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二号は一見本妻風、模範警官がギャング……。ひと皮むくと、なにがでてくるかわからない複雑な現代社会を鋭く描く表題作など全11編。

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おみそれ社会のレビュー一覧

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  •  上質な小咄が11編並んだ感じのする、星新一のショートショート傑作集です。人の思いこみや「常識」が、どれほどバカバカしいものか、人の行動や言葉には表と裏があって、「じつは・・・・・・」という話は思いっきり眉に唾してきかなければならないなぁ、と妙に納得してしまいます。
     若く美人のバーのマダムをざーます言葉連発でやっつけている中年の婦人――2号さんのところに夫人が怒鳴り込んだものと思ったら、じつは反対でバーの美人ママが奥さんで、怒鳴り込んだ中年婦人が2号だったという、表題作「おみそれ社会」の逆転ぶり、常識的見方が次々にひっくり返されていくストーリー展開は言うまでもなく面白いのですが、じつは「女難の季節」「ねずみ小僧六世」「はだかの部屋」の3編が私のお気に入りです。いずれも言葉巧みに相手を誘い込み、迷わせ、行動に駆り立てておいて、最後には仰天の結末が待っているという趣で、ほんとの話だったらこわいなーと思いつつ、思わず笑ってしまうような、独特の味わいがあります。
    「女難の季節」では社長の娘との縁談が持ち上がっているエリート青年社員、「ねずみ小僧六世」では銀行の支店長、「はだかの季節」では豪華マンションの留守番役を頼まれた甥。この3人の男たちが陥った同情すべき状況。明日は我が身かもしれませんよ。(2010/06/11)
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    投稿日:2010年06月11日