書籍の詳細

妻に先立たれ、年老いた安吉は、嫁に行き遅れた長女・徳子と暮らしている。長男、次女は家を捨てたも同然で別居しており、躁鬱病の徳子だけが父の世話をしていた。身体の自由がきかなくなり失禁することも珍しくなくなった安吉は徳子の世話になり続けることに抵抗を覚え、老人ホームの入所を決意するが…。

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生きたいのレビュー一覧

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  • “生きたい”これほどまでにストレートで純粋な欲望が他にあるでしょうか。明るいタッチで描かれているため、悲壮感が全面に出てくることはありませんが、内容は“姥捨て山”と“老人ホーム入居”を重ね合わせたもの。決して軽いテーマではありません。家族からも、世間からも必要とされていないと感じる主人公・安吉の胸の内は、想像するだに忍びないのですが、ではそんな安吉の相手を自分はできるのか、と考えると、ただ同情し、かわいそうだと思うのは自分のエゴであり、安全な位置からの無責任な考えにすぎないということに気付かされます。今後高齢化社会が進むことで、誰の身にも起こりうるこの問題。同じような状況になったとき、自分はどう思い、どう判断するのか。そういったことを考えさせられる作品です。
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    投稿日:2009年06月09日