書籍の詳細

植村直己はいかにして冒険家になり、いかにして「世界のウエムラ」になったか?ひとりの腕白少年が、大学へ進んで美しい山々と出会い、無一文で日本を脱出、ヨーロッパに渡りアルバイトをしながら、ついに五大陸最高峰のすべてに登頂を果たす。さらには南極大陸単独横断という目標めざして、アマゾンのイカダ下りなど過酷なまでの試練に次々と挑戦する――。大自然の中の「何か」に挑まずにはいられなかった冒険家が、みずからの型破りな青春を語り尽した感動篇。

総合評価
5.0 レビュー総数:1件
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青春を山に賭けてのレビュー一覧

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  • 読書嫌いの私を読書好きに変えてくれた一冊
    中学生1年生まで私はどちらかというと読書が嫌いでした。夏休みの宿題で読書感想文を書かなければならず、近所の書店の店長さんにどういう本がいいか相談した時に勧めていただいたのがこの本でした。感想文のために嫌々読み始めたのですが、おもしろくて一気に最後まで読み終えてしまいました。本ってこんなにおもしろいものなんだと思わせてくれて、私を読書好きにしてくれた思い出の1冊です。

    世界を駆け巡る話は、沢木耕太郎さんの深夜特急が有名ですが、この本の植村直己さんは、それをはるかに超えて本当に世界各地を駆け巡っています。山に登るためにヨーロッパに渡ったのですが、お金がなくてスキー場に雇ってもらうために、冬季オリンピックのアルペンスキーの金メダリストの方を相手に、スキーなんて1回もしたこともないのに、自分はスキーがすごく上手いですって、大芝居するところなどは抱腹絶倒です。スキーが全くできないことはすぐにばれるのですが、植村さんの人柄と努力家なところを気に入ってもらい、その金メダリストをはじめスキー場の方たちに愛されます。

    写真からは全然すごさを感じさせませんが、世界初の五大陸最高峰登頂者であり、国民栄誉賞受賞者です。山だけでは飽き足らず、今度は犬ぞりで、グリーンランド縦断、北極点、グリーンランドからアラスカの先端まで一万二千キロの縦断を行います(犬ぞりの話は文春文庫から別に本が出ていて、この本には載っていません)。そして、昔から夢だった犬ぞりでの南極横断の前に、アラスカのマッキンリーを登山中に消息を絶ちます。

    植村さんは冒険家なのですが、心の冒険家でもあると思います。普通なら現状に満足して躊躇してしまうところを、常にチャレンジし続けました。私たちは、最高峰の登山などは真似ることは決してできませんが、心のチャレンジの部分は真似することができるのではないかと思います。この本はストーリーとしても文句なく面白いのですが、チャレンジする心の大切さを思い起こさせてくれる本だと思います。そういう意味で若い人にはぜひ読んでいただきたいのですが、実は、色々なしがらみなどでチャレンジする心を忘れてしまってる30代以上の方により読んでいただきたい本かもしれません。私ももう一度読み返して、ストーリーの面白さを満喫すると同時に、植村さんのチャレンジする心の大切さを学びなおしたいと思います。レビューが長くなってすみません
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    投稿日:2013年09月08日