書籍の詳細

かつて日本全土の視線を一身に集め、その一挙手一投足で日本中を震撼させた男がいた。江川卓。怪物といわれた天才投手である。甲子園での神がかり的投球、法政大学での上級生との確執、ドラフト会議でのクラウンの指名、そしてあの「空白の一日」…。伝説の男の姿が、劇画の巨匠の筆でよみがえる!

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実録たかされのレビュー一覧

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  • 甲子園を頂点とした高校野球で、過去に「怪物」と冠された何人ものスターが生まれましたが、やはり怪物は江川以外に存在しない、と改めて認識させられる実録マンガ。物語は大きく高校時代、大学時代、そして例の“江川事件”の3部構成。ノーヒットノーラン9回・完全試合2回!!!!を成し遂げた序盤の高校時代から読み手を圧倒します。このマンガが面白いのは、加熱するマスコミ攻勢からナインとのわだかまりが生じる、そういった心理描写などディテールへのこだわりだと思います。“江川事件”では、マスコミにこてんぱんに叩かれますが、当時の本人の行動や精神状況などもつぶさに描かれています。どの場面を切り取ってもやはり江川は怪物であり、本宮ひろ志が描くところに価値があるのです。傑作です。ちなみに、書名は「たかが野球、されど野球」の略。
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    投稿日:2010年07月27日
  • 江川卓と言えば冷静かつ飄々とし、小憎たらしいイメージの人物。そんな人物を“熱い漢”を描かせたら日本一の巨匠・本宮ひろ志が描く、というのは何だか水と油のような気がして、興味を惹かれました。実際に当時江川と対峙した人間からの聞き込みや、江川自身の言葉を用いながら描かれる“怪物の真実”。読み終えた後は本宮×江川という異色のコンビもむべなるかな、といった思いでした(どうやら二人はプライベートでも仲が良いようですが)。そもそも実録ものでこれだけのボリュームの作品というのはそうそう見当たらないもの。そこからもいかに江川の野球人生がドラマチックだったか、そして本宮ひろ志が江川にのめり込んだか、がわかると思います。僕は江川の高校時代~空白の一日~現役時代を知りませんが、本っっ当にあらゆる意味で凄かったんですね……。一人の人物がこれだけ世の中を動かすことなんてもう今後はないんじゃないでしょうか。リアルタイムで見てみたかった!
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    投稿日:2010年02月23日
  • 小林繁さんが亡くなられました。やはり報道では「空白の一日」をクローズアップして伝えているようです。リアルタイムで体験した身にとって、何とも言えない感傷的な気分になるものですね。小林はこの時までは将来の巨人をしょってたつ男であり、対して江川卓は大エースとなる資質を持った男。巨人ファンだった私は、結局どちらも嫌いになることはできませんでした。そんな騒動の内幕を本宮ひろ志が取材し、実録と銘打って発表したのがこの作品。「空白の一日」は単行本一冊を費やして描かれています。やはり球史に残る大事件だけのことはあり、表に出ない部分で蠢いている思惑の、なんと複雑なことか。いつもの本宮節を控えめにして、事実を客観的に積み上げていくことにより、緊迫した雰囲気と大人の事情に翻弄される青年の姿が際立ってきます。作中にある、小林さんが話をきいたあとにニヤッと笑ったというのも静かな凄みを感じさせる場面。やはりふたりとも被害者だったのでしょう。だから私はふたりとも応援したんだな、と今更ながら思います。
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    投稿日:2010年01月22日