書籍の詳細

国際2輪レースやF2レースを席巻したホンダ・エンジン、新コンセプト・カー「シビック」など数々の独創的な技術開発はどのようになされたのか? ホンダの技術者・経営者としての体験と仏教思想とをクロスオーバーさせながら新しいものを生み出す「知」のあり方を探る。先行き不透明な時代を生き抜くための刺激あふれる創出論。

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「無分別」のすすめ 創出をみちびく知恵のレビュー一覧

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  • 筆者によれば、創出がうまくいくメンバーの組み合わせがあるそうです。筆者はそれを「熱中者、月ロケット、たぬき」の組み合わせと名付けています。「熱中者」はなんとなくわかりますが、「月ロケット」と「たぬき」はよくわかりません。筆者の解説を聞きましょう。目標の達成に関して強い意志と熱意のもとに行動力と集中力を示し、きわめて情熱的にふるまうことのできる人間、これが「熱中者」です。しかし熱中者は前を向いてどんどん進む一方で、どうしても細かな後始末は苦手です。それをサポートする存在が必要です。常時、クールな判断力をもってプロジェクトをコントロールする人がいなければ共創はできません。緻密な計算と冷徹な判断をすることのできる人は理論的な思考と常識を尊重するため、面白みはないかもしれませんが、必要な存在で、筆者はこの種の人たちを「月ロケット」と呼んでいます。この二つのタイプに続く第三のタイプが「たぬき」で、筆者はこの「たぬき」をある意味ではもっとも大事な存在とみています。「たぬき」は組織の中心や主役になって活動することは滅多になく、当事者たちの世界を別な角度から見ることのできる目を持っていて熱中者や月ロケットが気づかないことに目を向けています。加えて人をだますという一種の超能力を持っている存在です。メンバーが行き詰まってしまったような場面でその超能力を発揮して創出の場を転換させたりふくらませたりするというわけです。味のある役者です。筆者はHONDA創業者・本田宗一郎の薫陶をうけたエンジニアで、三代目社長をつとめました。筆者が経験したさまざまなエピソード、ホンダならでは逸話の数々を「仏教哲学」の視点からその意味を捉え直し、整理したのが本書。ちなみに「たぬき」としての本田宗一郎の役者ぶりも紹介されていて、時代的な課題である「ものづくり」を考える上でも示唆に富んでいます。(2010/1/8)
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    投稿日:2010年01月08日