行人

700円 (税別)

獲得ポイント 7pt (1%還元)

妻お直と弟二郎の仲を疑う一郎は妻を試すために二郎にお直と二人で一つ所へ行って一つ宿に泊ってくれと頼む…….知性の孤独地獄に生き人を信じえぬ一郎は,やがて「死ぬか,気が違うか,それでなければ宗教に入るか」と言い出すのである.だが,宗教に入れぬことは当の一郎が誰よりもよく知っていた. (解説・注 三好行雄)

カゴに追加 700 円(税別)

妻お直と弟二郎の仲を疑う一郎は妻を試すために二郎にお直と二人で一つ所へ行って一つ宿に泊ってくれと頼む…….知性の孤独地獄に生き人を信じえぬ一郎は,やがて「死ぬか,気が違うか,それでなければ宗教に入るか」と言い出すのである.だが,宗教に入れぬことは当の一郎が誰よりもよく知っていた. (解説・注 三好行雄)

ユーザー評価なし レビューを見る
書籍の詳細
  • 書籍名: 行人
  • 著者名: 夏目漱石著
  • eBookJapan発売日: 2015年04月30日
  • 出版社: 岩波書店
  • 連載誌・レーベル: 岩波文庫
  • 電子書籍のタイプ: リフロー型
  • ファイルサイズ: 2.9MB
  • 関連ジャンル: 小説・文芸岩波文庫
  • 対応デバイス: WindowsMaciPhoneiPadAndroidブラウザ楽読み

書籍一覧1冊の書籍

1~1件/1件 を表示

  • 1
  • 1

スペシャルレビュー

もう一人の漱石の「狂気」

 ある書店さんから「編集者が薦める本」というお題で、POP(店頭によく掲げられている葉書大の宣伝文句等々を綴ったもの)を書くよう依頼されたことがあった。
 そのとき挙げた本が、夏目漱石の「行人」で、そこに大きく「棺桶本」という言葉を用いたことを覚えている。なぜ、こんなことを書いたのかというと、墓場まで持っていきたいほど感銘を受けた本であることもさることながら、もう、死ぬまで再読するのを避けようという意思表示も含まれていた。
 若い、とくに十代の頃、熱病に罹ったように読んだ一連の本にディープ・インパクトを受けてしまうことは多々あることだ。ところが、そうした本に限って、折節に再読してみると、いろんな意味で不可思議な思いに囚われることも少なくないように思う。
 それが、本と読み手の関係性のおもしろいところではある。読んだ時期によって、また、一日のなかの短いレンジでも、「読み」の状況は可変する。そして、本のほうも、読み手の知識や意識の状態に対応して、様々な相貌を表す。
 それはわかるのだが、いや、わかるからこそ、ものすごいものを読んだという、ただそれだけの「記憶」をそっと封印しておきたい気にもなったりする。決して、再読したらつまらない本だった・・・・・・と思うような状況を回避したいと言っている訳ではない。ただ、なんだか訳のわからないくらい感銘を受けた「記憶」が穢されてしまうことが残念に思えてならないのだ。
「行人」に対して、「棺桶本」というフレーズが思い浮かんだのはそうした理由からで、十代の頃、一度読んだきり、あえて再読を自分に禁じている。物語の最終章に出てくる、一郎という登場人物を克明にレポートする彼の友人Hからの長い長い手紙。ひとがマージナルな、ギリギリの状態に追い詰められたとき、精神に支障を来すか、宗教に救いを求めるか、自らの命を絶つしかない、といった言説(小説の書き手は、それ以外の第四の道として、小説を書いているようにも思う)。漱石という作家が、教科書レベルで漠然と理解していた「三四郎」や「坊っちゃん」「猫」などを書いている国民的ベストセラー作家の顔とは異なる、ある種の狂気を孕んだ人だったという衝撃。うまく言い表せないが、そんないろんな「読後の思い」が渾然となって、いまも残っている。

オススメ特集

一覧を見る

ここもチェック!

コンテンツについて

  • この商品は紙書籍ではありません。すぐにご覧いただける電子書籍です。
  • デジタルコンテンツのため、商品の性質上、返品できません。
  • 紙書籍とは内容が異なる場合がございます。また、サイトに表示されているサムネイルと電子書籍の表紙画像が異なる場合がございます。予めご了承下さい。
  • 対応デバイスに記載されていない端末は、購入できても読書はできません。ご注意下さい。
  • Mac OS X 10.5/10.6をご利用で最新版のebi.BookReaderがご利用できないお客様は、サイトの表記でMacが利用可能端末となっていてもリフロー書籍が読書できません。ご了承下さい。
  • Android OS 5.0以上でebiReaderをご利用のお客様は、サイトの表記でAndroidが利用可能端末となっていても一部のリフロー書籍が読書できません。ご了承下さい。