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アメリカのドラマでは、以下のようなやりとりがよく出てきます。A:Could you hit me up tomorrow? B:Word. 一つひとつの単語や文法自体は簡単なものですよね。でも、日本語に訳そうとすると、意外と難しくないですか。「A:明日電話してくれる?」「B:わかった」という意味ですが、hit … up 「~に電話する」、Word 「了解」という新しい表現を知らないと、きちんと理解することができません。◎selfie=自撮り◎My bad.=ごめんね◎I heart you!=あなたが好き!◎LOL(laughing out loud)=大爆笑、(笑)◎Thx 2 u.(Thanks to you.)=ありがとう 本書では、こうした「最近よく使われるけれども、教科書には載っていない」ような“いまどきの英語”を厳選し、ご紹介します。会話はもちろん、メールやSNSでやりとりするときにも使える表現が満載。また、「ゆとり世代」「イクメン」「ブラック企業」「爆買い」といった日本の流行語を英訳した「Chapter4 日本の流行語を英語で言うと」も必読です。

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日本人が知らない いまどきの英語のレビュー一覧

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  •  ごくごく簡単な〝日常会話〟だというのですが、以下の2行の英語――日本語に訳せますか。
     A: Could you hit me up tomorrow?
     B: Word.
     実用的な英語に関する本を数多く出しているデイビッド・セイン氏の最新刊『日本人が知らない いまどきの英語』(PHP研究所、2016年3月11日紙版と同時配信)のまえがきで紹介されている〝いまどきの英語〟の一例です。
     使われている単語で知らないものはありませんが、それでもその短い文が意味するところはわからないのです。降参です。著者による以下の説明を読んで、「えー、hitがそんな意味で使われているのか」と、英語に限らず変化を続ける言葉というものの面白さに改めて感じ入ってしまいました。

    〈一つひとつの単語や文法自体は簡単なものですよね。でも、日本語に訳そうとすると、意外と難しいと思いませんか?「A:明日電話してくれる?」「B:わかった」という意味ですが、hit ... up「~に電話する」、Word「了解」という新しい表現を知らないと、きちんと理解することができないのです。〉

    「hit」を『ランダムハウス英和大辞典』(小学館)で調べてみると、vt(他動詞)だけでhitとくれば多くの人が思い浮かべる「打つ、たたく、殴る」に始まって、「ぶつかる、衝突する、当たる」「(弾丸・矢が)命中[的中]する」「(ヒット・ホームランなどを)打つ」など22もの語釈が並んでいます。「厳しく批判[非難,攻撃]する,たたく」や、アメリカのスラングでは「(トランプの札・飲み物・料理などを)出す」という意味で使われることも載っていますが、「電話をかける」という意味でも使われることは出ていません。
    「word」については、長い語釈や成句の説明の最後の方に「了解」にやや近い使い方――〈Word! ((米話)) ((同意・賞賛を表して)) そのとおり,いいぞ,やったね〉がありました。まったく知りませんでした。
     ともあれ、著者によれば上掲のやりとりはドラマなどでよく出てくる日常会話で、ビジネス英語を十二分に使いこなしている人であっても「hit」や「word」といった簡単な言葉の思いもよらない〝いまどきの使われ方〟を知らないと、映画やドラマの理解はもちろん、ネイティブとの日常的な会話も肝心なところで理解できないということになるというわけです。

    〈みなさんがかつて教科書で習ったような英語と、実際にネイティブが使うスラングを含む日常会話とでは、かなりの違いがあります。
     そのため、「ビジネス英語はほぼ完ぺきなのでは?」と私が感心するような生徒さんでも、「英語のドラマや映画は、いつ観てもチンプンカンプン。私の英語力はまだまだだな~って思うんです」などともらすことがあるのです。
     もちろん、その人の英語力がまだまだ、なんてことはありません。実際のネイティブの会話で使われている文法は、中学英語のレベルでほぼカバーできますから、英語字幕を表示してそのドラマを改めて観てみれば、「こんな簡単な英語?」と驚くはずです。

     それなのに、「いつ観てもチンプンカンプン」となってしまうのは、ドラマや映画のセリフには、最近になって使われるようになった新しい表現や、ネイティブの中でも一部の世代の人たちしか知らないような言葉(例:若者言葉)が頻繁に登場するからです。〉

     10年に及んだアメリカ生活を切り上げて、一昨年日本に帰って来た年若い知人がいます。1歳になる直前にアメリカにわたった彼の娘さんは現地の公立小学校5年生の途中で日本の小学校に編入。この4月からは帰国生入試に合格した私立中学に進むことになっていますが、彼女に“Could you hit me up tomorrow?”をわかるか聞いたところ、「うん、明日電話してね、でしょ。ニュージャージー時代に知ったよ」と答が返ってきました。“Word”も、「了解」の意味とまったく問題なしでした。セイン氏がいうように、アメリカの生活の中で普通に使われている普通の表現で、なにも特別な言い回しではないことは確かなようですが、日本の教科書や辞書には載っていないこともまた事実です。
     そこでセイン氏の『いまどきの英語』の出番です。カリフォルニア出身で、来日して20年。英語教師経験も豊富で、日本人の英語力を知悉しているセイン氏だから書けた、新しいタイプの英語学習書です。この本のありがたいところは、時代を映す〝いまどきの言い方〟が紹介されているだけではなく、同じ意味の〝普通の言い方〟も併記されているところです。理解が助けられるとともに、実際に使おうとした場合に、〝いまどきの言い方〟と〝普通の言い方〟を状況に応じて使い分けることもできるように工夫されている点に“いいね!”です。
     日常英語とビジネス英語あわせて全部で66の言い方、フレーズから、ここではとくに目についた例を二つだけ紹介しましょう。

    【open the kimono 情報をシェアする】(Chapter 2 「いまどきのビジネス英語」より)
     [いまどきの言い方]
     Let’s open the kimono and share our ingredients.
     原料をすべて明かしましょう。
     {普通の言い方}
     Let's reveal all information about our ingredients.

     オフィスで言ったりしたら、セクハラになりかねない、きわどい表現にも思えますが、セイン氏はkimonoについて、こう説明しています。
    〈kimonoとはもちろん日本の「着物」のことです。そのまま直訳すると「着物を開く」ということですが、前を開くと裸があらわになることから、「秘密を明かす」「情報を開示する」という意味で使われています。自分の胸の内を他人に明かしたり、会社の情報を外部に公表する、というときに使われるフレーズです。特に日本の企業に関するニュースを伝えるときに好んで使われる表現。kimonoはもはや英語になっている日本語のひとつです。〉

     実際、インターネット上で検索してみると、金融関係のサイトで2010年12月17日の“Buzzword(専門的流行語)”として”open kimono”が取り上げられていました。多くのビジネスシーンで使用されている玄人受けするフレーズと考えていいようです。

    【my bad ごめんね】(Chapter 1 「いまどきの日常英語」より)
     [いまどきの言い方]
     My bad, I thought this pen was mine.
     ごめん、このペン私のだと思っていた。
     {普通の言い方}
     I’m sorry, I thought this pen was mine.

     自分に非があって謝る時の表現ですが、「悪い」「ごめんごめん」というような、どちらかといいうと軽いニュアンスで、ちょっとした頼まれ事をうっかり忘れてしまったというときなどに使う言い方。相手に思いっきり迷惑をかけてしまったときに使うのは、NG。
     badはいろんな使い方があり、その意味するものも変わってきているので注意が必要とセイン氏。
    〈badは本来「悪い」という意味なのですが、転じてスラングでは「最高」「イケてる」というまったく逆の意味で使われます。Your dress is so bad ! なんて言われたら、けなされていると思うかもしれませんが、じつは「あなたのドレス、イケてる」と逆にほめられているかもしれないのです。また、「ものすごく」と強調するときにも使い、I want to see you so bad. で、「あなたに会いたくてたまらない」という意味になります。〉

     マイナスイメージの言葉からプラスイメージの言葉へと逆転した例として、日本語では「やばい」がありますが、badをうまく使いこなすことが出来たら、あなたの英語もso bad !といわれるかもしれません。

     ここに紹介した〝いまどきの英語〟はほんの一部です。さらに本書には最近とくにネットやメールなどで多用される略語が多数収録されています。jkやLOLといった略語が文中に出てきて、いったい何を意味しているのか、辞書を引いても出ていないしと困った経験があるのではないでしょうか。本書が一冊あれば、そうした悩みも解消されるはずです。
     ちなみに、jkはjust kiddingの略で、意味は「冗談だよ」。女子高校生を指しているわけではありません。Jk ! Don’t be mad !(冗談だよ!怒るなって)という具合に使うそうです。
     LOLはlaughing out loud を略した言葉で、「大爆笑」がその意味。LOL, I love watching Maru videos(爆笑!マルの動画、見るの楽しいな)が使用例。

     さらに、日本のビジネス用語(「朝イチに」「直帰」「根回し」「サービス残業」ほか)や日本の流行語(「ブラック企業」「爆買い」「イクメン」「壁ドン」ほか)をどう言えばネイティブに正しく伝わるのか――わかりやすく教えてくれます(電子書籍版目次では、それら知りたい言葉・フレーズにリンク情報が埋め込まれていてクリック一つで解説本文に飛んで行きます)。

     最後に、テストです。次の二つの英文の意味、日本語で説明してください。
    (1)Let’s park that for now.
    (2)I<3 you ! xoxo
     (1)はいまどきのビジネス英語、(2)はいまどきの婚活や恋愛に関係する書き方。SNSやメールで使われます。正解は本書を参照してください。(2016/3/18)
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    投稿日:2016年03月18日