書籍の詳細

昭和二十年九月、敗戦後間もない日本を未曾有の暴風雨が襲った。その名も枕崎台風。「もたらした被害また広島県の死傷行方不明三○六六名をはじめとし……」なぜ広島で……。人類最初の原爆による惨禍から、わずか一カ月。廃墟の街で、人々はどのような災害に巻き込まれたのか。気象台は何をしていたのか。綿密な取材によって明かされる、天気図の空白に秘められた知られざる真実。

総合評価
5.0 レビュー総数:1件
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空白の天気図(新潮文庫)のレビュー一覧

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  • 一冊でヒロシマを学びたいかたに
    ヒロシマルポルタージュの決定版です!
    この本を一冊熟読できればあとは広島に来るだけと言っても過言ではないです。
    ただ、ルポルタージュ的にと言うハナシで基礎知識があればもっとなんですが。
    基本的にヒロシマ読本はある日原爆を落とされて阿鼻叫喚の地獄に晒され奇病に悶絶し・・・・・・と、人に依ったら自虐の羅列ばかりと取られてそれ故敬遠される題材です。
    そこをまず気象内情から紐解き、戦争に入り、窮乏生活での義務感を説いた上での被爆ときっちり順序立てられてます。
    そして何より他の著書では殆ど触れられない枕崎台風の惨禍を採り上げることで被爆・いや戦争と言った偏った視点を持たずにマクロに見詰められます。
    そのぶん被爆の惨状描写などは突き詰められていませんが、充分な描写をしています。
    この辺は「ヒロシマ日記」や「もう一つのヒロシマ」などをを読むことで補完できます。
    コレは著者が広島勤務で実感した、
    「確かにヒロシマは悲惨だ。だけどこの訴え方は違う」
    と言う思いを昭和40年代の豪雨水害から導き出したアプローチからだそうでソレが遺憾なく奮われています。
    今年の被爆忌は終わりましたが、この本は今の季節が実は読み時です。
    ~同著が二つあってレビュー先に迷いましたが、私が読んだのは新潮文庫でしたのでこちらに。
    • 参考になった 1
    投稿日:2016年08月11日