書籍の詳細

江戸時代。浪人の富嶽十蔵は西洋の学問に通暁し、とにかく粋であることを信条とする。哲学する素浪人・富嶽十蔵の生きざまをしかと魂に焼き付けよ!!「在ることの二乗を描けば事実に匹敵し、在ることの二乗の在ることを描けば事実を超ゆ」。

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考える侍のレビュー一覧

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  • 私が山田芳裕作品を知ったのは、わりと早くて「大正野郎」の単行本が出たころでした。弟の部屋に本が転がっていて、最初は「なんてレトロな絵なんだろう」と思って、あまりそそられなかったんですが、ページをめくっていくうちに、ついつい読み込んでしまっていました。なぜなら、どうしてこんな地味なところを突けるんだろう、という着眼点の凄さと、それを作品にまで仕上げるパワーに心ひかれたから。「大正野郎」はタイトル通り大正時代にこだわっています。そしてその後もスタイルには大きな変化がなく、今回取り上げたこの作品では、こだわる部分が“哲学”に。侍が刺客に対して仏陀を引き合いに出してダメ出しし、林羅山を説いても、作品中では何の違和感も無い。葛飾北斎に意見したり、松尾芭蕉を船頭と語ったり、さらにはソクラテス、ナポレオンなどなんでもござれ。タイトルもパスカルのもじりですし。これがうまく武士道や粋、そして生き方といった、目に見えない観念とマッチしているんですね。まさに一味違う切り口の時代劇、です。
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    投稿日:2010年04月23日