掏摸

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東京を仕事場にする天才スリ師。ある日、彼は「最悪」の男と再会する。男の名は木崎、かつて仕事をともにした闇社会に生きる男。木崎は彼に、こう囁いた。「これから三つの仕事をこなせ。失敗すれば、お前を殺す。逃げれば、あの女と子供を殺す」――運命とはなにか、他人の人生を支配するとはどういうことなのか。そして、社会から外れた人々の切なる祈りとは……。その男、悪を超えた悪――絶対悪VS天才スリ師の戦いが、いま、始まる!!

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東京を仕事場にする天才スリ師。ある日、彼は「最悪」の男と再会する。男の名は木崎、かつて仕事をともにした闇社会に生きる男。木崎は彼に、こう囁いた。「これから三つの仕事をこなせ。失敗すれば、お前を殺す。逃げれば、あの女と子供を殺す」――運命とはなにか、他人の人生を支配するとはどういうことなのか。そして、社会から外れた人々の切なる祈りとは……。その男、悪を超えた悪――絶対悪VS天才スリ師の戦いが、いま、始まる!!

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書店員のレビュー

中村文則さんの小説を読むのは、恐ろしい体験です。作品には、ふだん無意識的に見過ごしてしまっている世界の残酷な現実、そして人間の内面の奥の奥が描かれています。目にはみえないけれど確かに存在する裏の世界。一度とりことなってしまえば、元の意識を保つことはできなくなるのではないか。そんな恐怖を感じながらも、作品の持つ強烈な吸引力に負けるように、読み進めてしまうのです。

私が初めて読んだのは、芥川賞を受賞した『土の中の子供』でした。続けて、『悪意の手記』『遮光』『銃』と遡って読み進め、心を鷲掴みにされてしまいました。なんて暗いんだろう。そして、その暗さが、なぜ自分の琴線に触れるのか……。その事実に、ものすごく戸惑いました。戸惑った挙句、しばらく中村さんの作品から遠ざかってしまっていました。

久しぶりに読んだ中村さんの作品が、『掏摸』です。大江健三郎賞を受賞し、英訳『The Thief』は、アメリカでも高く評価されました。そして、アメリカのデイビッド・グーディス賞の受賞や、本屋大賞にノミネートされた『去年の冬、きみと別れ』、「読書芸人」で火がついた『教団X』などによって、日本のみならず世界中に、中村文則ファンが爆発的に増えていきました。中村さんの作品に魅力を感じる人が、これほど多く存在することがわかり、私はとてもうれしくなりました。

本書『掏摸』は、中村さんの8冊目の小説です。初期作品の圧倒的な暗さとパワーはそのままに、巧みな設定と鮮やかな場面展開、登場人物の強烈なキャラクター、濃密で簡潔な文体を兼ね備え、文庫版で180ページほどの短い作品ですが、深くて面白い、ものすごい小説です。

天才的な掏摸師の「僕」が主人公。掏摸仲間の石川の縁で、木崎という闇社会に生きるヤバイ男に出会います。この男は、「僕」が以前関わっていた犯罪グループの、ずっと上にいる男で、まさに絶対的な悪を体現した存在でした。彼にとって、圧倒的な力によって他人の運命を支配し、そして絶望の淵に追い込むことは、この上ない快楽でした。一方で「僕」は、売春婦の母に万引きを強要される男の子に出会います。人は、生まれた場所によって運命が規定されてしまう現実に直面し、その子に自分の子ども時代を重ねます。

木崎は「僕」に三つのヤバイ仕事を要求します。失敗したら「お前が死ぬ」、引き受けなければ「あの親子を殺す」――。人の運命を支配しようとする木崎と、残酷な運命に抗う「僕」。各シーンはすべて研ぎ澄まされた文体で描写されていますが、特に、木崎が自らの世界観を語る場面、「僕」が男の子に掏摸の技を教えるシーン、そして、木崎からの実現不可能な要求に圧倒的な掏摸の技術でこたえていく際の緻密な描写は、圧巻です。

運命とは何か、自由とは何か? 天才掏摸師と絶対悪との戦いから目が離せません。中村文則作品を初めて読むという方にもオススメの傑作です。
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