書籍の詳細

非公開の時効が切れ、公開され始めた米公文書館、国家安全保障局資料から明らかとなる1972年の沖縄施政権返還の裏面とは。日米首脳の思惑が交錯し、水面下で「密約」が交わされる過程と、その真相が鮮やかに描かれる。新発掘の第一級歴史資料を基に、敗戦後、沖縄が日米関係の交渉の切り札として利用され、翻弄されてきた経緯を戦後史の中に捉え直す。

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沖縄返還とは何だったのか 日米戦後交渉史の中でのレビュー一覧

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  • 鳩山前首相の命取りとなった普天間基地問題は、菅政権に代わって突入した参院選挙の争点の一つとなっているが、「県内か県外、国外か」といった直接的な問題がとびかうばかりで、そもそもなぜ沖縄に多くの米軍基地が存在しているのか、なぜ沖縄が過重な負担を強いられているのか、さらにいえば安全保障と基地問題という基本的なことが議論されることは少ない。そうした風潮が色濃い今だからこそ、読んでいただきたいのが本書です。公文書が公開されることなく官僚によって秘匿されているという高い壁によって遮られながらも、沖縄生まれの研究者が「沖縄返還とは何だったのか」を日米交渉史のなかに追究した労作です。現在の沖縄の基地問題は、直接的には1972年5月15日の沖縄返還に始まりますが、その元をさらにたどれば、1951年のサンフランシスコ講和条約に行きつきます。このアメリカとの平和条約によって、敗戦国日本は主権を回復し、一方沖縄はアメリカの施政権下におかれることになりました。そして施政権を握る米軍は基地や軍事施設を自在につくることができるようになったことが沖縄の基地問題を引き起こし、それが本土復帰から38年たった今も続いているのです。外交交渉の名の下にいったい何が進行していたのか。国民の目が届かない密室で何が語られ、何が約束されてきたのか。そうしたことの一つ一つを白日の下にさらしていくことによって初めて「沖縄の基地問題」の解決の道も開けるのではないでしょうか。(2010/06/25)
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    投稿日:2010年06月25日