書籍の詳細

広島の粗末な文化住宅に住む少女、初子には兄がいる――遊び人の兄しかいない。母は他界し、父は蒸発、自転車も電話もない生活。アルバイトをしてもお金にならず、高校進学はあきらめた。どうにもならない現実の中で、薄幸の少女は淡い恋心を抱く――。十五歳・初子の痛くて甘い小さな恋の物語。広島労働者の苦い青春を描いた『PAINTITBLUE』も収録。辛酸を舐めながら懸命に生きる人々の姿は感涙必至!

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赤い文化住宅の初子のレビュー一覧

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  • 10年ほど前、「モーニング増刊号」に掲載されていた『PAINT IT BLUE』。読みたくて、ずっと書店で探していたのですが、この『赤い文化住宅の初子』に収録されていることが判明。描かれているのは、地方の町工場で働く男の子・ジッツンの苦い青春。ヘビーな現実が次々押し寄せるなか、それでもまあ、なんとかやってくわ、というようなジッツンの飄々とした空気感が素敵です。笑いと涙が奇妙に入り混じったこの作品、小品ですが個人的に殿堂入りしている作品です!
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    投稿日:2010年06月22日
  • うーん何ともやりきれない。主人公・初子は何も悪くないのに、現実は彼女に容赦ありません。とは言え彼女が自らの幸せに向けて自発的なアクションを起こさなかったというのもまた事実。どんな理不尽も「仕方がないと」受け止める初子に対し、「もっとあがけよ!」とイライラしたりも。しかし「あがけ」というのは大人になった今だからこそ言えるのであって、狭い人間関係の枠内でしか生きられない中学生にとっては、その「あがく」という選択肢自体が想像の範囲外なのかもしれません。そうした初子の描写や周囲の人間の彼女に対する接し方等、残酷ですがこれが今の日本のリアルなのかなと考えさせられる作品です。
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    投稿日:2009年09月08日