書籍の詳細

妻に先立たれた男、参平に遺された一冊の分厚いノート。それは、妻・おつうが記した生活レシピ満載の『奥田家の記録』だった。主夫として第二の人生をスタートさせた、さんさんの未来は、ほろ苦くも面白い!『夕凪の街桜の国』で大ブレークの著者が放つ、ほのぼのコミカルストーリー!

総合評価
4.0 レビュー総数:4件
評価内訳
  • 0件
  • 0件
  • 0件
  • 0件

さんさん録のレビュー一覧

絞込み条件
  • レビュアー絞込み
表示形式
  • 表示件数
  • 表示順
  • ちょっとしんみり ほっこり「じじい」の主夫生活
    妻に先立たれた参平が、息子・息子の嫁・孫と一緒に住むようになり、主夫生活が始まる。しかしこれまで家事を妻に頼り切りだったので料理も掃除もてんてこ舞い。そんな時、妻の「参さん」に遺した家族の、家事の記録、「さんさん録」を開く。
    うむむ、自分はまだこの主人公ほどの年齢では無いが、「夫」という立場ではあるので、ちょっと身につまされた。作中では思い出の人物としてしか描かれない亡き妻だが、素敵な人物だったんだろうなぁ。ほのぼのした家族を描きながら、単にほっこりだけでなく、ちょっとしんみり。
    • 参考になった 1
    投稿日:2017年02月18日
  • 祝!『この世界の片隅に』映画化!!こうの史代先生の作品は、日常の描写がとてもとても丁寧で素敵。特にこの『さんさん録』はそんな先生のエッセンスが詰まった作品です。
    「さんさん録」とは、亡くなった妻が夫の参さんに残した、生活のコツをあつめた書。肉じゃがの作りかた、アイロンのかけ方、孫との接し方…などなど。無口で家事をしたことがなかった参さんも、サバの味噌煮を作ったりとれたボタンをつけたり、生活を丁寧に営んでいるうちに、少しずつ何かが変わっていきます。
    見た目も言動も全然可愛くない孫の乃菜がとても良いです。参さんのことは「じじい」、母方の祖父は「おじいちゃま」と呼び、いつも手に虫を握りしめている乃菜…。でもかわいいのです。
    『この世界の片隅に』ではこうの先生にハマった人はもちろん、なんとなく戦争モノは手に取りづらくて…という方にもおススメしたいです。
    • 参考になった 0
    投稿日:2017年01月27日
  • 春のような気持ちになれる本は、冬に読むものである。春になったらあんなことをしよう、こんなんことをしようと読みつつ考えている間に、いつのまにか春になってしまい、そうなるとすっかり何を考えていたのか忘れてしまう(そして、なにもしない)。
     今年は珍しく、冬の間に読んでいた『さんさん録』のことを春になっても覚えていた。大体、なぜ冬に『さんさん録』を読んだのかと言えば、“だるい”“寒い”“何もしたくない”と、心身ともに省エネ(だから体重は増える)になってしまった自分を少しでも前向きな気持ちにしたかったからだ。『さんさん録』には憧れの春が描かれているのだ。
     『さんさん録』の主人公・奥田参平は爺とよばれる年代の男だ。長年連れ添った妻が突然亡くなり、何もする気がなくなっていたところを息子夫婦に呼ばれ、彼らと同居することになる。
     勝手のわからない家で、まだ少しだけ距離のある息子夫婦と一緒で、長い一日を持て余してしまっている参平は、亡き妻・鶴子=おつうが書いた家族の記録ノートを見つける。生活の知恵から料理のレシピ、それに家族のあれこれが書かれたノートの中には、参平が気付かなかったおつうと、家族たちがいることに参平は気づく。そして参平は、ノートに書かれたおつうと二人で、少しずつ歩んでいくのだ。
     ノートに書かれたとおりに、ボタン付をし、肉じゃがやおかゆを作っていると、おつうがどんな気持ちで家族といたのかを、参平は考え始める。自分が気づいていなかったおつうの姿を参平は改めて知っていく。それは、もっとゆっくりとするはずだったふたりのお別れを、参平はひとりでしていくということだ。
     そして、四季の移り変わりをみながら、少し変わった孫の乃菜の成長をみながら、参平はゆっくりと自分が変わっていくことに気づき、やがておつうのノートからも離れ、新しい人生を歩んでいく。
     『さんさん録』は、とてもゆったりとした時間の流れる物語だ。大きな出来事もないけれど、日常モノと呼ばれる作品のように、楽しい時間で止まってしまっているわけでもない。少しずつだけど前に進む。
     長い冬を越え、自分を変える春を迎えるのに必要なのは、熱く燃えるようななにかではなく、優しい思い出と和やかな日常だということを『さんさん録』は教えてくれる。だから私の冬には『さんさん録』は不可欠なのだ。
    • 参考になった 1
    投稿日:2014年04月11日
  • 妻とは何と偉大なことか! 何もできない夫・参平に向けて、生前妻が記しておいた1冊のノート。そこに書かれていたのは衣・食・住のあれこれや、孫娘の好きなもの……。息子夫婦の家に引き取られたものの、嫁や孫と何を話せばいいのか、何をしていいのかわからない参平が、そのノートを片手に奮闘する様子は微笑ましく、心が和らぎます。また、正直ちっともかわいくない孫娘・乃菜をはじめとして各キャラクターが皆いきいきとしており、「こんな家族ができたら楽しいだろうな…」そう思ってしまいます。読み終えた後、きっとあなたの心はぽかぽかしているに違いありません。
    • 参考になった 0
    投稿日:2009年08月04日