星新一

新潮社

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(5.0)

投稿日:2016年10月26日

冷たいのにやさしい

なぜ今更と思いながら時々無性に読みたくなるのです。星新一、ショートショート。
教科書に載っていた「おーい、でてこーい」。日本SF界二大巨塔と言えばまあ小松左京氏と星新一かなとか。エヌ氏と言えば酒造会社のCM。表面的な情報はパッパッと思い出せます。
作風として、人間の愚かさ浅ましさ、社会の虚しさ、人間や社会というものを、すごくニヒルに突き放して見ているような印象は、しばしば星新一氏の経歴に絡めて語られたりしているようですが。
星薬科大学の創立者の一族、星製薬の御曹司でありながら、経営が傾いたために後継者として債鬼に追われ、人の裏や嫌な面も散々見たのでしょう、作家として一流になる前は、筆舌に尽くしがたい辛酸を舐めることになられたとか。
でも、私は愚かさ浅ましさ虚しさを描いているようで、そんな人間と社会に対する作者のやさしい視線も感じるのです。
アイデアや発想の秀逸さや結末の意外性もさることながら、見捨てたり、単に私噴をぶつけてるだけの浅い物には感じません。
SFは荒唐無稽と見られがちですが、例えば100年先の未来、社会の行く末を見通すような本質的なところがあって結構好きです。今は現実がフィクションに追いつくのが速すぎるなあという気もします。
何より、短編は隙間時間や寝入りばなに読みやすいし、作者の力量がダイレクトに出やすい気がします。自分にとって新しい作家さんの小説を読むときは、時系列とは限らず、短編があれば必ず短編を読んでから長編を読むことにしています。
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