書籍の詳細

日本文化を深く理解するためには、それを背負う日本語の特質を知らねばならない。本書はその特質と、発音・表記・語彙・文法等に現れた独得の性質を、外国語とも比較しながら明快に説く。

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日本語の特質のレビュー一覧

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  • 寺や神社などの参道や境内で店を出して商いをする人を「ロテンショウ」といいますが、漢字ではどう書くか、わかりますか。「露店商」と「露天商」、どちらが正しいでしょうか。店そのものを言うときには「露店」と書きますが、そこで商いを行う人を言うときは「露天商」と書くのが正解だそうです。露天で商売をする人ということから「露天商」と書き、「露店商」は間違いというわけです。言われてみれば、そうかそうか、忘れていたと納得するのですが、日常生活のなかで漢字の使い方、敬語の用い方などなど、日本語の問題に苦労している人も多いのではないでしょうか。本書『日本語の特質』は、言語学を専門とする学者一家の出で、辞典編纂者として知られた金田一春彦先生がNHK大学講座で話した内容を基にまとめたもの。世界の言語と比較しつつ、日本語の発音や、表記法から文法、敬語まで、話し言葉でわかりやすく解説しています。上記の「露天商」はそのほんの一例ですが、もうひとつ、いまいまの日本語を考えてみて、面白かったのが「男言葉と女言葉」。少し長くなりますが。引用します。〈日本の流行歌に「二人は若い」というのがあって、その中に「あなた」「なんだい」という会話が入っていますが、一方が女で、一方が男だとすぐわかります。外国の小説では、男と女の対話になっていて、一行おきに男の言葉と女の言葉とが出てくることがありますが、そういう時に一ページくらいめくったらどちらが男のことばかわからなくなってしまうことがあるようです。そうすると、前へ戻って、一番はじめから、ワン、トゥー、スリー、フォア・・・・・・と数えまして、これは偶数番目だからこっちが女の言葉だろうと見当をつけて読んでいます。日本のものにはそのようなことは起こりません。どれが男の言葉か女の言葉かひと目見てわかるわけです〉昨今の男女差がなくなってきている若者言葉の状況を今は亡き金田一先生、どう見ているでしょうか。とまれ、碩学が遺してくれた好著――日本語力アップに役立つはずです。(2011/3/4)
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    投稿日:2011年03月04日