書籍の詳細

一瞬の閃光に街は焼けくずれ、放射能の雨のなかを人々はさまよい歩く。原爆の広島――罪なき市民が負わねばならなかった未曾有の惨事を直視し、“黒い雨”にうたれただけで原爆病に蝕まれてゆく姪との忍苦と不安の日常を、無言のいたわりで包みながら、悲劇の実相を人間性の問題として鮮やかに描く。被爆という世紀の体験を、日常の暮らしの中に文学として定着させた記念碑的名作。野間文芸賞受賞。

総合評価
4.0 レビュー総数:1件
評価内訳
  • 0件
  • 0件
  • 0件
  • 0件

黒い雨(新潮文庫)のレビュー一覧

絞込み条件
  • レビュアー絞込み
表示形式
  • 表示件数
  • 表示順
  • 読みにくいのが難点かな?
    続けて原爆書籍を。こちらも新潮文庫書籍版からのレビューです。
    文学作品としての名作と評される逸品です。
    基本的には「原作本」にあたる手記があり、それにもう二・三伝聞を付け加えたのがこの作品です。
    生々しい被爆手記から起こされていて、文字通り「キノコ雲の下の世界」をつまびらかに描いています。
    (正確には爆発が起こったあとから入市しているが)
    展開は事後回想で、落ち着いた戦後の郊外(注)で話が繰り広げられてることになるので、実を言うと舞台が行ったり来たりと忙しなく、また文章表記が文学作品と言う事で正直昭和後期世代の自分でさえ注意しないと間違えそうな名称などもあって読み通すのに骨が折れる人は居るかも。
    (注~舞台は単に「小畠」とだけ書かれてるが、昭和合併前の広島県神石郡の中心地小畠村)
    そしてこの話、結末というモノがハッキリしないので、物語を追いたい人にとってもモヤッとしてしまうかも知れません。
    そこを差し引いても、被爆下で立ち回った市民の記録は生々しく、伝承の価値は重いです。
    • 参考になった 1
    投稿日:2016年08月11日