書籍の詳細

冬の気配残る、春の初め。夜の公園。篠宮景は、まだ花びらも纏っていない桜の木をただ静かに眺める同じ営業部の後輩・柏木秋斗を見かけた。会社では、周りと馴染まず笑った顔なんて見たことがないのに、こちらを振り向いた柏木は別人のように穏やかに微笑んでいた。──あなたと話せる日がくるなんて、思っていなかった。この日から、同じだけど違うふたりの柏木に翻弄される篠宮。興味が好意になりお互いを意識するなか、二十年前に起こったある事件の秘密が明かされて……【E★エブリスタ×大洋図書 BL文庫大賞受賞作!!】

総合評価
4.0 レビュー総数:2件
評価内訳

花霞の夜は明ける 【イラスト付】のレビュー一覧

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  • 匿名希望
    ネタバレあり
    しっとりと切ない桜の頃のお話し
    ロッキーさんの繊細な表紙のイメージそのままに、切ない恋のお話しでした。
    デビュー作とのことで、文章や流れに若干堅さはあるものの、全体には最後まで勢いがあって飽きずに読めました。
    篠宮は、小さい頃に誘拐されたトラウマを持つが、現在は営業の仕事をそつなくこなすサラリーマン。周囲とも良い人間関係を築いている。一方、後輩の柏木は、人当たりも愛想も良くないけど成績はNo.1。そんな対照的な二人が、「アキ」という”第三者”を通して次第に近づいてゆく。
    実は柏木も過去の誘拐事件の被害者で、それを機に生まれた柏木の別の人格が「アキ」だった。アキは自分を犠牲にする形で、柏木と篠宮の関係を後押しする。そこが切ないですね。
    しかし、悲惨な事件の傷を背負いきれず、もう1つの人格を生み出した柏木を、再び1つの人格に統一する重要な役割を果たしたのが篠宮ともいえます。
    実際に、事件の記憶を全て持ち、優しく包み込むような包容力のある人格が生まれるのか、そんな都合良いとも言えるケースが精神学的にあり得るのか、少し気になりました。
    また、主人公とも言える篠宮の描写が少なく、仕事上の有能さや正確などがとらえづらかった。
    また、コミカルな文調を交えて軽いテイストでありながら、シリアスな題材を扱ったところも、どっちづかずで感情移入しにくかったです。
    とはいえ、二人の絆が強く結ばれる課程は説得力があって良かった。今後の作品に期待します。
    • 参考になった 1
    投稿日:2016年05月29日
  • 匿名希望
    ネタバレあり
    涙があふれて止まらない
    とても切なくて悲しい
    心が締め付けられるよう。
    子供のころの受けた心の傷により
    一人(篠宮 景)は、狭くて暗い所に入ると動けなくなり息ができなくなったり、
    人が後ろに立つと動悸がして苦しくなる。
    もう一人(柏木 秋斗)は、心の苦しさに耐え切れず、
    一つの体に二つの人格(秋斗・アキ) 二重人格になる。
    篠宮と秋斗・アキとの三角関係
    秋斗はアキのことを知らない、自分の一部なのに。
    アキは秋斗のことばかり考えている。
    秋斗が過去のつらいことをすべて思い出すと
    アキは桜の花びらが散るように消えてしまう。
    日常の篠宮と同僚の平尾との会話は、漫才の掛け合いみたいで
    可笑しすぎて笑ってしまう。
    一杯笑って、一杯泣いた。
    • 参考になった 2
    投稿日:2016年05月07日