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  • 『サッチモ』は国民的マンガ『釣りバカ日誌』でお馴染み、やまさき十三と北見けんいちの黄金コンビが描いたプロ野球のちょっと変わった物語。主役はプレイヤーにあらず、監督です。元々スカウトとして全国を転々としていたバンタムズの小川部長は、ある日オーナーに呼び出されて、次の試合からの監督を命じられました。突然の監督就任なんて、夢のような話ですが、シーズン終了間際に最下位の責任を取らされた前監督の代わりとして、残り数試合のワンポイントを任されただけ。いわば、敗戦処理のはずだったのですが、意外にも小川には監督の才があって、ドタバタしながら翌年も続けることになります。このマンガを読んでいて面白いのは、試合に継ぐ試合の一本調子のストーリーではなく、プロ野球ならではの裏表もつぶさに描きこまれていることです。オーナー同士の談合を思わせるような会話やGMの腹黒い思惑、若きエースのスキャンダル等々。私が好きなシーンは、守護神・江波が自分の試合をいったん抜け出して、離婚した女房と暮らす息子の少年野球の試合に駆けつける場面です。主筋は小川監督の戦いぶりなのですが、結末に向かって目が離せなくなります。そして、「偉大なるサッチモ」の名曲「What a wonderful world」が流れてきそうなラストを迎えます。(2012/11/20)
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    投稿日:2012年11月20日
  • 寝不足です。絶賛寝不足です。そうです。「ジョジョ第三部」のせいです。100年の時を経てあのDIOが復活。不死身の吸血鬼に立ち向かうのは、第二部の主人公であるジョセフの孫・空条承太郎!! DIOが復活したことによって、ジョースター家の血筋の者の身体に異変がおこり、ジョセフの娘・ホリィ(=承太郎の母)が危篤の身に。ホリィを救うには、DIO(≒ジョナサン・ジョースターの身体)に発現した新たな能力「スタンド(幽波紋)」を直接ぶっ叩くしかないッ! ということで、ジョジョ一行の長い旅がはじまります。「ジョジョ」はシリーズを通して、単純な肉弾戦だけでなく、トリッキーな頭脳戦がからんでくるところが魅力ですよね。第三部から登場した能力「スタンド」は、人間の精神の強さを具現化するのがテーマだったそうで、そういう着眼点にシビれます。いろんなスタンド、スタンド使いが次々と登場してきて、飽きさせないですよね~。この第三部で、ジョースター家とDIOの長き因縁の戦いは、ついに終局…! まさに大長編ロマン! 扉絵がカッコ良すぎる件など、すみずみまで見どころが盛りだくさん過ぎて、もう出社時間が日ごとにモゴモゴ…。いや、読むのも仕事なんです(`・ω・´)キリッ 扉絵飾りたい。(2012/11/20)
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    投稿日:2012年11月20日
  • 11月8日に始まった中国共産党大会。胡錦濤体制から習近平時代への移行に向けた最終調整――舞台裏でくりひろげられた権力闘争は熾烈をきわめたようです。その帰趨はどうなっていくのか。尖閣諸島をめぐる日本との紛争はどうなっていくのか。反日気運の高まりのなかで日本人暴行事件が相次ぎ、またメイド・イン・ジャパンの自動車の売上げが急減するなど冷え込む一方の日中経済関係はどうなるのか。いまにも「戦争」が始まるかのような夕刊紙や週刊誌の大見出しはいささか行き過ぎにしても、権力構造の変革期にある中国が気になる国ナンバーワンであることは疑いない。本書『いま誰もが気になる中国の大疑問』は、改革開放路線に転じていながらも、肝心なところは「一党独裁」の厚いベールに覆われ不透明な「中国」という社会を、薄皮を一枚一枚はぐようにして裸にしていきます。それも平易な言葉で語ってくれているので、さながら中国入門百科の趣です。6章88の疑問に分けた構成が類書にはない、本書の大きな特長となっています。疑問の一つ一つが読者の知りたいことに沿ったものとなっていて、自分自身の関心や疑問に添い寝してくれているような気に自然となってくるから、面白いものです。たとえば、こんな疑問がたてられています。〈どんな人たちが「富裕層」と呼ばれているのか?〉最近ニュースの中にしばしば登場してくるようになった、この「中国の富裕層」について、日本人の多くがわかったようでわからないという感じを抱いているのではないでしょうか。いったい、どれくらいの収入を得ているのか? 資産はどれくらい持っているのか? 中国社会の中でどれくらいの割合になっているのか? 本書の解説を聞こう。〈改革開放路線による経済発展にともない、中国では豊かな人々が増えている。現在、衣食住に限らず、趣味や子供の教育にそれなりにお金をかけられる中産階級の数は、10~15%に達するとみられる。中国の人口を13億人とすると、1億3000万~2億人近くになるわけで、日本の人口以上の規模である。アメリカの金融機関メリル・リンチの予測では、10年後には3億5000万人にも達するという。(中略) ただし、この中産階級、「先富論」(引用者注=鄧小平が毛沢東の「均富論」に替わるものとして唱えた開放経済の基本理念。「貧しきを憂(うれ)えず、等しからざるを憂う」という考え方を重視した毛沢東が国や人民が豊かになることより、みなが平等であることを第一に考える「均富論」を提唱・実践したのに対し、鄧小平は「条件のよい人や地域から豊かになりなさい。そして、豊かになった者が全体を引き上げればよい」として、改革開放路線のベースに「先富論」をおいた)のもとで成長してきた中国では、一様に増えているわけではない。地域による格差が大きく、中産階級が多いのは、北京、上海、大連(だいれん)、広州(こうしゅう)といった沿岸部の大都市である。また、中産階級よりも、さらに豊かな富裕層と呼ばれる人も、すでに5000万人に達するとみられる(ただし、中国では、不動産、金融資産、現金などの個人資産を1000万円以上もっていれば、富裕層となる)。富裕層を職業別に見ると、とくに多いのは個人企業や国有企業の経営者である。国有企業では、石油や石炭といったエネルギー関連企業に多く存在し、経営者や役員はもちろん、従業員からも富裕層が生まれている。このほか、銀行、証券、保険といった金融関係や不動産関係、さらに最近では、外資系企業の従業員にも増えている〉ちなみに、物価、とりわけ生活必需品の価格が安く安定している中国では、月収5000元(約7万5000円)もあれば、そこそこの暮らしができるそうです。夫婦二人で働くのが一般的な中国ですから、夫と妻がそれぞれ3000元ずつの収入でも、合わせれば6000元になりますから、立派な中産階級の仲間入りができるというわけです。驚くなかれ、日本の人口を上まわる1億3000万から2億人の中産階級がいて、彼らは望めばお手伝いさんを雇うことも可能な経済力を持っているという。そしてさらに1000万円以上の個人資産を持つ「富裕層」が日本の人口の半分近い5000万人に達しているというのです。日本政府による尖閣諸島国有化に端を発した反日騒乱の際に、毛沢東の写真が高々と掲げられていたのが印象的でした。「反日」の根底には深刻化する「経済格差」への不満、怒りが潜在しているとも言われますが、こうした格差の実態を見れば、毛沢東の「均富論」に傾斜する民衆が増えていることも理解できます。とまれ、「政治経済から外交軍事、市民生活まで」と副題にあるとおり、「中国」を全方位から解剖した好著、日中一触即発の2012秋に必読の一冊です。(2012/11/16)
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    投稿日:2012年11月16日
  • かわいい絵柄がミスマッチなホラーエッセイ漫画。わりと硬派な実録系が好みの私にとっては、表紙からして読むのに苦労しそうで気が進まなかったのですが…、いやいやどうして、けっこうイケる。ところどころに幽霊や狐様などのシリアスタッチの絵が挿入されているのですが、これが効果的で洗練された感じがして、なかなかツボにはまりました。そのカットが入ることで場面展開がわかりやすいんですよね。ポップな絵柄の割に一本調子じゃなく演出力もあって、最近人気の漫画家というのもうなずけます。内容も日常のよもやまごとのなかに幽霊やお化けを放り込んだ、食い合わせの悪いカップリングなのに、なぜかなじんでいるという新鮮さ。特に悪霊を祓う訳でもなく、土地の因縁を語る訳でもなく、日常と地続きで幽霊をいてもおかしくないものとして受け流してしまう。強引なオチをつけたりもしない。それでいて適度なアクションがあって食い足りなさがない。軽すぎず重すぎもしない、まさに怪談エッセイといっていい禍々しく楽しい作品。恐れ入りました。やっぱ、食わず嫌いは良くないですね。(2012/11/16)
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    投稿日:2012年11月16日
  • 巷で話題のこちらの作品。水城せとなさんといえば私にとっては『同棲愛』が大変思い出深い作品ですが、水城せとなさんの描かれる少女コミックは今回初めて読みました。長年叶わぬ片想いをする主人公の爽太が、失恋をバネに、ショコラティエとして成長していく物語。高校時代から憧れ続けていたサエコと付き合っている爽太は、バレンタインデーの前日、精魂込めて作ったチョコレートをプレゼントするが、サエコは受け取ってくれなかった。付き合っていると思っていたのは爽太だけだったのだ。傷心の爽太は、なけなしの金と少々の荷物だけを持って、フランスの有名パティスリー・ボネールを訪れ、雇ってほしいと頼み込む。ただチョコレート好きのサエコを振り向かせたい一心で修業に励み、5年後、ボネールの日本進出店を支える若きシェフとなった爽太。しかしサエコは結婚が決まっており、間もなく爽太は独立し、ショコラ専門店「ショコラヴィ」を開店させる…。タイトルから、もっと甘いラブストーリーかと思いきや、結構ドロドロでほろ苦く、ビターな感じ。物語も今までのラブストーリーとは一風変わっていて斬新です。登場人物それぞれの片想いの連鎖で、切なく純粋ながら、恋愛におけるしたたかさや計算高さなども描かれ、とてもタメになる作品です(笑)。特に話題の「サエコ」の恋愛テクニックには目を見張るものがあります!外見はいかにも普通そうな女の子なのに、高校時代は各学年の一番のイケメンをとっかえひっかえだったというサエコ…。うらやま…いやいや(^ω^)小悪魔ってこういう子を言うのね…!納得です。そして心理描写がとにかく繊細で素晴らしい。叶わぬ片想いをする主人公の切ない感情や葛藤、ジレンマがヒシヒシと伝わってきます。なぜか無性に食べたくなる中毒性の高いチョコレートのような作品で、続きが気になります!
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    投稿日:2012年11月16日
  • 第1部を読んで、まさか石仮面の吸血鬼を捕食する生物が出てくるなんて想像できただろうか……!!! というわけで第2部では石仮面の吸血鬼以上の敵が出てきます!なんということでしょう!そして主人公は第1部ジョナサン・ジョースターから、孫であるジョセフ・ジョースターへと変わります。第1部に比べると、少しギャグ要素も多く(ガッシリ体型のジョセフの女装シーンも!?)、テンポ良く読めるかと思います。もちろん熱い戦いはガッツリあります!! そうそう、第2部の初めにジョセフは財布を盗まれるのですが、その時のやり取りで「そのサイフは わたしが彼にあげたものですよ おまわりさん」と言う場面があります。ん?どこかで聞いたことあるような……と、そう第1部でジョナサンの父親がディオの父親に指輪を盗まれていた時にも同じようなセリフを言っていたのです。こういったシリーズで共通してるようなことを見つけると、なんだか得した気分になります(*´∀`*) 他にも「神砂嵐」のポーズのマネをしたなぁとか、波紋でアンチエイジングとか色々あるんですけど、ジョジョについて語ってばかりいないで、仕事も片付けなくちゃいけないような気がするのだけども……――そのうちミヤタは、考えるのをやめた。
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    投稿日:2012年11月16日
  • 寝不足です。絶賛寝不足です。そうです。「ジョジョ」が原因です…! 読めば「テンションあがる!」これがジャンプの漫画ですよね! やっぱり圧倒的におもしろいッ!! OMOSIROIYYY!!!!! 特集本が出たり、展示会が話題になったりと、連載開始から20年以上も経って、最近ますます人気に火がついていますよね。すごいなあ。最新シリーズ「ジョジョリオン」までばっちり発売予定(12月!)ですので、皆様ぜひお楽しみに!! 大長編、がっつり読みましょう!! ぶったおれるまでやめられない面白さ\(^o^)/ (2012/11/13)
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    投稿日:2012年11月13日
  • 『激突』は、不朽の名作時代劇『子連れ狼』を生んだ小池一夫と小島剛夕のゴールデンコンビによる作品。端的なタイトルですが、徳川家三代将軍である家光の後継者をめぐって、両陣営の迫真の対決を描いた物語です。とはいえ、肝心の四代将軍候補は、まだ幼少の竹千代と徳松。筋からいえば、嫡男の竹千代が将軍後継者になるべきなのですが、それを阻む陰謀が渦巻き、その黒幕が当の幕府つまり実父の家光なのです。竹千代を護る堀田家と凄腕浪人の刑部VS幕府というのが激突の構図なのですが、どう考えても幕府有利、というかもはやアリと巨像の対決規模です。当然ながら堀田家側は、全員討ち死に覚悟で竹千代を擁護します。それにしても、実父がわが子を「始末」しようと企て、他人がわが命に代えてそれを護ろうとするのですから、妙な話です。まさに「理不尽なり!!」なのです。物語の結末には、この理不尽の答えがきちんと用意されています。時代劇の醍醐味が凝縮された物語です。(2012/11/13)
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    投稿日:2012年11月13日
  • 1998年11月、モスクワに向かう政府専用機――空飛ぶ「奥の院」の総理執務室。外務省のロシア専門官、佐藤優による小渕恵三総理へのロシア情勢レクチャーは1時間を超えていた。小渕総理は専用機に乗り込むなり部屋着に着替えて、佐藤の説明に聞き入っていた。半年前の4月に静岡県の川奈で行われたエリツィン大統領との会談で橋本龍太郎総理は北方領土返還交渉に関する、ある提案を行った。佐藤優が素案を用意した提案だが、外交機密として詳細は明らかにされていない。小渕のモスクワ訪問の目的は、その川奈提案に対する回答で、佐藤の機内レクチャーは想定される5つの回答に対する対応をシミュレートすることにあった。説明をほぼ終わろうとした時、小渕総理が質問をした――。佐藤優は『交渉術』に、その時のことをこう書いています。〈「橋本(龍太郎)さんは、エリツィンと三回キスをしたが、あれはどういう風にするんだ」「まず、右の頬にキス、次に左の頬、最後に唇の中央にキスをします」「話だけじゃわからねえな。ちょっとやってみてくれ」そこで、私と鈴木(宗男)氏がキスの実演をした。小渕氏はそれでは納得しない。そこで、鈴木氏と私はもう一度実演した。「おい、俺と試してみよう」と小渕氏は言った。私は小渕氏と三度、ロシア風のキスをした。この挨拶は、ロシア人と信頼関係を構築する上でとても有益だ。小渕氏は、エリツィン大統領と三回キスをした。すべては北方領土返還への環境を整備するためなのである。男同士のキスもインテリジェンス交渉術の一部なのだ〉政府専用機の機中で、大真面目にロシア風キスの練習をする総理大臣。仰天すべき秘話なのですが、インテリジェンスの世界の当たり前の風景としてさりげなく描かれています。
    本書『交渉術』著者の佐藤優が、先の「ロシア風キス」の実演者として登場していた鈴木宗男衆議院議員の汚職事件に関連した背任容疑で東京地検特捜部によって逮捕されたのは2002年5月14日。以来佐藤優は2003年10月に保釈されるまでの512日間を東京小菅の東京拘置所の独房に拘留されました。そして2009年7月に懲役2年6ヶ月、執行猶予4年の判決が確定、外務省失職に至ったわけですが、それまでに佐藤優はノンキャリアながら外務省内の「ロシア・スクール」(スクールとはもともと「学派」を意味する言葉で、そこからロシア問題に精通するグループといった意味あいで使われている)の専門家として橋本龍太郎、森喜朗、小渕恵三の三総理の対ロシア外交で大きな役割を果たしています。対ロシアのインテリジェンス活動の経験と、そこから導き出されたナレッジ(知識・法則・鉄則)をまとめたのが、本書です。著者によれば、インテリジェンスの世界とは、国家の利益のためには何でもありの世界です。ですから、そこでの出来事は、掛け値なしに面白いといっても過言ではありません。交渉術の実用書として、交渉に勝つ、あるいは負けないためのノウハウがふんだんに盛り込まれています。また、必要があればオンナの世話までするというのですから、それこそ何でもあり――です。生き馬の目を抜くかのような謀略、陰謀渦巻くインテリジェンスの世界を垣間見る読みものとしても一級品です。当事者しか知り得ない数々の秘話は北方領土交渉の記録として貴重なものとなっています。ですから、どういうアプローチをしても楽しめる本なのですが、筆者はひとつだけ気をつけてほしいと、あとがきにこう書いています。〈読者に注意していただきたいのは、本書が基本的に失敗についての記録であるということだ。それだから、この内容を額面通りに実施すると必ず失敗する。外交やインテリジェンスの世界では、すべてが結果責任だ。結果から見るならば、私は大失敗をしでかした官僚である。それも仕事に失敗して左遷されるとか、クビになるというレベルではなく、「鬼の特捜」(東京地方検察庁特別捜査部)に逮捕、起訴され、「小菅ヒルズ」(東京拘置所)の独房に五百十二日間暮らすという結果をもたらした。まず、「佐藤優のようにならないためには、どうすればよいのか」という観点から本書を読んでほしい〉政府間交渉、外交戦争の表舞台も裏舞台も知り尽くし、逮捕・有罪確定という修羅場も経験して、いまや独自の視点で時代を斬る論客として凄みの増した佐藤優が裸になって書いた、外務官僚としての総括の書です。(2012/11/9)
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    投稿日:2012年11月09日
  • 少し前、バラエティ番組で伊藤潤二作品が取り上げられていまして、確かとあったはずと思い探してみたら、やはり売ってました。この短編集の第4巻にはその番組で取り上げられた3作のうち2作が収められており、ひとつが記憶を失くし、巨大な芋虫毛虫の幻影に悩まされる少女の恐怖体験「ご先祖様」、そしてもうひとつは巨大な自分の頭部状の気球に首を吊られるという「首吊り気球」。前者は正統派ホラーながら巨大芋虫という設定にひねりがあって、後者は不条理過ぎてホラーというよりもはやSFの域に入ってます。テレビで取り上げられるだけあってこの2作は見た目のインパクトは相当のもの。またその恐怖表現が独創的で、私、ホラー漫画にもかかわらず改めて感心してしまいましたよ。この著者の作品は長編もいくつかありますが、短編の方が作家性が出ているような気がして好きですね。ちなみにバラエティ番組で取り上げられた3作のうちのもう1作「幽霊になりたくない」は『新・闇の声 潰談』に収録されており、こちらもリリース中です。(2012/11/9)
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    投稿日:2012年11月09日
  • 山田ユギ先生の代表作ですね!! 昔から山田ユギ先生が大好きだったので、「山田ユギ本誌初登場!」と、この作品がBE×BOYに掲載された時はホントに嬉しかったな~(*´∇`*)☆ 初めは読み切り風でしたよね? でもこれは絶対人気が出て連載される!と思ってましたw だって面白いっ!!! さすがユギさん…!としか言いようがないです。山田ユギ先生のいいところがたっぷり詰まった作品です。飲んでこの痛みを忘れたい! 特別にかわいい後輩・斉藤が結婚し荒れる永井は、その夜、本田と飲み狂いうっかりホテルへ。「なぐさめセット」と称したキスに流されちゃって…。苦悩する永井に、今度はヨメに逃げられたと斉藤が泣いてすがってきて…。どうなる3人の恋バトル!! 三角関係、ノンケ同士のテンション高めのラブコメディです。ギャグ多めでテンポもよくて笑えますが、時には胸がキュンと切なくなって泣けたりと、絶妙のバランス加減でとにかくとっても面白い!! 本田さんが男前でいい男だわ~☆ 永井さんも受けのくせに、男らしくてかっこよくて素敵です! リーマン同士のラブなので、ほんと男×男!って感じ。リーマン好きにはたまらないです(*´ω`*) そしてこのかわいい後輩の斉藤くんが曲者で、永井が自分のかわいさに弱いということに気づいていて、甘えて天然ぶって永井を振り回す小悪魔ちゃんです。そんな斉藤くんのかわいさにすぐに騙されてしまう単純な永井先輩…。しかしこの斉藤くん、どう見ても受けのようなかわいい顔をしてますが、実はバリタチですがな……っ!!!! 永井さん喰われないように気を付けてー!>ω<; ちなみに三人ともノンケです(笑) ちょっと変わった三角関係の行方は!? 絶対面白いので是非ご覧ください~(^∇^)!
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    投稿日:2012年11月09日
  • ジョジョ!オススメせずにはいられないッ! ということで遂にジョジョがでましたー!!!この時を待っていました! マンガには色々な悪人や敵役が出てくると思うのですが、その中でもジョジョに出てくるディオはずば抜けて存在感があると思っています。そのディオが主人公のジョナサン・ジョースターと出会い、ここまでカリスマ性をほこる悪人になるまでが第1部には描かれています。 この秋アニメ化もされ、このオススメを書いている現在も放映中なのですが、アニメでは描ききれなかった細かい部分が原作には描かれているので、アニメを観て原作をまだ読んだことのない人にはぜひ原作を読んで、更にジョジョの世界に嵌まっていただきたいっ! また、ジョジョを読んだことをない人でも「このセリフ知ってる」というくらいに名言が多いのですが、もちろん第1部にも聞いたことのあるセリフが満載!「そこにシビれる!あこがれるゥ!」とか「君がッ、泣くまで、殴るのをやめないッ!」他にも擬音になりますが「ズキュウウゥン」や「メメタア」はこの第1部に出てくるのです。気になった人は読んで確認してください。それでは「みやたはクールに去るぜ」。
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    投稿日:2012年11月09日
  • お待たせいたしました! ついに、ついに、ジャンプコミックス発売となりました!!!!!! 私たちにとりましても、念願のリリースです! ここまで本当に長い道のりでした……! これから名作が続々続々出てきますので、どうぞお楽しみに!!!!! 最初の週にご紹介するのは、『ろくでなしBLUES』です! 「帝拳高校にとんでもない奴がやってきた! 泣く子も黙る超弩級のノーテンキ喧嘩ヤロウ、その名も前田太尊!! 入学早々、反目しあう応援団とボクシング部の抗争に巻き込まれてしまった太尊、勝嗣、米示の3人。停学中のボクシング部主将の畑中が戻り、事態は混迷を極める!」 ああ、懐かしい! 連載開始当時は“ツッパリ”ブームだんたんですよねー^^ 私は当時小学生。大っきいお兄ちゃんたちおっかないよ~><と思いながら読んだものです…。そして月日がたち、気がついたら、いつの間にか太尊たちと同い年になってしまっていた…! さらには追い抜いてしまっていた! あのときはショックでしたね。。。それだけ人気で長期連載だったということですね。やっぱり四天王編が抜群に面白かったですよね! 鬼塚、薬師寺、葛西(コミックスで確認しなくてもソラで書けるw)と名前をあげるだけでもあの興奮がよみがえってきます! ちなみに田舎者の私は、東京の地名は、怖いイメージとともにこの漫画で覚えたんですよね~(笑) 思い出が尽きないなあ~^^ もう、がっつり読みかえしたくてしょうがなくなってまいりましたので、この辺で失礼します~(*´ω`*) (2012/11/6)
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    投稿日:2012年11月06日
  • これぞ、伝説の野球漫画!!なのです。アストロ球団のメンバーは、こちらも伝説の名投手である沢村栄治の遺志を受け継いで、集められた宇野球一はじめ9人の超人たち。私が「伝説」というのは、子供の頃にこのマンガを読んで、強烈に脳裏につき刺さったシーンがあるからです。それは、超人を探し集めるシュウロが球一に対して秘球を投げたシーンです。バッターボックスで球一は言い放ちます。「このコースいただきだ!」次の瞬間、ボールはカクッと曲がり落ちます。「ムッ ドロップかい!」ボールはさらに落ちて、「ウッ二段ドロップ さすがだぜ!」、そして次の瞬間に球一はバットを振りにいくのですが、ボールはさらにクッと落ちるのです。空振りしながら「ウオッ バカな 三段ドロップ!」と叫ぶのです。私は子供ながらにも、いくらなんでもそんな魔球があるわけがない、と思いました。でも、(そんな、バカな)そう思いながらも、まるで吸い寄せられるようにページをめくられずにはいられない、それがこのマンガの醍醐味なのです。作中には三段ドロップなどまだ序の口で、スカイラブ投法やジャコビニ流星打法など盛りだくさんの超人プレーを次々と繰り出して死闘が繰りひろげられます。その度に、頭の片隅では(そんな、バカな)と思いつつ、このマンガに惹きつけられます。不思議です。多分、このマンガは作者が身を削る思いで渾身を込めたオーラを発しているのだと思います。ウソだと思ったら、アストロ球団の試合を見てください。スポ根のジャンルにはとても収まりきらない、怒涛のド迫力が体感できますから。(2012/11/6)
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    投稿日:2012年11月06日
  • “Sitting in the morning sun ・・・”( 朝日を浴びて座っている・・・)The dock of the bayを歌うオーティス・レディングの透き通った声が、詩が頭の中で繰り返し、繰り返し聞こえてきました。” Sitting on the dock of the bay”確かにあの、懐かしい歌が聞こえてきます。1951年生まれの浅田次郎は『霞町物語』の表題作をこんな風に書き始めています。〈霞町という地名は、とうに東京の地図から消されてしまった。だが今でも、かつてそう呼ばれたあたりの街角に立てば、誰もがなるほどと肯(うなず)くことだろう。できれば冬の夜がいい。青山と麻布と六本木の台地に挟まれた谷間には、夜の更けるほどにみずみずしい霧が湧く。周囲の墓地や大使館の木立から滑りおりた霧が、街路に沿ってゆったりと流れてくるのである。 あのころ――いや、もう「あの時代」とでも言った方がいいのかも知れない。飛行機事故で死んでしまったオーティス・レディングの歌声が、ビルの谷間に沈んで行く僕らの故郷に妙に似合っていた、あの時代の話だ〉そう、機動隊導入によって安田講堂の封鎖は解除されたものの東大入試が中止となった年、柏戸が大相撲を引退した年――1969年に日比谷高校とおぼしき都立高校に通う3年生の「僕」(伊能)とその仲間たちの青春を、その時代にちょうど高校3年だった浅田次郎が8篇の連作短篇にまとめました。浅田次郎自身の青春が投影されていると言われるゆえんですが、東京生まれで、1969年には大学2年だった私も同じ時代の空気をすって育ちました。8篇すべてに登場する「僕」こと伊能は、お屋敷町に隣接する写真館の3代目。夜な夜な六本木界隈に繰り出し、夏になれば愛車を駆って湘南の海にでるが、根っからの不良というわけではない。18歳になるのを待って軽免許(排気量360cc以下の軽自動車に乗れる資格)を普通免許に換えた伊能は、親に泣きついてホンダの「エヌコロ」(N360)と呼ばれた軽自動車からマツダのロータリークーペに乗り換えた。どちらも当時話題となった懐かしの名車です。そういえばN360はホンダ初の軽自動車でしたが、11月2日に復刻モデルの後継車が発売されて、再び話題となっています。車だけではありません。「あの時代」を彩る音楽として冒頭に紹介した、オーティス・レディングを初めとするR&B、プレスリー、ビートルズの存在。東京から湘南の海に走るルート、隧道や岬、海岸、茅ヶ崎のパシフィックホテル。コンテンポラリーのスーツを着、タブカラーのシャツに細身のタイといったファッション。そして――同級生との恋。〈僕のロータリークーペは一目散に恋人岬へと向かった。逗子湾を柿色に染めて沈む夕日の美しさを、僕は一生忘れない。恋人たちの踏み分けた巌(いわお)の崖道を下りると、静かな磯場があった。満ち潮がひたひたと岩を洗うほど海は凪(な)いでいた。危うい崖道でつないだ手を、僕らはずっと離さずにいた。平らな岩に腰を下ろして夕日を眺めながら、自動販売機で買ってきた一本のコーラを二人で飲んだ。海岸通りの喧噪(けんそう)は波音に消されているのに、恋人たちの車から洩れ出てくるビートルズのバラードだけは耳に届いた。僕らは黙りこくったまま、昏(く)れなずむ海を見つめていた。(中略)いつの間にか僕の肩に頬をあずけ、短い髪を指先でくしけずりながら真知子は言った。「キスしても、いいよ」僕たちは眠るような長い接吻をした。時の過ぎるのも忘れ、黙って海を見、また唇を重ね合って、僕らは次第に時間も場所もわからない未知の世界に引きこまれて行った――。〉収録短篇の一つ、『夕暮れ隧道』の一節です。「あのころ」を同時代として生きた、私たちの世代には、まさにオンリー・イエスタディーです。40代、30代の人たちにとっては、一世代も二世代も上の父や母の時代の物語です。戦後すぐには、石坂洋次郎『青い山脈』がありました。敗戦から10年たった1955年に発表された石原慎太郎『太陽の季節』では、翌56年に「経済白書」が「もはや戦後ではない」と宣言して流行語となった時代の青春が描かれました。60年安保の時代の青春を描いた柴田翔『されどわれらが日々―』が世に出たのは、太陽の季節から約10年後の1964年でした。時代を刻んできた青春文学の系譜に、浅田次郎が加えたのは、高度成長の頂点に達した経済の時代であると同時に、70年安保闘争で東大入試が中止されるという政治の季節でもあった1960年代後半から1970年代の初めに東京の霞町(今の西麻布交差点を中心とするエリア)を活動の拠点とした若者たちの青春ストーリーです。1995年から98年にかけて「小説現代」に発表された同名作品が初出ですが、舞台装置としての「あの時代」――「あのころ」を体験してみてください。時代によって刻印された若者の心情が世代を超えて共感を呼んでくれればと思います。(2012/11/2)
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    投稿日:2012年11月02日
  • 待ちに待っていた『とせい~任侠書房~』の続編。今度はヤクザの阿岐本組が学園経営に乗り出す、という展開です。荒れた高校の立て直しを組長にまかされた代貸・日村らが、学園上層部のやる気のなさや悪童たちの反抗、モンスターペアレンツの追放運動などの対処に悪戦苦闘するという、まあよくあるパターンといえばその通り。ですが、あいかわらず日村は逆境で輝く男で、微妙にずれた思想対立を、ときに熱く、ときに額に汗しながらも、胸のすくような活躍で解決してくれる。。無軌道な学生には大人のルールを教え、ヒステリックな親の言葉にキレそうになりながらもぐっとこらえ、同業者相手にはきちっとケジメをつける。ほんと、痛快極まりないです。本作では前作より少し絵も軽くなってやや凄みは薄れてますが、そのぶん青春学園ドラマとうまくかみ合っている印象。変にジェネレーションギャップをつけすぎず、ヤンキーVSヤクザの構想みたいな展開になってないのが大人向けのコメディ、って感じです。さあ、このあとは病院編。こちらもぜひ漫画化してほしいものです。(2012/11/2)
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    投稿日:2012年11月02日
  • 電子化前にこの本が手元に来た時、タイトルに惹かれてついつい読んでしまったら…面白い!(゚∀゚) もともとはブログで連載されていた4コママンガらしく、フルカラーのとってもファンタスティックで可愛らしい絵柄の作品です。そんな見た目とは裏腹に、中身はとってもリアル。女子の生態、男子への本音が鋭く、赤裸々に描かれています。女子にも男子にもモテモテのアラサーちゃんの悩みは、モテたくない男からモテたり、モテたい男からモテなかったり、水面下で勃発する女友達同士のいざこざに巻き込まれること。モテ女をキープするため、日々努力を怠らないアラサーちゃん。アラサーちゃんが目指すモテ道は長く険しいのだ! 作者が今まで出会った上玉女子の、モテるところを全部詰め込んで出来上がったキャラクターがアラサーちゃんだそう。作者が元AV女優ということでエロネタ多めですが、女の園で生きてきたからこそわかる女の本音や、女同士のやりとりの表現力はさすがです。共感できたり勉強になる部分も多く、女性だったら読んでて楽しいんじゃないかな(´∀`) こういうの嫌いな人もいるとは思いますがね…^^; 女子の生態を知りたい男子も必見ですよ~!(●´Д`●) 「女ってこんな生き物なんだ…」と学べること間違いなしっ!! 主人公のアラサーちゃんのほかに、ゆるふわちゃん、ヤリマンちゃん、サバサバちゃんなど、個性豊かなそれぞれ違うタイプのキャラクターも登場し、自分はこのタイプだな~っていうキャラクターが必ずいる気がします。「モテるって難しい!!」 モテたい全ての人に捧げる人気エロカワ漫画です! 大人女子の皆様是非ご一読をー!(Pq’v`◆)
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    投稿日:2012年11月02日
  • 転校初日、虫が苦手なちろちゃんが出会ったのは、虫大好き少女のまとちゃんだった…! 数奇な運命に導かれ、相反する嗜好をもったふたりが、ほほえましくも壮絶な戦いをまったり繰り広げる4コマギャグです。虫と女の子という組み合わせ、新鮮ですよね。まとちゃんのマニアックな発言にご注目くださいませ。順番が逆になってしまいましたが、前編にあたる『まとちゃん』も、もうすぐ発売になりますので、どうぞよろしくお願いいたします。どちらから読み始めてもOKな内容ですよー^^ (2012/10/30)
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    投稿日:2012年10月30日
  • 一般市民を守るため、邪悪な敵を斃して正義を貫く救世主、それが多くの人が抱くヒーローのイメージだと思います。悪がはびこらないように、常に目を光らせていなければならないのですから、ヒーローは大変です。もし、ヒーローの役割がお仕事となって、ビジネス化されたらどうなるのでしょう。『ヒーローカンパニー』(島本和彦)では、ヒーローたちが所属する会社であるヒーローカンパニーを舞台に、その活躍ぶりが描かれています。この会社のヒーローたちは、個人の正義感で行動するのではありません。8つの「社訓」にもあるように、「会社の利益も守れ!!」と教え込まれているのです。従来にはいなかった新しいヒーロー、まさに現代社会を反映したヒーロー!?の活躍が描かれているわけです。例えば、就業時間内は疲れきるまで働くヒーローたちなのですが、時間外の悪に対してはスルーして明日のための休息をとるのです。これから、このニュータイプのヒーローたちがどんな活躍を見せてくれるのか、目が離せない作品なのです。(2012/10/30)
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    投稿日:2012年10月30日
  • 1981年生まれの若者が、東大卒業後、就職をせずに非営利組織「ホワイトハンズ」を立ち上げました。2008年のことです。事業目的は障害者の「性の問題」の解決。その主要な手段として「射精介助」のサービスを前面に打ち出しました。セックスの選択肢は恋愛と風俗しかないのか――若者のラジカルな問いと実践活動が警察や地方自治体の固定観念という名の厚い壁に穴をあけて、ニッポン社会の「性」のありようを根底から変え始めたようです。本書『セックスヘルパーの尋常ならざる情熱』は、この若者、坂爪真吾さんの起業奮闘記で、「セックスヘルパー」とは何か、誰も取り組んでこなかった事業を思い立ったきっかけは何か、起業するまでの苦労、困難な壁は何だったか、どう乗り越えてきたかなど着想から起業、実践に至るまでのすべてが余すところなく綴られています。そもそも「射精介助」とは何か。著者は「自力での射精行為が物理的に困難な男性身体障害者に対して、本人の性に関する尊厳と自立の保護、そして性機能の健康管理を目的として、介護用手袋を着用したスタッフの手を用いて、射精の介助を行うサービス」と定義しています。射精介助の目的は、「障害者の性欲の処理」や「障害者のセックスの相手をすること」ではなく、性機能の健康管理を通した、障害者のQOL(quality of life=人生の質)の向上にあるというわけです。では実際にどう行われるのか。少し長くなりますが、「性の介護」のひとこまを引用します。介助者は地元の訪問介護センターに勤務する33歳の女性(文中では川本さん)。服装は、普段の訪問介護の時と同じです。利用者は市営住宅で一人暮らしをしている脳性まひの男性(47歳、文中では青山さん)。四肢障害のため自力で射精をうまく行うことができません。そこで1年ほど前から月1回ケアを利用しています。〈ケア時間は30分。はじめに、お湯で絞ったタオルで陰部全体を清拭する。清拭の際には、きちんと男性器の包皮を剥いて、内部の垢をきれいに洗い落とす。次に勃起の介助を行う。介護用手袋を着用した手で、陰部全体をやさしくもみほぐして、勃起を促す。陰嚢と肛門の中間部分=会陰部を中心に刺激すると、陰部全体の血行がよくなり、勃起が促進される。川本「このくらいの速さ、強さでいいですか?」青山「ええ、大丈夫です」川本「全身の力を抜いて、楽にしてくださいね」ズボンを脱がせる際、コンドームを装着する際などには、必ず、その都度「これから、お脱がせしますね」「これから、お付けしますね」等の声かけを行い、相手に安心感を与えられるよう心がけている。精液飛び散り防止用のコンドームを着用した後に、射精の介助に入る。人肌程度に温めたローションを手のひらになじませ、陰茎をやさしく握って、上下にこする。川本「そろそろ、出そうですか?」「う~ん、もうちょっと・・・・・・」川本「射精したくなったら、いつでも出して大丈夫ですよ」射精までの時間は人によって様々だ。開始してから1分足らずで射精する人もいれば、服用している薬の副作用のために、1時間近くかかる人もいる。平均時間は、約10分程度。高齢の人は勃起力が弱く、陰茎が本当に勃起しているのかどうか、はっきり分からない場合もあるが、そうした場合でも、一定の時間ケアを続けていけば、射精まで到達することが多い。今回は、15分で問題なく射精に導くことができた。射精後、性機能の健康管理の目安として、利用者に精液量を知らせる。川本「今日は、いつもよりたくさん出ましたね」青山「そうでしたか? おかげで、スッキリしました」なお、射出される精液量は、体調やホルモンバランスによって変化するので、その分量のみで、性機能の正常・異常を判断することはできない。射精後は、陰茎を軽く握って、内部に残っている精液をもれなく搾り出す。射精後の陰茎及び亀頭は非常に敏感になっているので、清拭はやさしく丁寧に行う。清拭後は、乾タオルで水気をとり、下着とズボンをはいてもらう。時間が余った場合、お茶を飲みながら雑談をして過ごす〉現在の障害者福祉に関するすべての制度やサービスは「障害者には性がない」ということを暗黙の前提として作られている、というのが著者の主張です。「障害者に、性欲があるはずがない」「障害者が、セックスをするはずがない」「障害者が、妊娠・出産するはずがない」「障害者が、性暴力被害に遭うはずがない」こうした無知や偏見が蔓延している今、生きていくために不可欠な「最低限度の性の健康と権利」すら、満足に得られない状態に追いやられているというわけです。東大でフェミニズムの論客、上野千鶴子教授のゼミで学んだ著者は、新宿歌舞伎町ほかのフィールドリサーチを経て「障害者と性」の状況を変革する、壮大な実験に着手しました。その情熱とプラグマティックな実践力から目が離せません。(2012/10/26)
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    投稿日:2012年10月26日
  • やまねあやのさんといえば、ボーイズラブ業界において絶大な人気を誇り、日本国外での評価も高い実力派BL漫画家ですが、こちらの『ファインダーシリーズ』はBL界の歴史を塗り替えた作品といっても過言ではないでしょう! いや懐かしい、b-BOY Zips超懐かしい…!!\(*T▽T*)/ これまた私の青春です。。もうかれこれ10年以上前なんですね~そういやSM特集でしたっけ?W どうりでいきなりSMな内容…www 1話はSMですが、それ以降はそんなこともなく、ちょっとハードなBLとして読めますので、痛いの苦手な人もご安心を! ただ受けが攻め以外にも結構やられちゃってますので、そういうのNGな人は注意かな!でも愛はあるんで大丈夫です!!(?) 「忘れるな、俺から受けた痛みと快楽を――」フリーカメラマン・秋仁は、裏社会の美しき実力者・麻見の手に堕ちる…!! 監禁され、凌辱されてしまった秋仁の運命は――!? この麻見は頭脳、ルックス共に完璧な俺様攻めですね~! やんちゃでツンツン受けの秋仁は身も心も翻弄されまくりです…☆ この貫禄と余裕、まさに裏社会の実力者ですね!! そんな俺様な麻見ですが、力に屈せず、なかなか自分のいいなりにならない生意気な秋仁を次第に気に入り、執着し、危ないことに首を突っ込んで危ない目に合う秋仁を助けてくれたりします。秋仁も初めは反発しながらも、次第に惹かれいき…。麻見と敵対する香港マフィアの頭で長髪美形の飛龍(フェイロン)も絡んできて、やられちゃったり誘拐されちゃったりと前途多難な秋仁ですが、飛龍様はホントにお美しい~(*´Д`*)ホゥ…。私的には攻めにしとくの勿体ない程の逸材っすね!!(*ノωノ) 雑誌掲載時のカラー扉を完全再現した電子書籍限定版です!! やまねあやの先生の美麗かつ耽美なイラストを是非ご堪能ください!ヾ(*゜∇^*)ノ
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    投稿日:2012年10月26日
  • かつての漫画や特撮ヒーローの二世もの作品が、一時期に急増したことがありました。そしてこれが私ぐらいの年の世代にドンピシャなもので、予告が出るたびにわくわくしていました。しかしながら親のすねをかじった?だけで残念な結末に終わったものも多くて、なかなか偉大なる先代を超えるのは難しいものだなとも思っていました。それがひと段落したころに出てきた本作。これはそれらの作品とは一味違います。もちろん元ネタはあの特撮「ウルトラマン」ですが、その後の「セブン」や「エース」などのシリーズの流れには乗っていなくて、まったく違うレールの上を走っている作品。主人公の進次郎はハヤタの息子で、父からウルトラ因子を受け継ぎ、強化服「ウルトラスーツ」を装着して宇宙人と闘うといういう内容です。特撮から漫画化するにあたっての飛躍が秀逸なんですね。イデやモロボシダンなどの懐かしのキャラや、あの怪獣の名前と同じ宇宙人の登場と、オヤジ世代をくすぐりながらも、別次元のSF作品として立派に成立している。こんな形での「ウルトラマン」の復活ならもちろん大歓迎です。(2012/10/26)
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    投稿日:2012年10月26日
  • おお~、これはおもしろそう! 『孤独のグルメ』を世に送り出した黄金コンビによるエッセイ風コミックだそうです。あの淡々とした空気感がいいですよね! では読んでみましょう。……うむ、やはり超淡々です\(^o^)/ 都内に暮らす、ごく普通のサラリーマンを主人公に、彼が散歩中に見たもの、思ったことが、特にがーっと盛り上げられたりすることもなく飄々と描かれていきます。あとがきによると、この漫画は「通販生活」という雑誌で連載されていたのだそうで、そのため、漫画雑誌に掲載されるものとは趣が異なります。漫画家さんにとっては、特殊なお仕事の部類に入るものではないでしょうか。この作品の雰囲気、ぜひお楽しみください。 (2012/10/23)
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    投稿日:2012年10月23日
  • ステテコ姿で事件現場にさっそうと(!?)登場する刑事、その名は源さん。業田良家の『源さん刑事』は総理大臣の『世直し源さん』の続編的な作品です。続編といっても、ストーリーのつながりはほとんどないのですが、奥さんがたくさんいるという舞台設定は変わりません。「源さん てーへんだ」と源さんに駆け寄る相棒のハチ兵衛を従えて、難事件(珍事件!?)を解決します。あまりの名刑事ぶりに全国の警官からの憧れの的なのですが、なんと源さん本人は本物の警官ではありませんでした。その後の活躍で本物の刑事となった源さんは、さらに敏腕ぶりを発揮します。ギャグも織り交ぜてコミカルに描かれていますが、このマンガの面白みは徹底した勧善懲悪の爽快感だと思います。バッサ、バッサと悪事を斬る小気味良さがなんともいえません。物語の後半では、許し難い悪を追い詰めるために検察を目指します。そして、怒涛のようにクライマックスへ突入していきます。いやあ、スッキリ、スッキリ!! (2012/10/23)
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    投稿日:2012年10月23日
  • 「負け組への応援歌」との自負をもって、野球の世界を中心にノンフィクションを書いてきた気鋭の作家・澤宮優による、もっとも「澤宮優」らしいテーマ、対象にとことん密着して空間を共有して書くという、「澤宮優」らしい作品――『ドラフト1位―九人の光と影』が河出書房新社から刊行されたのは2008年12月。2011年の文庫化を経て2012年5月に電子書籍になりました。澤宮優は本書あとがきにこう書いています。〈私は好むにしろ好まざるにしろ、「ドラフト1位」という栄光を与えられた選手たちが、この十字架を負いながらどのように自分独自の人生を築き上げてきたのか記してみたいと思った。ドラフト1位は、栄光でもあり、見方を変えれば修羅にもなる。彼らは十代や二十代初めで、その十字架を背負った。そこで入団するか、拒否するか、人生の最大の選択もしなければならなかった。それが吉と出るか凶と出るかは、その後の彼らの野球人生が証明している。ただどういう結果が出ようと、彼らは死ぬまで、「ドラフト1位」という称号を背負いながら生きてゆかなければならない。それを宿業と捉えるか、発奮の材料とするか、人によって異なる。そんな彼らの人生を追い続けることは、平成不況の現代に大いに意味のあることだと考えた。野球の世界に限らず、誰もが、それぞれ固有の修羅を背負って生きているから、彼らの生き方は大きな参考になると思ったのである〉2012年のドラフト会議は10月25日に予定されています。注目の1位候補として週刊誌、スポーツ新聞などのメディアを賑わせている大阪桐蔭の藤波晋太郎投手、亜細亜大学の東浜巨投手、花巻東の大谷翔平投手たちを待っているのはどんな展開でしょうか。彼らは10月25日のドラマを経て、その後どのような野球人生を歩んでいくことになるのでしょうか。かつて彼らと同じようにこの運命の日をふるえる思いで迎え、そこで「1位指名」という十字架を背負うことになった9人の男たち。澤宮優は彼らのその後の軌跡を追い、九つの人生を淡々と、しかし温かく見つめて描きました。九つの人生――「1位指名」という栄光へのスタートラインに立った男たちは、しかしまったく異なる軌跡をたどることになります。そこには深い絶望感、挫折もあれば、苦渋の選択の末の再起の物語さえ生まれています。1968年(昭和43年)に巨人軍から1位指名された島野修は、高校時代に神奈川県の予選でノーヒット・ノーランを達成、甲子園でも活躍をして巨人に入団。将来を嘱望された投手でしたが、プロ選手としては実績が上がらず、阪急に移籍後、引退。その彼が、1981年(昭和56年)阪急が初めて作った球団マスコット「ブレービー」を被ることになります。「巨人のドラフト1位投手が恥ずかしくないのか!」といった心ないヤジも飛んでくる中、1998年(平成10年)まで1175試合、1試合も休むことなく、島野修はグランドに着ぐるみ姿で立ってファンサービスに徹しました。2010年5月に59歳の若さで亡くなった島野修は生前、著者のインタビューに応えて自らの人生を一言一言噛みしめるように語ってくれたそうです。続く8人は、「未完の大砲からスカウトになった慶應義塾大学・大森剛内野手」、「阪急を解雇され台湾で復活、日本復帰後悲願の1勝をあげた中京高校・野中徹博投手」、「ホーナーの打撃投手になった崇徳高校・黒田真二投手」、「西の福留、東の澤井と言われた銚子商業高校・澤井良輔内野手」、「1番、走れる捕手、慶應義塾大学・高木大成捕手」、「暴漢と“三角トレード”の早稲田大学・荒川堯内野手」、「巨人の1位指名を拒否した唯一の男、愛知学院大学・小林秀一投手」、そして「幻のドラフト1位? 慶應義塾大学・志村亮投手」です。最後の志村亮は、高校時代の神奈川県予選、甲子園、六大学野球の神宮球場でのクレバーな投球を記憶しています。1988年(昭和63年)のドラフト会議の超目玉だった志村がドラフト指名を断って普通に就職したことはニュースで知ってはいましたが、それが大手不動産会社、三井不動産で、そこでどんなサラリーマン人生を送ってきたのかは知るよしもありませんでした。入社が平成元年(1989年)ですから、もう24年の経験をもつ中堅ビジネスマン。余裕が出てきたからなのか、数年前にアマチュアのクラブチームで野球を始めて、いま休日は野球三昧だとか。とまれ、「ドラフト1位指名の男」たちを描いた「負け組への応援歌」ですが、描かれた9人、それぞれの「野球人生」は「負け組」ではありません。人生の「勝ち組」として心の内に誇りをもって生きているのだということが伝わってきて胸をうちます。イイ話です。(2012/10/19)
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    投稿日:2012年10月19日