書籍の詳細

日常のなかの不思議を研究した物理学者で,随筆の名手としても知られる寺田寅彦の短文集.大正9年に始まる句誌「渋柿」への連載から病床での口授筆記までを含む176篇.「なるべく心の忙(せわ)しくない,ゆっくりした余裕のある時に,一節ずつ間をおいて読んでもらいたい」という著者の願いがこめられている.(解説=池内 了)

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  • 著者の寺田寅彦氏は、物理学者として多くの業績をあげる一方、名文家としても広く知られています。熊本の第五高等学校で英語教師だった夏目漱石と出会い、以降親交を深め夏目漱石も一目置いていたというからただの理系人間ではありません、実際、随筆家として数多くの著作を残しているのですが、その語り口はあくまでも物静かで、現象に惑わされることなくことの理をまっすぐに見つめています。〈三原山の投身者の記事が今日新聞紙上に跡を絶たない。よく聞いてみると、浅間山にもかなり多数の投身者があるそうであるが、このほうは新聞に出ない。ジャーナリズムという現象の一例である〉。一過性的な過剰報道が繰り返される現代にそのまま当てはまるジャーナリズム論です。もう一つ、これはどう考えればいいのでしょうか。〈眼は、いつでも思った時にすぐ閉じることができるようにできている。しかし、耳のほうは、自分では自分を閉じることができないようにできている。なぜだろう〉じっくり時間をかけて悩んでみてください。(2010/2/19)
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    投稿日:2010年02月19日