書籍の詳細

三人の妊婦が妻として登場した家で始まった本妻探し。女子高生の出産騒動。次々キャンセルされる依頼の謎。自宅出産専門の出張助産婦コンビが向かう先は、何故かおかしな謎を抱えた家族ばかり。それらの謎を鮮やかに解き明かすのは、「伝説のカリスマ助産婦」明楽先生!見習い助産婦・陽奈の成長と安楽椅子探偵の冴え渡る推理を描く、爽やかなユーモアに満ちたシリーズ第一弾。

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赤ちゃんをさがせのレビュー一覧

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  • 自費出版した処女作『スタジアム 虹の事件簿』で注目されて、ミステリー作家として活動を始めたという珍しい経歴をもつ青井夏海さんが、助産院で出産をした経験をきっかけに生み出した作品が『赤ちゃんをさがせ』。あるインタビューで青井さん自身が「人が死ぬのではなく、生まれてくるミステリー」と言っているように、この作品、切った張ったのアクションがありません。「殺す」「凶器」「血痕」といったミステリーにつきものの用語もまったくでてきません。作者自身が妊娠中に好きだったミステリーをまったく読めなくなって、そんななかで考えたのが人が死んでいくミステリーではなく、人が生まれてくることをテーマに据えたシリーズ。主人公は、自宅出産を専門とするバツイチの助産師と見習い助産師、そして大先輩の「カリスマ助産師」の3人。助産師としては未熟だが、若さと大胆な発想、行動力のある陽奈がいわば「つっこみ役」でストーリー展開にリズムを与え、それをうけるベテラン助産師の聡子さん、そして現役引退のカリスマ明楽先生の推理力が事件の謎を鮮やかに解明していきます。収録されているのは、妻と称する3人の妊婦が待っていた屋敷で繰り広げられる本妻捜し「お母さんをさがせ」、両親に黙って出産しようとする女子高生と、父親の名乗りを上げる3人の男性が引き起こす大騒動「お父さんをさがせ」、次々取り消される依頼と新興宗教絡みの妊婦拉致事件「赤ちゃんをさがせ」の3話。依頼をうけた助産師コンビが行く先々で出会う奇妙な謎を抱え込んだ家庭。その謎を解きほぐし、無事「赤ちゃん誕生」に至る推理ゲーム的な筋立てが秀逸です。出産の時に妊婦が声を出して歌うシーンなど妊娠や出産のディテールも書き込まれていて、とくに女性には安心して読める一冊です。(2010/10/1)
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    投稿日:2010年10月01日