書籍の詳細

敗戦、GHQによる日本占領が始まった……。幣原喜重郎内閣打倒後、総理と目されていた鳩山一郎は公職追放され、昭和21年5月、吉田茂が総理大臣に就任。以後、脈々と続く「吉田学校」の始まりだった。党人派と吉田派の仁義なき闘いの幕が切って落とされた。戸川猪佐武のベストセラー『小説吉田学校』を、劇画界の巨匠さいとう・たかをが描いた、傑作戦後日本史全10巻! ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。

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歴史劇画 大宰相のレビュー一覧

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  • 政治評論家・戸川猪佐武のベストセラー『小説吉田学校』をもとに、劇画界の巨匠・さいとう・たかをが作画した『歴史劇画 大宰相』シリーズ(全10巻)。自民党の政争を軸に、戦後日本の政治史をマンガで辿ることができる名作です。本書の内容をもとに、「吉田学校」ができるまでの流れをみてみましょう。

    日本国憲法制定後に行われた戦後初の総選挙を経て、第一党となったのは、鳩山一郎が率いる自由党でした。しかし鳩山は、GHQの命令で突然公職追放されてしまいます。そこで、後任総裁として白羽の矢が立ったのが、吉田茂でした。もともと外交官だった吉田は、終戦直後に組閣された東久邇宮内閣、つづく幣原内閣にて外務大臣を務めていました。

    鳩山に総裁就任を打診されると、「引き受けてもいいが………自分にはカネがない。カネづくりは一切やらない。内閣の選考にも口を出してもらっては困る。それにいやになったらいつでも投げ出す。こいつを承知してくれるか?」と返答。第一次吉田内閣を発足させます。しかし、鳩山に伝えた言葉通り、党内に諮ることなく組閣した吉田に、党人たちは反発。吉田は孤立していきます。

    野党転落後、再び与党・民主自由党総裁に返り咲いた吉田は、第二次吉田内閣の組閣で、再び党人たちと軋轢を起こします。そこで、「自由党の中にわが藩屏(守ってくれるもの)をもたなくてはならない。自分の手でつくり出す以外にない…それには、なにをおいても官僚だ。彼らにはきたえられた政策的な知性、行政能力がある。それ以上に官界の長老としての自分に、忠実であるはずだ」と決意。佐藤栄作、池田勇人ら多数の官界出身者に総選挙出馬を打診。後に吉田の側近となる田中角栄も獄中立候補しました。

    「私はこれらの連中を閣僚や政務次官、党幹部に、起用していくつもりだ! 彼らを教育して、新しい政治家に育てあげたい! そうだ!! そうとも、学校さ!! “吉田学校”だよ」。民主自由党は過半数を獲得する大勝利をおさめ、第三次吉田内閣が誕生。池田勇人は大蔵大臣に、佐藤栄作は党政調会長に、抜擢されました。

    日本の戦後史の中心にいたのは、吉田茂と、「吉田学校」の流れを汲む面々でした。終戦から中曽根内閣までを描いた『歴史劇画 大宰相』シリーズ。田中角栄の秘書だった早坂茂三の解説も魅力です。政治家が政治家らしかった時代の息吹を、巨匠の劇画でぜひ味わってみてください。
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    投稿日:2017年11月03日