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  • 松本零士作品の中では珍しい部類である、実在の人物・平賀源内を題材にした物語。微妙にSFテイストも入っており、ある意味、とてもロマンチックな作品になっています。というのも、この作品は源内の親友である赤松の精蔵の視点で描かれていて、その目線というのが、著者の思い入れまるだしなんですね。著者の特徴であるモノローグのせりふもいつもより気持ちが入っていて、どんだけ詩人なんだよっ、て突っ込みたくなります。ストーリーも、冒頭こそ新しい技術に胸を躍らせる青年時代の源内と、彼といっしょに伊予から出てきた少々抜けてる精蔵と、わかりやすい主人公と脇役という設定なのですが、やがてこの関係も思い入れが強すぎて微妙に変化。2人が歳を取ってからはなんとなく関係が逆転してしまうことに。読めば精蔵は著者の分身であることは明らかで、まるで「俺が友を語るんだ」といわんばかり。この辺、あとがきにネタばらしがありますが、たとえ書いてなくても「昔からの知り合いのような気がしてきた」なんて気持ちだだ漏れですよ。(2012/6/15)
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    投稿日:2012年06月15日
  • 綾辻行人・井上夢人・逢坂剛・真保裕一・乃南アサ。作風も違えば、推理小説に関するスタンスもそれぞれ異なる選考委員5人が揃って推し、いわば満票で第51回江戸川乱歩賞(2005年)に選ばれたのが、本書『天使のナイフ』。1969年生まれの薬丸岳が2年がかりで書き上げた、初めての小説でした。「少年犯罪」という、エンタテイメント小説として取り上げるには決してやさしくはない、極めて重いテーマを処女作として選択した薬丸岳の試みは一癖も二癖もある5人の作家たちから社会派小説の側面と本格ミステリーの要素を兼ね備えた力作と評価され、ここに一人の作家が誕生しました――。物語はこう始まります。〈愛実(まなみ)が泣いている。朝食の準備をしていた桧山貴志(ひやまたかし)は、慌てて寝室を覗き込んだ。床一面に愛実の服が散乱してる。衣装ダンスの一番下の引き出しを引っかきまわしている愛実を見て、桧山はあっと思った。「パパ。ももちゃんは?」娘の悲痛な眼に射すくめられ、ばつの悪い思いでベランダを指さした。ももちゃんとは、娘が大好きなウサギのキャラクターで、それを胸にあしらったTシャツは、保育園で一緒の勉くんの次に大切な、愛実の友だちである。数日続いた雨の中、物干しに吊したままになっていた。ベランダを見つめながら、愛実はさらにボリュームを上げて泣いた。きっと自分の大切な友だちを雨ざらしにする、なんてひどい父親だろうと思っているに違いない〉桧山貴志はチェーンのコーヒーショップのオーナー店長、愛実に母親はいない。3年10ヶ月前、ベビーベッドの愛実の目の前で、母親は金ほしさにマンションに押し入ったものによって殺された。事件の後、娘と二人で暮らす桧山貴志にとって何よりの気がかりは、愛実の意識の底に、今もこびりついているであろう、あのおぞましい記憶だ。愛実が時折見せる表情に、桧山は凍りついてしまうことがある。静止してしまったような愛実の瞳を見ると、背筋に冷たいものが這い、喉の奥が戦慄(わなな)いて、一瞬呼吸の仕方を忘れてしまうのだ。だから――桧山は一分でも長く愛実のそばにいて、ふたりで楽しい時をたくさん過ごして、少しでもあの記憶を薄めたいと思っている。そんな桧山のもとに、埼玉県警の刑事が訪ねてきた。妻を殺した犯人の一人が桧山の店の近くで殺されたという。桧山の妻を殺したのは13歳の中学生3人で、したがって「殺人犯」として逮捕されることも、また裁かれることもなかった。「少年A」「少年B」「少年C」として補導されたのち保護観察の対象となり、家裁の審判・施設への収容などを経て社会に復帰していた。刑法41条に「14歳に満たないものの行為は、罰しない」と規定されていて、14歳未満の少年は刑事責任能力がないとされているのが日本の実情なのだ。したがって13歳の中学生は人を殺害するという刑罰法令に触れる行為をしても犯罪を行ったことにはならない。桧山の妻を殺した13歳の少年たちは刑法41条によって逮捕・処罰を免れていたが、その一人が殺されたのだ。しかも殺害現場は桧山の店から歩いて10分ほどの大宮公園。桧山は犯罪被害者としてかつてマスコミを前に「国家が罰を与えないなら、自分の手で犯人を殺してやりたい」と発言したことがある。その彼のところに事件の翌日に刑事がやってきて――「八時半を過ぎると桧山さんはお一人でお店にいらっしゃるんですね」何気なく聞く。桧山には十分すぎるくらいの動機があり、しかも犯行のあった時間、桧山は一人で店に残っていて、アリバイを証明できる人はいない・・・・・・。そして残る二人のうち一人が池袋駅のホームから転落した。ホーム下の空洞に逃れてかすり傷程度で済んだが、少年は誰かに押されたような気がすると警察に語った。さらに三人目の少年が刺殺体となって発見された。その少年の携帯電話の最後の発信記録は桧山の店だった。翌日、警察は桧山に出頭を求める。これは愛児の目の前で母を殺しておきながら罪に問われることなく生きている少年たちに対する犯罪被害者による復讐劇なのか。物語はここから衝撃のラストへと急展開していきます。その謎を解く鍵は「少年犯罪」についてまわる刑法41条問題――「14歳に満たないものの行為は、罰しない」という条項です。新人離れした緻密なプロット、二重三重の仕掛けが施されたドラマチックな仕上げで、一気に読み終えていました。(2012/6/15)
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    投稿日:2012年06月15日
  • 『ドラフト1位 九人の光と影』(澤宮優)…タイトルだけでなんとなく中身の予想がつくような気がしますが、実際に読みはじめると想像の域をはるかに超えていました。そもそも野球の競技人口の膨大さを考えると、プロ野球選手になれるのはほんの一握り。しかも「ドラ1」の指名ですから、この本に登場するのは並大抵のプレイヤーではありません。例えば、中京高校を経て阪急にドラ1を指名された野中徹博投手は、甲子園での通算記録が10勝3敗、しかも防御率が0.79という脅威的数字を残した投手。同期には西武に進んだ渡辺久信や巨人の水野雄仁、近鉄の吉井理人等数多くのスター選手が顔を並べる、当たり年の選手でした。これらのスター選手がプロに入団して活躍したのに対して、野中は出だしでつまずきます。詳述は避けますが、本を読む限り人との巡り会わせに運がなかったようです。間もなく退団して一度はプロ野球を去った野中ですが、実は彼の第二のプロ野球人生はここから始まったようです。素人のチームから台湾のプロ野球を経て、再度日本のプロ野球のマウンドを踏んだ野中は、もう一度脚光を浴びます。そのうちの1試合が、巨人VS中日の伝説の「10.8」のマウンドです。野中はその後も起伏の激しい野球人生を送ります。この野中をはじめ、それぞれの野球人生に深く感動せずにはいられません。そして、一時はスポットライトを浴びながらも、後に倒れても腐らず、何度でも起き上がる男たちを賞賛せずにはいられないのです。(2012/6/12)
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    投稿日:2012年06月12日
  • 『光の王国』は、SF大作『暁星記』で知られる菅原雅雪が電子書籍用に描き下ろした作品です。ある日、「世界中の夜空から暗闇が消えた」瞬間から、物語は始まります。主人公の小学生ワタルとのの子がふとしたことでホームレスおじさんと出会い、「暗闇が消えた」真相を知ることとなります。少しだけ踏み込んで内容を記しますが、その原因は宇宙人たちによる「実験」だったのです。元々家庭内暴力を受け続けて居場所を失っていたワタルは、抑えきれない好奇心も手伝って宇宙人に連れられてゆくのですが、ここからの展開に惹きこまれました。ワタル同様に地球を後にした人々の姿が描かれているのですが、それは、宇宙人たちがいう「二足不安定型知性体」そのものの行動と思考のようです。高度文明の宇宙人たちからすれば、地球人は不安定な情緒の上に成り立った思考の持ち主のように映るようです。そんな中でワタルはどう生きていこうとするのかをご覧ください。かつて「大人になんかなりたくない」と口にしたワタルとのの子は、未来への希望を見いだすことができるのかどうか…まぶしいエンディングです!!(2012/6/12)
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    投稿日:2012年06月12日
  • わんこ大好き少女の樹里ちゃんのもとにやってきたのは、愛嬌たっぷりの白パグ犬、ロミオくん。初心者の樹里ちゃんが、生後75日の子犬のロミオくんの子育てに日々奮闘! これはすごくオススメです。樹里ちゃんとロミオが名コンビすぎて、みているだけで微笑ましい! 基本的にゆる萌えギャグなのですが、この漫画のすごいところは、樹里ちゃんのお母さんがプロ顔負けの知識を持つベテランで、実用書並みに犬の育て方を教えてくれるところにあります。犬を飼えば、ただかわいいとか、楽しいとかということばかりでなく、こんな大変なこともある(おもにシモの世話)ということを、笑いをまじえつつ、しかしなかなかシビアに教えてくれます! 犬を飼いたいな~と思っている方は、この漫画で一度疑似体験してみることをおすすめします。……たぶんますます思いは強くなると思いますが(笑)(2012/6/12)
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    投稿日:2012年06月12日
  •  日本のエレクトロニクス製品が国際競争力を失い、韓国、台湾、中国にキャッチアップされ、その後塵を拝している。
     日本のメーカー抜きにはスマートフォン製品は完成しないといわれるほど要素技術において抜きんでているにもかかわらず、スマホ市場で日本メーカーの影は薄い。視界不良の道を進まざるをえないことから、日本人は“1億総自信喪失状況”に陥ってしまったようです。
     そんな私たちに勇気と活力を与えてくれるのが、畏友・山根一眞さんの「メタルカラーの時代」シリーズです。もともと、週刊ポストの連載企画として始まり、単行本、文庫版、電子書籍と展開されてきました。いうまでもなく山根さんのライフワークとして多くの読者に支持されてきましたが、最近になってイーブックジャパンで配信が始まった機会に、改めて読み直してみました。一言でいえば、この「メタルカラーの時代」はいま、特に若い人にこそ読んで欲しい本だということです。
     山根さんは文庫化にあたって第1巻の前書きにこう書いています。

    〈大きな川も海ですらも堅牢な橋によって簡単に渡ることができる。そのおかげで旅が楽になったとはだれも考えないが、橋を建造する大きな技術によって私たちは川や海、谷などの地理的な障害物を気にすることなく自由な移動を享受しているのである。地球の反対側で起こっている出来事を、リアルタイムで見るためには、テレビのリモコンの小さなスイッチを押すだけでいい。そういう時代が到来してまだ五〇年も過ぎていないのである。一〇〇年前なら魔術師のたわごととされた超能力を、私たちは寝転がったまま手にしている。
     こういった当たり前の文明は、それを実現してきた、支えている人たちの大変な努力があったはずだが、それがどういうものかを知る機会はほとんどないのである。だが、私はそれが知りたかった。この大文明を支えているあらゆる仕組みをものすごく知りたかった。〉

     こうした思いから「理屈を述べるよりも事実を聞く」ことを主眼とする週刊誌連載が始まりました。
     山根さんによれば、それは自分自身が何も知らなかったことを実感する日々だったそうです。一人一人の仕事を聞きながら、しばしば椅子から転げ落ちそうになるほどびっくりし、廊下の外まで届くほどの大声で感嘆したと述懐しています。
     山根さんは、技術開発に情熱を注ぎ、モノ作りやインフラストラクチャー(社会的基盤)の建設に取り組む人々を「金属色に輝く襟をもつ人々」という意味あいで「メタルカラー」と命名し、彼らの物語がもたらす驚きを読者にも共有してもらいたいという思いから「対談」という表現形式を採用しました。
     第3巻に「英仏海峡トンネルを掘った日本人」が登場しています。川崎重工業の宇賀克夫(うが・よしお)さんです。

    〈山根 ところで、掘削マシンってどんなモノですか?
    宇賀 これが、開通時のTBM(トンネル・ボーリング・マシン)です(と、写真を示す)。
    山根 うわーっ、とんでもない機械! まるでマンガ。
    宇賀 直径8.78メートルの円筒形です。超硬合金製のビット(刃)が埋め込まれた前面の「カッターヘッド」がゆっくり回りながら、削り取った土砂をスクリューコンベアですくいとって後ろに送る。(中略)
     最高で54メートル進みました。これ以前の掘削機械と比べるとプロペラ機とジェット機くらいの差です。でも今回の初期目標、月530メートルは、これまでの経験の数倍厳しい条件でした。
    山根 で、掘れた?
    宇賀 はい、月900~1000メートル、最後は1200メートルまでいきました。イギリス側が少し遅れたので、計画より4キロ多く掘ったんです。
    山根 うれしい誤算。ボーナスは出なかったんですか?
    宇賀 出ましたよ。1兆9000億円のプロジェクトでしょう。金利だけでも莫大。着工が遅れたので、事業主体のユーロトンネル社が、「契約より先に目標地点に到達したらボーナスを出すから一刻も早く掘ってくれ」と。おかげさまで(笑い)〉

     全15巻──どの巻にも日本の産業を支えてきた男たちが素のままで登場しています。決してやさしくはない課題に勇気をもって取り組んでいくメタルカラーたちの飾らない生き方に脱帽です。
    (2012/6/8、2018/2/19追補)
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    投稿日:2012年06月08日
  • やたら仲間内で話のネタになっていたこの作品、ある日、自宅に帰ったらなんと私物のiPadに勝手にダウンロードされてましたよ…。もちろん、家人がやったことに間違いはないので「読め」ということだろうと解釈し、風呂上りや寝る前にちょこちょこと読むことにしました。うん、なかなかいけるかも。なぜか親方にスカウトされた体格の良いねこが、先輩を慕い、同期に嫉妬され、後輩に少々軽んじられながらも、日々精進していく、という設定さえ適当に受け入れられれば問題ないでしょう。4コマ漫画ですしね。そもそもが「猫に似ている力士がいたから」ってことで誕生した作品(あとがきより)ということで、ゆるゆるではあるのですが、脱力感だけでなくて人(猫?)情あり、相撲界の闇を暴く硬派な話もあり。ばかばかしさの中にほろっとするところがあって、あんまり深く考えずに読めるのがいいと思います。私のお気に入りは、ねこ関とお母さん猫との交流と一連の八百長ネタ。おすすめ度は決して猛プッシュってわけでなく、肉球プニュプニュぐらいの押し加減だと思ってください。(2012/6/8)
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    投稿日:2012年06月08日
  • 門地先生大好きですー!!! さすが!門地節が効いてますね!! 見た目イモっぽくて、何もかも「並」としか思えない生徒会長の国斉。でも電車では毎朝(男に)痴漢されて、今までの副会長(男)は国斉を押し倒したという噂、先生にもセクハラされている…「このイモのどこに魅力が!?」と思ってたハズなのに、天然男たらしチャーム炸裂の国斉生徒会長に振り回されつつも面倒を見ているうちに、不覚にもきゅきゅんと惚れてしまった副会長の知賀クン。でも会長は激ニブで…!? 国斉が男にモテる理由、わかります!とにかく仕草やら何やらが可愛い!!(*´∇`*)無防備で鈍感で、つい手が出てしまうとはこのことですね…そしてなんかエロい!!!! 門地先生の描く、手つきやら腰つきやら何やらがとにかくエロくて濃厚です!! 門地作品の中でもエロ度はかなり上位に位置するんじゃないでしょうか。しかしこの二人、お互い両想いなのに、体の関係が先行し、なぜか心がすれ違っていて、とってももどかしいんです!>< お互い鈍すぎだろーと突っ込みたくなるけど、なかなか進展しない二人がとても初々しくて可愛くてそれも良し!互いの心が通じ合った時の感動はひとしおでしたー!(*´▽`*)これ本当に面白くてエロくて胸がきゅんきゅんして萌えるのでオススメです!このシリーズのスピンオフが『第二ボタン下さい』になります。国斉も知賀も出てきますよ~(^∇^)こちらもギャグ満載で本当に面白いので、是非合わせてご覧ください!ヾ(@~▽~@)ノ
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    投稿日:2012年06月08日
  • 2013年の大河ドラマは幕末が舞台です。視聴率がとれないと敬遠されてきた分野ですが、近年放映が増えてきてファンにはうれしい限りです。滝沢聖峰の『ガンズ&ブレイズ』もテーマは幕末なのですが戊辰戦争末期、函館戦争直後の蝦夷地(北海道)が舞台、幕末の本当の最後が描かれています。剣の達人・佐々木とガンマン早川の二人は榎本軍所属の幕臣として函館で戦っていましたが、軍が降伏した際に五稜郭を脱出し、敗軍の兵ゆえに行き場を失ってしまいます。官軍につかまれば命の保障はないと思った二人は、なんとか江戸に帰りたいと歩を進めるのですが、あろうことか逆に北へ北へと流れていきます。漂流する二人はいろんな人物と出会います。開拓を旗印にやってきた新政府の役人たちや赤貧を洗う暮らしの旧会津藩の武士、ヒグマに襲われればアイヌに助けられることもあり、波乱含みのストーリーが続きます。京や江戸を舞台にした幕末作品はたくさんありますが、宮古湾海戦以降の幕末作品は少ない気がします。でも、さまざまな思いを胸に秘めて、この最果ての地にたどり着いた人々の人生こそ幕末と維新の象徴なのではないかと思わされました。(2012/6/5)
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    投稿日:2012年06月05日
  • 主婦のパートタイムにもいろんな職種がありますが、現実にはありえないだろうという主婦のパート業務???を描いたマンガをご紹介します。『トラブル・メーカー』(伊万里すみ子)の主人公である主婦・柿崎桃子は、なんとパートでやくざの組長を務めています。先代の組長の遺言で、遠縁の桃子が後釜に納まることとなってしまったのですが、主人が現職の警察官なのですから、尋常ではありません。もちろん、桃子は自分が姐御となってしまったことを愛する主人に伝えることもできません。昼間は組長、夜は正義感の強い警察官の主人を愛する妻をこなす桃子なのですが、面白いのが主婦目線を失わないで組長を務めているところです。簡潔に言えば、弱者救済です。警察官の主人からちゃっかり情報を聞き出すなんてこともする桃子なのですが、考えようによっては、これこそやくざと警察官の癒着かもしれませんね。あっ、物語の序盤で敵対するやくざの組長と建設会社の会長と警察の署長の癒着が発覚しますが、なんだかこちらの構図は現実的にありえるかもしれないと思えるのは私だけでしょうか。(2012/6/5)
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    投稿日:2012年06月05日
  • いつも超お世話になっております! イーブックジャパンのシダです!! ついに超名作SF『暁星記』が発売になりました!!!!!!!!! 血沸き肉躍るあらすじがこちらになります→【環境改造<テラ・フォーミング>から1万年……科学文明の記憶は失われ、かつて「金星」と呼ばれた惑星は、遺伝子操作によって生まれた巨大生物がうごめく緑の魔境と化した。スズシロ村の若者・ヒルコは、初恋の女の行方を追ううち、いつしかこの世界の秘密に迫っていく──】……な、なにこれ内容わかってるのにワクワクしてくる!!! “テラ・フォーミング”とか“巨大生物”とか“魔境”とか(;´Д`)ハァハァハァハァ……そそる素材が満載すぎです。そんな『暁星記』ですが、正直どっちかといえばマイナー作品の部類にはいるのだと思います。絵ヅラだけ見て、なにわ小吉さんが描いていると間違われる方もときにいらっしゃるようです。でも私の中ではこの『暁星記』は、『寄生獣』や『風の谷のナウシカ』に並ぶ神作品なんですね~!! この機会により多くの方に知っていただけると嬉しいです。 趣味の合う方はぜひどうぞ! 特に、この2作が好きで『暁星記』をまだ読んでないというあなたは超ラッキー☆パーソンです。これからあの時間を堪能できるんですからね~。うらやましい。しかも一気読みできますし! そう~、この漫画、なかなか続きの巻が出なかったんですよ。私は連載時から楽しみにしていまして、第2巻のとある場面で【ネタバレ】がまさか【ネタバレ】てしまうあの衝撃のシーンを見てから、結末を読むまで死ねない漫画となったのはいいのですが、まあコミックスが出ないこと出ないこと。。。ラスト3巻分ぐらいは、なんと雑誌連載がなくなってコミックス描き下ろしに。それが年に一冊出るか出ないかのペースですからね。。。その分、思い入れが醸成されてしまったかもしれません。待たされすぎてもう客観的な評価なんぞできないよ! 当時は本当に悶絶ものでした。「次は冬!」とかいってるくせに見事に出ないしw ちゃんと終わらせてくれるのか、それはもう恐怖でした。。。同じようなペースでやっている漫画も、他にもあることはあると思いますがw それにしても、ラスト3巻の足かけ3年。。。長かったー……3年ですよ!? 中学入って卒業しちゃうよ!? 青春の一ページ何十ページもできちゃうよー!? 圧倒的ボリュームの読み応えになっちゃうよー!? KATANA創刊3周年特大号は全623ページだぜー!? ワイルドだろーー!? ……そういうわけで、この度やっと『暁星記』をご紹介することができました…感無量です(遠い目) どうもありがとうございました。(2012/6/5)
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    投稿日:2012年06月05日
  • 村松友視が歌手・水原弘の生き様を描いた『黒い花びら』は、昭和に生まれ、生きた世代にとって、まさに「オンリー・イエスタディー」(ほんの昨日のこと)だ。水原弘が「黒い花びら」(永六輔作詞・中村八大作曲)でレコード・デビューしたのは1959年(昭和34年)。「黒い花びら 静かに散った/あの人は帰らぬ 遠い夢/俺は知っている 恋の悲しさ 恋の苦しさ/だから だから もう恋なんか/したくない したくないのさ」初め2000枚でスタートした「黒い花びら」は発売直後からすさまじい売れ行きを示し、ラジオのヒット・チャートに登場するや、たちまち30万枚の大ヒットとなり、この年発足したレコード大賞にノミネートされ、第1回大賞を受賞する。その時、清水市(現・静岡市)育ちの著者は慶応義塾に入学して東京で暮らし始めたばかりで30万枚のうちの1枚を買った一人だったという。大学1年生の筆者にとって水原弘の登場は、一人の歌手の誕生という出来事を超える大きな時代の変化、うねりを感じさせるものだった。前年の1958年(昭和33年)、プロ野球の世界では、立教から巨人に入団した長嶋茂雄がいきなり本塁打と打点の2冠王に輝き、映画界では日活で鮮烈なデビューを果たした石原裕次郎の人気が「嵐を呼ぶ男」の大ヒットによって頂点に達していた。そして水原弘がジャズ喫茶の歌い手からいきなりトップ歌手の座に躍り出た。新しい時代の寵児たち――長嶋茂雄、石原裕次郎、水原弘は従来の常識をくつがえすという点において共通していたと著者はいう。〈永六輔による歌詞と、中村八大による三連符をかさねたロッカバラード風の曲の出会いは、たしかにこれまでにないテイストをかもし出していた。だからこそ、大学一年生であった私が刺激を受けたにちがいなかった。これに、嗄(しわが)れ声ながら独特の艶があって、切々と歌いながら洋風の匂いをもち、どこか本格的歌唱の気配をただよわせる水原弘の歌が加わると、俺たちの世代にふさわしい歌謡曲に、ようやく出会ったという実感が湧いたものだった。考えてみれば、水原弘のみならず、作曲の中村八大も作詞の永六輔も、当時のレコード業界では“新人”だった。老舗レコード会社とちがう、新興の東芝であったゆえ、おかかえの作詞家、作曲家、歌手を持ち合わせず、いわば苦肉の策に近いかたちで“新人”を起用せざるを得なかったのだが、そのことが偶然、時代に吹きはじめた新しい風、新しい波との触れ合いを生んだ〉中村八大が銀座のクラブにロカビリー歌手を集めて「黒い花びら」を歌ってもらったところ、群を抜いていたということで起用が決まり、レコード大賞歌手へと駆け上がった水原弘。相次いでレコードを出すが、次第に売れ行きは落ちていきます。映画にも出たものの、もともと演技力があるわけでもなく、「裕次郎」にはなれない。それでも人気絶頂の時代に身につけた生活――夜な夜な盛り場に繰り出しては一晩に200万円、300万円飲んでしまうという暮らしはいっこうにあらたまらず、水原弘はどん底の暮らしに落ちていきます。著者はこのどん底時代の水原弘を知る人間を訪ね歩き、そのありのままに耳を傾け、再起への過程を丁寧に描き出そうとします。どん底の辛酸をなめた水原弘は1967年(昭和42年)1月15日に発売された「君こそわが命」(作詞・川内康範、作曲・猪俣公章)で再起します。初日3万枚。5月29日99万枚。再デビューの大ヒットを生んだ「チーム水原弘」とも呼ぶべき周囲の男たちの思いと、それに応えてレコーディングの日、何度も何度も繰り返し歌った水原弘。暑さと興奮で汗びっしょりになりながら、最後はパンツ一枚になって水原弘は必死に歌った。3分37秒の「君こそわが命」は12時間かけてレコーディングされた。この歌は、「チーム水原弘」に欠かせない存在となっていた、作詞家の川内康範の原爆被爆者への思いを込めた、とっておきの詩でした。川内も12時間を要した伝説のレコーディングに最初から最後まで立ち会っています。そこに至るまでに川内康範らと水原弘の間で何があったのか、どんな思いが交錯していたのか。「昭和」という時代を駆け抜けた一人の歌手の生と死を通して綴られた、わが同時代史としてお読みいただきたい一冊です。(2012/6/1)
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    投稿日:2012年06月01日
  • このタイトルにこの表紙だと、弁当を扱う食マンガと思われがち。確かに食マンガであり弁当ネタも多く出てはきます。ただ、私はむしろ教育的な部分が大きい作品だと思うんです。主役は國木田大学農学部のちょっとかわった講師・結城玄米。この人、授業にぬか床を持ちこむは、大学に勝手に畑は作るは、やることなすことマイペース。ですがその正体は食文化史のエキスパート。「食べることは生きること」という信念に基づいて、一家で囲む食卓の大切さや、食べ物に対する感謝の気持ち、食文化のありがたさを身をもって教えてくれる、言動一致の人。そして彼の想いは関わる人たちにしっかりと受け継がれていきます。それは母親への気持ちの変化であったり、郷土料理の本質を深く知ることであったり。それを通して教え子たちが成長していく過程が感動的で、うらやましくもあります。押しつけがましくないのに、すっと人の心の中に入ってくる玄米先生の授業だったら、何度でも受けてみたいですね。私も農学部出身なので、もしこんな先生がいたら今ここでこの原稿を書いてはいなかったかも。(2012/6/1)
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    投稿日:2012年06月01日
  • 「私たち29歳で最後の思春期迎えます。」このキャッチに惹かれて面白そう!と読んでみることに。……あ、あれ? 思…春…期…?(^ω^;) 思春期にしては重い内容ですね~…。優しいタッチの絵柄なので、あはは~うふふ~みたいな、もう少し軽い話かと勝手に想像していたので驚きましたが、これはすごい面白いです!交際9年・同棲5年のあっちゃんとコーヘー。二人はこのまま結婚するんだろうなと漠然と思っていた。ところがコーヘーの浮気から、浮気相手に子供が出来てしまうという最悪の事態に。浮気相手は一人で産んで育てると言うし、あっちゃんは病気で子供が産めない身体になってしまったかもしれない…。「妊娠させたオレ」「母になるワタシ」「浮気されたアタシ」…三者三様、ぐるぐる繋がるオトナ未満の第三次性徴白書!! ……これはね~、全面的にコーヘーが悪い!!!! そんなにあっちゃんが大事なら、浮気なんかしなきゃいいのに。浮気するにしても最低限のマナーやルールは守ってしろ!と叱咤したくなるけど、あっちゃんはいい子だよな~(ノд・。) ホントあっちゃんが色々と試練すぎて可哀想だよ…。まあコーヘーも根はいい奴なんだけどね。二人のバランスが崩れて、今後どうなっていくの!?…という、とっても気になるところで終わっています。早く続きが読みたい!><最近この手のアラサー世代マンガにすっごい興味が出てきました。特にこの世代は人生に迷う時期だと思う。そして私も迷走中!\(^o^)/(2012/6/1)
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    投稿日:2012年06月01日
  • 「メンタリスト」と称する人物がテレビで活躍中です。あれ、いつ見ても不思議なんですが、どうなっているんですかね。本当に超能力を持っているとしか思えない時があります。『なにかもちがってますか』(鬼頭莫宏)は、現在「good!アフタヌーン」に連載中の作品で、超能力を使った中学生の日比野光(ひびの・みつる)と光の力を利用する一社高蔵(いっしゃ・こうぞう)のストーリーです。当初、光は自分に超能力を持っているなんて気がつきませんでしたが、クラスメートの死によって一社が光の超能力を確信します。そして、世の中のルールを守れない者、例えば運転中に携帯電話を操作する者を殺すように光の超能力を使わせます。光も一社も華奢(きゃしゃ)な体つき、光は思春期にありがちな心の不安定な大人しい少年で、とても人を殺すために自分の能力を使うようには見えないのですが、そこが逆に怖いところ。自分のしでかしたことに反省する光ですが、だからといってやめるようにも見えません。現在、君たちは「もちがっている!」じゃなくて、まちがっている!と止める人物はまだ現れていません。今後の展開が非常に気になる物語です。それにしても超能力って使い方しだいで本当に怖い。テレビの中だけのネタとして使われてほしいと思わされました。(2012/5/29)
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    投稿日:2012年05月29日
  • 「昭和四十三年、おまえはなにをやっていた?」と作中の老刑事は尋ねます。この年は、川端康成がノーベル賞を受賞し、金嬉老事件が起こりましたが、全国民の耳目を集めた大事件が勃発しました。「昭和の」と冠され、後世にも語り継がれる三億円事件です。『悪魔のようなあいつ』は阿久悠の原作で、「昭和の絵師」上村一夫が描いた、三億円事件をモチーフとしたマンガです。美青年の可門良と足の不自由な妹いづみとのねじれた兄妹愛を軸に、良の悪魔のような魅力に周囲の人間は惹きつけられ、巻き込まれていきます。そして、三億円事件の犯人と目して良を追う老刑事もそのうちの一人のようです。題材と絵のテイストから、本作を読んでいるとむせ返るばかりに昭和の香りが濃厚に漂ってきます。良は三億円事件の犯人なのかどうかを探りつつ、不思議なオーラを放つ良を追ってどんどんページをめくってしまいました。物語は第一章から「あと○○日」という風に、カウントダウン形式で話数を重ねていきます。もちろん、最後は三億円事件時効の日です。良は、真犯人なのでしょうか? ついでながら、この作品は当時映像化され、主役を沢田研二が演じ、沢田が歌った主題歌「時の過ぎゆくままに」は当時の大ヒットを記録した昭和の名曲です。まさに昭和づくしの隠れた名作マンガです。(2012/5/29)
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    投稿日:2012年05月29日
  • ティー・エー・エー・エム・オー! ティー・エー・エー・エム・オー! タアモ!! ついに『ライフル少女』と『あのこと ぼくのいえ』が発売になったよ! これは必読だぜ☆( ゚Д゚)b この2冊、何年後か漫画史的にすごく大きな意味を持つものになる予感でいっぱいです!! (2012/5/29)
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    投稿日:2012年05月29日
  • 『悪徳の栄え』などマルキ・ド・サドの文学を日本に紹介した澁澤龍彦は、西欧の文化をめぐる数多くの著作を遺しましたが、本書『裸婦の中の裸婦』はその著作活動の締めくくりとなったエッセイ集。月刊の文藝春秋誌に好きな絵画について思うままに書いてきた澁澤龍彦が残り3回分を残して病に倒れ、見舞いに行った病室で後を託されたのは年下の友人である巌谷國士。巌谷が共著者として連載を引き継ぎ、澁澤が強く望んでいた単行本化が実現して出版されたのが本書です。もともとが月刊誌の連載で、毎回一人の画家(写真家が一人含まれますが)の一枚の絵をテーマに、澁澤龍彦と架空の人物――澁澤と同年配の男性と、年若いスーパーインテリ風の女性が語り合います。好みの「裸婦」を気ままに選び対話体という独特の形式で、融通無碍の境地に遊んでいるかのような美術エッセイです。共著者の巌谷國士はあとがきに「生涯にわたって美術を好み、美術を語り、美術を鏡にして自己を問いつづけてきた作家の行きついたところが、このように自由で、宙吊りで、ノンシャラン(筆者注:無頓着なさま。行動に熱意がなく、のんきなさま=日本国語大辞典より)で、駘蕩(筆者注:のびのびとしているさま)としていたということに、私はあらためて感動をおぼえている」と記しています。まずは、融通無碍の境地に遊ぶ、澁澤龍彦の裸婦論の一端を紹介しましょう。〈――日本人の中からだれを選ぼうか、ずいぶん迷ったんだがね。結局、明治初期の洋画の先駆者というべき異色の画家、百武兼行を登場させることにきめたよ。同時代の山本芳翠よりも五姓田義松よりも、あるいは黒田清輝よりも、ぼくはこのひとが好きなんだ。どうだね、この裸婦像は。/――すてき。すらりと手脚がほそくて、貧弱な上半身にくらべて下半身が妙に伸びていて、ちょっと先生のお好きなクラナッハを連想させるところがあります。「痩せた女は猥褻である」というボードレールのことばを、つい思い出してしまいます。でも、このモデルは日本人ではなさそうですね。どこの国のひとかしら。/――おそらくイタリア人だろう。明治十四年、ローマ滞在中に描かれたものと推定されている。きみ、この明治十四年という日付を、あたやおろそかに考えてはいけないよ。日本で最初の裸体画は、一般に明治二十六年にパリで描かれ、帰国後に公開されるや、社会問題になった黒田清輝の「朝妝」(ちょうしょう)だということになっている。しかしね、この百武の「裸婦」はそれよりも十二年も前に描かれているんだぜ。これこそ日本人の描いた記念すべき裸体画第一号なんだということを銘記してほしいね〉二人の会話はこのあと、佐賀藩出身の百武兼行が旧藩主に随行してヨーロッパに渡り、西洋画を学んでいった経緯を語り、若くして結核で夭折したため生前に評価を得ることは出来なかったものの、明治維新という精神の昂揚期に際会して、これ以上は望めないほどの幸運な星まわりを生きたのが百武兼行という画家だったのではないかと分析しています。〈たとえ当時の評価は得られなかったにしても、ぼくはそれでよかったと思っているからね。このひとの画面からは、どことなく気品というものが匂ってくるんだ。案外、これは画壇を超越していた画家の特権かもしらんよ。/――さきほど、あたしは「痩せた女は猥褻である」というボードレールのことばを引用しましたが、あの発言は不穏当でした。ごめんなさい。撤回します。/――どうしてさ、撤回する必要はさらさらないよ。少なくともぼくの考えでは、猥褻感をそそることと、気品のあることとは、ちっとも矛盾しないからね。じつをいうと、気品のない女からは、ぼくは一度も猥褻感をそそられたことがないんだ。/――あ、分かりました。気品が犯されるからこそ猥褻感がでてくるんですね。つまり気品は猥褻感が成立するための前提条件ということになります。/――なんという分かりのはやいお嬢さんだろう。一を聞いて十を知るとは、このことだね。こんな調子だから、ぼくも安心して無責任なことがいえるよ〉知を極めた澁澤龍彦が「エロス」を自由気ままに語って、高級落語の趣さえある会話体のエッセイ。一人だけ写真家としてとりあげられているヘルムート・ニュートン(作品は女優シャーロット・ランブリングを撮った「デカダンな女」)論も秀逸です。(2012/5/25)
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    投稿日:2012年05月25日
  • 今も昔もヒーローものは子供向け、ではありますが、設定を時代背景に合わせてアレンジすれば、こんなにもエッジの効いた作品になります。仲間である能力者の犯罪を防ぎながらも、能力者ゆえ人間からは迫害されるという、哀しきヒーロー、ジエンド。その容姿はヒーローらしからぬ異形で世界を滅ぼす力を秘めた存在。性格も破天荒で、正義の能力者と対峙するシーンでは「正義の味方も縦社会かよ。あんま笑わすなコラ」と毒舌を吐く無頼っぷり。昔のヒーローでは考えられない言動に新鮮さを感じます。と書きながらも一方では懐かしさもあって、それは著者が私と同世代なせいかも? 子供のころに見ていた特撮番組へのオマージュ表現が多々あり、4巻の冒頭のシーンなんて、まんまあの悪の首領じゃん、とニヤリ。特撮LOVEもビンビンに伝わってきますね。またこの作品は、世界観を同じくする他作品の主人公が登場するというのもウリのひとつ。その中でも私のイチ押しはツイッターでも話題になっていた『ネクロマン』。「正義の死者」ってなんなのよ。(2012/5/25)
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    投稿日:2012年05月25日
  • キタキタキタ━━(゚∀゚)━━ッ!!!これまた私の大好きな作品!これも大洋図書様です!すばらしい!山本小鉄子先生大好きなんですよね(*´∀`*)ピュアで可愛いくってキュンキュンでホンット萌えます!その中でも特に好きな作品です!「ちひろが好きなんだよ、めちゃくちゃ好きだ!昔からず~~っと好きだ!! 恋してるんだよ!」一緒に暮らすことになった幼馴染・圭吾からの突然の告白。男と男でどないせえっちゅうねん…戸惑うちひろと忠犬気質・圭吾の前途多難、青春恋物語!美形(だけどワンコ)に育った幼馴染と数年ぶりに再会し、好き好きアピールをされまくる可愛くてヤンチャな主人公…ヤンチャ受ですよ!!私の大好物ランキングでも5本の指に入るヤンチャ受!!昔は苛められっこで泣き虫で小さかった圭吾が長身のいい男に成長し、デカくて強かったはずのちひろが、今では小さくて可愛くて電車では男に痴漢されるという、幼馴染で王子姫の立場逆転ってだけでも美味しいのに、その上ヘタレワンコ攻にヤンチャ受なんて極上すぎる…!!!!これ絶対読むべき!!!ホント可愛くってピュアピュア萌えるから!!しかもこれには続編があってですねー!うちでは7月発売なんですが、そちらも必見です!!! え!?くっついてこの後の二人はどうなるの!?っていう、悶々とした気分を見事にスッキリ爽快にしてくれる素晴らしい続編がね…!『晴れてボクたちは』は二人が再会してからじっくりゆっくりと一歩を踏み出すまでの物語、続編の『ドキドキレンアイ』は恋人になった二人が気持ちを確かめ合うまでのストーリー。絶対読んでください!!ヾ(@~▽~@)ノ
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    投稿日:2012年05月25日
  • 高齢者大国、日本。周りを見れば中年や高齢者が目につくようになった。若者がいない。今や老人と言える年齢の人が老人の介護をしている時代なのだ。戦後の日本を支え、創ってきた人たちが支えられる立場になった。これからの介護ビジネスは増える一方だが、常に人手不足という問題を抱えている。この不況で就職難の時代になぜ人が集まらないのか。それはいわゆる「3K」と呼ばれる仕事だからだ。「キツイ」「キケン」「キタナイ」動物の世話とは訳が違う。人格を持った人間、プライドを持った人間、築いてきたものがある人間。それでも体だけは自分の意思ではどうにもならない。それが年をとるということだ。そういう人達の世話をすることは本当に本当に本当に大変だとこの作品で思い知らされた。高齢者に限った事ではなく、人間が人間らしく生きるためには、想像以上の労力がいるのだ。この作品で描かれている老人介護の問題は、限りなくリアルだと思う。
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    投稿日:2012年05月25日
  • 最近こんな記事を見た。心臓移植の為にアメリカに渡った日本人の少年が、手術の前日に亡くなったと。「神はいないのか」「本当に残念」といった少年の死を悼む声も多く寄せられ、涙をさそう痛ましい出来事として取り上げられていた。両親の悲しみは計り知れないだろうなと思う。しかし私はそれと同時に「しょうがない。運命だったんだろう」とも思った。否定するわけじゃないが。世界各国で今こうしている間も子供は死んでいるのだ。普段そんな事実は見てみないフリをして、たまたま取り上げられた1人の少年を、かわいそう、神は残酷だなどと。少年が日本人だったから?助かるはずの命だったから?少なくとも1億円以上の寄付金と最高の医療を受けられただけでも幸運だった。死は平等だ。誰の味方もしない。ブラックジャック先生、あなたが非情なまでに冷酷なのはそれをわかっているからですよね?
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    投稿日:2012年05月25日
  • 男の部屋で朝を迎えた三姉妹の次女・佳乃(よしの)に父の訃報が届いた。母との離婚で長い間会っていない父の死に、なんの感慨もわかない佳乃は…。鎌倉を舞台に家族の「絆(きずな)」を描いた限りなく切なく、限りなく優しい吉田秋生の新シリーズ!! ……ということで、『BANANA FISH』の吉田秋生先生が描く家族モノです。ごくごく普通の世界が舞台なのですが、なぜこんなにドラマチックなのでしょう。すげえ面白いです。読んでいただくと分かると思うのですが、見せ方がうまくて、次のコマ、次のコマ……と、どんどん追っていってしまいます。まさに「物語の世界に引き込まれる」という感覚です。このテンポと間。いつまでも浸っていたいです。(2012/5/22)
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    投稿日:2012年05月22日
  • 「ふるさとは遠きにありて思ふもの」と詠んだ詩人がいますが、故郷のある人は、千差万別それぞれの想いがあることでしょう。休暇の度に帰郷する人もいれば、故郷を出て一度も帰ったことがないという人もいるでしょう。『父の暦』(谷口ジロー)は、主人公である陽一が十数年ぶりに、父の葬儀のために故郷へ帰るという場面から物語が始まります。陽一にとって、父の死に直面するまでは故郷や実家はずっと意識の外、というか捨ててしまったような状況でした。もちろん、陽一にとっても「ぽかぽかと心地よい陽だまりの」ような家族の全盛期もありましたが、鳥取大火という災害が発端となって、家族の絆がほころび始めてしまいました。以来、家族に対して心を閉ざしがちとなっていた陽一なのですが、通夜で伯父から聞かされた父の話は陽一の知らないことばかり。父の想いを知ったときには、当人はもうこの世にいなかったというわけです。写実的な描写のなかで、陽一をはじめとした登場人物は淡々とした表情で回顧するのですが、逆にそれが日常的なリアリズムを感じさせます。哀しい場面が少なくありませんが、この物語を読んでいて救われた気持ちになったのは、陽一の妻が父と陽一を比較して伝えた言葉です。この作品を読み終えて、私も自らの「陽だまりの」光景が蘇ってきました。故郷を持つすべての人に読んで欲しいマンガです。(2012/5/22)
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    投稿日:2012年05月22日
  • 〈一〇月一三日、土曜日。結婚式などでどうしても都合が付かなかった二、三人を除く部長全員が東京の信濃町にある住友銀行会館に顔を揃えた。皆の前で私はこう言った。「現在のイトマン問題と磯田さんのことをあなた方はどうお考えですか。お一人お一人意見を聞かせて下さい」朝の一〇時から午後の二時頃までかかっただろうか。全員からたっぷり意見を聞いた。実に多様な意見があった。しかし共通して出たのは、磯田会長は口先だけでなく早期に辞めるべきだ、それを巽頭取から磯田会長に言ってもらわなければならないということだった。むろん私が最初からそういう提案をしても皆は納得してくれただろう。しかしそれでは不満があっても表に出ずに決まってしまう可能性がある。そういう心配があったので、全員の意見を集約する形で磯田会長退任要望書をまとめた。印鑑をもっている人は印鑑で、もっていない人は朱肉に指をつけて全員が押印した。昔で言うなら血判状である〉金融関係者のみならず、ビジネス界に大きな衝撃を与えた書『ザ・ラストバンカー 西川善文回顧録』で、著者・西川善文(元住友銀行頭取)は5000億円もの不良債権を抱え込んだイトマン問題で揺れる住友銀行で「磯田天皇」と呼ばれるほど権勢をほしいままにしていた磯田会長に対する退任要望書を全部長の総意としてとりまとめた時のことをこう回顧しています。要望書は巽頭取に手渡され、部長会の総意を背に巽頭取が磯田会長と向き合った。そして秘密部長会から3日後の10月16日、住友銀行東京本部で開かれた経営会議で磯田会長が取締役相談役に退くことが決められた。同時に腹心の西副頭取も辞任に追い込まれ、イトマン再建問題は急展開していくことになるわけですが、役員層のだれもが鈴を付けに行くことが出来ずに膠着していた状況のなかで、当時一部長の立場に過ぎなかった著者は、金曜日夜に全部長に電話連絡を入れて、翌土曜日――休日に緊急部長会を招集。部長会の総意を「磯田会長退任」を求める血判状にとりまとめて頭取を動かすのです。事実は小説より奇なりとよく言われますが、著者が住友銀行に入行するときの人事部長が磯田元会長だったという因縁がこの二人の間にはあったそうです。その間の事情を著者は「磯田一郎との出会い」としてこう書いています。著者は新聞記者志望の大阪大学法学部4年。就職解禁を控えて友人に誘われて大阪・北浜にあった住友銀行本店に出かけていった。冷やかし気分だから、よれよれのTシャツとズボン姿だった。〈ほどなくして人事部長が現れた。がっしりした体躯の磯田一郎さんだった。私と磯田さんとの出会いは、この時が最初である。一九三五(昭和一〇)年に入行の磯田さんは、このころ四〇代後半だった。(中略)当時の住友は預金量で三菱、富士、三和に続く第四位の都銀だったが、磯田さんの話の端々から、住友への誇りが感じられた。私は、その迫力を受け止めながら、「住友銀行の部長ともなると、やはりすごいものだな」と思っていた。しばらく磯田さんと話をしていると、今度は人事担当の専務に会えという。専務と面接をすると「君、住友銀行に来たまえ。ただし、銀行は厳しいが、それでもいいか」と念押ししながら、入行を促してきた。思わぬ展開に少々とまどいを感じた。人事部長代理から「やめておけ」といわれた新聞記者という職業への興味は、まだそのときも強かった。「ああ、そうなんですか」と曖昧な受け答えをしてみたが、その場で内定がでてしまったのである〉冷やかし気分で面接を受けに来た学生が人事部長に認められて、その日のうちに採用内定となり、翌1961年(昭和36年)に入行。30代半ば以降、著者は安宅産業の破綻処理、平和相互銀行合併問題とイトマン事件の処理、そしてバブル崩壊に伴う不良債権処理と、住友銀行のいわば裏の顔に大きく関わる、本人の言葉によれば「銀行マンとしてはそうとうにいびつな経歴」をもつことになります。その意味で、西川善文回顧録は、高度成長からバブル経済、そしてバブル崩壊と失われた10年、郵政民営化へと続いた日本のリアル経済の軌跡、その舞台裏を当事者が赤裸々に綴る一級の資料として必読です。(2012/5/18)
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    投稿日:2012年05月18日