書籍の詳細

太平洋戦争の末期、戦火にさらされた大阪の町で、すきっ腹をかかえながら好きな漫画の道にうちこむ一人の少年がいた……。表題作「紙の砦」他、巨匠手塚治虫が青春時代の思い出を綴った6編を収録して贈る自伝的作品集!

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紙の砦のレビュー一覧

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  • 手塚治虫の自伝的作品が集められた短編集。手塚治虫の人となりについては、彼を尊敬する漫画家たちに、またマンガ研究者によって多くの作品で触れられています。しかし今作は手塚自身が描いているため、他人には描くことができないであろう素の手塚治虫の心のうちを知ることができます。「所得番付1位のマンガ家」ということでインタビューに来た記者に「部屋が殺風景でガラーンとしている」と言われ、ムキになって家具を買い集めたり、『鉄腕アトム』の放映されているアメリカで子どもに「鉄腕アトム」を知っているかと尋ねたりするその姿は、他のマンガ家によって描かれるような“漫画の神様”ではなく、ただのいちマンガ家のもの。収められたある一編のラストは、「手塚治虫はまだ生きているから」として“未完”とされているのですが、願わくばこの続きをもっと読んでみたかった、そう思わずにはいられません。
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    投稿日:2009年06月16日