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  • 1914年(大正3年)から1923年(大正12年)にかけて、雑誌「太陽」に連載された原稿をまとめた、在野の民俗学者・南方熊楠(みなかたくまぐす)の名著です。刊行されたのは第2次世界大戦後の1951年(昭和26年)。南方は1941年に死去していますから、そのちょうど10年後のことで、そのせいか、十二支のうち、「牛」の項だけはありません。さて、今年、2011年は「兎年」。全3巻の第1巻に、「兎に関する民俗と伝説」と題して、博覧強記の南方らしい考察が展開されています。洋の東西を問わず、兎は狡知に富む動物とみられていたようで、それゆえに兎を神とした人民が少なくなかった一方で、兎を悪兆とする例も多かったとあります。マセドニア(マケドニア)人は兎に道を横切られることを特に凶兆として、そうした場合旅人は徒歩であれ馬であれ、考えることなく旅を中断してその場で引き返したそうです。スコットランドやアメリカでも同様で、ギリシアのレスボス島でも兎を道で見れば凶、蛇を見れば吉とするそうです。またスウェーデンではメイデー(5月節日)に妖巫黒兎が近隣の牛乳を搾り取るという言い伝えが固く信じられていて、その日になると牛を牛舎に閉じこめて硫黄で燻べて牛舎をふさぐ風習があるそうです。傷ついた牛があれば、妖巫によるものとみなし、石で火を打ちかければ害が去るものと信じられたとのことです。じつは同じような伝説が南方の出身地、熊野の猟師の間にもあったそうで、南方も東西離れたところで似たような言い伝えがあったことを面白い現象としていますが、いずれにしても兎が黠智(かっち/悪知恵)に富んでいたことが悪獣と見られた一因だったようで、今年の干支「兎」も歴史をひもとけば、「かわいい」だけではない、民俗学的な姿があって興味はつきません。(2011/1/7)
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    投稿日:2011年01月07日
  • 戦後日本の憲法学を代表する碩学と気鋭の社会学者による対論が行われたのは、2002年5月20日と7月8日の2回。日韓共催の2002年サッカーワールドカップが5月31日に始まり、6月30日横浜で行われた決勝で幕を閉じていますから、ちょうどワールドカップが始まる直前と、終了した直後に対談が行われた格好になっています。それは偶然ではなく、「サッカーとナショナリズム」という問題を投げかけた社会状況をどう捉えるのかをめぐる議論から本書は始まっています。そしてこの点にこそ本書の今日的意味があるように思います。折しも2011年1月7日にはアジアカップが始まり、頂点を目指す日本代表と、それを応援するサポーターたちが打ち振る「日の丸」の光景がメディアを彩る季節です。本書の中で奥平先生は、チャイルド・ポルノ規制法に対しアメリカ最高裁が違憲判決を下したことの重要性を指摘しています。クリントン政権時代に児童ポルノを規制しようということで連邦法をつくったのですが、それが裁判所から違憲と判断されたわけです。日本では東京都が2010年12月にマンガ表現規制を条例化しましたが、その過程では「憲法意識」はまったくといっていいほど見えてきませんでした。「憲法」をめぐる状況は本書が出版された2002年よりも、もっと悪くなっているようです。時代の大きな曲がり角に立つ2011年の年頭の今こそ読んでほしい一冊です。(2011/1/7)
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    投稿日:2011年01月07日
  • 新年早々すいません、この作品はグロ注意でお願いします。タイトルから推測できるように、これはデス(死体)・スウィーパー(清掃人)のお話。人が死んだ現場に行き後始末をする、ということで、凄惨なシーンやイメージがポンポンでてきます。風呂場で煮込まれた肉片、腐敗した液体がしみ込んだソファ。その綿密な描写は目をそむけたくなるほどです。とはいえこの作品はそんな描写を追求するのではなくて、人が死ぬこととはどういうことかを突きつめていく、それがメインのテーマ。主人公・裕行は兄の自殺死体を発見し、自分の生き方について思い悩む。そこに「死体と向き合うことが正常じゃないなら俺は異常で構わない」というスウィーパー・玲児が登場し、裕行は何かをつかんでいく。この二人を対比させながら、深遠なテーマを掘り下げていくパンチの利いた意欲作。グロに慣れたら先が気になること間違いなしなのですが、最後は突然のカタストロフィ。まあこれは連載誌が「コミック・チャージ」でしたからね。生物の死と同じく、漫画雑誌だって死んだらボロボロになっちゃうんだよなあ…。(2011/1/7)
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    投稿日:2011年01月07日
  • リストラされたサラリーマンの末路を描く、本宮ひろ志作品にしては珍しい内容の作品。職を失くし、家族には捨てられ、生きる希望をもてなくなった岡田憲三。失意のまま首を吊ろうと山に入るが失敗、そこでなにかふっきれてしまいサバイバル生活へ、というやけくそになった男の人生が描かれます。人の世話にならず、ただ食って生きていく、そう決めた男は強いです。明らかに眼つきも変わり、イノシシと格闘し怪我をしても医者の世話にならず、小屋も立て畑まで開墾してしまうってんですから。そんな生活をしながらも、決して文明や人間性否定という方向にいかない、というのも”ただ生きる”という意味で妙にリアル。火をつけるのにはライターを使うし、捕まえたイノシシを殺さなかったり、と単なる破天荒なサバイバルおやじになっていないのがいいです。で、私は思いましたね。人間、開き直ることって大切なんだな、と。死んだ気になれば生きることぐらいはなんとかなると。後ろ向きなタイトルだと思いましたが、年の瀬のアントニオ猪木の言葉と同じぐらい、その内容に勇気づけられました。(2011/1/7)
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    投稿日:2011年01月07日
  • あけましておめでとうございます☆☆ヽ〔●´∀`●〕ノ今年もeBookJapanをどうぞよろしくお願いいたしますm(__)m  さてさて、新年一発目にご紹介する作品はこちらです! みなさま「しりこだま」ってご存知ですか?日本の伝説の妖怪・河童の大好物だそうです。河童は人を水中に引き込み、「尻子玉」(しりこだま)を抜いて殺すんだとか。「尻子玉」は、人間の尻の近くにあると言われている魂の塊(肛門内にあると想像された架空の臓器)で、これを抜かれるとただの抜け殻になってしまうそうです。私はこれを『しりこだま』を読んで初めて知りました!河童って恐ろしい妖怪なんですね><河で泳ぐときは気をつけようと思いました。ですが、この『しりこだま』に出てくる河童の川太郎は私の目には美少年に見えます!「結婚してくれ!そんで子供を12匹産んでくれ!」。人間の娘と結婚したい、河童の川太郎は嫁探しをはじめますが、毎回上手くいかなくて…?河童も婚活をする時代なんですね~。綺麗な絵とは裏腹に結構ホラー要素があり、そのギャップをお楽しみいただける不思議系作品です。べ、別に『しりこだま』ってタイトルだからオススメなんじゃないんだからね…!いや尻は好きだけども。念のため!
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    投稿日:2011年01月07日
  • 実は私、本仁戻作品はちょっと読まず嫌いなところがあったのです。別に何がダメってわけじゃないんですが、なんとなく。。でもこちらの作品が新装版で本屋に並んだときに、キャッチに惹かれて思い切って買ってみて、読んで考えが変わりました…!文句なしに面白いんです!! 明るく爽やかな青春ラブコメでありながら、切ない胸キュンもあり、魅せるエロもあり、友情もあり…絵も色っぽくてストーリーも面白い、すべてのバランスが抜群です!! 今まで読まずにいたことを心底後悔しました。( ̄Д ̄;) 受け攻めの身長逆転ってあまり好きじゃなったんですが、これはその辺もまったく気にならなくて、年下ワンコ攻め(しかも凶暴な野良犬!)×年上美人受けというまさに素晴らしいカップリング!! 最近のBLって突っ込む=即気持ちいいになるんですが、これは忘れていたBLの古き良き魂を思い出させてくれる作品となっています。(なんぞそれw) 互いに片想いの相手がいる二人の、カラダから始まる犬式(ドッグスタイル)恋愛方程式なんて……最高じゃねーの!!\(*T▽T*)/ まだ読んでない方は読んでみてください!! 絶対オススメです!
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    投稿日:2011年01月07日
  • 大好評発売中の『MAJOR』。野球少年・吾郎の成長を描く大長編野球大河ロマンです! 私は序盤の吾郎とおとさんのストーリーが好きです。再起に挑む父の姿、健気なちびっ子時代の吾郎……泣けます。切ないです。野球マンガ史に残る名作を、ぜひお楽しみください!!
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    投稿日:2010年12月28日
  • 職業・銀行員。5時からボクサー。会社務めをしながらボクシングに賭ける吉野太郎の青春を描きます。新社会人の太郎くん、本書を読んでいただくとお分かりのように、人間ができていらっしゃいます。うーん…、見習いたい! 彼を2011年の目標にしてがんばります。
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    投稿日:2010年12月28日
  • 自転車愛好者が増えているようです。有酸素運動は気持ちがいいですからね。石渡治『10月の満月に一番近い土曜日』は、その詩的なタイトルとは裏腹に、「世界で最も過酷なレース」と称されるトライアスロンの魅力に取り付かれたアスリートたちの短編集。私、これを読むまで、ハワイがトライアスロンの発祥の地であり、いまも最高峰のレースがハワイ島で行われていることを知りませんでした。スイム3.8km、バイク180 km、ラン42.195 kmこれを走破するのですから、まさに「アイアンマン」の名にふさわしい競技ですね。作品の中には、60歳過ぎの高齢者や会社を辞めてアイアンマンを目指そうとするサラリーマン、そして、大ケガから奇跡の復活を目指す山本光宏のような実在の人物も織り込まれています。読んでいて思ったのは、まさに、「人生を賭ける」くらいのほとばしるエネルギーや勢いがなければ、「アイアンマン」にはなれないのだということです。そして、素晴らしいのは、「完走した者は皆、勝者なんです」というフレーズ。私も水泳が好きですが、まさに泳いだ後の達成感を噛み締めたくて、へっぽこ泳ぎを繰り返しているようなものです。よし、ワシも一念発起してアイアンマンを目指すのだ!!と、いつか言ってみたいなぁ。 (2010.12.19)
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    投稿日:2010年12月28日
  • いやはや、『24-TWENTY FOUR-』ファイナルシーズンをついに観終えちまいました。観了後はいつもそう思うのですが、これが最高傑作のシリーズでした!!  『24-TWENTY FOUR-』の代わりのドラマってなかなかないですよね。ジャックやトニーそしてクロエって強烈キャラですから…おっと、『24-TWENTY FOUR-』のレビューを書きそうになっちまったぜ。私、警察小説やドラマ、好きなんです。『笑う警官』は、警察小説の第一人者にして直木賞作家・佐々木譲の同名小説のコミカライズ作品。映画化した際に派手な宣伝をしていたので、ご存知の方も多いはず。不思議なタイトルですが、元の題は『うたう警官』。「うたう」は警察内部の不正等を外部に告発するという意味の隠語で、舞台は北海道警察。ここまで書くと、数年前に起こったあの大事件を思い出しますが、内容はまさにアレを彷彿させるもの。主人公の警官である佐伯や津久井達が正義を貫くために、警察組織に立ち向かうという構図で、ジャック・バウアーみたいなド派手なアクションシーンはありませんが、スリリングな展開を十分堪能できます。『24-TWENTY FOUR-』ファンにも、そうでない方にもおすすめです。(2010.12.19)
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    投稿日:2010年12月28日
  • 少々前のニュースですが、絶滅したとされていた「クニマス」の生存が確認されました。こんなこともあるのだな、とびっくりしましたね。レッドデータに載った魚類の再発見、ということもありますが、しかしそれよりも、発見の一連の流れがまるで9年前に描かれたこの作品をなぞったような出来事だったからです。第一巻の作中で、絶滅したクニマスのことを知った三平は田沢湖を訪れます。そこで絶滅に至った経緯や、作品の副題に付いているキノシリマスという別名の由来などを聞くうちにあることを思い出す、となっています。もちろん絶滅の経緯などはニュースで見たことと一緒。さらになぜ離れた場所に生存していたか、ということについても誰かが卵を放流した、で事実と一致しているのです。作品で放流したのは死んだ一平じいちゃんでした。遺言めいた内容なためドラマチックかつロマンに溢れた仕上がりになっています。しかし現実はロマンもへったくれもなくて、そんなクニマスを今のうちに釣ろうとする輩がいるとか。そんな人にはこの作品をよく読めと言いたいです。(2010/12/24)
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    投稿日:2010年12月24日
  • 父親がダメ人間で母親が失踪、小学生の子供がお店を守って…私の世代なら『じゃりン子チエ』を思い出す設定のお話。ただ、こちらは現代風で父親はPC三昧の引きこもり、主人公はチエちゃんならぬサッちゃん。誰が仕入れたのか感性を疑う商品だらけの文具店を、帰ってくると信じている母親の居場所を残すために、またこんなお店でも必要としてくれるお客さんのために、健気に切りもりしています。大人の世界にさらされ傷つきながらも、漫画家のお兄さんへほのかな恋心を抱き、少し背伸びしてひとりで頑張るという、肩の凝らない良作。ですが、読んでいてちょっとムズムズしてしまいました。私、変な趣味があるのではないかと。いえ、ロリ…ではなくこの舞台の小道具である文具に萌えてしまっていたのです。ロケットペンシル、持ってました(作者の勘違いは巻末で修正)。人頭鉛筆削りや10徳ノート、欲しいです。家には変わった色の色鉛筆や奇妙な匂いの消しゴムがあるし、どうやら私は文具オタクなのか…。これから何が出てくる? そんな意味でも今後に期待します。(2010/12/24)
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    投稿日:2010年12月24日
  • 学園マンガ史に輝く金字塔!('∀'+) 懐かしいです。ちょうど小学生の時に、学校の近くの児童センターに途中まで置いてあって、夢中になって読みました。続きを読むのが楽しみで、毎日のように児童センターに通いつめましたね。中学にやってきた転校生・北城尚子ことナッキーは、自分に素直な感性と快活さで学園生活に新たな風を巻き起こし、彼女を慕うクラスメイトたちと「悪たれ団」を結成する。中学、高校、大学…そして社会に出るまで間に、学校行事や進学、恋愛、家庭事情などさまざまな出来事を経験しながら、ナッキーと彼らは強い友情を育みつつ成長していく…という青春白書! 始まりが明るい印象なので、コメディなのかな?と思いましたが、読み進めていくうちに展開はどんどんシリアスに。まずはじめに胸を突かれたのは、双子の病弱な姉・マールの存在。ここで一気に心を持っていかれました。そして、ナッキーの周りで起きる衝撃的な事件や出来事の数々…とても語り尽くせません。喜びと悲しみ、愛と友情、勇気と希望、そして夢。すべてをそそぎ込んだ、涙なくしては読めない感動作。年末年始にじっくり読んでみるのはいかがでしょうか? ナッキーが教師になって帰ってきた『生徒諸君!教師編』も合わせてどうぞ! では、みなさま良いお年を~☆\(≧▽≦)丿(2010/12/24)
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    投稿日:2010年12月24日
  • ついに!BL出版界の大御所・リブレ出版の作品が配信開始!! いや~…感無量です。思えば14年前、私がBLにハマったことを知った母が買ってきた雑誌が「BE×BOY」と「Dear+(創刊号)」でした。はじめは「コレは私の☆」と「BE×BOY」を胸に抱きしめていた母でしたが、いつの間にか家族みんなで読む雑誌ということで、毎月最新号が棚に並べられていました…英才教育を受けた結果が私と妹です。どんな親だw さて、そんな思い出深いリブレ出版の第一弾作品11冊の中から、今回ご紹介するのはこちら! 色男達の意外にオトメな独占欲シリーズ! ええと、確かはじめに本誌に掲載されたのは読みきりの「ひとり占めセオリー」佐倉×立花。その後、同じ大学の友達二人・高尾×若宮の「恋落ちルール」と続編「蜜月ルール」がそれぞれ読みきりで登場し、その他のお話も加わって単行本化されたのが、こちらの『ひとり占めセオリー』。ちゃっかり若宮と高尾が表紙になっちゃってますw 確かに私もこれを本誌で読んだ時は、高尾×若宮が断然好みでしたね…!!本屋で単行本の表紙を見たときは絶叫しました(心の中で)。若宮が可愛いったら!高尾が甘いったらもうっ!攻めが激甘でとろけちゃいます!!(Ψ∀Ψ*)たまらんムッハー(*´Д`*)もう子供産めばいいよ!もちろん佐倉×立花も切なくて甘くて最高です♪是非ご覧ください~!
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    投稿日:2010年12月24日
  • とっても良かったですよ~。どれもバスが関係してくる高校生達の可愛い恋の短編集。最初ははっきりとしたKissシーンさえ出てこなくて、ハラハラどきどき、ほんわか淡い恋愛の始まりのお話ばかりです。最近は、同じ高校生でも、カラダから始まる恋愛が当たり前のようなお話ばかりだったので(それはそれでHな気分になるにはアリなんですが)、こちらの短編集はどれも、爽やかで可愛らしくて、キュンとしたり、恥ずかしくなって苦笑いしたり、読んでいてほんわかした気分になれて、精神的にとっても良かったです。あるお話で脇役だった子が別のお話で主役になったり、スピンオフって言うんでしょうか、そういうのも楽しめました。ここで描かれるのは恋愛モノによくある、2人だけの独りよがりの話じゃない。お互いを思いやるピュアな気持ち。そして、恋愛を通じて自分の弱さと向き合い乗り越えてゆく強さ。若い彼らの、純粋で真っ直ぐな瞳が印象的。切なくキューンとしつつ、心がほんわかするような作品集です。
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    投稿日:2010年12月24日
  • こちらの作品は吉原由起先生にハマるきっかけになった作品で、めっちゃ好き。没落名家の元お嬢様・蝶子と元使用人の息子・雅之の強烈ラブコメ。仕事では上司で、プライベートは下僕で恋人。あるようで無かったストーリー展開が面白かったです。
    蝶子は純で可愛い処女。この作者さんの主人公にしてはおとなしめで安心して見れます。そのかわり職場の上司にして下僕の恋人雅之がスゴ過ぎ!ツンデレ鬼畜Sかと思えば人目もはばからないお嬢様激ラブの一途な恋人。そしてデリカシーゼロのセクハラ親父だったりもする…。彼の壊れっぷりが豪快でおかしかったです。
    執事、下僕、ドS課長、自衛隊、ヲタ…などなどいろんな魅力満載の雅之さん。吉原作品で一番好きな男性キャラかも。お嬢さま一途の恋する下僕モードもドSなオレ様課長モードも素敵。何か起こるたびに蝶子お嬢様に対する愛の深さが伝わって、こんな風に愛されるのうらやましい!と思いました。
    笑えるし泣けるし、優しい気持ちになれる作品です。サイドキャラもなかなかだし、ときめきが沢山あるのに笑いも多くて素晴らしい作品です。
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    投稿日:2010年12月24日
  • 第二次世界大戦中にヨーロッパの中立国に駐在していた一等書記官・野上顕一郎がスイスの病院で病死した。日本の敗戦の1年前でした。戦後、外交官の姪が奈良の古寺で亡くなったはずの叔父の筆跡によく似た署名を見たところから、物語が始まります。未亡人の孝子も遺児である長女・久美子もまさかといってとりあわないが、長女の恋人である新聞記者・添田彰一が興味を抱き、休暇をとって奈良に出向く。寺の芳名録をあけたところ、あるべき署名がない、そのページだけがきれいに切り取られていた・・・・・・。いったい、誰が何のために? 疑問を抱きながら帰京した添田は、ある日新聞の社会面に絞殺死体の身元判明の記事に驚きの声をあげた。野上顕一郎が生前勤務していた公使館に同じ時期に駐在武官として赴任していた元陸軍中佐・伊東忠介の名前がそこにあったのだ。続いて特派員として派遣されていた新聞記者の知人で、久美子をモデルにデッサンをしていた画家が死体で発見された。その近くには空っぽとなった睡眠薬の大瓶が残されおり、久美子を描いた絵が1枚を残してアトリエから消えていた。さらに、野上の遺骨を日本に持ち帰った外交官補・村尾芳生(外務書課長)が京都のホテルで何者かに銃撃された。幸い命に別状はなかったものの、犯人が逃走した窓際に「裏切者」と走り書きされた紙片が落ちていた・・・・・・「偶然が幾つも重なれば必然と感じられてくるのです」松本清張は久美子の口をかりてそう指摘していますが、偶然を積み重ねていく文章は極めて絵画的で、繰り返し映画化、TVドラマ化されていることもうなずけます。昭和30年代半ばの東京や京都の風景が今となっては懐かしくもあり、楽しめます。上下2巻。(2010/12/24)
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    投稿日:2010年12月24日
  • 事典出版社の事典編集者が担当すると、「ハワイ本」もここまでちがってくるのだな、と感じ入った本です。平凡社から出版されて高い評価を得てきた『ハワイアン・ガーデン』が電子書籍になってリリースされたのは、2010年12月3日。「楽園ハワイの植物図鑑」のサブタイトルをもつ本書には、約400種におよぶハワイ諸島で見られる花や木が満載されています。その多くが美しいカラー写真で、しかも的確な解説が、こちらこそ主役という趣で掲載されているところが、事典風でうれしい。なにしろ、学名、ハワイ名、英名、和名から原産地、さらには絶滅危惧種までがきちんと紹介されていて、しかも巻末にはそれぞれに整理された索引までついているのですから、どこにでもある「ハワイ本」とは一線を画しているといっても決して言いすぎではありません。たとえば34ページにカラー写真つきで紹介されている「アブチロン・ピクツム」の場合、〈【学名】Abution pictum cv.(A.striatum) 【ハワイ名】Pele(花) 【英名】Variegated Flowering Maple 【和名】ショウジョウカ 【原産地】熱帯アメリカ(ブラジル、ウルグアイ、アルゼンチン)〉といった具合で、充実した解説が続きます。そして、第3章として20ページにわたってハワイ諸島の植物園が網羅されています。年末年始が日本人にとってのハワイツアーのハイシーズンだそうです。冬のホリデイシーズンを常夏の島で過ごそうという人は今回紹介のこだわりのハワイ本をぜひともiPadに入れてもっていってください。ゆっくり家で過ごそうという「家中派」はカウチでiPadのハワイ本をお楽しみください。(2010/12/24)
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    投稿日:2010年12月24日
  • サラリーマンの加勢のもとに「いま幸せですか?」と突然現れたのは少女の幽霊。彼女の正体は…? 星里先生の作品でいちばん切ないのがこの『夢かもしんない』ではないでしょうか。大事ななにかを忘れて過ごしているような気がする…と思ったことがある人は、ぜひ読んでみてください。とにかくラストは号泣です!
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    投稿日:2010年12月21日
  • 2010年、もっとも印象的だった作品です。「これは売れる!」と発売前から誰もがそう思っていましたが、ふたをあけてみると、当初の予想のさらに上をいく人気ぶりで、チーム全員が興奮しました! 「エリア88」以外にも、新谷かおる作品は絶好調の売れ行き。作者の根強い人気を見せつけられました!
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    投稿日:2010年12月21日
  • 金星探査機「あかつき」が失敗したそうです。残念。でも、金星ってどんな星なんでしょう。地球よりも太陽に近いのだから、熱いのでしょうか。想像がつきません。森雅之の『惑星物語』は専門誌「天文ファン」に連載された、月や水星・金星など太陽系の星のショートショート集。それぞれの星の住人である子供が、毎晩主人公の「ぼく」の家に、遊びにやってくるのです。金星の子供が言うには、金星の空気は雲だそうで、そこで泳いで遊んでいるのだそう。読み進めると、それぞれの星のイメージがなんとなく湧いてくるような、そして何よりも穏やかな気持ちにさせてくれる、癒しの本なのです。オールカラーで絵本風のタッチだから、子供に添い寝しながらiPadで読み聞かせしてあげるのもいいかもしれません。空気が冴え渡る、しんとした冬の夜も心が暖まりますよ。(2010.12.12)
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    投稿日:2010年12月21日
  • マンガが好きな方なら、トラウマになりそうなほどに衝撃を受けた作品の一つや二つはあるはず。『そらトびタマシイ』は画力の高さや繊細なタッチで評価の高い、五十嵐大介の短編集。この本に収録されているいくつかの作品は、強烈なインパクトを感じさせるものばかりです。例えば、表題作でもある『そらトびタマシイ』は、フクロウの雛(ひな)を踏み潰した少女・厨戸真貴(くりと・まき)の物語。非日常的な場面に遭遇しながらも、淡々としている厨戸のそのギャップがなんともいえません。ある朝、厨戸は頭がムズムズして自分の髪の生え際からフクロウの羽が生えてきたのを発見します。さして、驚きもしない厨戸は、ブチブチと羽を毟(むし)るのですが…。私、このシーンを目にしただけでも、思わずのけぞって体中を掻き毟りたくなりました。また、父親が焼け死んだときの厨戸のモノローグにも思わず目を見開いたほどです。読者の心をこれほど揺さぶるマンガという表現に対して、無限の可能性を感じざるをえないのです。(2010.12.12)
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    投稿日:2010年12月21日
  • 「海老蔵暴行事件容疑者逮捕」を報じるニュースキャスターの声を聞きながら、「酒」にまつわる出来事に思いを馳せた人も多いのではないでしょうか。酒好きなら酒席での恥ずかしい思いや、失敗の一つや二つ、経験してきていることと思います。今回の事件、「被害者」の海老蔵と逮捕された加害者の主張が食い違っているという報道もありますから、どういう決着がつけられるのかわかりませんが、はっきりしていることは、海老蔵の酒ぐせというか、酒の飲み方が悪いということのようです。ご本人は記者会見で「奢りがあった」と語っていましたが、酒に呑まれてしまうタイプなのではないか。自戒の念もこめて、本書『格言の花束』に収録されている古今東西の識者が残した「酒」についての名言をいくつか、拾い出してみました。文豪シェイクスピアはこう言っています。「おのれ、目に見えない酒の精め、汝に、まだ名がないなら、これからは汝を悪魔と呼ぶぞ」思わず事件後の海老蔵の心境を想像してしまいましたが、人気役者としてはもっと厳しい状況にあるのかもしれません。イタリアの愛国者ガルバルジーの至言「バッカス(酒神)はネプチューン(海神)よりもずっとよけいに人間を溺死させた」を読めば、海老蔵の再浮上はもはやかなわないのではないかと心配になります。結局、忘年会・新年会の季節――江戸時代の儒学者・貝原益軒の教えを紹介して締めくくりとします。「酒を少しく飲めば益多く、多く飲めば損多し」(2010/12/17)
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    投稿日:2010年12月17日
  • しりあがり寿、と言えばシュールなギャグが持ち味。しかしこの作品はシュールはシュールですが、意図したギャグは一切なし。水の中に全てのもやもやしたことをぶち込んで世界は終わるのだ、といわんばかりの哲学的な終末を淡々と描き切っています。発端はやまない雨。歯みがき会社の方舟による世界一周キャンペーンが大ヒットする中、人々の生活は少しずつ壊れ始めます。この雨、というファクターは、物語を語る上で非常に重要なパーツ。群集心理によって起こる暴動の喧騒は雨音にかき消され、死体は雨に流され、たまった水に世の中の雑多な物は沈んでいく。そして残るは島影ひとつ見えない大海原。作品に”静かな”というイメージを与えるのにこれほど効果的な使い方はないと思います。この作品が描かれたのは西暦2000年。いわゆる世紀末。あとがきには著者による「輝ける未来」が創造できなくなった趣旨のコメントがあります。それから10年経ちましたが、この世界よりも、もっと閉塞感のある氷の時代になってしまったように感じるのは気のせいでしょうか。(2010/12/17)
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    投稿日:2010年12月17日
  • 私の甥っ子はいま小学校の低学年。帰省した折に見ていると、イマドキの子らしくゲームをしてたりはするんですが、急に走りだしたり、興味を持つと周りが見えなくなったり、新しい遊びに貪欲だったりと、とはつらつと動き回っています。まさに子供、という感じ。そんな”少年”の本質の部分を漫画として描き出すことが、この著者は本当に上手。この短編集はそんな子供たちのちょっとした冒険をモチーフにしていて、読む者の心を少年の日に戻してくれます。私のお気に入りは、「独立祭の夜」。大道芸の綱渡りの手押し車に乗る役に選ばれた少年が、いざその舞台に立つ、という小編です。これが少年の心理を見事に捉えている。前日はドキドキして眠れない。最初はこわごわ、慣れた途端に大胆に。しかしアクシデントがあった途端に自分の運命は大人に委ねられていることがわかり、応援するしかない存在であることを知る。当然、私自信にも子供の時代があっただけに、主人公に同化しやすく、読んでいて思わずハラハラしてしまいました。うまいなあ。少年漫画のお手本ですね。(2010/12/17)
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    投稿日:2010年12月17日