書籍の詳細

▼第1話/犬を飼う▼第2話/そして…猫を飼う▼第3話/庭のながめ▼第4話/三人の日々▼第5話/約束の地 ●登場人物/私(仲間6人とデザイン事務所を開いている)、妻(陶芸教室の技術指導助手をしている)、タムタム(テリアと柴の雑種犬。オス)、ボロ(ペルシャ猫。メス) ●あらすじ/“私たち”の愛犬・タムタムは14歳の老犬。犬にとって食事の次に楽しみなのが散歩。日に日に衰えていくタムタムの足を気遣いながら、“私たち”は毎日タムタムを散歩に連れていく。しかし遂に起き上がれなくなり、死期を迎えるタムタム。最期までがんばり続けるタムタムの姿が“私たち”の胸を切なく打つ…「言葉を交わせない犬の死も人間の死も同じだ」(第1話)。タムタムを看取って1年、ひょんなことから“私たち”は飼い主に見捨てられたペルシャ猫のボロを飼うことになる。最初はひどいブスに見えたが、馴染んでくると何ともかわいい顔に見えてくるボロは3匹の子猫を産む。ボロの母親振りに純粋なものを感じ、“私たち”の心はやわらいでいく……(第2話)。 ●その他の登場キャラクター/秋子(“私たち”の家に家出してきた妻の姪)、富田獣医(信頼できる獣医師)、宮本さん(動物保護協会のボランティアをしている)

総合評価
5.0 レビュー総数:2件
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犬を飼うのレビュー一覧

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  • 「看取り」も含めての「犬を飼う」ということ
    「犬を飼う」と言えば、可愛い子犬の頃から、一緒に遊び、躾をし・・・と楽しいことばかり考えがちだが、いつかは必ず訪れる老いと死。本作ではいきなり飼い犬が老いて散歩もままならなくなってくるところから話が始まる。綺麗事では済まされない老犬の介護と最期の日。そしてその後のペットロス。でもこれも含めて“犬を飼う”ということ、犬を家族として迎えるということなんだよね。作者の実際の体験が描かせたこの作品だけに、苦労や悲しみを正面からリアルに描いている。
    さらにその後の「そして、猫を飼う」。犬を亡くして悲しみ・寂しさの日々から、新たな家族を迎えるに至る過程。これまた、微妙に仏頂面でブチャイクな猫ちゃんがまた愛らしい。
    ペットのいる生活、良いなぁと思う一方で、とても考えさせられる。犬を飼ってみたい人全員に読んで欲しい一作。
    • 参考になった 2
    投稿日:2017年02月19日
  • ネタバレあり
    犬を飼う予定がある人は是非読んでほしい作品
    犬が老いて死にゆく様を谷口ジロー氏の独特の丁寧なタッチで淡々と描いています。
    谷口氏の作品にある独特の時間的流れの非常にゆったりしたゆっくりした動きです。
    徐々に弱りゆく犬。
    それを見届けていく飼主夫婦の交流をただ、淡々と描いています。
    老いの前にはどんな治療も努力も無意味で無情にも犬はどんどん弱っていきます。
    ただ飼い主は老いさらばえていく犬を見つめるしかない。
    何もしてやれない非力さにたまらない気持ちになります。
    そして老犬は力尽き最後は死んだのです。
    ところが私の家も未だにそうなのですが、死んだ犬の遺品が片づけられない。
    作者と同じく犬小屋は残されています。
    私の家では何も使ってないわけじゃなく洗濯ものの備品置き場として今も利用されています。
    人間よりも何倍も早くに成長しそして人間よりも何倍も速い速度で老いて死んでいく犬。
    同じ時を過ごしながら決して同じではないそんな犬と人間の関係性を考えさせられる淡々とした作風ながらじんわりと泣かせる名作です。
    これを読んでああ犬がそれでも飼いたいという人がいるなら多分その犬はこの作中の犬と同じように飼い主になるあなたの愛情に感謝して大往生を遂げて呉れる事でしょう。
    • 参考になった 1
    投稿日:2017年02月12日