書籍の詳細

おびただしい借金を重ね、貧窮のどん底にあえぐ米沢藩。一汁一菜をもちい、藩主みずから木綿を着て、藩政たてなおしに智恵をしぼり、心血をそそいだ上杉鷹山と執政たち。しかし容赦なく襲いかかる旱魃(かんばつ)、凶作。貧窮のなかに対立する家中。政治とは、民を富まし、しあわせな日々の暮しをあたえることにほかならない。藤沢さんが読者にのこした遺書とでもいうべきこの長篇小説は、無私に殉じたひとびとの、類いなくうつくしい物語である。

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漆の実のみのる国のレビュー一覧

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  • 私の手元にあるハードカバー(最初の出版)の奥付には平成9年5月20日第1刷とあります。1997年、12年前のことです。橋本龍太郎内閣の時代で、前年の10月に初の小選挙区比例代表並立制による総選挙が行われ、97年12月末に小沢一郎率いる新進党が解党、翌98年4月に民主党に合流し、結成大会が開催されるという政界再編劇が進行するなかで、多くの人々に読み継がれた長編小説です。政治とは民を富まし、しあわせな日々の暮らしをあたえることである――とした上杉鷹山に、名手・藤沢周平は何を見たのでしょうか。貧窮のどん底にあった米沢藩の藩政立て直しに心血をそそいだ鷹山と執政たちの物語と私たちの目の前で行われている「政権選択の総選挙」とのへだたりを感じざるをえません。(2009/8/21)
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    投稿日:2009年08月21日