黒い花びら

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水原弘が生涯のほとんどをついやしたのは、“破壊へ向けての生活無頼”と“歌うこと”の二つだった―。昭和歌謡界黄金時代を疾風の如く駆け抜けた、無頼の歌手・水原弘の壮絶な生涯。酒、豪遊、博打、借金に満ちた破天荒な歌手生活とは?関係者からの綿密な取材を重ねつつ、波瀾万丈の人生を描く感動のノンフィクション!

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水原弘が生涯のほとんどをついやしたのは、“破壊へ向けての生活無頼”と“歌うこと”の二つだった―。昭和歌謡界黄金時代を疾風の如く駆け抜けた、無頼の歌手・水原弘の壮絶な生涯。酒、豪遊、博打、借金に満ちた破天荒な歌手生活とは?関係者からの綿密な取材を重ねつつ、波瀾万丈の人生を描く感動のノンフィクション!

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村松友視が歌手・水原弘の生き様を描いた『黒い花びら』は、昭和に生まれ、生きた世代にとって、まさに「オンリー・イエスタディー」(ほんの昨日のこと)だ。水原弘が「黒い花びら」(永六輔作詞・中村八大作曲)でレコード・デビューしたのは1959年(昭和34年)。「黒い花びら 静かに散った/あの人は帰らぬ 遠い夢/俺は知っている 恋の悲しさ 恋の苦しさ/だから だから もう恋なんか/したくない したくないのさ」初め2000枚でスタートした「黒い花びら」は発売直後からすさまじい売れ行きを示し、ラジオのヒット・チャートに登場するや、たちまち30万枚の大ヒットとなり、この年発足したレコード大賞にノミネートされ、第1回大賞を受賞する。その時、清水市(現・静岡市)育ちの著者は慶応義塾に入学して東京で暮らし始めたばかりで30万枚のうちの1枚を買った一人だったという。大学1年生の筆者にとって水原弘の登場は、一人の歌手の誕生という出来事を超える大きな時代の変化、うねりを感じさせるものだった。前年の1958年(昭和33年)、プロ野球の世界では、立教から巨人に入団した長嶋茂雄がいきなり本塁打と打点の2冠王に輝き、映画界では日活で鮮烈なデビューを果たした石原裕次郎の人気が「嵐を呼ぶ男」の大ヒットによって頂点に達していた。そして水原弘がジャズ喫茶の歌い手からいきなりトップ歌手の座に躍り出た。新しい時代の寵児たち――長嶋茂雄、石原裕次郎、水原弘は従来の常識をくつがえすという点において共通していたと著者はいう。〈永六輔による歌詞と、中村八大による三連符をかさねたロッカバラード風の曲の出会いは、たしかにこれまでにないテイストをかもし出していた。だからこそ、大学一年生であった私が刺激を受けたにちがいなかった。これに、嗄(しわが)れ声ながら独特の艶があって、切々と歌いながら洋風の匂いをもち、どこか本格的歌唱の気配をただよわせる水原弘の歌が加わると、俺たちの世代にふさわしい歌謡曲に、ようやく出会ったという実感が湧いたものだった。考えてみれば、水原弘のみならず、作曲の中村八大も作詞の永六輔も、当時のレコード業界では“新人”だった。老舗レコード会社とちがう、新興の東芝であったゆえ、おかかえの作詞家、作曲家、歌手を持ち合わせず、いわば苦肉の策に近いかたちで“新人”を起用せざるを得なかったのだが、そのことが偶然、時代に吹きはじめた新しい風、新しい波との触れ合いを生んだ〉中村八大が銀座のクラブにロカビリー歌手を集めて「黒い花びら」を歌ってもらったところ、群を抜いていたということで起用が決まり、レコード大賞歌手へと駆け上がった水原弘。相次いでレコードを出すが、次第に売れ行きは落ちていきます。映画にも出たものの、もともと演技力があるわけでもなく、「裕次郎」にはなれない。それでも人気絶頂の時代に身につけた生活――夜な夜な盛り場に繰り出しては一晩に200万円、300万円飲んでしまうという暮らしはいっこうにあらたまらず、水原弘はどん底の暮らしに落ちていきます。著者はこのどん底時代の水原弘を知る人間を訪ね歩き、そのありのままに耳を傾け、再起への過程を丁寧に描き出そうとします。どん底の辛酸をなめた水原弘は1967年(昭和42年)1月15日に発売された「君こそわが命」(作詞・川内康範、作曲・猪俣公章)で再起します。初日3万枚。5月29日99万枚。再デビューの大ヒットを生んだ「チーム水原弘」とも呼ぶべき周囲の男たちの思いと、それに応えてレコーディングの日、何度も何度も繰り返し歌った水原弘。暑さと興奮で汗びっしょりになりながら、最後はパンツ一枚になって水原弘は必死に歌った。3分37秒の「君こそわが命」は12時間かけてレコーディングされた。この歌は、「チーム水原弘」に欠かせない存在となっていた、作詞家の川内康範の原爆被爆者への思いを込めた、とっておきの詩でした。川内も12時間を要した伝説のレコーディングに最初から最後まで立ち会っています。そこに至るまでに川内康範らと水原弘の間で何があったのか、どんな思いが交錯していたのか。「昭和」という時代を駆け抜けた一人の歌手の生と死を通して綴られた、わが同時代史としてお読みいただきたい一冊です。(2012/6/1)
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