書籍の詳細

国家、貨幣、企業……虚構が他人との協力を可能にし、文明をもたらした!ではその文明は、人類を幸福にしたのだろうか?現代世界を鋭くえぐる、40カ国で刊行の世界的ベストセラー!

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サピエンス全史のレビュー一覧

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  • 私たちはどこから来たのか? なぜ、自分がいまここに存在するのか? 自分を取り巻く社会のルールはなぜ存在するのか? どうしてそれは絶対的なものとして私に迫ってくるのか? 人生にはどんな意味があるのか……。こうした疑問にとらわれた経験がある人は、少なからずいると思います。解答を求めて、小説を読んだという人も多いでしょう。しかし、小説以上に、こうした疑問にたいして、重要な示唆を与えてくれる歴史書があります。それが、本書『サピエンス全史』です。

    歴史といえば、日本史や中国史、ヨーロッパ史など、各国・地域の歴史に馴染んできたという人も多いと思いますが、言ってしまえば、それらはたかだか数千年の出来事を追うだけです。しかし本書には、アフリカ大陸の片隅で進化を続け、七万年ほど前から文化を形成し始めた、私たちホモ・サピエンス全体の歴史が綴られています。ある時代、ある時点に限った歴史ではなく、ホモ・サピエンスが生きた期間と場所すべてに目を配った、壮大な歴史書なのです。

    本書では、万物の霊長の地位を確立したホモ・サピエンスの歴史の道筋を決めた、三つの重要な革命について言及されています。それは、認知革命、農業革命、科学革命です。約七万年前に始まった認知革命によって、ホモ・サピエンスだけが「虚構(フィクション)」を共有できるようになりました。神話や宗教、貨幣、国家、会社などの虚構を共有することで、多数の見知らぬ者同士が協力し、他の動物よりも大きな力を発揮することができるようになりました。

    約一万二千年前に始まった農業革命によって、定住が可能になり、その場所に生活できる人数が爆発的に増加しました。そして約五百年前に始まった科学革命は、帝国主義や資本主義との相乗効果も相まって、ホモ・サピエンスを地球の支配者とするための、大きな原動力となりました。そして、その先にある未来とは? 最終章に描かれた内容は、想像を絶する衝撃的なものでした。しかし、近い将来起こり得ることであり、この内容を踏まえて、これからどうやって生きていけばいいのか、深く考えさせられました。

    また本書は、個人の「幸福」という観点で歴史を捉えていることも特徴的です。一般に、農業革命によって多くの人々食えるようになり、人類の幸福も増大したと思われています。しかし、全体ではなく「個々人の幸福」という観点でみた場合、狩猟採集時代と比較して、果たして私たちは幸せと言えるのか、大いに疑問があるといいます。全体の幸福と個々人の幸福、という観点は、いまを生きる私たちにとって重要な観点だと思います。

    これだけ壮大な視点で人類の歴史を学んだ後は、現在の自分を取り巻く状況や人間というものが、まったく違って見えてくることでしょう。文章は非常に読みやすく、抜群に面白いので、まるで小説を読んでいるように先が気になって、ページを送る手を止めることができませんでした。そして、一文一文が心に刺さり、自分の血となり肉となるような感覚を味わうことができました。歴史書でありながら世界的ベストセラーとなり、多くの著名人が熱烈に推薦するのも納得の、すごい本です。
    • 参考になった 1
    投稿日:2017年04月07日
  • なぜホモ・サピエンスだけが繁栄したのか?
    「人類の歴史は虚構の上に成り立っている」ことを前提に、未来への展望も含む全人類史を巨視的に俯瞰した書『SAPIENS』は、世界の主要メディアから絶賛されるなど注目を集め、世界的ベストセラーとなった。『銃・病原菌・鉄』で知られるジャレド・ダイアモンドや、ビル・ゲイツ、マーク・ザッカーバーグらも熟読したという同書の邦訳が本書『サピエンス全史』(上下巻)である。上巻では、約135億年前の「ビッグバン」から、中世ローマ帝国の時代までを扱い、「虚構」としての人類の文化、そしてそれが統一に向かう原理などについて論じている。
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    投稿日:2017年03月03日
  • 文明は人類に幸福をもたらしたのか?
    ビッグバンから未来予測に至るまでの人類の歴史(文化史、文明史)をマクロ的に俯瞰し、その本質を探る『サピエンス全史』。上下2巻のうち下巻では、中世ローマ帝国の時代から現代までの歴史を、宗教、科学の視点で追いつつ、「文明は人間を幸福にしたか」という、これまで歴史学で取り上げられたことの少ないテーマに挑んでいる。そして最後に、遺伝子工学やサイボーグ、コンピュータによる非有機的生命などのテクノロジー進化に触れ、現在の人類を超越した「超ホモ・サピエンス」出現の可能性を占っている。
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    投稿日:2017年03月03日