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僕は愛だの恋だのを知らない。知っているのは……。あの夏、ボクは幼なじみと昔約束した地へ旅行に行くことにした。楽しい旅行のはずだった…あの事件さえ起こらなければ…。2人きりの旅行は苦難の連続、だけどボクは気付かなかったんだ。彼がボクを守ってくれていたこと、やっと気付けたのに……2人の目的地に向け、ボクはただ只管進む。まっすぐな少年たちが繰り広げるピュアでノスタルジックな表題作のほか、居場所を求めSに変貌を遂げる少年を描いた「らしゃめん」、記憶を留めることのできない兄との再会「ココナッツアイス」を含む4作品を収録!愛に貪欲な、それでいて不器用な彼らの物語の短編集

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LOGOSのレビュー一覧

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  • ―僕は愛だの恋だのを知らない。知っているのは、あの夏の暑さとロランドの重さ、橘の笑顔、それだけ。― 5つの作品を収録した短編集なんですが、どの話も本当に痛くて、ハッピーエンドではないです。ただ、ものすごくずっしりと重く心に残ります。BLという言葉では片付けられない、壮大なスケールの文学的作品ばかりです。これ、高校の時かな? 「小野塚カホリいいよ~」と友達に薦められて読んでかなりの衝撃を受け、特に表題作の『LOGOS』は、あまりに壮絶なラストに言葉を失いました…。とても思い出深い作品です。『LOGOS』は、70年代の夏を舞台にした、まっすぐな14歳の少年たちが繰り広げるピュアでノスタルジック溢れる物語。主人公・縹(はなだ)の親友の橘は、父を殺して縹とともに、昔約束した地へ逃避行に出る。子供の頃、橘の飼い犬のロランドも連れていつか三人で行こうと約束していた柏崎へ。父の巻き添えでロランドを殺してしまったため、ロランドをトランクに詰めて連れて行くことに。まだ子供でお金がない二人。服や食事は万引きで済ませても、宿代だけは橘が体を売って稼いでいた。それに気付いた縹に対して、「オレはこんなん慣れてんだから」と吐き捨てた橘の台詞から、憶測ですが、父を殺した理由はもしかしてそういうことなのかな、と。まだほんの14歳の子供なのに、大人から辛い傷を負わされてしまった橘。「橘の絶望を描きたかった」という小野塚先生の力量が伺える衝撃のラストは本当に壮絶で、強く心を打たれました…。目的地の柏崎海岸がとても印象的で、これを読んでから柏崎に凄く興味が湧いて、いつか行ってみたいな~と思ってましたが、結局行けず仕舞い>ω<; 暗く重い作品ばかりなのに心に響くのは、小野塚カホリ独特の巧みな心理描写があるからでしょうか。愛に貪欲な、それでいて不器用な「彼ら」の物語の短編集。胸にしみる作品ばかりなので、とにかく一度読んでいただくことをオススメします。
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    投稿日:2012年09月28日