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  • 同窓会で初恋の彼と再会した美桜。やっぱりイケメンに成長してる…!と思いきや彼の頭はツルツル!!?…そう、彼は僧侶になっていたのです!!僧侶=生涯独身!?と思っていたのに、「僧侶の前に俺だって男だよ」と押し倒されて、あっという間に婚約!?彼の実家であるお寺で同棲!?!?テンポよくストーリーが進むのでさくさく読めます。なにより僧侶がイケメンです!突然お寺の世界に放り込まれ、右も左もわかっていない美桜をちゃんとフォローしたり、励ましたりと男前です…。ありそうでなかった僧侶TL!!!もちろんラブラブHシーンも盛り沢山です☆
    • 参考になった 5
    投稿日:2014年10月24日
  • 三浦しをんは、誰もが早足で歩くような今の世の中ではちょっと規格はずれの生き方、もっと正確に言えば現代社会の規範にしばられない、へんな人の人生を描きます。へんだけど愛すべき人として肯定的に描きます。代表作のベストセラー、まほろ駅前シリーズ映像化第3弾となる映画「まほろ駅前狂騒曲」が10月18日に公開されましたが、主人公の二人、瑛太演ずる多田啓介(多田便利軒経営)と多田の元に転がり込んできた中学時代の同級生、行天春彦(演ずるのは松田龍平)はともに、ちょっとはずれた場所(まほろ駅前。モデルは小田急線とJR横浜線が交わる町田)で、世の中の常識とはちょっと距離をおいて暮らしている三十代半ばのバツイチ。一見気ままに生きているようでいて実は人生をどう生きるかについて人知れず真面目に考えているバツイチたちの真摯さがシリーズ三作(『まほろ駅前多田便利軒』『まほろ駅前番外地』『まほろ駅前狂騒曲』)の人気を支えているのですが、その三浦流は10月に刊行されるやいきなり文庫売れ行きランキングの上位に名を連ねた『木暮荘物語』にも通底しています。物語の舞台は、町田から小田急線・世田谷代田に移ります。三浦しをんは、物語の舞台をこう描写しています。〈ゆるやかな起伏のある細い道を、井の頭線の新代田駅方向へ5分ほど歩く。駅から5分。生け垣に囲まれた一戸建てと、古い木造アパートが混在した静かな住宅地だ。環七(かんなな)通りの喧噪(けんそう)からはずれた道……角を曲がると、木造二階建ての木暮荘が正面に見える。建物の外壁は茶色いペンキ、木製の窓枠は白いペンキで塗ってある。チョコレートと生クリームでデコレーションされた、小ぶりのケーキみたいだ。近寄ってよくよく見てみれば、分厚く塗られたペンキが凹凸を作り、ぬかるみが固まったみたいだが。ペンキの剥げた箇所を発見次第、大家が素人ながら刷毛をふるっているためだろう。夏草の繁る前庭から、ほのかに花の香りがする。ジョン(引用者注:大家の木暮さんの飼い犬)はひんやりした今夜の寝床を求め、さかんに土を掘り返しているらしい。灰色のシルエットが薄闇に浮かぶ。〉1階、2階あわせて6室の古アパート木暮荘の住人は、4人(2室は空き部屋)。『木暮荘物語』は、その4人とかかわる人々の人生を綴っていく連作短編集です。第1話(第1章)「シンプリーヘブン」は、学生時代に木暮荘に入り、西麻布の花屋の店員になってからもそのまま、木暮荘203号室で暮らす坂田繭の物語――。〈「せっかくいい天気なんだし、どっか行こうか」「そうだね。でもいい天気だから、どこも混んでいそうだ」
    などと、坂田繭と伊藤晃生が日曜の昼下がりにアパートの一室でごろごろしながらしゃべっていたら、大家の飼い犬のジョンが「ワン、ワン」と庭で吠えた。ふだんはおとなしい犬なのに、連続して鳴くとはめずらしい。なんとはなしに耳をそばだてていると、はたして来客を告げるブザーが室内に響いた。繭は部屋着にしているTシャツとハーフパンツを急いで身につけ、「はーい」と答えて玄関のドアを開けた。真っ黒に日焼けし、無精髭を生やした瀬戸並木が、「やあ」とにこにこして立っていた。「ひさしぶり。元気だった?」ものも言えずにいる繭の肩越しに、並木は室内を強引に覗きこんだ。「あれ、お兄さんですか? こんにちは」どこの世界に、妹の布団に全裸であぐらをかき、股間にタオルケットをかけた姿で来訪者を怪訝そうに眺めるお兄さんがいる。いたら問題だ。(中略)
    繭は口を数回、無駄に開け閉めし、やっとのことで、「並木、あなたなんで急に来たの」と言った。「さっき成田(なりた)に着いたところなんだよ」並木は、部屋の隅に下ろした登山用の大きなザックを顎(あご)で示した。使いこまれたザックは埃(ほこり)まみれで、縁(ふち)の部分がほつれていた。「住むところが見つかるまで、ここにいさせて」「だから、なんで私の部屋に?」「だって、俺たちつきあってるだろ?」ほがらかに並木は言い、めまいを感じた繭は、「つきあってない!」と大声を出した。「断じてつきあってないからね!」並木への抗議というよりは、黙って推移を見守る晃生への必死の訴えだった。〉日曜日の昼下がりのアパートの自室。つきあっている男と裸でごろごろしていたところに、突然、別の男が訪ねてきて上がり込んでしまったというのですから、フツーありえない事態です。繭がめまいを感じるのは当然ですが、動じていないというか、とりあえず冷静な伊藤晃生が名前を名乗ったうえで、闖入者の並木に会釈して言います。〈「話がまったく見えないんで、ちょっと質問していいかな」「どうぞ」並木は言い、繭もしぶしぶうなずいた。晃生は身じろぎして姿勢を正す。「まず、俺は繭とつきあっている。この認識にまちがいはない?」「ええっ」並木はあわただしく繭と晃生の顔を見比べ、「まちがいない」と繭は力強く請けあった。「では次に、繭はこの……、並木さんだっけ? 並木さんとも、同時につきあってたのか? つまり俺は、二股をかけられていたわけか?」「断じてちがう!」繭は力強く否定し、「ええっ」と並木はのけぞった。「ひどいぞ、繭。俺たち、つきあってるじゃないか」「それは三年前まででしょう!」繭は髪の毛を掻(か)きむしりたくなった。「突然なにも言わずにいなくなって、それから音沙汰(おとさた)ひとつなかったのに、なんで『つきあってる』ことになるのよ!」「えー。『別れる』とも言わなかったはずだけど」「『別れる』とも『待ってて』とも言わずに三年も姿を消したら、それはフツー、別れたことになるんじゃないの」「わかった」と晃生が言った。「なんとなく事態が飲みこめてきた。並木さん。繭は俺と半年前から交際している。そういうことなので、きみは出ていってくれ」〉そう言いながらも晃生は、有り金を使い果たしてしまったという並木に1万円を貸します。並木がザックをかついで部屋を出ていった後――謝るのもおかしい気がした繭はただ晃生の手に触れます。晃生は微笑(ほほえ)んで繭の手を握る。その時、繭の胸中をよぎる思いを、三浦しをんはこう綴ります。〈並木の撮(と)る写真を通して、繭はいつもこの世の真実と本質を垣間(かいま)見(み)る思いがした。深みに切りこみ、深みを切り取る並木の目と心と感性を愛した。純粋で激しい魂を。並木をとても大切だと思い、離れるなんて想像できない、そんなことになったら生きていけないと思った日もあったのに。少し哀しかった。晃生の穏やかな優しさと、三年前と変わっていなかった並木の明るさが。並木はいったい、どこでなにをしていたんだろう。どうして急に私のまえからいなくなり、また急にやってきたんだろう。〉しかし、繭と晃生、そして並木の物語は終わりません。夕食の材料を入れたスーパーのレジ袋をさげた並木が「ただいま!」と明るく戻ってきます。つきあっている男女の部屋に三年前までつきあっていた男が居候をきめこんで、木暮荘203号室の物語が始まります。翻訳家で法政大学教授の金原瑞人氏は、紙版(祥伝社刊)巻末に寄せたエッセイで、「(三浦しをんの)小説は、文学と呼ぶにはあまりに面白くて、読み物と呼ぶにはあまりにも深く迫ってくる」と指摘しています。死ぬ前にもう一度、セックスをしたいと思い悩む70過ぎの大家の木暮さん(101号室)。中学3年の時に不妊症を告げられて以来、刹那的な恋に走り、3人の男と「ああん、ああん」を繰り返す女子大生の光子(102号室)。その女子大生の性交を天井の節穴から覗き見ることに生きがいを見いだした税理士志望の会社員・神崎(201号室)……。三浦しをんは性を切り口にアパートの住人と彼ら彼女らと関わりを持つ人々の人生を描き出しました。短編連作小説のなかの凝縮された人生。そのどれもが、あたたかいまなざしで見つめるように描かれ、一人静かに向き合いたくなります。(2014/10/24)
    • 参考になった 2
    投稿日:2014年10月24日
  • ネタバレあり
    純恋愛ものかと思ったら
    淫獣、性獣ものでした。蓋を開けてみれば綾乃の肉食振りがなかなかで笑えます。
    この巻で姉以外とはすべて関係をもつので、出し惜しみなし的なところも良かったです。
    今後の続きも楽しみです。綾乃はさらに淫獣化するんですかね。
    • 参考になった 5
    投稿日:2014年10月23日
  • 匿名希望
    面白かった!
    続きが読みたくなる内容になってて面白かった!これからの展開が気になる!
    • 参考になった 0
    投稿日:2014年10月23日
  • 匿名希望
    おばちゃんですが…
    懐かしくて大人買い。やっぱりイイわ…。買って正解だった。
    • 参考になった 3
    投稿日:2014年10月22日
  • 匿名希望
    文句無くww
    面白い!この作者かなり作品がマニアックだがキャラもストーリーも言うことなしww
    一気に何度でも楽しめる
    • 参考になった 4
    投稿日:2014年10月22日
  • 匿名希望
    ネタバレあり
    粗筋や表紙のイメージからシリアス刹那系と思っていました。はっきり言ってコメディ要素満載でした!上記系お求めだとハズレかもしれません。おバカだなぁ(癒笑)が感想です。
    • 参考になった 3
    投稿日:2014年10月21日
  • 匿名希望
    面白すぎ(笑)
    めちゃめちゃ面白いわ、コレ(・∀・)絵も見やすいし、話も面白い^^
    • 参考になった 1
    投稿日:2014年10月21日
  • 実写ドラマも好評のうちに終わった本作。「何者かになりたい何者でもない若者」の苦悩や、根拠のない「俺だけは分かってる」感は非常にリアルで、クリエーター志望だけど特に何もしてないというような学生は読んだら「うわあああ」となること必至でしょう。内容的には業界ネタが多いので、前知識として当時のマンガ・アニメ状況や、庵野秀明ら(旧)ガイナックスメンバーを知っているか否かで面白さは変わるような気もします。紙書籍の帯にも使われた「あだち充は野球漫画の描き方を全然をわかってない」「高橋留美子はタイミングだけで生きている」「原秀則のマンガはマイナスもないが内容もない」等々の上から目線な名言(?)は強烈。80年代のマンガ・アニメ好き学生たちの空気感を本作以上に描ける作品は今後も現れないんじゃないでしょうか。
    • 参考になった 6
    投稿日:2014年10月21日
  • 匿名希望
    BL初心者でも面白い
    BL初心者というか、ほぼ初めて読みました。この作家さんの絵を見たことがあったので思わずクグッてしまいましたが、もともとは少女漫画書いてる方で昔から好きな作家さんでした。そりゃストーリーがしっかりしてるハズ。
    あまりにもレビューが高評価だったので、読んでみましたが。スッゴく面白かった!!!しかもかなりエロい。二人ともイケメン…、目の保養になりました。
    • 参考になった 9
    投稿日:2014年10月20日
  • 匿名希望
    面白いね!
    バトルハーレム漫画だけど最近のワンパターンとは一味違うね
    キャラもちゃんと分かれてるww最近のはカラーじゃないとわからんからなぁ!
    ストーリーも筋通ってると思いますね!アニメとは流れかなり違うかな?
    • 参考になった 1
    投稿日:2014年10月20日
  • モアレが多い
    作品内容としては、やや尻すぼみな感もあります。打ち切りだったのかな??

    電子書籍化にあたって、山本梓とのコラボ話が削られているのと、スクリーントーンのモアレが酷い巻があります。
    一部カラーページ収録は紙媒体からでしたっけ??
    • 参考になった 7
    投稿日:2014年10月20日
  • 匿名希望
    素敵なBLです
    柔らかいタッチで描かれた美しいイラストと、丁寧なストーリー展開でとても素敵なBLでした。一本の映画のようで読み応えありです。
    • 参考になった 2
    投稿日:2014年10月20日
  • 匿名希望
    オススメ
    女子でも読み易い柔道まんがです。
    私は、海老ちゃんが大好きで、全巻揃えました。
    なので、最終巻のオチは、やっぱりぃ~、と1巻で予想していたので、まぁ、まぁ、まぁ、という感じで、でも、それを込みでも、トータル的に見ると、何度読み返しても、読後感が良いです。
    高校時代に読んで、もう、とっくに、年を越えました。
    これは、未だに、持っています。
    色々な意味で、世界の柔道になってしまいましたが、嘉納先生の柔道が、戻って来ると良なぁ~、と願って止みません。
    • 参考になった 2
    投稿日:2014年10月19日
  • 匿名希望
    他のサイトでも読んだけどハマった!
    持っておきたい一冊。でも何故かシリーズ一冊目が無い!探したけどリストに無い!これ続編ですよね。一冊目希望。あれがないと評価半減しますよ。スタッフさんお願いします!
    • 参考になった 0
    投稿日:2014年10月19日
  • 匿名希望
    感情が伝わってこない。
    消化不良な感じ。設定はいいけど登場人物の葛藤が浅い。Hな部分は多いけど、入り込めないから流してしまう。
    • 参考になった 0
    投稿日:2014年10月19日
  • 笑えるBL
    shoowa先生の中で一番好きな作品。

    ギャグが冴えてます。エロもシリアスもあるのですが、全体的に明るく楽しいです。
    メインカップルより、後のカプの方が話が長い?続編もあるし!

    先生の描く、美人受けは良い。萌える。吉宗とジン猫のマリ似てる。マリ好きだから嬉しかった。
    • 参考になった 2
    投稿日:2014年10月17日
  • 良い作品です
    BLはたくさん読んで来ましたが、とても引き込まれる作品でした。
    先を読みたいと強く思うほど、ストーリーが面白かったです。

    主人公達やその母達の関係の描き方もよかったです。考えさせられました。

    BLとしての萌もあります。攻めの男の子、夢野君がどんどん男前になっていって素敵でした。優しく支えるキャラが、同級生の草壁君と似ているなと思いました。理想の恋人ですね。
    主人公達、みんな顔が綺麗。絵も凄くお上手です。

    • 参考になった 2
    投稿日:2014年10月17日
  • 匿名希望
    ガイドブック?
    ラーメン屋の紹介?ストーリーは陳腐で同人誌なのかな?
    1話以降の展開期待したが無理だった・・
    次買う気には・・・個人的には無理!!
    • 参考になった 0
    投稿日:2014年10月17日
  • 日本人科学者が、またまたノーベル賞を受賞しました。素晴らしいです。これで22人の日本人がノーベル賞に輝きましたが、そのうち人文科学が3人に対して自然科学が19人と、文系より理系が強いようですね。別に対決させる必要はまったくありませんけど。今回の青色発光ダイオードはすでに実用化されているので、身近な存在です。『理系の人々』の主人公も信号機に使われている青色発光ダイオードを目にして、「科学の勝利」と成果に著しく反応しているシーンがあったりします。あっ、『理系の人々』は『ぼく、オタリーマン。』を代表作に持つ、よしたにの漫画ですね。著者のよしたに本人がIT企業のエンジニアだけあって理系を扱った作品が多いようです。で、『理系の人々』も自らの日常体験と思しきネタが基となったコメディタッチの内容です。上司からエクセルの表の集計を頼まれた主人公が、思わず時間をかけてプログラムを作成し、「単純作業が死ぬほど嫌い」と独白したりして、思わずクスリと笑わされるような本です。より、理系の人々のマインドに訴える内容ですね。うーん、文系の人々もがんばらないと。来年こそは待望の文学賞に輝くといいですね。(2014/10/17)
    • 参考になった 0
    投稿日:2014年10月17日
  • 〈九十人の子供が住んでいる家がある。『あしたの家』──天城市立三日月小学校から程近い場所に存在する児童養護施設だ。 様々の事情で親と一緒に住めない子供たちが、一つ屋根の下に暮らしている。〉有川浩の新刊『明日の子供たち』の書き出しです。親と一緒に暮らせない子供たち90人が住んでいる家――児童養護施設で子供たちはどんな生活を送っていて、そこでの日常は親と一緒に暮らす“普通の子供たち”の場合とどこか違っているのか、変わりないのか……有川浩は行政や政治家たちが声高に振りまく「高説」とはまったく異なる、そこで息をし、悩み、困り果てた人たちの声に耳を傾け、ドラマティックな物語を紡ぎ出しました。有川浩のエンタテイメント作品はその軽さ、読みやすさ全開が特長だということは誰もが認めるところです。しかし、彼女の魅力はそれだけではありません。井上ひさしさんは「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく」と言い続けていましたが、有川浩もこの井上流を感じさせる若手小説家のひとりです。有川浩は冒頭に紹介した書き出しのあと、次のように続けます。〈施設には子供たちから「先生」と呼ばれる児童指導職員が宿直制で二十四時間常駐している。そしてその日、三田村慎平(みたむらしんぺい)は希望に溢(あふ)れて『あしたの家』に着任した。残暑がようやく過ぎた秋晴れの一日だった。 グラウンドがない学校、という風情の建物だった。まるで昇降口のような玄関には壁一面に靴箱が備え付けられ、一つのボックスに何足もの靴が押し込まれている。その雑然とした様子が学校とは一線を画する生活感を醸し出していた。(中略)低学年男子が使っているらしい区画は完全なる無法地帯だ。小さなスニーカーがむやみやたらとボックスに詰め込まれている。普通の家なら三和土(たたき)に子供の靴が出ていてもご愛敬(あいきょう)だが、九十人の子供にそれを許すと玄関が溢れかえってしまう。きっと靴箱に収まるだけの靴しか持つことを許されないのだろう。不自由な生活を思うと何とも忍びない。三田村は靴がこぼれ落ちそうになっているボックスをいくつか片付けはじめた。「何やってるの」背中からかかった声に振り向くと、ジャージを着たショートカットの女性が立っていた。「和泉(いずみ)先生」赴任前の研修で顔は見知っている。施設職員の和泉和恵(かずえ)だ。子供たちからは確かいずみちゃんというニックネームで呼ばれていた。年齢は二十六歳の三田村より一つ二つ上だったはずだ。「こんにちは、今日からお世話になります」「知ってる。それより、何やってるの」元々フレンドリーなタイプではないようだったが、それにしてもこの咎(とが)めるような口調は何だ。三田村のほうも自然と怪訝(けげん)な顔になった。「何って……子供たちの靴を片付けてあげようと思って」「勝手なことをしないで」三田村としては親切心からやったことである。それを勝手呼ばわりされてカチンと来た。「そんな言い方ないでしょう、僕は子供たちのために……」「その『ために』が余計なことだって言ってるの」「余計って、そんな」畳みかけられるきつい言葉に目を白黒させていると、和泉はつかつかこちらに歩み寄ってきた。思わず身構えた三田村を完全スルー、三田村が整頓したばかりのボックスを引っ掻く(か)き回して元のとおりに散らかしてしまう。(中略)靴底がこちらを向いているような無茶な靴の突っ込み方まで忠実に再現されてしまった。「ひっでえなぁ……」思わず呟(つぶや)くと、和泉がくるりとこちらを向き直った。「誰の物に触ったのかも覚えていられないなら、余計に手を出さないで」静かだがむやみな迫力に溢れた声に、ぐっと呑(の)まれた。──その呑まれたことが悔しく、半ば反射のように言い返した。「これくらい片付けてあげてもいいじゃないですか。こんなぐちゃぐちゃなんだから」「こんなぐちゃぐちゃだけど、」和泉はことさらに声を張り上げたわけではない。だが、三田村の肩は勝手に縮んだ。その勝手に自分の意志を裏切った肩に腹が立つ。「やっと靴箱の中に靴を入れるようになったの。担当の先生が毎日毎日注意して、やっと」和泉の静かな声が、ねじ込むような重さで玄関に響く。「今度は、靴箱の中を整頓しなさいって毎日注意しなきゃいけないの。誰かがやってくれたら、絶対自分でやるようにならない」「でも、かわいそうじゃないですか」分がないことはそろそろ分かっていたが、退(ひ)くに退けなくなっていた。自分なりの思いやりを全否定されたことが三田村を意固地にしていた。「普通の家庭だったら、ちょっとくらい散らかしてたってお母さんが靴を揃(そろ)えてくれるでしょ? だったら、施設の子供たちだって、ちょっとくらい甘やかしてくれる人がいたって……」「あなたが毎日甘やかしてやれるの」苛立(いらだ)ちの混じった声と一緒に、和泉の目もきつくなった。「九十人を毎日ちょっとくらい甘やかしてやれるの」ぐうの音も出なかった。「ここは普通の家じゃないし、わたしたちは親にはなれない。わきまえて」「分かってますよ、そんなこと……」口の中でもごもご呟いた完全に負け惜しみだ。>ソフトウエア会社で営業の仕事をしていた三田村慎平は、児童養護施設を舞台とするテレビドラマに触発されて施設職員に転じました。やる気は人一倍、子供たちの靴が散乱しているのを見るや、「お母さんがいないのだから誰も靴を揃えてくれない、かわいそ うに」と思うや、あとさきなしに靴を整理し始める新人です。「慎平ちゃん」と呼んでくれと自分から言い出せる、ベタな性格。慎平の新人らしい「おもいやり」を「その『(子供たちの)ために』が余計なこと」と全否定する和泉和恵は3年目、愛想はないが涙もろい先輩。「和泉ちゃん」と呼ばれ、子供たちの信頼も厚い。新人時代の和泉を指導した猪俣吉行(いのまたよしゆき)は、子供たちから「イノっち」と呼ばれているベテラン熱血漢。かつて高校を卒業して施設から巣立っていった女子生徒が、せっかく入った大学を経済的な理由から途中退学、連絡が途絶えてしまったことを自らの責任と悔いています。成績の良かった女子生徒に対し経済的条件をシビアに考えずに安易に名門大学への進学を勧めた結果、彼女の人生を狂わせてしまったと思い込んでいるわけですが、猪俣が味わった過去の不幸な出来事を知らない和泉は担当している女子生徒の進学希望について相談を持ちかけます。しかしなぜか猪俣はその女子生徒の進学には賛成できないと思いがけない姿勢を貫きます。谷村奏子(たにむらかなこ)がその女子生徒。小学3年の時、母親の育児放棄が発覚して保護され「あしたの家」に入ったから、施設の経験は和泉よりもずっと長い。読書好きで生活態度も成績も良好なカナは、「問題のない子供」の典型。高校2年で、大学進学を希望しています。奏子が「問題のない子供」の女子代表だとすれば、男子代表は大人より大人びている平田久志。久志の入所は奏子より1年先でしたが、聞き分けのいい子供同士で、昔から気が合っていたという。同じ歳で、高校2年の二人はともに読書好き、一番の仲良しだ。担当の猪俣は、進学を希望する久志を積極的に後押しています。施設の子供たちは、高校を卒業すると施設を出て自活していかなければなりません。巣立っていった子供たち、施設出身者には帰っていく場所がありません。そういう彼ら彼女らが気兼ねなく帰っていける場をつくろうと活動を始めた元商社マンの真山と和泉、慎平、そして久志、奏子が出会います。「必要なものしか存在しない人生って味気ないでしょう」という真山がつくった『サロン・ド・日だまり』。目的を持たない、誰でも自由気ままに過ごせる場所です。和泉は高校の時、好きだったが、児童施設で暮らす自分とは住む世界が違うといって去っていった渡会と「日だまり」で再会します。そのことが、和泉が児童施設で働くことになる動機だということを知っていたのは猪俣だけです。三田村と和泉は猪俣に「日だまり」での一部始終を伝えます。〈猪俣はひとつひとつ、身じろぎもしないで聞いていた。そして、安堵のような深い深い溜息をついた。「そんな施設があってくれたらとずっと思っていました」「そんな、というのは……」尋ねた和泉に、猪俣は目頭を揉みながら答えた。見ようによっては滲んだ涙をごまかしているようにも見えた。「退所した子供たちの受け皿になってくれるような施設です。何の理由も目的もなく立ち寄れる場所が一つあってくれるだけで、どんなにか……」思いがあふれたように声が立ち消えた。どれほど雄弁に語るより『日だまり』の存在を喜んでいることが窺えた。〉その「日だまり」の存続が危ぶまれている。退所後支援の重要性を理解する行政や政治家は少なく、関心さえ持ってもらえない中で、せっかく始まった活動も予算を削られて廃止の危機に直面していることがわかります。しかも「あしたの家」のナンバー2、唯一愛称で呼ばれることのない梨田先生が「日だまり不要論」を主張していて、それが廃止論の大きな根拠となっているという。そのことを知った、「あしたの家」のメンバーたち、久志、奏子、和泉、慎平、そして猪俣は「日だまり」を守るための行動にでます。職員会議に全面対決の覚悟で臨みます。思わず、「ガンバレ」と胸のうちで声を上げていました。(2014/10/17)
    • 参考になった 3
    投稿日:2014年10月17日
  • 読みたいものに迷った時は、いくえみ綾先生の作品を読めばいい!とよく聞きますが、こちらも期待を裏切らない作品でございました。とある一家「羽上家」の「家族モノ」の作品となっているのですが、第1話より2話、3話…とドンドン面白くてハマっていきます。「羽上家」は主人公の「ひろの」をはじめ、長男&妹の3兄弟、そしてしっかり者の母と熱い父、祖父母の7人家族+犬の構成です。おじいちゃん&おばあちゃんが私的には最高です。こんなジジババだったら最高に楽しいな~と思うのですが、家族だったら大変です。もちろんのこと、羽上家に関わる周辺の人間模様が面白く、そして考えさせられます。家族って不思議だなぁ…とつくづく思いました。普段一緒にいるとものすごくウザったい時もあるのですが、でも最後に頼れるのは家族だったり……。是非読んでみて下さい!
    • 参考になった 2
    投稿日:2014年10月17日
  • なぜ徳島の片田舎に若者たちが吸い寄せられるのか
    徳島県神山町。過疎化と高齢化に苦しむ、どこにでもあるような山深いこの町に今、熱い視線が注がれている。ITベンチャーが続々と古民家をサテライトオフィスとして借りはじめ、多数の若きクリエイターたちも移住してきているのだ。それに伴い施設や店舗も増え、人口統計では転入者が転出者を上回った。本書では、生まれ変わった神山に登場した数々のスポットを紹介するとともに、外から町に入ってきて新しい生き方を見つけた各人の物語を綴る。そして、神山の再生を演出した地元のNPO法人「グリーンバレー」の活動軌跡を辿り、彼らがめざすものを浮き彫りに。神山をめぐるストーリーは、クリエイティブな“場”のつくり方、地域再生の方法、また日本人の未来の生き方・働き方に数々のヒントを与えてくれる。
    書籍ダイジェストサービス「SERENDIP」詳細はこちら
    投稿日:2014年10月17日
  • フロイト、ユングに並ぶ心理学の巨人が出した「幸せの答え」
    オーストリア出身のアルフレッド・アドラー(1870-1937)は、フロイト、ユングと並ぶ心理学の巨人の一人だ。「自己啓発の父」と呼ばれ、その業績は、デール・カーネギーらの理論やコーチングの手法などにも多大なる影響を与えている。しかしながら、フロイトやユングに比べてその知名度は低く、現代で常識とされる心理学の考え方がアドラー理論を源流とすることは多くの人に知られていない。本書では、人間性や人生について深い洞察を残したアドラーとその弟子たちによる100の言葉を厳選。それぞれについて身近な事柄にたとえながら平易な言葉で解説を加えている。
    書籍ダイジェストサービス「SERENDIP」詳細はこちら
    投稿日:2014年10月17日
  • 匿名希望
    待ちきれない
    1年余り雑誌を買ってたけどお金もスペースも不足がちなんで
    ここで買うことにしました。安いし溜らないので気楽に買える。
    けれども雑誌発売から4週近くも待たされるのはつらい。
    7日くらいにならないですかねえ?
    • 参考になった 7
    投稿日:2014年10月16日