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日本文学の新たな歴史を切り拓く 芥川賞・直木賞 第170回受賞作発表!!

2024年1月19日、第170回芥川賞・直木賞受賞作が発表されました。
最新第170回の受賞作と、過去の受賞作をすべてご紹介します。

第170回 芥川賞 受賞作

  • 東京都同情塔
    東京都同情塔
    九段理江
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  • ザハの国立競技場が完成し、寛容論が浸透したもう一つの日本で、新しい刑務所「シンパシータワートーキョー」が建てられることに。犯罪者に寛容になれない建築家・牧名は、仕事と信条の乖離に苦悩しながら、パワフルに未来を追求する。ゆるふわな言葉と実のない正義の関係を豊かなフロウで暴く、生成AI時代の預言の書。
    九段理江 くだん・りえ1990年生まれ。2021年、「悪い音楽」で第126回文學界新人賞を受賞しデビュー。第2作「Schoolgirl」が第73回芸術選奨新人賞を受賞、第166回芥川龍之介賞、第35回三島由紀夫賞候補に。

第170回 直木賞 受賞作

  • ともぐい
    ともぐい
    河﨑秋子
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  • 明治後期の北海道の山で、猟師というより獣そのものの嗅覚で獲物と対峙する男、熊爪。図らずも我が領分を侵した穴持たずの熊、蠱惑的な盲目の少女、ロシアとの戦争に向かってきな臭さを漂わせる時代の変化……すべてが運命を狂わせてゆく。人間、そして獣たちの業と悲哀が心を揺さぶる、河崎流動物文学の最高到達点!!
    河﨑秋子 かわさき・あきこ1979年生まれ。北海学園大学経済学部卒業。酪農を営む実家で従業員と羊飼いをしながら小説執筆を開始。2012年『東陬遺事』で第46回北海道新聞文学賞(創作・評論部門)、14年『颶風の王』で三浦綾子文学賞、16年同作でJRA賞馬事文化賞、19年『肉弾』で第21回大藪春彦賞を受賞、20年『土に贖う』で第39回新田次郎文学賞を受賞。
  • 八月の御所グラウンド
    八月の御所グラウンド
    万城目学
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  • 京都が生んだ、やさしい奇跡。ホルモー・シリーズ以来16年ぶり京都×青春感動作女子全国高校駅伝――都大路にピンチランナーとして挑む、絶望的に方向音痴な女子高校生。謎の草野球大会――借金のカタに、早朝の御所G(グラウンド)でたまひで杯に参加する羽目になった大学生。京都で起きる、幻のような出会いが生んだドラマとは――。今度のマキメは、じんわり優しく、少し切ない人生の、愛しく、ほろ苦い味わいを綴る傑作2篇。
    万城目学 まきめ・まなぶ1976年生まれ。京都大学法学部卒。2006年、第4回ボイルドエッグズ新人賞を受賞した『鴨川ホルモー』でデビュー。実在の事物や日常の中に奇想天外な非日常性を持ち込むファンタジー小説で知られる他、エッセイ作品も執筆している。

第170回 芥川賞 候補作

  • 迷彩色の男
    迷彩色の男
    安堂ホセ
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  • 安堂ホセ あんどう・ほせ1994年生まれ。2022年「ジャクソンひとり」で第59回文藝賞を受賞しデビュー。同作で第168回芥川賞候補に。
  • Blue
    Blue
    川野芽生
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  • 川野芽生 かわの・めぐみ1991年生まれ。東京大学大学院博士課程在籍・大学非常勤講師。2018年短歌連作「Lilith」で第29回歌壇賞を受賞。20年、本作品を収録した歌集『Lilith』刊行。
  • 猿の戴冠式
    猿の戴冠式
    小砂川チト
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  • 小砂川チト こさがわ・ちと1990年生まれ。慶應義塾大学文学部卒業、同大学院社会学研究科心理学専攻修了。2022年『家庭用安心坑夫』で第65回群像新人文学賞を受賞しデビュー。同作は第167回芥川賞候補に。

第170回 直木賞 候補作

  • なれのはて
    なれのはて
    加藤シゲアキ
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  • 加藤シゲアキ かとう・しげあき1987年生まれ。青山学院大学法学部卒業。2012年『ピンクとグレー』で作家デビュー。アイドルグループ「NEWS」のメンバーとして活躍しながら作家としても精力的な活動を続けており、評価を高めている。
  • 襷がけの二人
    襷がけの二人
    嶋津輝
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  • 嶋津輝 しまづ・てる1969年生まれ。2016年「姉といもうと」で第96回オール讀物新人賞を受賞。19年、受賞作を収めた『スナック墓場』で単行本デビュー。
  • ラウリ・クースクを探して
    ラウリ・クースクを探して
    宮内悠介
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  • 宮内悠介 みやうち・ゆうすけ1979年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。2010年「盤上の夜」で第1回創元SF短編賞山田正紀賞を受賞、2012年同作収録の『盤上の夜』で単行本デビュー。SF・純文学・推理小説など、幅広いジャンルで活躍している。
  • まいまいつぶろ
    まいまいつぶろ
    村木嵐
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  • 村木嵐 むらき・らん1967年生まれ。京都大学法学部卒。会社勤務を経て1995年より司馬遼太郎家の家事手伝いとなる。後に司馬遼太郎記念財団理事長で司馬夫人である福田みどりの個人秘書を務める。2010年『マルガリータ』で第17回松本清張賞を受賞してデビュー。

芥川賞・直木賞とは?

芥川賞・直木賞は、いずれも1935(昭和10)年に、作家・菊池寛が主宰していた文藝春秋社が創設した文学賞。菊池寛の盟友だった、芥川龍之介と直木三十五の名を冠した。1945(昭和20)年から一時中断したが、1949(昭和24)年に復活。上半期(7月中旬発表)と下半期(1月中旬発表)の年2回実施されている。

芥川賞とは、新聞・雑誌(同人雑誌を含む)に発表された純文学短編作品の中で、最も優秀なものに授与される賞であり、主に無名または新進作家が対象となる。

純文学の新人賞でありながら、第34回受賞作である石原慎太郎『太陽の季節』は、そのセンセーショナルな内容により大きな話題となり、以降、広く一般に知られる賞となった。村上龍『限りなく透明に近いブルー』、綿矢りさ『蹴りたい背中』、又吉直樹『火花』などの受賞時にも社会的なビッグニュースとして扱われ、いずれもミリオンセラーとなった。

第170回の選考委員は、小川洋子・奥泉光・川上弘美・島田雅彦・平野啓一郎・堀江敏幸・松浦寿輝・山田詠美・吉田修一。

直木賞とは、新聞・雑誌(同人雑誌を含む)または単行本として発表された短編および長編の大衆文芸作品の中で、最も優秀なものに授与される賞であり、当初は無名・新進作家が対象だったが、現在は中堅作家が主な対象となっている。

歴代受賞者は、山崎豊子、司馬遼太郎、五木寛之、宮部みゆき、東野圭吾、池井戸潤など、国民的作家とも言うべき錚々たる顔ぶれである。一方、推理作品、および日本の大衆文芸のなかで比較的歴史の浅いSF・ファンタジー作品の受賞は少なく、綾辻行人、北方謙三、小松左京、島田荘司、筒井康隆、星新一、横山秀夫など、未受賞の大物作家もいる。

第170回の選考委員は、浅田次郎・角田光代・京極夏彦・桐野夏生・髙村薫・林真理子・三浦しをん・宮部みゆき。

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