サハリンの少年 北の家族の敗戦日記

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敗戦を樺太でむかえた一家が、日本に帰還するまでの厳しくもたくましく生きた日々を、少年の目を通して語った自伝的ドキュメント。

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敗戦を樺太でむかえた一家が、日本に帰還するまでの厳しくもたくましく生きた日々を、少年の目を通して語った自伝的ドキュメント。

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書店員のレビュー

2011年2月11日、モスクワ訪問中の前原誠司外相はロシアのラブロフ外相と会談したが、北方領土問題は平行線をたどり、日ロ関係はかつてないほど険悪な状況にあることが浮き彫りになった。第2次世界大戦の結果として北方領土はソ連に移ったとするロシア側に対し、日本は「不法に占拠されている」という立場。だから、ロシア大統領が北方領土に足を踏み入れるのは「許し難い暴挙」となり、菅首相のこの発言はロシアにとっては逆に「受け入れがたい行為」となる。66年前の1945年8月に日本が無条件降伏したとき、この地で何があったのか、66年たった今も解決される目処さえない状況が続いているのは何故なのか。『サハリンの少年 北の家族の敗戦日記』には、日本領土からソ連に施政権が移っていくなかで暮らすことを余儀なくされた人々が直面した歴史のひとこまひとこまが当時小学6年生だった著者・奥田博昭さんの目で活写されています。国後や歯舞、色丹など北方領土ではありませんが、同じように戦前日本の施政下にあり、敗戦によってソ連の支配体制に移行したサハリン(樺太)で暮らした奥田さん一家が日本に帰国できたのは敗戦から2年たった1947年(昭和22年)9月のことです。
一家の暮らしはけっして楽ではありませんが、隣に住むことになったロシアの軍人家族との温かい交流もあり、「悲惨な物語」ばかりではなかったことがわかります。当時の家族写真なども数多く収録されていて興味深く読みました。在日韓国人作家・李恢成の芥川賞受賞作『砧をうつ女』はやはりサハリン(樺太)に渡った家族の物語ですが、北方領土とサハリン(樺太)は歴史的な経緯に違いはあるものの、戦前多くの人々が酷寒の地に渡り、苦闘の末に生活の基盤を築き上げたところで戦争、そして敗戦、占領・・・…歴史の波に翻弄された人々が置き去られているという現実に大きな違いはありません。そして今、そうした歴史そのものが風化していこうとしています。政治的駆け引きや権謀術数のなかに消え去ろうとする人々の歴史を確かに伝えてくれる一冊、いまこそ読み直しておきたい本です。(2011/2/18)
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