日中食品汚染

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食料の6割を輸入に頼る日本。その14%が中国産です。PM2.5の降り注ぐ大地で基準値オーバーの農薬にまみれて育った野菜、抗生物質を投与された豚肉、規制をすり抜けて流通する遺伝子組み換え食品――。問題は、これらがエキスやスープの素となり、「原産国不明」の加工食品として輸入されていることです。現地では、ガンや先天性異常との関係も指摘されています。厳格といわれる日本の規制も実は穴だらけ。もはや「中国産」という表示を避けるだけでは安心できません。中国の農業研究に40年携わってきた著者が、日本の食にも汚染が浸透している実態に迫ります。

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食料の6割を輸入に頼る日本。その14%が中国産です。PM2.5の降り注ぐ大地で基準値オーバーの農薬にまみれて育った野菜、抗生物質を投与された豚肉、規制をすり抜けて流通する遺伝子組み換え食品――。問題は、これらがエキスやスープの素となり、「原産国不明」の加工食品として輸入されていることです。現地では、ガンや先天性異常との関係も指摘されています。厳格といわれる日本の規制も実は穴だらけ。もはや「中国産」という表示を避けるだけでは安心できません。中国の農業研究に40年携わってきた著者が、日本の食にも汚染が浸透している実態に迫ります。

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書店員のレビュー

1989年11月にベルリンの壁が開放されて2年あまりたった1991年4月、東ベルリンを訪ねました。その頃、所属していた雑誌で、終焉した社会主義経済の意味を捉えなおしてみようという企画が通って、ある国立大学の経済学教授と二人でヨーロッパの研究者へのインタビュー取材が目的でした。今週紹介する本書『日中食品汚染』(高橋五郎著、文藝春秋刊)のある言葉が目にとまったとき、教授と二人で昼食をとっていた時の記憶がまるで昨日のことのように甦りました。東ベルリン中心部の小さなレストラン。私たちの他には誰もいない静かなレストランは、東ドイツ時代は“党幹部専用”だったとかで、その店に長いウエイターは、私たちに、ドイツ社会主義統一党(SED)最後の書記長ホーネッカーお気に入りだったという赤ワインを出してくれました。20年以上も前のその豊かな味わいをふいに思い出させた言葉は――「特供食品」です。〈中国には政府や共産党の指導者向けの食品「特供食品」がある。当初は中央政府の高級官僚だけが食べていた安全な食品を指すことが多かったが、その後、省やその下の地方幹部までが真似るようになり、庶民の批判の的になった。最近、習近平は政府や党幹部が豪華な宴会をしたり贅沢な中華料理を食べることを慎むよう号令を出したとされ、この特供食品制度についても意識しているふしがあるが、全面的に止めることは難しいだろう。かわいそうなのは、何も知らないでいる一般庶民だ〉社会主義国家における一党独裁体制の病理というべき党官僚の特権階級化を示す「ホーネッカーの赤ワイン」。旧ソ連・東欧が崩壊して四半世紀が過ぎ去りましたが、東アジアの一隅、中国では今も、特権階級化した党や政府の高級幹部だけが「安全な食品」を食べていて、何も知らされない一般庶民は危険この上ない汚染食品を日々の糧にしている現実があるという。著者の愛知大学現代中国学部・高橋五郎教授は千葉大学大学院自然科学研究科博士課程修了の農学博士で、専門は現代中国の経済問題、特に農村経済・食料問題。中国を中心に40年にわたって海外農村調査を行ってきた高橋教授は、もはや私たち日本人も中国食品の危険性から逃れられないという。いや、そんなことはない、日本には厳格な輸入規制があって食品の安全性は水際で保たれているはずだと考えている人もいると思います。私自身、どちらかといえばそう思ってきました。また「中国製」と表示されている食品は買わないようにしている人もいるでしょう。それなら安心かというと、そうではない――高橋教授はそう断言しています。書名が『中国食品汚染』ではなく、『日中食品汚染』となっている意味もその点にあるというわけです。問題点は多岐にわたります。中国農業の行われている環境――土壌の汚染、水資源の汚染、大気汚染に始まり、農薬、肥料、さらに食品加工の際の添加物問題などなど、子細に見ていけば、これが人の食べる食品なのかという暗澹たる思い、不安が膨らんでいきます。なかでも形になって見えない食品添加物の問題は不気味です。その一端を見ていきましょう。〈日本では875種類(2014年現在。天然香料を除く)の食品添加物が認可されているため、それ以外は違法となるのが原則だが、中国で認可されている食品添加物は1802種類以上だ。この種類の多さと輸入額からしても、日本では認可されていない食品添加物が入ってくる可能性が高いことはおわかりだろう。(中略)
 何よりも、世間で危険性があるとされている食品添加剤が、政府公認のリストに多数含まれていることが不安を増幅させている。ほんの一例だがサッカリン(18種類)、チクロ(18種類)、グルタミン酸ナトリウム(1種類)、BHT(13種類)、BHA(11種類)アセスルファムカリウム、キシリトール(7種類)など、発ガン性や危険因子を持つと指摘されている化合物が載っている。また安息香酸、ソルビン酸、着色料のタートラジン、サンセットイエロー、カルミン、アマランサス、ライトブルー、甘味料のアセスルファムカリウムなどは、中国でも最も危ない食品添加物として敬遠されているにもかかわらず、市販されている。これらの化合物の一部または全部を使っている食品添加物の数を中国政府の資料(国務院食品安全委員会資料)から調べたところ、はっきりと使ってはいけないリストに挙げられている食品添加物が47、あまり頻繁に使ってはならないものが22あった(具体名は略す)〉食品添加物の生産量は年々増加しています。輸入される加工食品にも大量に使用されているわけですが、その実態は視(み)えにくい。高橋教授はそれこそが問題なのだといいます。〈表2(引用者注:トウバンジャン、唐辛子ペースト、カキエキスパウダー、コンブエキスパウダー・・・・・・と、50あまりの食品名が並んでいます)は、2つの日本企業が中国から輸入した食品のうち、ペーストやパウダー(粉末)の一例を示したものだ。ここから主な原材料はわかるが、加工過程で使われた添加物や危険な農畜産物が混じっているかどうかはまったく不明だ。日本の食品表示法では加工食品の原材料は全体に占める量が多い方から上位3番目まで記せばよく、5%未満であれば表示する必要がない。典型的なザル法といわれている所以(ゆえん)である。たとえば100グラムの大豆パウダーに5グラム未満の遺伝子組換え大豆の粉を混ぜていても、それを表示する義務はない。重さであって質ではないので、劇薬の農薬DDT(ジクロロジフェニルトリクロロエタン、有機塩素系殺虫剤)で汚染された4グラムの大豆の粉も隠れてしまうことがある。パウダーやペーストはこうした危険性を伴う食品の形態であり、汚染の隠れみのともなる〉食品表示法の穴をつく形で、原材料として表示されない問題食品や添加物が私たちの食卓に入り込んでいるというわけです。最近、スーパーでよく見かけるようになった食品に「ちゃんこ鍋の素」「カキと豆腐の鍋の素」「いなか芋煮の汁の素」「自家製ラーメンの素」「鶏がらだし汁」などと銘打って、やや固いビニール袋に入ったスープがあります。また粉末状のワカメ汁の素や昆布スープの素の入った小袋もあります。ここにも危ない食品の罠がひそんでいるという。〈これらの袋の白抜きのスペースには、食品表示法の規定による成分表示がある。必ずといっていいほど、そこには牛肉エキス、豚肉エキス、チキンエキス、卵エキス、野菜エキス、果物エキス、キノコエキス、昆布エキス、ワカメエキス、魚介エキス、エビエキス、カニエキス、酵母エキスなど正体不明の食品が記されている。これらのエキス類は、食品を構成する最末端、モジュールの「種」の部分に位置する。この「種」の下に位置するのは糖分や塩分、各種のビタミン類で、それはもはやモジュール食品の枠の外だ。さまざまな家畜や野菜、魚や果物の名が付いたエキスのほとんどは粉末状の製品として流通している。たとえばA社の酵母エキスは粉末1キログラム入り10袋が流通の最少単位だ。だから中国やその他の国から輸入しても荷造りや運賃は安くつく。税関を通過して、国内の食品メーカーの加工工場に到着してからスープやだし汁として液体化すればよい。メーカーにとってこんなに便利で効率的な食品はないだろう〉安部司著の2冊『食品の裏側―みんな大好きな食品添加物』『食品の裏側2 実態編―やっぱり大好き食品添加物』(いずれも東洋経済新報社刊)も併せてお読みください。(2014/6/13)
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