絶頂の一族 プリンス・安倍晋三と六人の「ファミリー」

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すべては偉大なる岸信介の血を残すために――。安倍晋三の母・洋子の執念は、この華麗なる政治家一族の姿をいびつなものにしている。養子縁組を繰り返し、家を守ることによって何が生まれたか? 安倍にとって、祖父の宿願を達成することこそ、唯一、洋子に認められる術になる。幻影安倍家三代を丹念に取材し、幻影に追い回された安倍ファミリー・六人の姿を丹念に分析し、「安倍晋三」なるものの正体に迫る。

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すべては偉大なる岸信介の血を残すために――。安倍晋三の母・洋子の執念は、この華麗なる政治家一族の姿をいびつなものにしている。養子縁組を繰り返し、家を守ることによって何が生まれたか? 安倍にとって、祖父の宿願を達成することこそ、唯一、洋子に認められる術になる。幻影安倍家三代を丹念に取材し、幻影に追い回された安倍ファミリー・六人の姿を丹念に分析し、「安倍晋三」なるものの正体に迫る。

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 安倍首相は4月29日、米議会の上下両院合同会議で日本の首相として初めて演説します。同じ敗戦国のドイツ首脳は5回、イタリアは6回、演説をしています。
 第2次世界大戦終戦から70年の節目の年。日本は隣国である韓国、中国と歴史認識をめぐって対立し、その関係はかつてないレベルにまで冷え込んでいます。その一方で、米国との関係は、集団的自衛権の容認に踏み切り、防衛連携を一段と強化していく方針を明らかにしています。そうした中で、米の議員たちを前に安倍首相は何を語るのか。「平和」を、そして「戦争」をどう語るのでしょうか――。

「安倍晋三」という政治家を理解するうえで、注目すべき本があります。松田賢弥著『絶頂の一族 プリンス・安倍晋三と六人の「ファミリー」』(講談社刊)です。2015年2月に出版され、3月に電子版がリリースされました。著者の松田賢弥は、「週刊現代」「週刊文春」「文藝春秋」などを舞台に執筆活動を行っているジャーナリスト。小沢一郎への妻・和子からの「離縁状」のスクープで第19回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞大賞を受賞した実力派ライターです。安倍首相はことあるごとに岸信介が祖父であることを口にしていますが、もう一人の祖父、安倍寛(元衆議院議員)について語ることは珍しいといえるかもしれません。著者の松田賢弥はその安倍寛の存在に着目して、こう書いています。

〈寛は戦時中、東條英機総理らの戦争遂行政策に反対していた。四二年の翼賛選挙では無所属・非推薦で立候補し当選しているが、その際には、寛の選挙活動を執拗に妨害する警察によって高校生の晋太郎(引用者注:安倍首相の父、元外務大臣)も尋問を受けている。
 戦局が悪化し、晋太郎は特攻隊に志願した。出撃の前、郷里に帰った晋太郎に寛は夜を徹してこう語った。
「この戦争は負けるかも知れない。敗戦後の日本が大変だ。無駄な死に方はするな」
 これから死地に赴こうとしている若い晋太郎にとって、この言葉はショックだった。が、続けてさらに衝撃的なことを寛は口にした。
「(晋太郎の母・静子との)夫婦仲はよかった。だが、家同士の問題で離縁し、そのお前の母はすでに亡くなっている。黙っていたことを許して欲しい」〉

 安倍寛は終戦後すぐの1946年に亡くなります。著者によれば、安倍晋太郎は父の言葉を「生涯忘れることがないだろう」と周囲に語っていたそうです。戦争を生き残って天涯孤独の身となった晋太郎は、一人で人生を切り開き、這い上がっていくしかありませんでした。東大法学部を卒業、毎日新聞社の入社。記者時代に岸信介の長女・洋子と結婚。1956年、岸が石橋湛山内閣の外務大臣として入閣した時に毎日新聞社を退社して、外務大臣秘書となります。1958年の総選挙に自民党公認で出馬、政治の道に一歩踏み出します。そして農林大臣、通産大臣、外務大臣、自民党幹事長などを歴任するものの、総理大臣の椅子に座ることなく、1991年5月、67歳で死去。

 再び、本書から引用します。
〈……時が流れて現在、総理の座に上り詰めた彼の息子・晋三は、祖父・岸信介の政治信条でもあった「憲法改正」を掲げ、明らかに岸を政治家としての目標に据えている。晋太郎、そしてもう一人の祖父である寛の労苦を顧みる言葉は、晋三からはほとんど聞かれない。彼が岸家の血を誇り、安倍家を軽んじているように見えるのはいったい、なぜなのだろうか。
 晋三にとって、自分が生まれる前に亡くなった寛に親しみが湧かないということは分かる。だが、それ以上に、岸信介を支えることが自らの使命であるかのように生きてきた母・洋子が、岸の足跡を晋三に語り伝えてきたことも大きいだろう。
 晋三からすれば、洋子と結婚し、岸家の力を背景に政治家として出世しておきながら、岸と一線を画して「俺は安倍家の跡取りだ」と言い張る父・晋太郎の矛盾した姿は、受け入れがたいものではなかったか。それゆえに晋太郎は家庭にあっても寂しく、孤独だったのかもしれない。
 晋太郎は八七年の自民党総裁選における「中曽根裁定」で、竹下登に総裁の座を奪われ、総理になるチャンスを逃した。
 その頃のことだ。会合や宴会を終えても晋太郎は遅くまで渋谷区富ケ谷(現在の総理私邸)に帰ろうとしなかった。晋太郎の元側近は、「まるで洋子さんたちが寝静まるのを待っているかのようだった」と語った。〉

 安倍首相は、岸、佐藤栄作という元首相兄弟と血のつながりを持ち、一方で、硬骨の政治家・安倍寛の血をも受け継ぐ政治家一族に生まれ、育ちました。日本が二分された60年安保当時、渋谷区南平台にあった首相・岸信介の私邸で、祖父や母・洋子とともに「アンポ、ハンタイ!」の声を聞き、窓から「岸打倒!」「A級戦犯容疑者」と叫ぶデモ隊の姿を目撃した幼き安倍晋三の胸中に反発が芽生えたとしても不思議ではありません。この体験こそが、政治家・安倍晋三の原点となった――著者はこう分析しています。

 安倍晋三がその幻影を追う祖父・岸信介。
 「岸の女婿」といわれ続けた父・安倍晋太郎。
 安倍晋太郎の異父弟、唯一晋三を批判できた叔父・西村正雄。
 奔放な「家庭内野党」として、母・洋子との確執を隠さない妻・安倍昭恵。
 ゴッドマザーといわれ、一族の精神的中心として君臨してきた母・安倍洋子。

 血脈を軸に安倍首相を取り囲む名門ファミリーの面々。なかでも「晋三は昭和史を知らなすぎる。歴史から学んでいない。政治家の言葉は重いものだということをもっと知るべきだ」と繰り返し語っていた叔父の西村正雄、そして酒について聞かれて「それはもう、出先でもところかまわず泥酔しております(笑)」と冗談めかしてはいるものの自分の言葉で言ってのける「総理の妻」安倍昭恵。岸の血族とは一線を画すこの二人はとくに興味深い。本書第3章、第4章、第5章をじっくりお読みいただきたい。
 とまれ安倍首相を最も近くにいて見つめるファミリー、それぞれの眼には何が映っているのか――松田賢弥は知られざるファミリーの心の内にある本音に迫り、それを通して初めて見えてくる「安倍晋三」という政治家の姿を描き出していきます。日本のこれからを左右する権力の座にあって、祖父・岸信介の悲願であった「憲法改正」を視野に入れた安倍首相を知るための格好の教科書です。オバマ大統領との会談、米議会での演説――安倍首相が世界注視の中で外交日程に臨む折り、一度目を通しておいて損はありません。(2015/4/24)
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