書籍の詳細

子規が、死の前年の明治三四年九月から死の直前まで、折々に書きとめた日録。日々三度の食事の献立から病苦と死の恐怖への煩悶に至るまで、病床生活を、俳句、水彩画等を交えて赤裸々に語った稀有な生活記録。読みすすむにつれ、命旦夕に迫る子規の心境が何の誇張も虚飾もなくうかがわれて、深い感動に誘われる。

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仰臥漫録のレビュー一覧

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  • 「九月十日/便通 間にあはず 繃帯(ほうたい)取替/朝飯 ぬく飯二椀 佃煮 紅茶一杯 菓子パン一つ・・・・・」――36歳の若さで生涯を閉じた正岡子規が死(1902年)の前年から書き残した日記は、誇張もなく、虚飾も取り去っていまある生を見つめる日々の記録として秀逸です。「柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺」の句で知られる子規によってたんたんとつづられた病床記録とその中で詠まれた短詩(俳句)、そして絵の数々。菓子パンが好物だったのか、始終食べていたことがうかがわれます。九月八日にはこうあります。「間食 牛乳五勺 ココア入り 菓子パン数個」として四つのパンの絵。それぞれに注釈がついています。「黒きは紫蘇」「乾いてもろし」「あん入り」「柔か也」という具合で、明治中期から末期にかけての食の様子もうかがえて興味深いものがあります。(2009/10/30)
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    投稿日:2009年10月30日