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埼玉県内に東京都がある?年に一度現れる島とは?地図の謎の答えを探しに列島を北から南まで旅しよう!

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日本地図の楽しい読み方のレビュー一覧

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  • 「“おや・まあ・へー”が週刊誌記事になくてはならない大事な要素だ」――駆け出しの週刊誌編集者の頃にたたき込まれた記事作り、企画の基本ですが、今回紹介する『日本地図の面白い読み方』(河出書房新社)は、この“おや・まー・へー”が行間からわき出てくるようなオモシロ本。日本に暮らしていながら、日本列島について実はよく知らない、わかっていないということを教えられました。東京・新宿から小田急線で1時間あまりの神奈川県の丹沢山地。山ガールの間でも人気のエリアですが、この丹沢山地からサンゴ礁が見つかっていたことはまったく知りませんでした。本書によれば、このサンゴ礁のほかにもマングローブ沼であったことを示す化石が各地で発見されており、これらの証拠から日本列島の西半分はかつて熱帯に属していたと推察されるというのですから驚きです。少し長くなりますが引用します。〈・・・・・・ところが、こうした気候(引用者注:四季折々変化する気候)はどうやら日本列島が誕生したときからあったものではないようだ。かつては日本列島の西半分が、なんと熱帯気候だったらしいのである。それを証明しているのがマングローブ沼の存在。マングローブ沼は河口のような汽水(きすい、海水と淡水がまじり合っている塩分濃度の低い水)のところにでき、主に泥が堆積している場合が多い。北西太平洋で分布を調べると、現在では北の端が種子島で、フィリピンやインドネシアなど、赤道に近い東南アジアの各地には大規模なものがあり、熱帯の海の環境の代表的なものなのだ。そのマングローブ沼の貝群集と同じ内容を持った化石(セルギシジミーセンニンガイ群集)が新潟県村上市や能登半島、八尾などで発見されており、広島県の庄原市や東城町、岡山県の大佐(おおさ)町、川上町、新見市、津山市などでも発見。ヒルギの花粉化石も八尾の黒瀬谷層などから見つかっている。さらに、熱帯の海の特徴の一つであるサンゴ礁も見つかった。静岡県の女神(めがみ)石灰岩や神奈川県の丹沢山地の石灰岩などがかつてのサンゴ礁で、これらの発見からも日本列島の西半分はかつては熱帯だったと考えられるのである。こうした証拠から推察すると、どうやら日本列島の半分は今から約1600万年ほど前は熱帯だったということになるのだ〉大むかしの日本列島はサンゴ礁に囲まれ、マングローブが生い茂る沼が点在していた・・・・・・今年の夏の暑さに閉口している現代人ではとてもやっていけなかったかもしれませんが、現在の生態系とはまったく異なる自然環境を想像するだけでも楽しくなりませんか。とまれ、本書が集めた日本地理についての“雑学知”は、地理や歴史の教科書を開いてみても滅多に出てこない「知識」の集積です。以下はそこから抜き出した簡単な“雑学知”テストです。テスト問題の末尾の()内の数字は正解が説明されているページを示しています。(1)富士五湖には冬期に凍る湖と凍らない湖がありますが、わかりますか? 理由は?(正解はP29) (2)同じく富士五湖は流入する川も、逆にそこから流れ出る川もない不思議な湖です。なぜでしょうか?(P141) (3)自然の演出するアートと呼ばれる鳥取砂丘の美しい風紋はなぜできるのでしょうか?(P116) (4)全長わずか200メートルに届かない国道があります。何号線か、わかりますか?(P80) (5)途中になんと、階段のある国道があります。何号線でしょうか?(P81) (6)沖縄本島を貫く国道58号線――本土復帰前のアメリカ施政権下では1号線と呼ばれ、那覇から嘉手納基地のあるコザ(現・沖縄市)を経て沖縄本島の北端にある国頭(くにがみ)村を結ぶ幹線道路だった――は、鹿児島県山下町を起点に種子島、奄美大島を経由して沖縄本島へと続き、終点の那覇市奥竹山町に至る一般国道です。お気づきかと思いますが、この国道は路線の大半が海上ということになっています。なぜ、実際に車が走ることはない「海上の道」を含む国道ができたのでしょうか? (P85)(7)皇居に隣接して、ビルが建ち並ぶ日比谷は昔、海に面した漁村だったそうです。「ひびや」という地名の由来をご存知ですか?(P195) (8)海岸線の長さ日本1の県はどこ?(P44) (9)東京の下町に「島」のつく地名が多い理由(わけ)は?(P188) (10)大阪の玄関口「梅田」がもともとは「埋田」だった理由は?(P198) ――どうでしょうか。ここでは種明かしはしません。正解の該当ページ数を付記しておきましたから、そちらをご覧ください。なお、姉妹編に日本ではなく、世界を舞台に編集された『世界地図の楽しい読み方』もあります。2冊を併せ読めば、地球規模の雑学知で一歩先んじる存在になること疑いなし、です。(2012/10/5)
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    投稿日:2012年10月05日