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  • 奴隷王…すごいタイトルですが、その名の通り!奴隷から這い上がった蛮族の常勝将軍ジェマル×奴隷に堕ちた修道騎士の中世十字軍レオナールの道ならぬ恋。ジェマルはかなり強引です。「仲間を逃がす事を条件に、自分を捕虜にしろ」と交渉にきた初対面のレオナールに、「そのまま下半身を脱いで裸になれ」とか言い出して、観客の前でいきなりショーの始まりですよ!わお!\(^o^)/観衆の目前で無理矢理凌辱される聖職者とかたまらないわーFu~!その後囚われの身となり、ジェマルの愛人となって昼夜をとわず抱かれる日々を過ごすレオナール。ジェマルのレオナールへの執着は凄まじく、敵同士でありながらも互いに惹かれる二人だったが!? 小笠原宇紀さんのBLは唐突ですw気づいたら脱いでるんです!シンボルはまるで初めからそこに存在したかのようなアクセサリー感覚で、気づいたら露出しててなぜかおっぱじめてるのに、画面上はすごく自然なんですよね…不思議ですマジックです。あれ、さっきまで戦ってたはずなのに気づいたらやってる!と、異次元にいきなり飛ばされたようで目を疑いますw乱交なんて当たり前~な小笠原ワールド炸裂!! ジェマルが召使いたちの前で恥ずかしげもなくストリップショーを始めたときは笑いましたwwwレオナールもそんな状況で興奮するなって!w本気なのかギャグなのかわかりづらいwでもジェマルの肉体美は最高でしたゴチソウサマデス(゚∀゚)大半が気づいたらやってる状態なのに、あまりにも自然でフリーダム過ぎて、不思議とエロさを感じない爽やかでコミカルな作品。設定はオスマントルコと十字軍がモデルの時代劇ファンタジーで、その中にシリアスとコメディとエロが絶妙に織り交ざっています。初版は2007年に発売され、巻末に新章の予告が載っているのですが、その後早4年の月日が流れ…、続きが出なくてモヤモヤしていたのですが、今年やっと完結しました!!!見届けられて本当に良かったです!
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    投稿日:2011年10月14日
  • 「あの頃はよかった」という人もいれば、「そうでもなかった」という人もいます。どっちがホントなんでしょう。“豊かではなかったけど、夢だけはたっぷりあった”昭和30年代。東京の下町を舞台に描かれる、高校生・竜之助くんの普通の毎日。背伸びしてリーゼントにしてみたり、初恋の彼女と海にいったり…と、なんだかすごく楽しそう。落ち込んだときには、父親が焼き鳥屋に連れて行ってくれたり(笑) うちの子がもう少し大きくなったらマネしてみたいと思います(第八話「ここに幸あり」は名作だと思います!)。読んでいると当時ならではの常識がいろいろでてきて、カルチャーショックもたまにありました。その頃の下町は、カギなんてかけない家ばかりだったそうで。。窮屈な現代より、ざっくりしたその頃のほうが過ごしやすそう…とか思ってしまう私は後ろ向きでしょうか?? また、作者の北見けんいちさんが撮った写真がいくつか収録されているのですが、これが、ぐっときます。総トビラの写真とかすごく素敵ですよ。……こうしてみると、盛りだくさんな一冊ですね。ちょっと甘酸っぱい、ほのぼの青春期。どうぞごゆっくりお楽しみください^^
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    投稿日:2011年10月11日
  • 語呂合わせの記念日って結構あります。11月22日は「いい夫婦の日」なんだそうです。『働きマン』ほか話題作多数を描き続ける安野モヨコの『監督不行届』は夫である庵野秀明との夫婦生活を題材に描いたマンガ。本書には『新世紀エヴァンゲリオン』をはじめ、アニメ映画の監督としてカリスマ的な存在、庵野の日々のオタクぶりと、それに少しだけ戸惑いながらも「オタ嫁」として楽しんでいる(!?)安野の夫婦生活が活写されています。巻末15ページにも及ぶ脚注が、見事にオタクの本領を発揮していますが、フツーに『仮面ライダー』や『ウルトラマン』『機動戦士ガンダム』を知っていれば、アニメや特撮に詳しくなくても十分楽しめます。私が最も興味を惹かれたのは、大阪芸大時代に撮影したという自主制作映画の『帰ってきたウルトラマン』について触れているエピソード。大学時代の同級生でもある漫画家・島本和彦の『アオイホノオ』にも登場する話です。安野はクリスマスプレゼントの話に結び付けていますが、その徹底したオタクっぷりのオチには笑ってしまいました。まさに絵に描いたような「いい夫婦」満載の一冊です。(2011.10.11)
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    投稿日:2011年10月11日
  • 「東陽片岡」というちょっと変ったペンネームですが、一度このマンガ家の作品を目にしたら、忘れることの出来ない強烈なインパクトを受けるに違いありません。それは、「これでもか!」とばかりに徹底して描きこむ背景画と几帳面な描き文字と、「昭和」や「四畳半」「アングラ」といったキーワードを醸し出す画風から受ける印象だと思います。スクリーントーンを一切使わず、ベタ塗りも必要最小限の作風…だって、畳の目ひとつひとつが描かれているのですから、真似しようと思っても出来ない職人芸の領域です。『お三十路の町』では、冬でもふんどし一丁のおじいさんが「グチ聞き」として登場する回が多く、職場や家庭など、いろんなところであぶれてしまった男女の身の上話を引き出します。お世辞にもお上品なネタはなく、人によっては眉をしかめそうなオチだったりしますが、なぜかページをめくってしまう不思議なマンガです。それは、読んでいるときに画から伝わってくるぬくもりや居心地の良さなのかもしれませんが、うまく説明できません。シンと冷え込むような晩におすすめしたい(!?)マンガです。(2011.10.11)
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    投稿日:2011年10月11日
  • 中島らも著『寝ずの番』の表題作を読み始めて、思わず芸達者たちが演じる同名映画のあるシーンが目に浮かんで思い出し笑いをしてしまいました。このシーン、原作ではこうなっています。〈「では師匠いきますよ」女房は病床の上に上がると、相撲取りのように股(また)を割った。そのまま師匠の顔のあたりまでにじり寄ると、顔に向けてスカートをまくり上げた。早々と、家を出るときにノーパンになっていたのだ。その女房の股間を、師匠はじっと見ていた。どれくらいその状態が続いたのか、おれにはわからない。七、八秒かもしれないし、二十秒くらいかもしれない。とにかく女房は役目を終えてそそをしまうとベッドを降りた。橋次兄さんが師匠の耳元までいって、「どうでした。師匠、そそをお見せしましたが」師匠は弱々しく首を振って、「そそやない。そとが見たいと言うたんや」それから三分後に師匠は亡くなった。〉師匠役に長門裕之、大事な役目を果たした女房・茂子役は木村佳乃、その亭主で弟子の橋太役に中井貴一、「そと」を「そそ」と聞き間違えた兄弟子・橋次役に笹野高史といった芸達者を揃えた映画は映画としての面白さがあるのですが、上方落語の重鎮、六代目笑福亭松鶴をモデルにした原作小説は、その文章の小気味よさ、言葉遊びの含蓄、上方噺家独特の人情の機微を捉えた中島らもの感性が凝縮された見事な出来映えです。なにしろ、映画は文部科学省認定作品でありながら、原作に忠実で猥語が頻出。それを理由にR15指定を受けているのですが、猥語頻出の語り口がとにかく面白い。前出の「そそ」についてはこうあります。〈「そそ」とは女性器の呼び名、もしくは性行為のことを指す。関西圏では普通、「おめこ」というが、京都あたりになると、はんなりと「おそそ」と呼ぶことが多い。九州では「ぼぼ」、東北では「べっちょ」、沖縄では「ほーみー」と、いろんな呼び名がある。(中略)誰が作ったのか知らないがこういう唄がある。 ♪えらいこっちゃえらいこっちゃえらいこっちゃ、/吉原あたりが大火事じゃ/おそそで建てた家じゃもの/ぼぼ~燃えるのは当たり前♪/というわけで、「おそそ」「そそ」は女性器および性行為をさす言葉だ。だからその言葉の通用する京都あたりでは「そそとした美人」だの、ましてや「そそくさと立ち去る」などの表現はタブーなのである〉ことのついでに言えば、落語会で「お茶子」といえば噺家と噺家の間に座布団を裏返すのが役割ですが、淡路島では女性器および性行為のことを「ちゃこ」と呼ぶそうです。〈ある日、橋鶴事務所に一人面接の女の子がきた。ブルドッグ顔で面接に出たのがうちの師匠だった。「あの、どんな仕事をすればいいんでしょうか」女の子が尋ねた。橋鶴師匠は耳の穴をほじりながら、「そうやなあ。とりあえずお茶子でもしてもろうて」「・・・・・・。私、帰らせていただきますっ」女の子はすっ飛んで逃げたそうだ〉ともあれ「そそ」と聞き間違える一波乱があったあとの通夜。師匠の前で弟子たちが「寝ずの番」で酒を呑みつつ、師匠を語り、最後には「死人のカンカン踊り」で夜を明かす。ただ単に猥語がとびかうだけではありません。ヒトの営みの最もプリミティブな性を徹底的に明るく、面白おかしく語っていく、その先には関西の人間社会の濃密さが見えてきます。iPadの画面上に上方芸人の生き様が浮かび上がってくるようです。(2011/10/7)
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    投稿日:2011年10月07日
  • まさかの展開に驚き。最初は『寄生獣』か『鉄腕バーディー』、はたまたウルトラマンか、と思ったわけです。飛来した謎の発行体により、死亡した女子高生のヒカル。やがてその発行体=宇宙生命体のテンガイと同化し復活したヒカルは、テンガイが追っていた邪悪な存在であるメイルシュトロームを、寄生している人類の中から探し出し倒すことになる。『20億の針』というSF小説の下敷きもあり、オーソドックスなSFという印象でした。他人との関わりを排除している引きこもりふうイマドキ女子高生が、いかに人と交わり、人類を救うために成長していくのか、という点のみ興味あるかな、という程度。ところが! 全4巻のこの作品、なんと1巻で宿願を果たしてしまうのです。さらにはその後、漫才のような展開が! そこからやや駆け足になった感はありますが、心の成長物語をぎっしり詰め込んだ上で、よくもこの設定を盛り込んだもんだ、と感心。光るものがありますね。次回作『エスニシティ ゼロワン』が面白いのも納得。加工前のダイヤの原石を見たような、そんな気がする作品です。(2011/10/7)
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    投稿日:2011年10月07日
  • 小学館少女まんが「LOVE☆フェスティバル」開催!! 10/7~11/3の期間、なんと小学館の少女まんが作品がすべてポイント20倍です!! さらに全巻セットは30倍なので、まとめ買いがとってもお得ですよ~!この機会をお見逃しなくっ(^O^)イケメン♂盛りだくさんで目の保養です(*´∀`*)♪さてさて、その中から今回ご紹介するのは、小学館漫画賞も受賞している話題作!主人公がなんと「天狗」の娘なんです!天狗を信仰する町でうわさになっている天狗の神様の一人娘、秋姫。天狗と人間の間に生まれたハーフの秋姫は、幼なじみの瞬ちゃんから天狗になるための修行をするようにいわれるが…。秋姫は見た目は本当にフツーの女の子。思春期の女の子らしく、友達と遊んだり、恋をしたり、悩みながら毎日を生きてます。ほかの子と違うところは、並外れた大食いと桁外れの怪力くらい?そんな秋姫が恋したのは同級生のタケル君。優しい性格でのほほんとした雰囲気を持つタケル君は、老若男女問わず、さらには妖にまでモテモテでライバル多し!人当りのいいタケル君とは対照的に、幼なじみの瞬ちゃんはツンデレ男子。無愛想で怖そうに見えるけど、面倒見が良く、女子からの人気も高い。ええと…私の腐ィルターが発動しました…\(^o^)/掛け算はデフォルトなので許してください><もちろん腐れ目線じゃなく、男子として二人ともすごく魅力的です♪秋姫のまわりの脇役たちは人情味に溢れ、天狗や妖が自然に溶け込んだこの町は、まるで童話の世界を漫画化したような、優しくて、なんだか懐かしい印象を受けます。独特の世界観で、読んでいると自分も物語の一員になったような不思議な錯覚に陥ります。天狗にまつわる事も楽しく知れて、少女漫画だけど甘ったるくないので、男性でも絶対ハマります。ほのぼのとした心温まる作品です。
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    投稿日:2011年10月07日
  • 今週も「ゲッサン」作品です! 本作は、中国四大奇書の一つ、『水滸伝』を大胆にアレンジしたもの。原典での梁山泊はご存じのとおり、圧政を敷く国に立ち向かう義賊ですが、『月の蛇 水滸伝異聞』では、その108人の豪傑が、なんと悪人。衝撃的な逆転の構図です! いわれてみれば、たしかに梁山泊は「山賊」ですもの…。そんなわけでキャラクターたちが非常に新鮮です。固定化された「好漢たち」のイメージを破壊してくれます。さて、あのキャラはどのようにアレンジされて登場してくるんだろう…。非常に楽しみ(*´ω`*) 『水滸伝』ファンにはたまらない作品です。
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    投稿日:2011年10月04日
  • 読んでいる最中、ずっと口元がゆるゆるとにやけてしまうので、電車の中で読むときにはちょっと注意が必要なマンガ、それが『プー一族』です。売れないマンガ家・宮本とフリーターや無職の若者5人が織り成す、黒光りするような退屈な日常を描いたギャグマンガです。どうでもよさそうなことから社会風刺にいたるまでのネタを機知とユーモアに描き、まるでお笑いの玉手箱のようです。5人それぞれのキャラが起っていますが、私が好きなのは、裸の大将を彷彿させる松田と宮本のボケとツッコミが繰り出すトークです。天然ボケの松田が辞書を引いていて、「例文 みつごのかたまり百まで」というセリフを口にするまでのシーンには思わず吹いてしまいました。4コマ形式で、それぞれにタイトルがついていますが、1話6ページでひとつのネタをオチに至るまでを完結させる流れも少なくありません。見開きで上から下へタテ4コマにそれぞれオチを作り、最初の1コマだけ右から左へヨコに4コママンガの流れとオチを成立させるという手法も取り入れたりしていて、読み飽きることがありません。作者の大橋ツヨシは、きっと落語や漫才でも一流の仲間入りをするんだろうな、そう思わせるほど人を笑わせるセンスが光っています。笑いの積み重ねで油断しながら最終話までたどり着くと、意外な展開で胸にグっときました。(2011.10.4)
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    投稿日:2011年10月04日
  • 料理マンガですが、食事前に読むのはおすすめできないマンガです。だって、タイトルに『蟲喰』(ちゅうしょく)とあるように、テーマが昆虫料理ですから。地方によっては、貴重なタンパク源として口にされてきた昆虫料理ですが、虫そのものもあまり目にしなくなった都会暮らしの人にとっては、卒倒してしまうような本かもしれません。昆虫食に興味を抱く漫画家たちが集まり、昆虫料理の試食会などへ出向くのですが、食材が登場する段階で阿鼻叫喚です。平気で料理を口にする漫画家もいますが…。読者も、ああマンガでよかったと安心は出来ません。話の終わりには、食材やら調理風景やらの写真が目に飛び込んできますから!! 私、iPadで読んでいて、画像をよく見てみようと指で拡大して、うわああああああああああああああああああああああっ!! とのけぞりました。そこには、ジャイアントミルワームという小型ムカデのような虫が鍋にぎっしりおさまって…!!!!  「バナナみたいな香りがしておいしいんですよ」というのは、何の料理だと思います? タガメです!!!! しかも「タガメは外殻が硬いので 中身だけほぐして スープに入れます」だって!!!! でも、田舎育ちの私もイナゴの佃煮やハチの子の炒め物は平気で食べていたんですが、あれも人によっては卒倒されるような料理なんでしょうか…。話のネタとしてもご一読をおすすめします。(2011/10/4)
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    投稿日:2011年10月04日
  • 国民総幸福感(GNH:Gross National Happiness)という指標を知っていますか?GNP(国民総生産)が国の経済力を測る物差しとしてよく知られていますが、経済規模が必ずしも、国民の豊かさ、ひいては幸福度をもたらす絶対的なものではない、という考え方から生まれ、ブータンが提唱してきた新しい概念です。提唱国のブータンが8位に入り、EU周辺国が上位を占めるのに対し、日本は178カ国中90位――実は日本人は自分たちが思っているほど幸せではないという驚くべき実情を紹介しているのが『和の万華鏡―「和」の魅力を考える―』。JTB取締役、JTBアメリカ副社長、国際観光振興機構/日本政府観光局理事などを歴任してきた著者(安田彰・亜細亜大学教授)が再生のきっかけをつかめず自信喪失状態の日本が今後進むべき道を探った好著です。〈21世紀の理想はいわば「江戸時代の再現」だ。環境・有機・循環・ゆとりといった「非文明」が文明を呑みこむ逆説の世紀となるだろう。いよいよ日本の出番である〉安田教授は世界を虜にする「クールジャパン」の可能性を、弁当の文化的発展や世界一短い詩、短歌・俳句・川柳の隆盛に探っていきます。弁当箱はたんなるLunch Boxにあらず、というわけです。ランチボックスはピクニックや旅行の時などレストランで食事できない「非日常」の匂いを放つのに対して、日本の弁当は「非日常」「日常」を問わず、生活のあらゆるシーンに入り込んでいます。それも簡素なものから手の込んだものまで多様かつ融通無碍です。アメリカの国際会議場で昼食に大きなラップにくるんだ七面鳥のサンドイッチを連日出されて辟易とした経験を持つ著者は、どこからこのような違いが出てきたのかが大事だとして、古来の旅の携行食「乾飯(かれいい)」「干し飯(ほしいい)」の歴史をたどり、「破籠(わりご)」を「土佐日記」に発見して折り詰め弁当の淵源に思いをはせます。そして、日本の弁当文化の極め付きとして重箱、幕の内、松花堂に話は及んでいきます。これらがいつ始まり、どう発展してきたのか、実はよく知りませんでしたが、なるほど他の国や文化にはない、日本ならではのもので、しかもいまもなお、私たちの生活のなかで日々発展・変容を続けているのだということがよくわかってきます。コンビニの棚に並んでいる多種多様な弁当をなんとなく眺めてきましたが、そこにも「クールジャパン」の息遣いが潜んでいたのですね。それはともかく、著者の提唱する「江戸時代の再現こそ21世紀の理想」という逆転の発想に耳を傾けてみてください。各章の扉ページなどに配されている著者自身による切り絵もクールで楽しめます。(2011/9/30)
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    投稿日:2011年09月30日
  • 日本人なら誰でも、給食にさまざまな思い出があることでしょう。学期末のケーキが楽しみだったり、嫌いな食べ物とにらめっこして休み時間をつぶしてしまったり、なぜか腐った夏ミカンが机の中からでてきたり。そんな馴染み深い給食をテーマにとりあげた、少々変わったグルメ作がこれ。奇をてらっているのではなく、子供の”食”に関わる問題に真正面から向き合っていることに好感がもてます。主役は元名ランナーで栄養教論の坂上裕二と元レディースで学校警備員の稲島今日子で、このふたりのコンビが絶妙。栄養学の知識はあるものの料理はからきしの坂上と、粗暴だが料理はプロ級の今日子。坂上が生臭くないレバーの料理法で悩めば今日子がささっと作り、かと思えば坂上の熱血家庭訪問に今日子が無理やり付き合わされるなんてことも。人間ドラマの隠し味も程よく効いていて、バランスが非常にいい。栄養学、調理法、子供の精神面、そして社会問題などを盛り込んで、いろいろと考えさせられる内容になっています。私にとって最も気になったのは「油脂分の取り過ぎ」のくだり。あぁでもこれは手遅れか…。(2011/9/30)
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    投稿日:2011年09月30日
  • 大注目(私の中でw)の山中ヒコがお贈りする、高校生同士のもどかしい恋を集めたデビュー・コミックス!! この作品を読んで、一気に山中ヒコが気になり出した私…久しぶりに新人の作家さんで面白い!と思えて興味を抱きました。絵柄は描きこみが少なく非常にシンプルですが、切ない心理描写がピリピリと伝わってきます。特に表題作は久々のヒットでした!! 主人公の春日部は何でもできるモテ男だけど、初めて本気で恋をしたのは、なんと男! 今まで片思いなんてしたことのないモテ男が、人を好きになることに戸惑い、妄想する様子に胸がきゅんきゅんでした。実際にしゃべってみて幻滅しようとしたのに、それは新たな妄想材料を産むだけ…仲良くなるにつれ、高まっていく思い。無理に告白して今の「感じ」が壊れるよりこのまま友達の方がいい。でも現状維持はいつでも淋しい。そんな片思いの切なくて苦しくて、でも甘い葛藤がギュッと詰まっています! 「嬉しい……!! オレの好きな男が女子共に嫌われていく…!!」とぞくぞくしながらうっとりしている春日部が私的にツボでしたw 実際にはエロは少ないんだけど、妄想がエロいです*>ω<* 雰囲気エロスですね。そして描き下ろしは二人のお初! これ萌えた~~~なんだ、杉山くんもしっかり好きなのね!って。これぞBLの醍醐味ですよ(^^)b 普通の男の子がBLマジックによって可愛く変身していく…山中ヒコさんの作品は受けの子もしっかり男の子なので、そこも魅力です! 70%と言わず100%オススメなので是非ご覧ください!!ヽ(^◇^*)/
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    投稿日:2011年09月30日
  • 気ままな毎日を送る高校生・サブローが、突如、戦国時代へタイムスリップ。そこで出会った信長は、なんとサブローと瓜二つだった! 体が弱い信長はサブローに身代わりになるように告げると、そのまま姿を消してしまう。そして家来に見つかったサブローは、あれよあれよという間に織田家の次期当主となり…!? ユルい…! ユルすぎる…! こんなユル系の信長がかつて存在したでしょうか!? 現代の高校生が、そのまま戦国時代の殿様になっちゃったよ~ん、という大パワーのギャグであり、しかしながら、ただ単に漫画のキャラクターとして逸脱した信長像をつくっている訳ではなく、私たちが知る史実とキッチリ沿うように進んでいくのです。破綻なく歴史を再構築していくこの手腕に触れた瞬間には溜息がでることでしょう。驚き! しかし納得! が連続する快感の物語なのです。大注目!! (2011/9/27)
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    投稿日:2011年09月27日
  • 最近、高校生が優勝を争う全国大会の競技に、○○甲子園と「甲子園」を冠されることがよくあります。クイズやダンス、そうそう「まんが甲子園」もありますね。料理マンガの巨匠・土山しげるの『大食い甲子園』は、タイトル通り「大食い」の高校生たちが全国の覇権を狙います。食の細い人にとっては、「大食い」と聞いただけで胸焼けを起こしそうですが、高校生たちがワシワシ、モフモフと食べまくるシーンが、すこぶる美味しそう!! 考えてみれば、育ち盛りの10代後半は、一生の中で一番食欲旺盛な時期。ラーメンや親子丼を何杯もガツガツと食らうシーンを巨匠が活写するのですから、迫力があって当然。マンガは、廃部寸前の桃太郎高校大食い部に招かれた新任監督の盛山が、部を再建してふたたび優勝旗を狙うという設定です。面白いのは、ストーリー上「大食い」を競技のひとつとして確立していることです。試合形式は武道の試合のように、先鋒から大将までの5人の対戦形式や試合規定等の細々としたルールが決められています。さらには、フードファイターとしてのプロもあったり等、ここでは「大食い」は立派な競技者なのです。読後、食事時についついおかわりをしてしまいましたが、私も感化されてしまったようです。続巻を待ち望みます。(2011.9.27)
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    投稿日:2011年09月27日
  • 東京・上野公園一帯は芸術と知識の宝庫。木立の中には、数々の美術館や博物館があって、いつ足を運んでも興味が尽きることはありません。岡崎二郎が描く『国立博物館物語』に登場する「新東京博物館」も上野のはじっこにあり、これから新しい博物館に建て直そうという設定です。その新博物館の目玉の一つとして研究開発されているのが、「スーパーE」という仮想世界を体感できる機器。体感者の意識を読み取りながら、仮想世界そのものが自立して進化するという優れた機器なのですが、今のところ実際に仮想世界に入り込めたのは森高弥生だけです。ストーリーは各話読み切り形式で、このスーパーEを使って、恐竜の世界を探検するといったわくわくシーンの話も多いのですが、昆虫や海中の生物、植物、そしてクローン動物等多種多様の生命が取り上げられ、いずれもの話にいちいち驚嘆させられるばかりです。その中で一番面白いと思ったのは、森高と少女がスーパーEから出られなくなるという話です。仮想世界から現実の世界に戻れなくなってしまうということで、当人や研究者達は次第に焦り始めます。詳述は避けますが、結局数ある生命の中でも、人間が一番ややこしいなと思わされる話です。数々の未知の世界を垣間見ることが出来て、まるで博物館の中を歩いているような気分にさせられる一冊です。(2011.9.27)
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    投稿日:2011年09月27日
  • 海外で日本人が武装グループ絡みの事件に巻き込まれても、今の日本では武力行使や特殊工作ということはできないそうですね。特殊部隊のようなものはあるらしいですが、これの活動は国内犯罪限定だそうで。じゃあ、国ではなくて民間の部隊で影の組織なら…、というのが本作。リーダー・五条厳の頭文字から名付けられた五人のチーム、オペレーションG.G.。日本人のみで構成された彼ら特殊部隊が海外で拉致された人物を救出するストーリーです。この作品、一話あたりのページ数は約80ページと、かなりのボリューム。かつ、事件のディティールをきちんと説明しているため、セリフも多く、一見”濃い”印象を受けます。ただしよく似た構成の『ゴルゴ13』とは違って、アクションを重視しているために、キャラが動き始めると展開はスピーディ。日本人が主役ということで、そのメンタリティも盛り込まれていて、疑似現実とはいえメリハリの効いた活劇になっています。実在したら…なんてのは野暮。テロの現実を知識として身に付けつつ、スパイ映画ふうに彼らの活躍を楽しむのがいいと思います。(2011/9/22)
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    投稿日:2011年09月23日
  • 2011年は「なでしこジャパン」の年だ。7月にドイツで開催されたワールドカップで初優勝、8月には東日本大地震に打ちのめされた日本人に勇気を与え、爽やかな感動を与えたとして国民栄誉賞、そして9月にアジア最終予選を無敗で勝ち抜きロンドンオリンピック出場を決定。本書『なでしこ力(ぢから)』は、そのなでしこジャパンを率いる佐々木則夫監督が2006年になでしこジャパンのコーチに就任して以来、なでしこ達とともに戦ってきたサッカー戦記です。2007年に監督に昇格して最初の公式大会となる東アジア女子選手権(中国・重慶、2008年)で初優勝。日本女子代表チームとして初めての国際大会優勝を経験したなでしこジャパンはその後、2008年の北京オリンピックでベスト4、2010年5月、ワールドカップ予選を兼ねたアジアカップ(中国・成都)で、オーストラリアに敗れて優勝は逃したものの、ワールドカップへの出場権を獲得、そして2010年11月のアジア大会(中国・広州)で優勝をとげるまでの軌跡を佐々木監督自身の目で描く「なでしこジャパン」の物語――「なでしこ」はいかにして世界から賞賛されるまでになったのか。ここに至るまでのなでしこ達の苦闘、努力の数々は、どれをとっても興味深いのですが、なでしこ力を最もよく示している「いい話」を紹介しておきましょう。〈試合終了の笛が鳴ると、ピッチにへたり込んだ選手の数は、なでしこジャパンのほうが多かった。彼女たちは、信頼しあう仲間とともに、自分を信じて全力を出し尽くしたのだった。(中略)試合後。同点弾を決めた近賀がインタビューを受けた。「苦しい時は、これを見て頑張ろうと思って」広げた手のひらには、マジックで大きく、ある二文字が書かれていた。国際電話で励ましの言葉をくれた守り神「山郷」の名だった〉北京オリンピックベスト4への道を切り開いた同点弾は、初戦で自らのクリアミスによって計算していた勝ち点3を失ってしまったと責任を感じていた近賀選手がたたき出した。その近賀選手が手のひらに書き込んで苦しい時にはその名を見たという「山郷」は長年なでしこのゴールを守ってきたベテランキーパー。選手枠の少ないオリンピックではバックアップメンバーに回り、日本にあってピッチ外で仲間の一人としてともに戦っていた。仲間が心を一つにして戦う――当たり前のこととしてよく言われるが、実践することは簡単に言うほどやさしくはない。激しくポジションを争っている同士でもある選手達が心を一つにして共通の目標に向かって進んでいく。ここになでしこジャパンの強さの源があるわけですが、それは一朝一夕にしてできあがったものではありません。日々の細やかな観察に基づくチームづくりの過程ではぐくまれてきたものです。選手がミーティングに遅刻して来たとき、佐々木監督はその理由を問いません。逆に遅刻せずに集まっていた他の選手に語りかけるそうです。「どうして、話し込んでいて招集の声が耳に入らなかった仲間に対して、ちゃんと聞こえたものが声をかけてあげなかったのか――」ビジネス書、人間関係の指南書としても示唆に富んだ本になっています。(2011/9/22)
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    投稿日:2011年09月23日
  • この頃、妙に気になることがあります。かな4文字で、なにかを略したようなタイトルが、多くなりました。目を引くし、覚えやすいし、おそらくそういう理由で、流行ってるんでしょうね。なんの略なのか気になりますよね。集めてみますね。有名なのは「らき☆すた」。これは、ラッキースター が略されていたんですね。ほかには……「そふてにっ」ソフトテニス の略でした。「あいたま」アイドルの卵 の略でした。「となグラ!」隣暮らし の略でした。「よせ☆あげ」寄せて、上げる の略でした。「アニコイ」アニメみたいな恋がしたい の略でした。「メルカノ。」メール交換からお付き合いが始まった彼女 の略でした。「てんかぶ!」作中に登場するクラブ名“天下布部”がやや強引に略されたようです。「ばくめし!」爆発的にうまいメシ……かと思いきや、博打打ち料理人がつくるメシ の略でした。「ミニぱと」ミニパトロールカー の略でした。「イヌネコ。」犬と猫 でした。「がきデカ」…………「がきデカ」!? なんということでしょう。あの名作もひらがな4文字ではありませんか! もしかして、4文字ブームの元祖はこの漫画なのか…!? 「がきデカTHE BEST」ついに本日発売です。(2011/9/20)
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    投稿日:2011年09月20日
  • 人類が夢みる装置のひとつに、タイムマシーンがあります。柏木ハルコの『地平線でダンス』は、タイムマシーンの開発に情熱を燃やす竜ヶ崎と琴理の物語なのですが…。物語の序盤で、とんでもないことが起こってしまいます。実験中のタイムマシーンが誤作動し、琴理は時空を転移してしまうのです。再び琴理が現れたのは、3年後の世界。しかも、体は存在せずに意識だけがトリップしてしまったのですから大変。琴理自身はそこにいるのに他人からは見えない、いわば幽霊みたいなもの。琴理はさっそく「ぢゅて~む」な竜ヶ崎のアパートに行きますが、そこで、とことん落ちぶれた竜ヶ崎の姿を目にします。竜ヶ崎を再生させようとする琴理。ふたたびタイムマシーンによって、動物の姿で琴理は竜ヶ崎の前に現れますが、竜ヶ崎はカンが鈍くなってしまっていて、全く気づきません。ここでは明かしませんが、可愛らしい動物の姿で懸命に竜ヶ崎のために努力する琴理と無気力な竜ヶ崎。琴理の必死な努力が報われないもどかしさと、ハラハラさせられる展開に思わずのめりこんでしまいます。物語を読んでいると、しっかり開発すれば、ワームホールを使ったタイムマシーンって本当に出来てしまうのかも、と単純に思い込んでしまいました。もし、完成したらあなたは過去か未来、どちらに行きますか? (2011/9/20)
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    投稿日:2011年09月20日
  • もうすぐ食欲の秋。夏バテで衰えた体力は、美味しい料理で回復したいですね。料理マンガの大家・ラズウェル細木が描いた『大江戸 酒道楽』は、江戸時代に庶民が食べていた料理をテーマとした異色作。酒を売り歩く大七とお富久(おふく)夫婦の日々の暮らしで口にする料理にスポットが当てられますが、お富久にとって厄介なことは、大七が大の呑み助であること。だけど、呑み助であるがゆえに、肴や料理に対して舌が肥えています。雪がシンと降る寒い夜に、鍋でやまくじらをぐつぐつぐつと煮て、おちょこ片手に「いやあ、こいつぁ堪えられねえや」…いやあ、読んでいる方もたまらなく一杯飲りたくなります。あっ、やまくじらって猪肉(ししにく)のことです。掘って、すぐでなければ味わえない筍(たけのこ)の刺身や江戸前の蝦蛄(しゃこ)等、他にも食欲を刺激する料理がたくさん登場します。江戸時代の市井の人が、いつもこういった料理を食べていたわけではないのでしょうが、ひょっとしたら現代よりも食文化は豊かだったのではないかと思ってしまうほど。カラー作品だから料理のリアリティも感じられます。秋の夜長に呑んで、じゃなかった読んでみてはいかがでしょう。(2011/9/20)
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    投稿日:2011年09月20日
  • 信頼できる言説とは何か――野田内閣発足からわずか9日目の経産相辞任のニュースを目にして、改めて考えさせられました。フクシマを視察して「死のまち」と語ったこの大臣に生活の場を追われた人たちを思いやる心遣いは微塵も感じられないし、「放射能をつけてやるぞ」との発言に至っては、「児戯に等しい」などと言っては子供たちに失礼だ。大臣辞任で事が済んだと思ってもらっては困ります。議員辞職して当然の所行ではないか・・・・・・3.11以降、原発、放射能を巡って様々な言説が飛び交っています。そうしたなかで真に信頼できるものは何か。誰の言説か。今回紹介する、高木仁三郎さんこそは、その筆頭にあげられるべき人だ。高木さんの最後の著作となった本書『市民科学者として生きる』は、東京大学を卒業して黎明期の原子力産業に研究者として就職、数年を経て東京都立大学に転じ、さらに大学を離れて市民科学者として「反原発」に取り組んだ高木さんの自分史です。原子力の可能性に魅力を感じてその世界に身を投じた若き研究者はなぜ、「反原発」の市民科学者に転じたのか。その過程、その思考の軌跡にこそ、3.11後に生きる私たちが直面している問題への解があるのではないでしょうか。高木仁三郎さんは「原発問題の中にすべてがある」と見出しをつけて、次のように書いています。〈原子力のような中央集権型の巨大技術を国家や大企業がひとたび保有するならば、核兵器の保有とは別に、それ自体がエネルギー市場やエネルギー供給管理のうえで、大きな支配力、従って権力を保障する。風力とかバイオマスとか太陽電池などの地域分散型のテクノロジーを軽視し、ほとんどの政府がまず原子力にとびついた(その段階での商業化の可能性の不確かさは、前述の分散型ないし再生型のエネルギーが現在もつ不確かさより、はるかに大きかった)のは、この中央集権性ないし支配力にあったと思う。その底流には、巨大テクノロジーと民主主義はどこまで相容れるかという、現代に普遍的な問題が関係している〉そして、原発の安全性についてこう指摘するのです。〈巨大科学技術システムが共通に負っている、決してゼロにはできない破局的な事故の可能性、それに絡むヒューマンエラーの可能性の問題が、原子力には凝縮した形で存在している。一度でも起これば、取り返し不可能な影響を全地上の生命に与え得るような事故の可能性に対して、技術によって確率を下げるというだけでは、究極的な安心(心の平和)を人々に与えることはできないだろう〉1999年3月から5月にかけて高木仁三郎さんは病床でこの本を書き上げました。そこで提起された問題は、12年後の2011年3月11日以降、フクシマで現実のものとなってしまいました。そうしたなかにあってなお「成長をやめたら日本は崩壊する」という大合唱はやみません。人々のあきらめを組織的に利用して現状の国家形態・産業形態を基本的に維持していこうとしているのだと喝破した高木さんは、あきらめからの脱出を問いかけます。希望の組織化こそが私たちの未来を切り開くと語りかけます。傾聴に値する言葉です。同じ岩波新書の高木仁三郎著『原発事故はなぜくりかえすのか』もあわせてお読みください。(2011/9/16)
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    投稿日:2011年09月16日
  • 聞いた話ですが、たまに派遣社員でもホントにスーパーマン(ウーマン)っているみたいですね。何でもできちゃう、資格もスゴイの持ってる、でも短期でしか仕事をしない。で、この漫画はそれを地で行くスーパーウーマンが活躍するお話。SEにCADオペレーター、看護助手に選挙プランナーと、異業種を渡り歩き、毎度事件に巻き込まれる。あぁデキる女はツラい、ってなストーリーです。ただ、この主役の蜂矢銀子、切れ者で妙にエロっちいのですけど、オトコに弱くコミカルすぎ。なんかもう台無しって感じですが、なまじ各業種の生々しい部分を題材にしているだけに、これが良い狂言回しになる。息苦しくなくて脱力するのがいいです。主役で息抜きというのもアレですが…。またこの作品、巻末にあとがきがついているのですが、これがまた作画家の人柄がにじみ出てて良い。全6話の取材裏話やちょっとしたネタばらしのほか、キャラへの思い入れについてのくだりもあり、あとがきのおしまいまでいい味出してます。(2011/9/16)
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    投稿日:2011年09月16日
  • 現在テレビドラマ放映中の『バラ色の聖戦』。ごく普通の主婦が“女の生き方”を問うスタイリッシュで痛快なサクセスストーリーです。夫の浮気がきっかけで、絶対キレイになって見返してやる!と、「自分」を求めてキレイになる決意を固めた主婦・真琴が、夫の愛を取り戻すために一念発起し、輝ける主婦モデルを目指す。だが、あこがれのモデルの世界は想像以上に険しく、主婦の甘えた考えを吹き飛ばす過酷で華麗な女同士のバトルが待っていた。社会から長く離れていた主婦の自分にモデルが務まるのか――自問自答を繰り返しながら輝きを手に入れていく姿は、人生に迷う現代女性の共感を呼ぶこと必至です。失われた「キレイ」を求めて――主婦・真琴(30歳)の美への挑戦が始まる! 普段モデルさんが美を保つために気を付けていることなども描かれていて大変勉強になりました! 実はこやまゆかりさんの作品は一時期ハマって一気に読んでました。この方の作品は一度読み出すと止まらないんですよね~もう続きが気になって気になって…夜も眠れません。そしてもうひとつ共通しているのは「悪女」の存在。今まで信頼していた女友達が、突然手のひら返したように悪女になるんです! 『バラ色の聖戦』でもそれは例外ではなく。特に今回のテーマは女だけのモデルの世界。女同士のドロドロした関係に、実際こんなのあったら嫌だな~と思いながらも目が離せないんです! さらにモデルを始めたことで見えてきた夫との溝…例の「悪女」も何か企んでそう…イケメンカメラマンとの進展はあるのか?などなど、今後の展開に大注目です!!
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    投稿日:2011年09月16日
  • むかしの友達とはめっきり連絡も取らなくなりました。みんな今なにしてるんだろう…………オレを通り過ぎて行った男たち\(^o^)/ ……こんなことを思ったのは『坂道のアポロン』を読んだためです。“60年代後半、地方の町を舞台に、ナイーブ男子とバンカラ男が繰り広げる直球青春物語”……読んでみると、年を経て失くしたなにかが、漫画の中でキラキラキラキラ輝いているではありませんか! 二人の友情が、そして初々しい恋模様が、眩しすぎる…!! バンカラこと千太郎(せんたろう)が気のいいナイスガイすぎてホレそうでした。ぜひ、立ち読み版を読んでみてください(*´ω`*) ところで、ふつうに男子生活をやっていると、読まず嫌いという訳でもなく、あんまり女性向けマンガ誌を手に取る機会がないと思います。『坂道のアポロン』は、「このマンガがすごい!2009オンナ編」(宝島社)で第1位に選ばれた作品ですが、男性にはあまり知られていないのではないでしょうか? このあいだ気が付いたのですが、『坂道のアポロン』が載っている月刊誌「フラワーズ」(小学館)がすごいことになっています。前にご紹介した『7SEEDS』をはじめ、男性・女性隔てなく楽しめる漫画がメジロオシ。そのラインナップに、まるで黄金期の「少年ジャンプ」を彷彿とさせる衝撃を感じました! そんなわけで、このごろ少女漫画をご紹介することが多くなっております。「フラワーズ」の作品はこれから次々発売になりますので、どうぞお楽しみに!(2011/9/13)
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    投稿日:2011年09月13日