書籍の詳細

千年を越す歳月、大伽藍を支えてきた木の秘密は何か。法隆寺大工家に伝わる木に関する家伝を明らかにし、木匠たちの珠玉を秘めた言葉に学問的な立場から解説を加え、日本文化の流れを針葉樹文化という視点から展望。

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法隆寺を支えた木のレビュー一覧

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  • 本書は「最後の宮大工」と称された西岡常一氏の長年の経験に基づく話を中心に、木材工学の専門家で千葉大学名誉教授の小原二郎氏が解説を加える形で構成されています。テーマはタイトルにあるとおり、法隆寺を支える木材、とりわけヒノキの文化について実証的に語るという点に絞られています。宮大工の家に生まれた西岡氏は、第2次大戦前から法隆寺の修復にたずさわり、その後も法輪寺三重塔、薬師寺金堂、西塔などの再建に取り組んだ宮大工で、木の文化を語るのにこれ以上はないという存在です。日本人は木以外の材料で建築をつくらなかったという歴史をもっているわけですが、その木のすばらしさについて、西岡氏はこう語っています。「木の寿命は鉄の寿命より長い。伐られた時、第一の生を断つが、建物に使われると第二の生が始まって、その後何百年も生き続ける力を持っている。第二の木のいのちはヒノキは優に千年を越えるが、スギやマツはそれよりも劣り、ケヤキはさらに寿命が短い」よく法隆寺1300年といったって、幾度も修復してきているから・・・・という人がいます。私自身、そんなふうに思っていました。しかし、西岡氏のはそうした俗説の誤りを「金堂も五重塔もそれを支える柱や梁、桁など、肝心なところはすべて創建当時のままです」と指摘しています。驚くべき木の生命力、それをつかった木の文化の秘密はどこにあるのか。神社仏閣を身近に感じる季節です。「木の文化」という視点で見直してみるのもいいのではないでしょうか。(2009/12/25)
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    投稿日:2009年12月25日