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藤田和日郎が明かす新人漫画家養成術。「うしおととら」「からくりサーカス」「月光条例」そして「双亡亭壊すべし」で少年漫画界を熱く走り続ける藤田和日郎。その仕事場からは数多くの漫画家が巣立った。今回、藤田和日郎のアシスタントになった架空の新人漫画家が、連載を勝ち取るまでを描く体裁で、藤田氏が自身の漫画創作術、新人漫画家の心構えやコミュニケーション術を語り下ろしました。藤田和日郎の初代担当者も新人漫画家の担当編集者として登場。

総合評価
5.0 レビュー総数:1件
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読者ハ読ムナ(笑) ~いかにして藤田和日郎の新人アシスタントが漫画家になったか~のレビュー一覧

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  • 読者だけど読みました(笑)
     内容はタイトル通り、架空の新人アシスタントさんが、週刊少年サンデーに持ち込みをしながら、職場の上司たる藤田先生と、藤田先生の初代担当編集様に口語体でいろいろと助言やダメ出しをされながら最終的に週刊連載を勝ち取るという体でつくられております。
    漫画投稿者が陥りがちな罠ですとか、少年漫画には何が求められているかですとか、藤田先生や編集様が何を考えながら私達に作品を投げかけて下さっているのかということを知る端緒になります。それらのエッセンスが凝縮されている印象ですね。
    私は一読者ですので、漫画、創作における難しいことは正直分かりません。リアリティと漫画の関係についてはうんうん頷いてしまいましたが。
    むしろ、仕事における信頼関係の築き方の面で、心に響きました。私が10ウン年以上前に就職活動などしていた時代は、やたらコミュニケーション力が大事などと言われておりました。当時はコミュ力って何だよわかんねえよと思っていたわけですが。それでも何とか拾って貰えて就職した訳です。私事ですが、その最初の会社で女の部下を持つのは初めてという、メンター役の課長さんとうまく信頼関係が築けなくてですね、仕事に様々支障をきたし、お恥ずかしい話ですが、数年で逃げるように自主退職するかたちになり、今は全然関係ない仕事をしています。
    そんな私は、当時うまくいかなかったことを、環境とか課長さんの人格とか、長年周りのせいにして棚上げしておりました。この本を読んで、ダメだった新人として、いちいちアシスタントさんが注意されることが耳が痛い、思い当たることがありすぎて、恥ずかしさがフラッシュバックしました。確かに人間ですから相性ってありますし、私だけが一方的に悪いとは今も思わないです。でも、やっぱり私自身、歩み寄る努力も足りなかったよね、どこか仕事に真摯じゃなかったよね、と頭を殴られたような気持ちになりました。
    漫画家志望じゃなくても、職場で上司と上手くいっていない方がいたら、別の客観的視点で打開策を考えるきっかけになるかもしれません。ああこれ、あの頃の私に読ませたい!読ませたいよ!
    …愚痴はさておき、漫画業界という枠に留まらず、仕事論として読んでも意義があると思いました。失礼な話ですが業界の実態を覗き見る感覚としても面白かったです。志ある漫画家の卵の皆様への、強いエールが感じられました。
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    投稿日:2016年10月01日