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4026~4050件/11347件 を表示

  • 匿名希望
    ネタバレあり
    ホラー要素はおいといて心理描写がすごい
    20巻までの感想ですが、振り返って1巻から何度か読み返している(私の中では貴重な)漫画です。
    最初のパンデミックを頭で理解するまでに何話もかけてゆっくり認めざるを得なくなっていく”徐々に”感も素晴らしく絶望がわかるし、そんな中で出会う人間に対してほっとするのは当たり前だとわかる。
    絶望の中で徒党を組んだ人間がどういった行動を取りがちか、こういう事になってたらどうなるか、一つ一つがちゃんとパズルのピースとしてハマりながらストーリーが進むのはとても読んでてスッキリしていく。
    ここでそう来る!?みたいな意外性なんかもしっかりあるし、よく練られているなぁと感心しかないです。
    20巻まで読んで急に同著者の「ルサンチマン」を思い出させる展開がありますが、私としては素直に”花沢健吾先生だしね”と思えるところでした。
    一周して英雄おめでとう、よかったねという気持ちも芽生えました。
    映画の出来が云々とか色々言われてるようですが(大泉洋さんは似てて良いと思うけど)原作を読んで原作と映画を別物として楽しめばいいんじゃないかなと。
    個人的には新刊を常に楽しみにしているタイトルです。
    ただ、いつ終わってもおかしくはないとも思いますけどね!
    • 参考になった 3
    投稿日:2016年10月31日
  • オタクの理想が詰まってる
    いやー、こんな学生生活送りたかったです。
    同人ゲームを作るってだけでもオタクとしては楽しすぎる活動なのに、
    可愛い女の子が集まって楽しんだりときには落ち込んだりしつつ
    目標に向かって頑張るっていうストーリーは微笑ましい!
    あと、SNS部を略さずにいうと・・・これもまた面白い。
    こういう青春もいいもんですね~
    • 参考になった 2
    投稿日:2016年10月31日
  • やけにフレンドリーな神々(と時々悪魔)たちとの交流
    日本中の神様が出雲に集まる「神在月」に、女子高校生らと神様らが交流していく物語。
    大阪出身のヒロインがやたらと神様や使い魔らとのトラブルに巻き込まれるが、本人があっけらかんとしていて、むしろ軽快にツッコミしまくるので、とてもコミカルで引き込まれた。
    どの神様もとってもアホっぽく人間臭く描かれていて、それでいてちゃんと読むといろいろその神様についての雑学も散りばめられていて、ついつい後でその神様や元になった人物・神話などをWikipediaで調べたくなってしまう。
    そして、絵が可愛い。厳つい神様のイメージがある白虎が可愛い虎キャラで、何より子虎たちが誕生した時にはその可愛らしさに悶えた。
    投稿時点最新刊の7巻は全面ハロウィンの話だが、延々とジャック・オ・ランタンとのバトルを繰り広げており、ちょっと冗長。バトル系の漫画には向かない作者さんだなぁと思った。また元の神様群像劇に戻って欲しい。
    • 参考になった 2
    投稿日:2016年10月31日
  • 匿名希望
    前半は面白かったが後半は矮小化し残念
    SCMという「勝負に買ったら相手を奴隷に出来る装置」を使って奴隷にしたりされたりするという設定はとても斬新だったし、初期の頃は登場する人物個々のキャラも立っていて面白かった。
    ただ、後半に行くに連れて本来の「SCM保持者同士の個々の勝負」の面白みが減っていって、強引な勝負や奴隷化が頻発し、せっかくの設定を活かしきれずに全体が矮小化されて終わっていったのは残念。
    • 参考になった 13
    投稿日:2016年10月31日
  • 表紙・タイトルのイメージどおりの
    『僕のセックススター』でファンになり、作家買い。
    お隣に住むストーカー・棗(幼なじみの美少年)×棗にストーキングされているごく普通の明るい高校生・葉(やや鈍感)。
    まるまる表題作で、ストーキング発覚から結末までゆっくりたっぷり読めます。
    ここ省略しすぎじゃない?とか展開早くない?というありがちな心の中のツッコミがありませんでした。
    ストーカー題材だし棗は結構ヤバイやつなのですが、どこか憎めなくて、物語全体もじめじめしておらず、ウブでポップでかわいいです。
    エロはちょこっと。絵は綺麗だしコマも見やすい。この作家さんが好きなら間違いないと思いました。
    • 参考になった 6
    投稿日:2016年10月31日
  • 水を求める遥かな旅路の出発点
    『岸辺の唄』シリーズ第一作。東洋に似た何処かを舞台に、水を求める遥かな旅路を描く連作ファンタジー短編集。後に続く数々の物語の、ここがすべての出発点です。関連作品のいずれも各巻完結の体裁を取っていますが、下記順番で読むとより物語世界を楽しめると思います。どれもebookjapanで購入可。敢えてなのかも知れませんが、現時点(2016年10月31日現在)ではバラバラで紐付けされていないようです。
    ①『岸辺の唄』
    ②『雲を殺した男』
    ③『盗賊の水さし』
    ④『旅人の樹』
    ⑤『影法師たちの島』
    ⑥『悪夢城の主』
    ⑦『北の皇子と南の魚』
    • 参考になった 2
    投稿日:2016年10月31日
  • ネタバレあり
    じわる
    病んでる顔とかクズ男描かせたら、ほんとピカいちですよね。まだ(1)読んだトコですが、いろんな思いが交錯してラストがどうなるか、楽しみです。この先生だからふわっと終わるって事はないと期待を込めて★5。
    • 参考になった 6
    投稿日:2016年10月30日
  • ほんとおもしろいから!
    BL作品の枠を超えておもしろいから!!もーほんと面白いから!絵もきっちりしてて見てて気持ちいいから!女性キャラにイラっとしない珍しい作品です。ダンス漫画と思って読んでも面白かった~~早く続き出て~~
    • 参考になった 3
    投稿日:2016年10月30日
  • 匿名希望
    だいぶおもしろかった。
    この先生の作品の中でこれが一番おもしろかったです。「年下~」は正直ドSぶりがちょっとかっこつけてる感を感じてしまったけど、こちらはナチュラルでした。Sを演じてたり、そういうプレイなんじゃなく、理由があってSっぽい言動が出てるっていうのが伝わって萌えました。続き超読みたい。表題作以外も演劇のやつがおもしろかった。
    • 参考になった 3
    投稿日:2016年10月30日
  • ホッとする
    この作品には、激しいエロがあるわけでもないが、加東先生の作品は、大人の恋でホッとする作品で好きです。
    • 参考になった 0
    投稿日:2016年10月30日
  • ネタバレあり
    須貝さんだね♪
    なんだろうな~、
    須貝あやさんの描く甘々なお話って好きなんですよね~♪
    男×男も、男×女も♪
    あの純粋で一途なのがいいんだなぁ~(´∀`)
    お相手は、一見クールなんだけど、
    純粋で一途な子に密かに振り回されているというw
    一途な子はかわいい♪(⌒o⌒)
    • 参考になった 1
    投稿日:2016年10月29日
  • 雄感すごい
    女子みたいな受とか出てこないから好きな作家さんです。体のラインとか、こう…中に肉がみっしりつまった感じのする絵柄が好きです。設定も面白く、エロに重きを置いてるのにキャラたちの気持ちの変化がよくわかってて、萌えポイント満載、読んでてすっきり!でした。表題作以外も安定の面白さでした。あと、あとがきがなんかかわいいです。
    • 参考になった 7
    投稿日:2016年10月28日
  • わかる。ほんとわかる。
    年齢がわりといったオタクの人は「わかる!」と思わず膝を打つ作品かもしれません。結局、なんだかんだ言っても、離れられないんですよね…でも自分もそれをとりまく環境も否応なく変わっていくのは止められない…あがくしかないってわかってても苦しい…あーそうなのよね…と、大変…たいへん共感いたしました…。納得のラストで良いお話でした。あと、コスプレに対する見方がガラっとかわりました。ないつもりでも、偏見があったのかも…と気付かされる事もあり、読むと、よくネットとかで見るコス画像に「ちょっとこのコスプレ似合ってないww」とか気軽に言えなくなりました。
    • 参考になった 2
    投稿日:2016年10月28日
  • 匿名希望
    思いのほかおもしろかった
    なんかのキャンペーンだったので、時間つぶしになんとなく買ったんですが、思いのほか面白かったです。表情や絵柄は淡々とした印象だったのですが、紹介文に「SMパートナー」と書いてあって、ギャップが気になり読み始めたら、受けがかわいい。あと、単なるSMモノかとおもいきや、説明しづらいんですが、「日常、プレイとしてちゃんとSMを楽しんでる」感が出てたのも好感が持てました。SMプレイもきちんと書いてあるけど、恋愛模様に重きを置けてるので、SM苦手な人でも読めると思います。痛い事はしてません。逆にSM目的な人には物足りないかもしれません。のだめ感もなんとなく感じられました。音楽だから・・・?★は、もうちょっとくっつくかくっつかないか、もだもだしてほしかったので、マイナス1ですが、面白かったです。
    • 参考になった 0
    投稿日:2016年10月28日
  • 匿名希望
    ★5つじゃ足りませんけど…
    作家買いしました。どんどん受がかわいくなっていきます。万能攻様がもやもやしたりするとことか、悶えるしかないじゃない!と、いう感想です。ちょっと隙のあるかっこいい男を描くのがほんとにうまい先生ですよね…はー萌える。
    • 参考になった 3
    投稿日:2016年10月28日
  • 割引につられて正解だった
    下世話でしょうもない話ばっかで、たくさん笑って癒されました。読んでいて小気味いい毒舌が次から次へ出てきて、ちょっとほっこりさせられるトコもはさみつつ、良いお話でした。2巻というボリュームも丁度よかったです。あー面白かった。
    • 参考になった 0
    投稿日:2016年10月28日
  • 匿名希望
    ネタバレあり
    絵は好み
    絵が好みなのと、導入部分が面白そうで購入。いろんな話が入ってますが、どれも「そのセリフはなんででてきたの…?」と、キャラの性格や気持ちが見えにくいものでした。あと、時々日本語がおかしいのは誤植…?極めつけは受けが嫉妬から焦って行動するのはおいしいのですが、焦り方が見てられない系の恥ずかしさを感じてしまいました。全体として、個人的な好みからは少し外れたということで、★少な目です。
    • 参考になった 0
    投稿日:2016年10月28日
  • 匿名希望
    萌えです
    ページを捲った瞬間みどりくんが…
    BLファンなら誰もが好むStoryです
    「恋するひつじ」をまだ読んでいないBLファンの方は立ち読みだけでも読んでみて下さい!
    本当にお勧めできまる+萌える漫画です!!
    みどりくんのあの顔は…いい意味で一生忘れられません。
    • 参考になった 2
    投稿日:2016年10月28日
  • 匿名希望
    影がありそう
    初読み作家さん
    一紙の髪色のイメージが中身と逆で一瞬混乱してしまいました(笑)
    あらすじにもあるように家族愛がメインになりそうなラストでした
    主人公が攻めに絆されていく過程がどうなるか気になります
    ケンカップルになりそうな予感♪
    続きが楽しみです♪
    • 参考になった 6
    投稿日:2016年10月28日
  • 匿名希望
    イケメンいっぱい!
    近未来のお話だけど、わかりやすくて読みやすいし、イケメンな旦那様がいっぱい登場して今後どの旦那様がどんな風に主人公と絡むのか楽しみです!
    とにかくキュンとします。
    • 参考になった 1
    投稿日:2016年10月28日
  • 岸辺の唄シリーズ
    『岸辺の唄』シリーズの続編です。水をめぐる独特の世界観を基調に、完結したファンタジー短編集としても楽しめます。如何なる心境の変化があったのかは語られませんが、バッサリ髪を切ったお馴染みの顔も登場します。購入を迷っているシリーズのファンの方は買って損はありませんのでご安心ください。初見の方は『岸辺の唄』、『雲を盗んだ男』、『盗賊の水差し』辺りから読み始められるのが宜しいかと思います。
    • 参考になった 2
    投稿日:2016年10月28日
  •  1969年(昭和44年)に亡くなって47年。獅子文六が復活してきています。書店に新装版の文庫が平積みされているのが目につくようになったと思っていたら、電子書籍になって配信されるようになりました。今回取り上げる『自由学校』(筑摩書房)もそのひとつで、2016年8月5日に配信開始の『てんやわんや』『悦ちゃん』『娘と私』『七時間半』(いずれも筑摩書房)に続いて、9月23日に配信が始まりました。
     初出は1950年5月26日から12月11日まで朝日新聞に連載された新聞小説で、1か月後の1951年1月に刊行されていますから、よほど連載中から評判がよかったのでしょう。獅子文六自身、付録として本書巻末に収録されているエッセイ「私の代表作」のなかで、〈新聞に載ってる時から、何かガヤガヤいわれ、朝日新聞で本にして出した時も、かなり売れ、映画は競映になった。私の作品のうちで、これなぞ最もハデな評判を博したといえる〉と綴っています。
     日本が戦争に負けてマッカーサー連合国軍最高司令官による占領、民主主義の国への大転換が始まって5年。連載開始直後の6月に朝鮮戦争が始まり、疲弊していた日本経済がその特需で上向き始めた、そんな時代に東京郊外、中央線沿線に暮らすサラリーマン夫婦を獅子文六はどんな風に描いたのでしょうか。
     斬新な視点と軽妙洒脱な文体が際立つ本作の〈夫婦と自由〉というテーマは時代を超えて平成の夫婦にもそのままあてはまり、古びたところはまったくありません。なにしろ近頃しばしば目にする男の新しい生き方としての〈主夫〉という言葉を60年前に登場させています。また《少し、パンパンである娘》を〈スコ・パン〉と略語化しています。平成の若者の略語ブームを先取りした昭和作家の言語感覚に脱帽、です。

    〈自由〉を渇望して彷徨う夫婦は、南村五百助(いおすけ)と駒子(こまこ)――。
     五百助は、学習院から京大を出て、長いこと遊んでいたが、結婚の年(昭和16年、式を挙げたのは太平洋戦争の始まる20日ほど前だった)に、亡父の子分の世話で、東京通信社へ就職した。しかし、彼は機敏を要するジャーナリストそのものに、まったく資格を欠いていた。紹介者が会社の有力者でなかったら、とっくにクビになっていたはずの男でした。
     一方の妻、駒子。彼女は女子大の英文科を出て、英語が達者であるから、近所の農村戦後青年女子に、英語を教え、または、進駐軍関係の翻訳の下仕事をするばかりでなく、編物でも、アクセサリの製作でも、洋裁でも、先刻まで、土砂降りの音を立てていたミシン仕事でも、直ちに、工賃にかえ得る技能を、持ってる。その他、料理の工夫にしろ、家計のヤリクリにしろ、普通の奥さんでは、足許にも寄れない腕前の持主なのである――と、あります。
     英語と手芸とミシンで月収1万円以上稼ぐようになった彼女。夫の五百助が会社からもらってくる金は基本給1万2千円に手当を加えて2万円近くになりますが、税金や社内交際費、前借り伝票の処理などで、手取り1万円を切るのが常でした。それでも、ソックリ、駒子の手に渡してくれれば、まだ助かるが、南村家のワカサマだった頃の習慣で、月給なぞは、銀座で一夜に捨てるものと、まだ考えるらしく、一文も持って帰らない月もあります。
     半分はあたしが食わしてやっているんだわ――という自負を持つに至った駒子。〈この意識は、タイヘンなものだ。日本の妻が、自分で食い始めたのは、歴史的最大トピックである。〉と獅子文六は書いていますが、これは現代社会に通底します。

     そんな二人が衝突してしまうのは、自然の流れだったのかもしれません。事の発端は、五百助の出勤をめぐって夫婦の間で毎朝のように繰り返されるちょっとした諍いでした。その日、幾度起こしても、靴下やワイシャツを用意しても、さらには定期と300円小遣いを入れた紙入れを手渡しても、いっこうに出勤しようという気配がありません。〈クビになったんでしょう?え、そうでしょう〉夫の無能ぶりを誰よりもよく知る駒子が問い詰めると、五百助がまったく思いがけないことを言い出します。少し長くなりますが、引用します。

    〈「やめたんだよ、自分で」
     アッサリと、それだけ。
    「自分で、やめた? 辞職したっていうの?」
    「そう」
     今度こそは、呆れて、ものがいえない。
    「まア……それを、一言も、あたしに話さないで?」
    「話せば、君は、賛成しないだろうからね」
    「きまってるわよ。一体、いつのこと、それは?」
    「一と月ほど前」
    「そんなに、前から、あたしを欺(あざむ)いてたのね。なぜ……なぜ、やめたの。やめなければならない理由は?」
     キッと、良人を見すえたまま、体が寄ってくるのを、五百助は、少し逃げ腰になりながら、
    「自由が、欲しくなったもんだからね」
    「なんですって?」
     それ以上、シャラ臭い言草(いいぐさ)があるだろうか。
     自由が欲しい──それは、誰の言草であるか。(中略)
     それを、半分、妻に食わして貰ってるデクノボーが、いうのにことかいて、なんたる言草だ。彼女の先(せん)を越すとは、何事だ。
    「自由が、欲しくなったもんだからね」
     あまりに、シャラ臭い言で、彼女は、わが耳を疑ったくらいだった。
    「ハッハッハ。あなたは、どうして、そう喜劇的なの。愉快よ、まったく」
    「なぜ?」
    「なぜは、ないでしょう。あア、コッケイ……」
     腹をたたく真似をしても、眼はギラギラと、異様に光って、五百助の顔が、蜂の巣になりそうに、詰問の視線が飛んだ。笑いと同時化された怒りは、青い怒りで、かなり兇悪なものである。(中略)
     いやな沈黙が、起きた。駒子が体中をブルブル震わせ、血の出るほど、唇を咬(か)んでる結果としての、沈黙である。が、突然、
    「出ていけ!」
     すばらしい、大音声だった。駒子自身が、驚いたほどの声と、言葉の意味だった。ほんとに、無意識で、彼女はそう叫んだのである。しかし、気がついた時に、取消しをする気はなかった。彼女は、それを訂正しただけだった。
    「あなた、とても、ご一緒に生活していけませんから、家をお出ンなって……」
     五百助は、ジロリと、細君の顔を見た。
    「そうですか」
     ひどく、重々しく、彼は答えた。そして、ユックリと立ち上って、長押(なげし)の釘から帽子をとると、
    「では、サヨナラ。退職手当の残りは、僕の机の引出しにあるぜ」〉

     五百助は、荷物も持たずに家を出て行きました。紙入れには、300円余りしかありません(それも駒子が入れておいたものです)。五百助のような、無能な、気の弱い男が、そんなにいつまでも、彼女のもとを離れて、暮していけるものではない。大方、友人の家でも、泊り歩いているのだろうが、そうそう、続くわけがない。イヤな顔をされたぐらいでは、感じないかも知れないが、お帰り下さいと、ハッキリ宣告されれば、素直に帰る男なのだ――そうタカをくくる駒子の気持ちに変わりはありませんが、1週間たち、2週間たっても五百助はいっこうに帰ってきません。大磯の叔父――母の弟で、T大名誉教授の肩書きはあるが、まったく世を捨てて、好き三昧な生活をしている時代遅れの法学者――を頼った形跡もない。
     いったいどこで、どうやってくらしているのか?「いや、やはり、家へ帰った方がいいと、思ってね」大きな手で、頭をかきながら、ノッソリ、庭先きへ現われる姿が、駒子の眼に、アリアリと映る。そしたら、小ッぴどく、トッちめて、将来、かかる所業なきよう、骨身に応えさせてやろうと、待ちかまえてるが、帰ってこない。それが張り合いがないと思う駒子の微妙な心境を「海女」になぞらえて軽妙なタッチで、それでいて実に的確に女の胸の内を描くのです。。

    〈──おかしいわ。こんなに、イキの続くのが不思議だわ。
     駒子は、アワビ取りの海女でも見てる気になる。勿論、そのうちに、浮き上ってくるとは、確信してるが、ただ、その秘密を解きたいのである。〉

     夫が出て行った留守宅で一人暮らしを始めた女に〝変化〟が生じます。

    〈──あたしの我慢も、限界がきたわ。
     駒子が、妻の自由とか、女性の人権とかいう言葉に、魅力を感じたのは、決して、昨今のことではなかった。彼女は、《チャッタレー夫人の恋人》という本も、戦前に読んでいた。今更、あわてて、眼をサマす必要はなかった。しかし、なんといっても、日本の一女性として、戦後の変革は、わが意を得たし、新憲法は、都合がよかった。そして、ヒンピンとして、新聞雑誌に伝えられる、勇ましい夫人や娘の行状は、時に、彼女の心のクラヤミに、大きな波を打たせた。ミシンをガシャガシャ踏んでるのが、バカらしくなる時もあった。それを、ジッと堪えさせたのは、実に、五百助に対する博大で、慈悲に富んだ──ともいうべき、彼女の賢母的感情なのである。それが、裏切られたとすれば、
     ──そんなら、ヨウシ、こっちも考えがある。
     と、考えるのが、当然かも知れない。〉

     大磯の叔父の知人、堀芳蘭の息子・隆文(たかぶみ)が、許婚がいる身ながら駒子に「オバサマ」と熱を上げます。もう5,6年前に中学の制服を着た彼に銀座で会ったことがありましたが、記憶の中にあった乳くさい少年が僅かな間に求愛の手紙を書いてくるほどマセるのか、と驚く駒子。そして、第二、第三の男も現れます。

     家を出た五百助と家に残った駒子。結婚して9年目を迎えた夫婦は、この先、どこへ向かうのか。
     物語は、再びの
    〈出ていけ!〉
     の言辞で終わります。
    〈自由〉に目覚めた五百助と駒子の夫婦が直面した〝危機〟の顛末――1950年の新聞小説は、平成の今、読んでなお面白い昭和文学の傑作だ。畏るべし、獅子文六!(2016/10/28)
    • 参考になった 2
    投稿日:2016年10月28日
  • ノーベル賞受賞学者の「挑戦」と「出会い」
    2015年は二人の日本人科学者がノーベル賞を受賞したが、そのうちの一人が、北里大学の大村智特別栄誉教授だ。「寄生虫による感染病に対する新しい治療法の発見」を理由に、米国メルク社のウイリアム・キャンベル氏と共同でノーベル生理学・医学賞を受賞。二人の功績により開発された治療薬はアフリカの数億人の命を救ったとされている。本書は、その大村氏の半生を、子どもから大人まで幅広い世代に向けて綴ったノンフィクション。工業高校夜間部教師から「学び直し」をして研究の道に入り、あらゆる面で「人まねをしない」ことを貫き通した大村氏のストーリーからは、生き方、働き方へのヒントと刺激を受け取ることができる。なお本書は、第62回青少年読書感想文全国コンクールの課題図書の一つに選ばれている。
    書籍ダイジェストサービス「SERENDIP」詳細はこちら
    投稿日:2016年10月28日
  • 5年連続最下位でも、ハマスタが連日満員だった理由
    プロ野球球団・横浜DeNAベイスターズはリーグ3位の成績で2016年シーズンを終え、球団史上初のクライマックスシリーズ進出を決めた。同チームは2006年から10年連続Bクラス(リーグ4位から6位)と低迷していた。それにも関わらず近年は横浜スタジアムでのホーム試合の観客動員数が驚異的な伸びを記録している。本書の著者は、2011年に横浜DeNAベイスターズ初代社長に就任し、チームをここまでの人気球団に育て上げた立役者である。本書では、球団の成功要因を「空気をつくることができた」ことであるとし、空気のつくり方や、そのためのセンスの磨き方、空気をマーケティングやブランディングに生かす方法などについて、自らのベイスターズにおける実践例を挙げながら詳しく解説している。
    書籍ダイジェストサービス「SERENDIP」詳細はこちら
    投稿日:2016年10月28日
  • 新連載待ってました♪
    龍華哲先生「俺、オタ充はじめました!」目当てで買いました。
    期待通り、いいえ期待以上の面白さで早く続きが読みたいです。
    元々ネーム力高い先生ですが新連載は真骨頂と言うかww
    オタクの私が読むオタクネタだから余計にそう感じるかもしれませんがテンポ良くてあっとゆーまに読み終わりました。読後感も良く大満足です♪
    他の作品も秀作揃いの予感がしますので今から読んできます!
    • 参考になった 0
    投稿日:2016年10月27日