無宿人別帳

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無宿者は江戸制度の谷間──。人別書き、現代でいえば戸籍から除かれた彼らは町内で住居を定めるのもままならず、ましてや定職など持てようはずがない。食い詰めた無宿人から犯罪が頻発したのは当然である……。賭場の喧嘩で八丈島へ流され、赦免船を待ちわびる忠五郎、牢の火事で思わぬ自由を得た平吉、佐渡から島抜けを図る新平、入墨を暴かれて堅気の暮しを失う卯助など、都市の底辺で喘ぎながらも自由と公正を渇望する男達を描いた傑作時代短篇集。

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無宿者は江戸制度の谷間──。人別書き、現代でいえば戸籍から除かれた彼らは町内で住居を定めるのもままならず、ましてや定職など持てようはずがない。食い詰めた無宿人から犯罪が頻発したのは当然である……。賭場の喧嘩で八丈島へ流され、赦免船を待ちわびる忠五郎、牢の火事で思わぬ自由を得た平吉、佐渡から島抜けを図る新平、入墨を暴かれて堅気の暮しを失う卯助など、都市の底辺で喘ぎながらも自由と公正を渇望する男達を描いた傑作時代短篇集。

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書店員のレビュー

松本清張作品には他人に知られたくない過去が鍵となる物語が少なくありません。連作小説集「無宿人別帳」もそうで、とくにその中の一話「左の腕」は貧しいが真面目に働いている元盗賊・卯助が主人公。その左腕には罪人であったことを示す入れ墨があり、卯助はそれを隠しながら暮らしている。それに目をつけた岡っ引きが容貌(きりょう)よしの娘を狙って執拗に迫っていく。意外性のあるその顛末はここでは明かしません。前進座の古い映画にヒントをえて清張が書いたという「左の腕」は、前進座の定番演目として長く演じられています。他人には知られたくない「秘密」をめぐる人生の陰影をみごとに描いた連作集です。(2009/8/28)
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