ユーザー評価なし レビューを見る
暴露―スノーデンが私に託したファイル―

国家安全保障局(NSA)と中央情報局(CIA)という合衆国の二大情報機関に在籍したエドワード・スノーデンは、自身の運命と膨大な機密文書を著者に託した。香港で密会した情報提供者の実像、そして文書の戦慄すべき全貌――。一連の報道で英紙〈ガーディアン〉にピューリッツァー賞をもたらした当人がいま、すべてを明かす。

  • 1700(税別)で 今すぐ購入

    獲得ポイント 17pt(1%還元)

  • この作品の新刊を通知
    ONOFF
  • この著者の新刊を通知
    ONOFF
書籍の詳細

スペシャルレビュー

スノーデンの実像とファイルの全貌を白日の下にさらす!

2013年6月、エドワード・スノーデンという名前が世界中を駆け巡った。NSA(国家安全保障局)を中心とした、要人や一般人に対する米国政府による世界的な情報収集活動を、英紙「ガーディアン」等を通じて暴露したからだ。本書は、スノーデン本人に選ばれ“暴露”の手助けをすることになった気鋭のジャーナリストが、スノーデンから託された機密文書の中身を公開するとともに、香港のホテルでコンタクトを取り、誰よりも早くインタビューに成功したその経緯をドキュメンタリータッチで追っている。この迫真のノンフィクションは、米国によるプライヴァシー侵害の実態を暴くのみならず、個人と国家のあるべき関係、ジャーナリズムの本質と実態などについての深い考察を導き出している。
書籍ダイジェストサービス「SERENDIP」詳細はこちら

書店員のレビュー

2014年7月17日、オランダからマレーシアに向かっていたマレーシア航空17便がウクライナ東部で墜落。ウクライナ情報機関は親ロシア派武装勢力とロシア情報機関のメンバーの間でかわされた通話を傍受したとして、「たった今、飛行機を撃ち落とした」と通話の内容をユーチューブ上に公開しました。さらに、アメリカのオバマ大統領も18日、「ロシアに支援された分離主義者(親露派)の支配地域から発射された地対空ミサイルにより墜落した」と明言し、その証拠の存在を示唆しました。「民間航空機撃墜」後の経過をフォローしていて、ぜひ読んでいただきたいと強く思った本があります。『暴露―スノーデンが私に託したファイル―』(新潮社刊)です。CIA(中央情報局)、NSA(国家安全保障局)の局員としてアメリカ政府の情報収集活動に携わってきたエドワード・ジョセフ・スノーデンは2013年6月、英紙ガーディアンなどでアメリカ政府による個人情報収集活動の実態を内部告発して、全世界に大きな衝撃を与えました。スノーデンを長時間インタビュー、膨大な機密情報のファイルを託されたジャーナリスト、グレン・グリーンウォルドが、スノーデンとの接触の始まり、香港で会うまでの息詰まるようなやりとり、そしてついに明かされた世界的規模で行われていた個人情報収集活動の実態、書き上げた記事の公開をめぐる切迫した経過まで、世界を揺るがす大スクープの一部始終を綴った問題の書、それが『暴露』です。マレーシア航空機「撃墜」をめぐる応酬のなかに、まさに本書でスノーデンが示した、個人情報が世界規模で秘密裡に収集されているという冷厳な現実が透けて見えてくるといえるのではないでしょうか。2012年12月1日にスノーデンは、ブラジルのリオデジャネイロを拠点に英紙ガーディアンなどで執筆活動を展開している著者に接触を始めます。半年後の2013年6月2日夜、著者と取材協力者である、ドキュメンタリー映画作家のローラ・ポイトラスはスノーデンが滞在している香港に入ります。そして翌朝、スノーデンとの接触に成功。5時間のインタビューを終えてホテルに戻るなり、著者は一気に4本の記事を書き上げます。一本目は、アメリカ最大手通信業者〈ベライゾンビジネス〉に対して、外国諜報活動監視裁判所が全国民のすべての通話記録をNSAに提出するよう命じた件について。二本目は、2009年に作成されたNSA監察総監の内部報告書にもとづく、ブッシュ政権下の違法盗聴計画のこと。三本目は、香港に向かう機内で資料を読んだ、〝バウンドレス・インフォーマント〟プログラムに関する問題で、アメリカの通信インフラを通過する数十億件のEメールと通話データをNSAが収集・分析・保存していたことを告発する内容です。四本目は、フェイスブック、ヤフー、アップル、グーグルといった世界の最大手インターネット企業各社のサーバーから情報を直接収集するPRISMプログラムの記事。とりわけ、四つ目のPRISMについては、〈ワシントンポスト〉も文書の公表を計画しており、急ぐ必要があった。そして、5本目として計画されていたのは、スノーデン自身を登場させ、その真意を、「犯罪者」として訴追されるのを覚悟して、なぜ「国家機密」を白日の下にさらすことを決意するに至ったのかを語らせることだった。しかし、香港にいる著者とガーディアン紙のニューヨークの編集部との間で意見の対立が表面化。この前代未聞の告発スクープをものにしよういう思いは一緒でも、法的な問題、政府との関係性など告発記事に関するスタンスの差異が容易には埋まらず、記事公開が予定より遅れていきます。ぎりぎりの調整が12時間の時差を超えて続きます。サスペンス映画さながらの息詰まるような香港とニューヨークの攻防の詳細はここでは触れません。ついにスノーデンの提供資料に基づくスクープ記事の公開が決定されたシーン――。〈午前五時四十分、ジャニーン(引用者注:編集長)がリンクを貼ったインスタント・メッセージを送ってきた。これこそ、ここ数日のあいだずっと待ち続けていた瞬間だった。「アップしたわ」と彼女は言った。〝NSAが〈ベライゾン〉加入者数千万人の通信履歴を収集〟という見出しがあり、リードが続く。〝独占記事:機密文書を入手──〈ベライゾン〉に全通信履歴の提出を求める裁判所命令がオバマ政権による国内監視の規模を物語る〟。その下には、外国諜報活動監視裁判所の命令書へのリンク。そして本文──冒頭の三段落がすべてを語っていた。 現在、国家安全保障局(NSA)は、四月に発せられた外国諜報活動監視裁判所の命令書にもとづき、アメリカの大手通信会社〈ベライゾン〉の国内加入者数千万人分の通信履歴を収集している。 本紙が入手した命令書のコピーによると、裁判所は〈ベライゾン〉に社内のシステム上すべての国内外通話履歴を「毎日継続して」NSAに提出することを指示した。この文書により、オバマ政権のもと、数千万にのぼるアメリカ市民の通信履歴が、不正行為の容疑の有無にかかわらず、無差別かつ大量に収集されていることが発覚した。〉ホワイトハウスの広報担当者はすぐに、通話履歴収集プログラムは〝国をテロリストの脅威から守るために不可欠なツールだった〟という内容の声明を発表。これはスノーデンや著者たちにとっては予想通りの弁明だった。著者のもとにはCNNを始め、あらゆるテレビメディアが殺到しました。監視活動を擁護する反応は皆無だった。オバマ寄りとして知られる「ニューヨーク・タイムズ」でさえ、「オバマ大統領の捜査網」と題した社説で「オバマ氏は〝行政機関は与えられた権力をすべて行使し、ひいては濫用する〟という自明の理を証明してみせた」と皮肉ったことを紹介、大手マスメディアとは意見の食い違うことが多かった政治ライターとしての著者のキャリアでは実に珍しい経験だったと著者は綴っています。二本目に繰り上げられた記事――NSA(国家安全保障局)は極秘PRISMプログラムによってグーグル、アップル、フェイスブックなどの企業のサーバーに直接アクセスしていた――は、当のインターネット企業がNSAの文書を真っ向から否定、PRISMなんて聞いたこともないと主張したことをあわせて報じたこともあって、第1弾を大きく超える反響を巻き起こしました。そして、三本目、四本目と暴露記事が続き、ついにスノーデンの正体を明かす瞬間がやってきます。引用します。〈六月九日、日曜日、アメリカ東部時間の午後二時、スノーデンの正体を世界に知らせる記事が〈ガーディアン〉のホームページに掲載された。〝エドワード・スノーデン──NSA監視活動の内部告発者〟。冒頭にはローラが編集した十二分の動画が組み込まれ、本文はこのように始まった。「アメリカの憲政史上最大級の内部告発を実行した人物、エドワード・スノーデン、二十九歳。CIAの元技術アシスタント、現在はNSAの業務請負い企業〈ブーズ・アレン・ハミルトン〉社に勤務」。スノーデンの経歴と動機を紹介するとともに記事はこう続く。「ダニエル・エルズバーグ(引用者注:1971年にベトナム戦争に関する極秘報告書ペンタゴンペーパーの執筆者の一人で、その全文コピーをニューヨーク・タイムズ記者に手渡した)やブラッドリー・マニング(引用者注:内部告発サイト「ウィキリークス」に多数の機密文書を提供)と並び、スノーデンは合衆国史上最も影響力を持つ内部告発者としてその名を歴史に残すだろう」。〉スノーデンは、ホテルの一室で著者たちとインタビューを始める前に、著者の携帯電話を冷蔵庫に入れるように要求します。FBIが遠隔地から個人の携帯電話を起動させて盗聴器として使うことはすでに合法捜査として認められているそうですが、このローヴィング・バグから身を守るには、バッテリーを抜くか、冷蔵庫に入れるしかないというのです。驚くべきIT世界の現実。私たちにとってもけっして対岸の火事ではありません。ゾッとするような世界の現実を暴露した、必読の書です。(2014/7/25)
  • 参考になった 2

オススメ特集

一覧を見る

ここもチェック!

コンテンツについて

  • この商品は紙書籍ではありません。すぐにご覧いただける電子書籍です。
  • デジタルコンテンツのため、商品の性質上、返品できません。
  • 紙書籍とは内容が異なる場合がございます。また、サイトに表示されているサムネイルと電子書籍の表紙画像が異なる場合がございます。予めご了承下さい。
  • 対応デバイスに記載されていない端末は、購入できても読書はできません。ご注意下さい。
  • Mac OS X 10.5/10.6をご利用で最新版のebi.BookReaderがご利用できないお客様は、サイトの表記でMacが利用可能端末となっていてもリフロー書籍が読書できません。ご了承下さい。
  • Android OS 5.0以上でebiReaderをご利用のお客様は、サイトの表記でAndroidが利用可能端末となっていても一部のリフロー書籍が読書できません。ご了承下さい。