上役のいない月曜日

500円 (税別)

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「月曜の朝」は「最低の気分」と同じ意味。あーあ、今日からまた仕事だよ。ところが、ある月曜日、出社してみると、うるさい上司たちはなんと全員が会社を休んでいた。最高の月曜日だ!十年に一度の珍事に喜んだのも束の間、クレーマーに不倫に事故!次から次へと難題が起こり……。表題作のほか、「花束のない送別会」「禁酒の日」「徒歩十五分」「見えない手の殺人」と、平凡なサラリーマンが思わぬ事件に巻き込まれる五つの短篇を収録。

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「月曜の朝」は「最低の気分」と同じ意味。あーあ、今日からまた仕事だよ。ところが、ある月曜日、出社してみると、うるさい上司たちはなんと全員が会社を休んでいた。最高の月曜日だ!十年に一度の珍事に喜んだのも束の間、クレーマーに不倫に事故!次から次へと難題が起こり……。表題作のほか、「花束のない送別会」「禁酒の日」「徒歩十五分」「見えない手の殺人」と、平凡なサラリーマンが思わぬ事件に巻き込まれる五つの短篇を収録。

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イーブックジャパンの人気小説の一つ「三姉妹探偵団シリーズ」や「三毛猫ホームズシリーズ」、「セーラー服と機関銃」など多くのベストセラー、ロングセラー作品で知られる赤川次郎のユーモア小説の傑作が、今回紹介する『上役のいない月曜日』です。五つの作品を収録した短編集ですが、もともとは『幽霊列車』でオール読物推理小説新人賞を受賞して1976年に作家デビューを果たした赤川次郎が3年後の1979年に「週刊文春」に連載した小説を集めた本で、表題作と『徒歩十五分』、『禁酒の日』の三作品が第83回直木賞候補になっています。受賞したのは向田邦子、志茂田景樹で、赤川次郎については選考委員の源氏鶏太が「三作のうち、『徒歩十五分』がいちばんよかったのだが、何としても軽過ぎた」と評していますが、以降、赤川次郎は「軽い」作風を武器に大ヒットを連発、大多作作家になっていったのはご承知の通りです。人気ミステリーとはひと味もふた味も違う味わいの短編集『上役のいない月曜日』は、働くサラリーマンやOLの悲哀や日常の出来事をユーモアにくるんで軽いタッチで描く、もう一つの赤川次郎の世界の原点となった作品です。とくに表題作――「上役のいない月曜日」という設定がいい。赤川次郎は作中でこんな会話をさせています。〈「土曜の夜と日曜の朝」という映画があった。これが一日ずれて、「日曜の夜と月曜の朝」となると、「最低の気分」の同義語になる。だが、この日ばかりは――「最高の月曜だなあ!」長谷川はゆっくりお茶をすすった。「偶然とはいえ、珍しいですね」と寿子が言った。「十年来初めてだよ! こういう時に羽をのばさなきゃな」「何かあったらどうします?」「何か、って」「課長の決裁を仰ぐようなこと・・・・・・。その時は誰が代理するんですか?」「さあね、課長と名の付く人が一人でも来てればともかく、誰もいないとなるとね・・・・・・。でも大丈夫さ。何もあるはずないよ」〉休暇や急な病気などですべての課長が不在となった月曜日朝のオフィス。おまけに社長からも「頭痛がするから休む」と電話連絡があったから、管理職全員が不在という事態。典型的なサラリーマンとOLがお茶をすすりながら、上司のいない気楽な気分に浸っている時、電話が鳴った。「M文具を告発する会」の会長を名乗る女性からで、「いまからお伺いする」とだけ告げて、すぐに電話は切られた――この電話を合図にしたかのように、「最高の月曜日」は文字通り「とんでもない一日」に一変していきます。上役のいない日に限って次々と起こる「とんでもない出来事」に困惑する社員、OL。「とんでもない出来事」が重なり合って事態をさらに混沌とさせていくあたり、サスペンス風ドキドキ感もあって楽しませてくれるのですが、ここではトラブルの詳細にはふれません。ただ、窮地に追い込まれた時に、しぶとく、頼りがいのあったのはOLたちで、男はどこか逃げ腰で、責任逃れのホンネが見え見えなところは、いかにも赤川次郎らしい風刺が効いています。直木賞候補作の表題作を始め、信じられないほど贅沢三昧の九州出張を終えて帰社したら、自分の席に見知らぬ男が座り、自分は辞表を出して退社したことになっていた――30歳のサラリーマンを襲った不可解な出来事の顛末を描く『花束のない送別会』、公団の分譲住宅に引っ越した翌日、つまり新居からの初出勤の日、偶然出会った隣人の車に同乗したため、帰宅時に駅から徒歩15分が不案内で団地内を歩き回り、住民の思わぬ事件に巻き込まれて午前4時に帰宅するまでを描いた『徒歩十五分』(表題作とともに直木賞候補作にあげられた)、やはり直木賞候補作の『禁酒の日』、そして『見えない手の殺人』の5つの短篇を収録。いずれもサラリーマンの日常を風刺の効いた切り口で描く秀作です。(2012/4/27)
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