登山の文化史

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登山とは文化的な行為である。文明人のみのなす行為なのである―東西アルピニズム発生史を自然と人間のかかわりから描く表題作ほか、軽妙洒脱な随筆、紀行、翻訳論文など15篇を収録。

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登山とは文化的な行為である。文明人のみのなす行為なのである―東西アルピニズム発生史を自然と人間のかかわりから描く表題作ほか、軽妙洒脱な随筆、紀行、翻訳論文など15篇を収録。

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書店員のレビュー

山歩きがブームを迎えているそうです。とくに、「山ガール」という呼び名も登場して30代の働く女性、アラサーを中心に人気沸騰中で、「山ガール」が増えれば「山男」も増えるのが自然の成り行きというわけか、「山」の知識からグッズ・ファッションまで彼女たち、彼らたちのための情報を集めたアウトドア雑誌が出版不況の中で部数を伸ばしているようです。山歩きを趣味とする出版社社長から聞いた話ですが、そこで思い出したのが、フランス文学者・桑原武夫の『登山の文化史』。1958年に京都大学山岳会隊長としてパキスタンのチョゴリザ登頂を成功に導いた、登山家としても名を知られた桑原武夫が1944年に発刊した「回想の山山」を戦後の1950年に一部改稿したうえで、「登山の文化史」と改題して出版した名著です。それが1997年に平凡社ライブラリーにおさめられて、いまはその電子書籍版が出ています。紙版は残念ながらなかなか手に入りにくくなっていますが、電子書籍は在庫切れがありませんし、パソコンのみならず、iPadでもiPhoneでも自在に読むことができます。肝心の中身ですが、登山とは文化的行為であり、文明人のみのなす行為であるという考え方によって貫かれています。原始人は決して高い山の頂上に登ったりはしないというわけです。〈文献に残っている最古の登山は何かというと、紀元前一八一年マケドニアのフィリップ王が――これは大アレクサンダーの父と同名だが、もちろん別人――ハエムス山(現在のブルガリアのソフィアの近くにある山。2800メートル)に登ったのが第一とされる〉としたうえで、桑原武夫はヨーロッパ、中国、そして日本の山をめぐる文化的考察を進めていきます。その考察は文化的・歴史的探究に留まらず、登山家として体験した、山のすばらしさから山の恐さにまで及んでいきます。「山歩きのバイブル」としてすばらしいことはいうまでもありませんが、「登山」の実践派ではないという人が、「山」と「人間」の関わりを探究した文化論として読んでも面白い一冊です。(2010/8/27)
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