書籍の詳細

ドイツ名家の御曹司ゼバスティアン・フォン・エッシュブルク。彼は万物に人が知覚する以上の色彩を認識し、文字のひとつひとつにも色を感じる共感覚の持ち主だった。ベルリンにアトリエを構え写真家として大成功をおさめるが、ある日、若い女性を誘拐したとして緊急逮捕されてしまう。被害者の居場所を吐かせようとする捜査官に強要され、彼は殺害を自供する。殺人容疑で起訴されたゼバスティアンを弁護するため、敏腕弁護士ビーグラーが法廷に立つ。はたして、彼は有罪か無罪か――。刑事事件専門の弁護士として活躍する著者が暴きだした、芸術と人間の本質、そして法律の陥穽。2012年本屋大賞翻訳小説部門第1位『犯罪』の著者が「罪とは何か」を問いかけた新たなる傑作。/著者による日本版オリジナルエッセイ「日本の読者のみなさんへ」を収録。

総合評価
4.0 レビュー総数:1件
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    やられた!
    表紙の女性の顔、違和感がありますよね。その謎は読み通したらわかります。
    読み通して1回、読み直して1回、表紙でまた1回驚かされる。そういうことか!と。
    正直前半は冗長に感じる向きもあるのかもしれませんが…
    作者の試みはある意味実験。全体が叙述トリックのよう。

    緑と赤と青の光が同等に混じり合うとき…それらは白に見える。
    ヘルムホルツの色彩論が非常に示唆的。

    日本の読者に宛てた作者のメッセージに引用された和歌もまた素晴らしい。
    私たちと真実の関係とは、暗闇で手探りで象を触るようなものでしかないのかもしれない。

    作品が日本で舞台化されていたことは読了後、かなり経ってから知りました。
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    投稿日:2016年03月05日