書籍の詳細

『ツァラトゥストラはかく語りき』ほど19世紀の思想に衝撃を与えた書はない。ヨーロッパ近代の精神的危機に対する、ニーチェ思想のすべてが盛り込まれた哲学的叙事詩を、難解な語句をさけ、物語風にまとめた労作。

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ニーチェ ツァラトゥストラのレビュー一覧

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  • ニーチェがブームになっている。明治時代に若手知識人として注目された高山樗牛(たかやま・ちょぎゅう)が初めてニーチェを紹介して論争とブームを巻き起こしたのが、日本におけるニーチェ・ブームの始まり。以来繰り返しブームが訪れていて、ここ最近では「超訳 ニーチェの言葉」が発売3か月で39万部突破の勢いだとか。ニーチェの名言的な数行のフレーズが人生訓的に受けとめられているようですが、ニーチェの言葉(思想)の本当の意味をもう少し突っ込んで知りたいという人に最適なのが、本書。「神は死んだ」というテーゼを追究、ニーチェ思想のすべてがもりこまれた「ツァラトゥストラはかく語りき」を難解な言葉を使わずに、わかりやすく、面白い物語にまとめ直した碩学による労作です。ちなみに書名のツァラトゥストラはペルシア拝火教の開祖ゾロアスターの名を借りたもので、内容とはまったく関係ないそうです。また「すべての人のための、そして、だれのためでもない本」という副題も人をくった言い方で、ニーチェの皮肉屋ぶりがよくあらわれていて面白い。訳編の秋山英夫さんによれば、「ツァラトゥストラ」の特色は、形式的に破格で、けっして行儀のいい本ではない、上品な教養主義ではどうにもかたづかない思想のダイナマイトだそうです。あかんべーをしたりとんぼ返りをしたりするニーチェの姿がみえてくれば、ニーチェ通を任じてもいいといえるでしょう。(2010/5/14)
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    投稿日:2010年05月14日