコさんの『HER』。女たらしの男性客に不穏な妄想を抱く美容師、白髪のレズビアンのキスシーンを見てしまった高校生処女、母の秘密を心に秘めて“一夜限り”を繰り返す地味女…ほか、オンナたちの本音を描く可憐で獰猛な全6篇の連作オムニバス。とりあえず読んで思ったのは…女の子って怖いです…w でも、それぞれの主人公の気持ちがなんとなく理解できる気がします。いろんな女の子たちの不安や焦り、孤独や痛々しさが、鮮明に、切実に描かれた作品。この話は女性に限っていますが、実はとても人間らしい感情なのかなって思いました。転んで泥まみれになって泣きながら自力で立ち上がって走り出す。迷いながら、もがきながらも這いつくばって今を生きる女の子たちの、醜くも懸命な姿をぜひご堪能ください! それでは皆さま、また来年お会いしましょう!(●´・∀・`)ノ”よいお年を~☆
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    投稿日:2011年12月30日
  • 前回、赤塚不二夫の担当編集者によるノンフィクションをご紹介したら、赤塚ギャグを読みたくなってしまい、面白かったのでご紹介します。『ギャグ21世紀』(赤塚不二夫)は1980年代前半に21世紀を予見して、それをギャグにした「予言」のマンガです。「21世紀」とタイトルにあること自体が時代を感じさせて、ギャグの風化を心配して読み始めたのですが、のっけからやはり赤塚は天才だと思い知らされました。1話目は異常気象による食糧不足のため、厳しい食事制限をされるという話です。自由に食事が出来ない主人公は、マグロのトロやイクラの「写真」に大喜びしてギャグを繰り出します。ほかに、超高齢化社会や警察官の犯罪、捕鯨問題に某プロ野球球団の傲慢経営者など、現在の世相をブラックギャグにしたような話も並びます。全体を通すとほとんどの話がそこまで時代は進んでいない、というギャグではありますが、何度も言いますけど風化していないことに目を丸くしました。これからも、思い出したように何度も赤塚ブームはやって来るのだと思います。だって、「天才は忘れた頃にやってくる」と言いますからね。あっ、違うか。(2011/12/27)
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    投稿日:2011年12月27日
  • 主人公の泉は、美人すぎて、普通の生活すらままならないという不幸な女性。働こうとすると、女には疎まれ男はみんな泉のストーカーと化し、刃傷沙汰もしばしば発生するため、基本的に無職。美貌を自分の武器にすることができない控えめな性格、というのが泉というキャラのポイントです。作者である東村アキコさんの目の付け所、ほんとすごいです。自分の意志ではない先天的なものや環境に翻弄される人生っていう設定、魅かれませんか。すなわち『進撃の巨人』と同様です(マジかよ)。どうにもならないことに、主人公はどう向き合い、自分の歩む道を切り開いていくのか、そこに読者を惹きつけるドラマが生まれるのだと思います。一巻のラストはトリハダもの。連載が単行本になったとき、巻の終わりにこのストーリーとセリフがくるのか~っていう、この構成にしびれました。ぜひ読んでみてください~。2巻からは寸劇多めでちょっと錯そう気味な感じもありますが…。個人的には「こもも」ちゃんがキャラ的にそして造形的に衝撃で、初見で吹きました。 (2011/12/27)
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    投稿日:2011年12月27日
  •  まずは、日本語に関する簡単なテストに挑戦してください。
    (1)正しい日本語はどちらか?
      a「推薦より早い時期に接触できる青田刈り(あおたがり)入試」
      b「推薦より早い時期に接触できる青田買い(あおたがい)入試」、
    (2)「情けは人のためならず」ということわざは、人に情けをかけると、次のどれになるというのでしょうか?
      a「ろくな結果にならない」
      b「相手のためにならない」
      c「かならずよい報いがある」
    (3)「気がおけない人」の意味として正しいのはどちらか?
      a「信用できない人」
      b「気楽につきあえる人」
    (4)「前回失敗しているから、ここで汚名挽回といきたいところだ」という言い回しは日本語として正しいか?
    (5)新任の課長が部下を集めて「このたび、課長の辞令を受けました。私には役不足ではありますが、全力を尽くします」と挨拶をした。この挨拶は適切でしょうか、不適切でしょうか。
    (6)次のaとbは敬語表現として正しいでしょうか?
      a上司の仕事ぶりを部下が「お見事でした」とほめたたえた
      b上司が帰るときに部下が「ご苦労様でした」と声をかけた

     いずれも元NHKアナウンサーの池上彰さんの著書『日本語の「大疑問」』からお借りした質問、テストです。結果はどうでしたか。日本語はやっぱり難しいとため息が出てはいないでしょうか。
     NHK放送文化研究所が学生を対象に行った調査によれば、(2)の問題で全体の53%の人がb「相手のためにならない」と答えたそうです。正解はcの「かならずよい報いがある」で、正解者は37%。半数以上の人が他人に情けをかけると、その人が甘えてしまったりして、自立できなくなり、結局はその人のためにならなくなると解釈して「相手のためにならない」を正解と答えているのです。なるほど「相手への本当の思いやりは、同情しないことだ」というこの考え方、ちゃんと理屈が通っているという気がしないでもありませんが、正しくは、「情けをかけるのは、人のためにあらず」「その人のためだけではない」「自分のためだよ」ということで、つまり他人に情けをかけると、回り回って、結局は自分にもいいことがあるから、他人を助けてあげなさい、という考え方だというわけです。
     日本語を間違いのないように正しく使うことが簡単ではないことの一例ですが、その他のテストの正解を以下に列記しておきます。
    (1)b青田買い (3)b「気楽につきあえる人」 (4)正しくない (5)不適切 (6)abともに正しくない──詳しい解説は本書をお読みいただくとして、池上彰さんの「日本語」を見ていく目配り、問題意識はさすがNHKの人気アナだっただけに現実的で、私たちが日常的に疑問に思ったり、迷ったりすることを洩れなく拾い出していて、すぐに役立つことも少なくありません。

     問題(3)などは、実は池上さん自身、「気のおけない人」=「信用できない人」と思い込んでいたと告白しているほどですが、誰でも勘違いからくる言葉の誤用で失敗した経験を一度や二度はもっているのではないでしょうか。
    「ら抜き言葉」の問題から、ここ最近スーパーのレジやコンビニなどで多用されている「1000円からお預かりします」といった変な言い方の問題に至るまで、日本語やり直しの私家版教科書にしたい本です。
    (2011/12/23)
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    投稿日:2011年12月23日
  • この世の中で私が美しいと思うもののひとつ、それがハイキック。滑らかな動きとか、凄まじい破壊力とか、ではなくて、うまく言葉では書けないんですが、積み上げてきたものの浄化、カタルシスあるというか。そんなシーンを見るのがこの上もない幸せ。まあこれは自分でも何百回と練習したあげくに腰をブッ壊し、結局それを実体験として味わえなかった苦い過去があるからかもしれないんですが。それはさておきこの作品、緻密な絵柄に定評のある著者のアクションストーリーで、主人公・シバのライバルがハイキックの使い手という設定。まあすぐわかるのでばらしてしまいますがこの男は能楽師で、なぜかハイキックだけに固執する。その思い入れの強さにのめり込んでしまいました。見開きがうまくつながっていないのはちょっと残念ですが、何度も出てくる至高の蹴りに、ため息状態。どうせなら、主人公との対決に至るまでをもっと長くやってほしかったと思うほどです。お話の方がこれからのシバの歩む道を示唆して終わっているだけにねぇ。ただ私としてはこのハイキックへのこだわりが美しい絵柄で読めただけで満足です。(2011/12/23)
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    投稿日:2011年12月23日
  • ああ…そういえばコレがあったんだった!この仕事してると、実際に電子書籍が配信されるまでタイムラグがありまして…私の手元にデータが来るのが1か月以上前なので、その時に「おお!これが出るんだ!!」と感動した記憶がありますw何を隠そう、私のお気に入りBL作品の中でもかなり上位に位置しているこの作品。扇ゆずはさんの作品は何度かご紹介してきたのですが、その中でも一番大好きな作品だったりします。とにかく、受けの可愛いこと!!キラッキラです☆地方で平和な高校生活を送る地味な眼鏡っ子の理緒は、クラスでは全く目立たない存在。突然、東京から超・カッコイイ転校生のトモちゃんが現れる!理緒が、憧れの先生の写真を生徒手帳に入れて持ち歩いているのをトモちゃんに知られてしまい、「ホモじゃないのを証明してみせろ」と、なぜかホテルに連れ込まれてしまって!? さらには「俺がホモを治してやる」と、トモちゃん直々の「特訓」を受けることになり……特訓というのはトモちゃんにとってはデートなんですがねwその「特訓」によって、トモちゃんに対してドキドキするようになってしまった理緒は、自分がトモちゃんを好きなことに気づく…。トモちゃんも初めから理緒が好きなんだけど、この二人の微妙な心のすれ違いがホント切なくて萌えます!! 起承転結の盛り上がりが素晴らしいです!おとなしく引っ込み思案な受けとワイルド野獣攻めの、とっても甘くてちょっと切ない恋物語。あの田舎独特の美的感覚、わかるわかると納得してしまいましたw私も地方出身なもので^^;そうそう、派手なものに目がいくんですよね。田舎では不良が格好いいって感覚に近いと思いますw2巻では、理緒の美しさに気づいたトモちゃんの友達が恋敵に!さらに3巻はトモちゃんの兄達が一人の美人外科医を取り合うお話です☆こちらもエロくて必見!! 絶対萌えるのでこれは本当に一押しです!(*゜▽゜*)
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    投稿日:2011年12月23日
  • 海を汚す人類を懲らしめようと、海の底から恐ろしい侵略者がやって来た。その名はイカ娘。一見、頭髪のように見える10本の触手は、自在に動かすことができるうえ、攻撃に使えば、家の壁をぶち破るほどのパワーを発揮する。しかし、60億を超える人類を支配するには、戦闘力がいまひとつだった。地上侵略の足がかりにすべく、手始めに近所の「海の家」を占拠しようとするも至らず、そこの人間にもてあそばれる日々が始まってしまった……。征服されるのはいやだけど、イカ娘がんばって! (2011/12/20)
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    投稿日:2011年12月20日
  • 澄んだ夜空に星がきらめく季節となりました。銀河を舞台にしたSFコミックをご紹介します。宇宙最強のエスパーであるジャスティ・カイザードが主人公の『ジャスティ ~ESPERS LEGEND~』(岡崎つぐお)です。コズモポリス所属のジャスティは、超能力を使って重罪を犯すクリミナル・エスパーを「処分」するのが仕事。こう書くと、重たげな内容に思われそうですが、『ただいま授業中!』などラブコメディの作品も得意な作者ですから、魅力的なヒロインも登場します。第一話では、ジャスティが捜査のために日本を訪れ、女子高生の立花美子と出会います。キュートでおちゃめに描かれた立花のキャラクターぶりがエスパーの戦慄的な戦いに、絶妙な調和となって冒頭から読者を惹きつけます。また、ジャスティが処分したクリミナル・エスパーを父に持つアスタリス・ベガという少女は、当初ジャスティを激しく恨みますが、やがてジャスティの真意を知って心変わりしていきます。物語はやがて、アンドロメダ反乱軍とコズモポリスとの戦いである銀河系大戦が描かれます。ジャスティと最愛の義理の姉であるジェルナも参戦するのですが、圧巻シーンの連続です。電子書籍には、ここまでのストーリーと「特別編」が収録されています。加えて、webマガジンKATANAでは、新作続編を連載中ですので、こちらもご期待ください!! (2011/12/20)
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    投稿日:2011年12月20日
  • 漫画の神様・手塚治虫の創作秘話を描いたマンガが話題です。今回、ご紹介する『赤塚不二夫のことを書いたのだ!!』(武居俊樹)は、ギャグ漫画の天才・赤塚不二夫を長年担当していた敏腕編集者の目で記した読み物です。赤塚はTVや週刊誌等でも何度も取り上げられているので、大勢の人の頭には「酒におぼれた漫画家」としてのイメージがあるようですが、ここには知られざる天才・赤塚の素顔が描かれています。数々の代表作が生まれた舞台裏も、惜しげもなく明かされているのですが、その際の赤塚と著者や周囲とのやりとりが、まるで昨日の出来事のように克明に描かれていて臨場感たっぷりです。例えば、こんな話。武井が「週刊少年サンデー」で『おそ松くん』を担当していた時にライバル誌「週刊少年マガジン」で『天才バカボン』の連載が始まりますが、『天才バカボン』の衝撃的なヒットを目にした武井は、あろうことか『天才バカボン』を「週刊少年サンデー」に移籍させてしまいます。この時の、赤塚と武井、そして編集部の当事者たちが口にする言葉の数々には、ど肝を抜かれます。豪気な男達なのです。他にも数々の破天荒なエピソードがてんこ盛りのように描かれていますが、天才も老いには勝てません。終盤には、漫画を描きたくても全盛期のように創作できない哀しみがにじみ出ています。そして、この天才がいかに多くの人に愛され、多くの著名な漫画家をデビューさせたかを再認識させられます。年末年始は、この本を読むことに賛成なのだ!!(2012/12/20)
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    投稿日:2011年12月20日
  • 溝口敦さんは、創価学会追及や山口組本を数多く執筆してきたジャーナリスト、ノンフィクションライターで、1990年に東京都新宿区高田馬場の仕事場玄関前で左背中を刺されて重傷を負っています。山口組関係の著書が背景にあっての襲撃事件と見られましたが、犯人逮捕には至らず、時効が成立。さらに2006年に東京三鷹市の路上で溝口さんの長男が山口系元組員に太ももを刺されて重傷を負うという事件が発生。この襲撃事件では実行犯2人と直接の依頼者が逮捕され、溝口さんと長男は元組員と上部団体の山建組組長らを相手に損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしました(2008年に和解)。一連の襲撃事件によって、溝口さんの山口組の実態や今後の動向などに対する分析、予測がいかに正鵠をえているものであったか、暗に示されたと言っても過言ではないでしょう。本書『ドキュメント 五代目山口組』はそうした反社会的組織の知られざる内幕をまさしくインサイドから寄せられた匿名情報の真偽を丁寧に確認しながら事実を積み上げていくという、溝口さんらしい一冊になっています。とくに暴力団はこわいもの、といった旧来のステレオタイプ的な暴力団像が急速に変化していて、すぐそこにいる隣人のような顔をした存在になってきているという指摘には、それこそ目からウロコのような驚きがあります。いわゆる暴力団対策法(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律)以降、私たち一般市民も暴力団など反社会的組織との接点をなくすことを強く求められるようになっています。そのような世の中の変貌は当然ながら山口組のシノギにも大きな影響を与えています。なんでも肥大化した山口組所属の暴力団員は2万2000人で、全国の暴力団員の4人に1人が山口組系という計算になるそうです。ここまで突出した山口組でさえ、溝口さんによれば、合理化時代にあって「盃の契りよりカネ」の精神色濃く、かつての任侠映画とは全く違う有り様となってきているという。山口組系の中堅組員の証言を引用します。〈わし喧嘩はようしません。その力もないし。今いちばん、考えていることは素人の人に可愛がってもらういうことだけですわ。実際わしらの仕事いうたら、顔を知ってもらって可愛がってもらう、これで七割いくのとちゃいます?〉具体的には中小規模の建設業や風俗産業、不動産業や金融業などを含む社長や店長といった者のお近付きを得、債権-債務の関係などのもめごとの際、解決を任されるということだろう。ほとんど出入りの業者の雰囲気さえ漂う――溝口さんは現場の声を拾い上げて、平和主義、経済主義にカジを切った山口組の今後をこのように指し示しています。これはとりもなおさず、私たちにとっては、「仕事の相手、気がついてみたら暴力団関係者」という時代が始まっているということです。その意味で、1990年に出版され、2002年に文庫化された本書がいま、電子書籍となって改めて読むことができるようになったのはうれしい限りです。反社会的組織「暴力団」に対する旧来の先入観をこの際捨て去って、新たな気持で目を通しておくべき必読書です。(2011/12/16)
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    投稿日:2011年12月16日
  • 少し前に小劇場の舞台を観に行きました。その舞台中、「結婚を迫られてるだけど役者を辞めて定職に就けと言われた。でも役者って長くやってある程度年とっちゃうとやめられねえんだよ!」みたいなセリフがあって、うなずくことしきり。演出なのか楽屋オチなのかわかりませんが、確かにクリエイターとかアーティストとかこんな人ばっかりなんですよねえ。…などと長い前置きをして紹介するこの作品、主人公はミュージシャン。サックスで身を立てようとする青年のお話です。主人公を含めた音楽に携わる者たちの置かれた状況をうまくとらえて、彼らの音楽に対するスタンスの違いでストーリーを構成。うまいだけのスタジオミュージシャン、最後のチャンスに賭けるベーシスト、親の七光りのアイドル…。埋もれるのかのし上がるのか、それは技術だけじゃないし心意気だけでもない。自分の才能を信じて道を進むその悲喜こもごもが伝わってきます。それで、夢の途中というより苦労の途中、で終わってしまうのが何とも切ない。このラスト、決してHAPPYじゃないと思うのですが…。苦労してる知り合いを見ているせいで、深読みしすぎてますかね。(2011/12/16)
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    投稿日:2011年12月16日
  • 「このマンガがすごい!2012」で、見事オンナ編1位を獲得した『花のズボラ飯』が登場です!読んだ人から「お腹減るよ」って聞いて、本当かな!?と、ためしに読んでみたところ…生唾出そうな勢いでした(σ¬'`*)) 花ちゃんの食べっぷりとリアクションがいいですねw 「ズボラ飯」ってそういうことだったのね!とw とりあえず、基本の卵かけごはん(醤油注ぐの失敗したけどw)と、これ読んで鮭フレークは買いに行きましたよ!W そしてさっそくマヨネーズと混ぜてパンに塗って焼いて食いました!鮭の焼ける匂いといい、ちょっと焦げたマヨネーズや鮭フレークの香ばしさとトーストのサクサク感といい、たまらないですね~!! 何枚でもいけました!でもその後の、キャベツ切ってチーズ乗せて~ってのはさすがにやらなかったw なぜかって?それは包丁使うのめんどくさかったからだよ~~~~~^ω^ω^ω^ω^ω^ω^ω^あと洗い物増えるしね!本当のズボラとはこういうことを言うのだ!実はズボラな中にも花ちゃんの食に対するものすごい拘りを感じますよねw 料理しない人には到底辿り着けないズボラ感だと思います…ミョウガなんて普通に持ってないよ!家にミョウガやしば漬けやかんずりなど、材料や調味料が揃っていて、普段から簡単な調理をしている人だからこそのズボラ飯かな!という感じがしました。まあなにはともあれ、色々勉強になりました(*`▽´*) 材料が手に入れば作れそうなものばかりなので、他にも気合を入れて(!)色々試してみたいと思います~p(*^-^*)q
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    投稿日:2011年12月16日
  • 原田壮、38歳、ベストセラー作家。気ままな独身生活を送っていた彼のもとに、続々と過去の恋人たちとの間にできた子供たちが大集合! 気が付けば、6人の子供達の父親になってしまい──。なんじゃそりゃ( ゚д゚)とスタートで一瞬思わせながら、内容はとってもイイ話が満載です。主人公の壮は、オトナなのか無責任なのかわかりませんが、子供たちの悩みに真剣に向き合い、またいい具合に助けたり、いい父親をやっています。個人的に、山崎さやかさんの作品で中でいちばん好きです!! (2011/12/13)
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    投稿日:2011年12月13日
  • 今年の夏、SFの巨匠・小松左京が亡くなりました。SFファンにとってはまさに巨星墜つ、という衝撃的なニュースでした。多作な小説家ですが、『日本沈没』は代表作として、あまねく知られています。さいとう・たかを率いるさいとう・プロが描いたコミカライズ版でも、小説の持つ細やかな設定や科学的な論拠が活きています。エキセントリックなタイトルに思われがちですが、地殻(大地)は海水に浮かぶ氷山のようにマントルに浮いていることを描写した場面などは、地上の生命がまさに奇跡的なバランスの元に生きていることが良くわかります。大地震や大噴火などのショッキングなシーンも登場しますが、この作品が面白いと思うのは、日本が無くなるという時に日本人を世界各国が、どのように受け入れるかを描いた場面です。1億1千万人という膨大な数の人間です。国連ではさまざまな案が出ますが、日本民族の行いとは無関係に自然災害によるものなのだから、という理由で温かい眼差しが向けられ始めます。読み終えて少し怖く思ったことは、祖国を去らなければならないという舞台設定が荒唐無稽でも空想の物語でもなくなってしまった、ということです。(2011/12/13)
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    投稿日:2011年12月13日
  • えんま大王の娘にして、地獄の世界を家出してあこがれの地上にやって来た女の子・サラミが主人公、それが『地獄のサラミちゃん』です。作者はイラストレーターとしても活躍する朝倉世界一。キュートなカットを描きますが、男性です。サラミの頭は三つ編みに見えますが、実は髪の毛ではなくてヘビ。サラミの心情を代弁するように表情をめまぐるしく変えます。お話は、サラミちゃんがぴょん子のステーキハウスでアルバイトして暮らす非日常な日々をゆるく描いています。かなりの脱力系のマンガですが、読み始めるとサラミちゃんの魅力に引き込まれてズルズルと読みふけってしまいます。お姫様ゆえにわがままな性格ですが、大好きなビリーを目の前にすると素直になれないで、つい心にもないことを口走ってしまう女の子です。なにより、マンガから今にも飛び出してきそうな、サラミちゃんのパワフルな元気さがこの漫画の魅力のようです。(2011/12/13)
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    投稿日:2011年12月13日
  • やっぱり、オールドファンとしては同じようなタイトルが並んでいたら、こっちを取ってしまいますね。あの『聖闘士星矢』の正当なる続編の登場。そう、まさしく続きの作品。少し前に『リングにかけろ』が〝2〟として復活しましたが、こちらは世代変わりしていて、徐々に先代の偉大が重荷になり、オリジナルとは違うカタルシスのないラストになってしまいました。でも、こっちは続きなんですから世界観もそのまま、主人公は変わりましたが瞬も一輝もあの時のまま登場。変な気負いも感じることなく、安心して読めます。また、ストーリーの引っ張り方もあの時のままで「次、こうなるだろうな」わかっていても先が気になって読み続けてしまう。昨今、緻密ですばらしくきれいな作画をされる漫画家は多いですが、この読ませてしまう圧倒的な漫画力は漫画黄金期のトップを張っていた漫画家じゃないと出せないものだとつくづく思います。新しい要素としてはこの作品は全編カラーに。できればCGじゃなく、〝ブーメラン・テリオス〟ばりの色塗りを見たいですが、それはぜいたくかな。(2011/12/9)
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    投稿日:2011年12月09日